ラノロワ・オルタレイション @ ウィキ
mother
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mother ◆UcWYhusQhw
「………………起きねぇ……」
深い溜め息と共にそう男が呟いた。
男の名前は榎本。
榎本は髪を掻きながら目の前に眠りこけている女を見つめる。
男の名前は榎本。
榎本は髪を掻きながら目の前に眠りこけている女を見つめる。
「……眠り姫か、あんたは」
榎本は忌々しく呟く。
その金髪の女は飛行機のコクピットで深い眠りに落ちていた。
とりあえずこの生き残りゲームから脱出を考えた榎本は脱出する手立てを見つける為にこの眠り姫から情報を聞き出そうとしたのだ。
だが、一向に起きる気配が無い。
榎本も起こす為に色々やったのだ。
体を揺すったり、耳元で叫んだり。
が、返ってくるのは寝言だけ。
それを榎本はかれこれ30分ぐらいはやった気がした。
その金髪の女は飛行機のコクピットで深い眠りに落ちていた。
とりあえずこの生き残りゲームから脱出を考えた榎本は脱出する手立てを見つける為にこの眠り姫から情報を聞き出そうとしたのだ。
だが、一向に起きる気配が無い。
榎本も起こす為に色々やったのだ。
体を揺すったり、耳元で叫んだり。
が、返ってくるのは寝言だけ。
それを榎本はかれこれ30分ぐらいはやった気がした。
「……いい加減、時間が勿体無いな」
舌打ちをしながら頭を抑える榎本。
一向に成果が出ないこの行動に段々苛立ってきたのだ。
30分近くの時間の無駄使いが腹立たしくもなってきており地面を蹴る。
こんな所で悠長に時間を潰している余裕など無いのだ。
早急に伊里野と浅羽を見つけ合流しなければならない。
今、こうしている間にも危険が彼らに迫っているかもしれないのだ。
そういった焦りが苛立ちをよび榎本を片手で頭を抑える。
一向に成果が出ないこの行動に段々苛立ってきたのだ。
30分近くの時間の無駄使いが腹立たしくもなってきており地面を蹴る。
こんな所で悠長に時間を潰している余裕など無いのだ。
早急に伊里野と浅羽を見つけ合流しなければならない。
今、こうしている間にも危険が彼らに迫っているかもしれないのだ。
そういった焦りが苛立ちをよび榎本を片手で頭を抑える。
「……どうする?」
目の前には未だに目を醒まさない眠り姫。
彼女がおきるのを待って何かしらの情報が得て、それが脱出にプラスになるようならそれでいい。
しかし、もし大した事もない情報だったら単なる時間潰ししかならない。
彼女が有能かどうかの判断は……見れば解っている。
こんな所で眠りこける様なら先が知れていると冷酷に榎本は判断し考える。
彼女がおきるのを待って何かしらの情報が得て、それが脱出にプラスになるようならそれでいい。
しかし、もし大した事もない情報だったら単なる時間潰ししかならない。
彼女が有能かどうかの判断は……見れば解っている。
こんな所で眠りこける様なら先が知れていると冷酷に榎本は判断し考える。
彼女が起きるのを待つか、それとも置いてここから立ち去るか。
こんな所に一人で寝ている女を置いていたらどうなるだろうと榎本は考える。
だが、榎本は自身の周囲をぐるっと一周、考えながらゆっくりと回って
こんな所に一人で寝ている女を置いていたらどうなるだろうと榎本は考える。
だが、榎本は自身の周囲をぐるっと一周、考えながらゆっくりと回って
「悪いな」
そして決断をした。
それは彼女を置いておく事。
本人も気付かない焦りからの選び取った選択だった。
時間が無い。
そう思ってしまったから。
それは彼女を置いておく事。
本人も気付かない焦りからの選び取った選択だった。
時間が無い。
そう思ってしまったから。
榎本はやや気を悪くしながらも眠り姫のデイバックを彼女の前に置く。
それが最低限の榎本の妥協。
放置する彼女に出来る事だった。
