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連載 - バールの少女-04

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バールの少女 04


夕間暮れのなか、小塚はライダーと共に秋祭りの会場へやって来た。
やって来る事が出来た、と言うべきか。今は占いのテントを探すべく奔走しているのだが――。

この町にやって来た時に遭遇した「良く分からない」黒服の男達。
小塚とライダーは、その周囲を黒服の男達に囲まれていた。
そんな状況でも黒服の侵入を許さず、思い通りに前進出来るのは
小塚の持つ「バールのようなもの」の能力の為だった。
このバールを拾ったのも、首なしライダーと出会ったのも、全て成り行きだった。
『コズは、何かあったらすぐに視野が狭くなっちゃうから』
友達にそう指摘された事を思い出す。
しかし、そんな状況でもここまでやって来る事が出来た。ここまで幸運が重なった。
何とかなる、と思っていた。

みしみしと。何かが軋む音が聞こえる。手に持っていたバールの震動もそれに伴って弱くなってくる。
「コヅカちゃん、音がさっきより大きくなってるみたいだけど」
「どうしよう……」
『理屈じゃない』。学校町で起こっている「異常」を全て直感で捉えていた彼女には
バールの能力で展開される結界の状態も感覚的に分かっていた。
結界が破れるまでの時間は、あとわずかだという事に。

『小塚、学校町に行こうなんて考えちゃいないでしょうね?』
シルバーウィークに入る前、友達に学校町へ行ってはいけないと止められた。
『妊娠しようなんて……そんな、馬鹿な事、絶対にダメ!!』
友達の言った事は、よく分かる。でも、でも私は――。
友達にウソついて、旅行に行く両親を説得して、一人だけ残った。学校町に行くために。
めーちゃんを、助けるために。
もしかしたら、妊娠しなくても、この首なしライダーさんが、助けてくれるんじゃないかと。
そんな考えがチラリとはしる事もあった。なのに。

「あれ、黒服が途絶えた」
ライダーの言う通り、唐突に前方が開けた。
「ら、ライダーさん。あれ……」
小塚は前方を指さす。示す指が震える。
「ウソだろ、おい」
ライダーは前方にあるソレを見て絶句した。

数メートルほど離れた先に、盾を構えるグー○ィーが、仁王立ちになっている。

小塚の手に伝わるバールの震動が、ガクンと弱くなった。
(そんな、ここまで来て……こんな)
唇が震えだす。辺りを見回しても、先程途絶えた筈の黒服が再び囲みだした他は何も見えない。
一瞬、仮設トイレが近くに設置されているのが見えたが、黒服の影によって隠れてしまった。
(ゴメンね、めーちゃん、カエちゃん)
少女の目に、じわりと涙が浮かんだ。
(私、もう、駄目かもしれない)



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