何もないよりましだろうと思って。
しかしちゃっかりと支給された武器を貰っていったのだが。
大きな収穫と言えばベレッタM92とカノンという名のリボルバー。
カノンの方は寝ている彼女のものだったのだが。
後は榎本がそれなりに役に立ちそうなのと思ったものがはいっていた。
一つだけお笑い芸人が使うような白い大きなハリセンが入ってそれは彼女のデイバックにいれたままだった。
役にも立たないと榎本が判断したからだ。
それが最低限の榎本の妥協。
放置する彼女に出来る事だった。
何もないよりましだろうと思って。
しかしちゃっかりと支給された武器を貰っていったのだが。
大きな収穫と言えばベレッタM92とカノンという名のリボルバー。
カノンの方は寝ている彼女のものだったのだが。
後は榎本がそれなりに役に立ちそうなのと思ったものがはいっていた。
一つだけお笑い芸人が使うような白い大きなハリセンが入ってそれは彼女のデイバックにいれたままだった。
役にも立たないと榎本が判断したからだ。
「じゃあ……すまん」
そう、未だに眠りこけている彼女に呟き榎本は出口に向かって歩き出す。
仕方ない、そう呟きながら。
そう、仕方ないのだ。
ゆっくりしてる暇がない。
今は何よりも伊里野達を優先べきなのだ。
そう思いつつ、ただ歩く。
仕方ない、そう呟きながら。
そう、仕方ないのだ。
ゆっくりしてる暇がない。
今は何よりも伊里野達を優先べきなのだ。
そう思いつつ、ただ歩く。
だが。
「………………おれのあほが」
立ち止まり、彼女に支給されていた拳銃、カノンとその予備弾が入っている袋を彼女が寝ている先に向かって投げる。
その直後、鈍く重たい音が響いた。
榎本は振り返らずそのまま出口に向かって走り出す。
その直後、鈍く重たい音が響いた。
榎本は振り返らずそのまま出口に向かって走り出す。
榎本が銃を投げた理由。
気まぐれか、それとも罪悪感が。
それは誰にも分からないけど。
走り出した榎本の顔は何処かはれていた。
気まぐれか、それとも罪悪感が。
それは誰にも分からないけど。
走り出した榎本の顔は何処かはれていた。
格納庫から出て榎本は空を見る。
未だ暗く先が見えない。
そして探すべき人達を思い出し大きく溜め息をつく。
こうしなければいけなかった元凶に対して文句を言うように。
そして探すべき人達を思い出し大きく溜め息をつく。
こうしなければいけなかった元凶に対して文句を言うように。
「浅羽のあほが……」
そう、ごちる。
そんな彼の上でただ、星が輝いていた。
UFOも見えない空で。
星だけが輝いていた。
【B-6/西部/一日目・深夜】
【榎本@イリヤの空、UFOの夏】
[状態]:健康
[装備]:ベレッタ M92(16/15+1)
[道具]:デイパック×1、べレッタの予備マガジン×4支給品一式ランダム支給品1~3(確認済み)
[思考・状況]
1:浅羽、伊里野との合流。
2:水前寺を見つけたらある程度裏の事情をばらして仲間に引き込む。
(いざとなれば記憶はごまかせばいい、と考えているためにかなり深い事情までばらしてしまう可能性があります)
3:できるだけ殺しはしない方向で
[備考]
※原作4巻からの参戦です。
※浅羽がこちらの話を聞かない可能性も考慮しています。
[状態]:健康
[装備]:ベレッタ M92(16/15+1)
[道具]:デイパック×1、べレッタの予備マガジン×4支給品一式ランダム支給品1~3(確認済み)
[思考・状況]
1:浅羽、伊里野との合流。
2:水前寺を見つけたらある程度裏の事情をばらして仲間に引き込む。
(いざとなれば記憶はごまかせばいい、と考えているためにかなり深い事情までばらしてしまう可能性があります)
3:できるだけ殺しはしない方向で
[備考]
※原作4巻からの参戦です。
※浅羽がこちらの話を聞かない可能性も考慮しています。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
時間は少し遡り榎本が銃を投げた時の事。
その銃の袋のはそれなりのスピードを保ちながら眠っている女に向かっていく。
その銃の袋のはそれなりのスピードを保ちながら眠っている女に向かっていく。
「………………っ!?」
それは鈍い音と共に彼女の眠る飛行機のコクピットに。
そして暫くの静寂。
だが榎本が完全去った後むくりと冬眠から醒めた熊の起き出す彼女。
何故か額を抑えながら不審げに辺りを見回し、そして
そして暫くの静寂。
だが榎本が完全去った後むくりと冬眠から醒めた熊の起き出す彼女。
何故か額を抑えながら不審げに辺りを見回し、そして
「………………………………うー」
低い呻き声。
生気の無い顔でもう一度当たりを見回して長い金髪を無造作に掻いて天井をみる。
生気の無い顔でもう一度当たりを見回して長い金髪を無造作に掻いて天井をみる。
「知らない……天井だ」
そう呟きもう一度コクピットの所で寝ようとする。
が、
が、
「………………うー…………うー?………………あー」
低い呻き声を出し何かを思い出したように顎に手を当てた。
思い出すのはあの男の言葉。
そして、それを思い出した瞬間彼女の顔に急速に生気が溢れ始める。
思い出すのはあの男の言葉。
そして、それを思い出した瞬間彼女の顔に急速に生気が溢れ始める。
「って……なんでぐっすり寝てるの!? 私!?……あーもう」
スイッチが入り、彼女――アリソン・シュルツ――は目覚めた。
コクピットから飛び起き地面に降りる。
迂闊。
ただ彼女はそれだけを思っていた。
あの男が言ったことは全て覚えている。
それなのに寝過ごしていた。
迂闊としかいえなかった。
コクピットから飛び起き地面に降りる。
迂闊。
ただ彼女はそれだけを思っていた。
あの男が言ったことは全て覚えている。
それなのに寝過ごしていた。
迂闊としかいえなかった。
「一応……軍人なんだけどなぁ」
アリソンは苦笑いを浮かべつつ近くに置いてあったデイバックとコクピットにおいてあったカノンを回収した。
彼女の頭の中には同じく苦笑いを浮かべている最愛の人と愛娘。
はぁとわざとらしく大きな溜め息を付き赤い軍服であるジャケットを羽織りなおす。
アリソン・シュルツは軍人であった。
彼女の世界で東側と呼ばれる「ロクシェ連邦」の新型飛行機のテストパイロットであり階級は大尉であった。
軍規なども割と破ったりもするが腐っても軍人である。
この異常事態に寝過ごすとは本人しては不覚であった。
だが、直ぐにあの男が言った言葉を吟味しアリソンはこの状況について一旦結論付ける。
彼女の頭の中には同じく苦笑いを浮かべている最愛の人と愛娘。
はぁとわざとらしく大きな溜め息を付き赤い軍服であるジャケットを羽織りなおす。
アリソン・シュルツは軍人であった。
彼女の世界で東側と呼ばれる「ロクシェ連邦」の新型飛行機のテストパイロットであり階級は大尉であった。
軍規なども割と破ったりもするが腐っても軍人である。
この異常事態に寝過ごすとは本人しては不覚であった。
だが、直ぐにあの男が言った言葉を吟味しアリソンはこの状況について一旦結論付ける。
「生き残れ……銃と一人しか生き残れない時点で……一人しか生き残れないサバイバルか」
そう、殺し合いであるということを結論づけたのだ。
アリソンはそれを悪趣味と吐き捨てるように言って不快感を露わにする。
元よりアリソンにこれに乗るなど考えることは無かった。
自身は人を守る軍人であり……何より。
アリソンはそれを悪趣味と吐き捨てるように言って不快感を露わにする。
元よりアリソンにこれに乗るなど考えることは無かった。
自身は人を守る軍人であり……何より。
「リリア……ヴィル……王子様もか」
自分の最愛の娘、リリア。
自分が生涯愛すと誓った男、ヴィルがいたのだから。
最もヴィルは偽名であるトラヴァスであったが。
そして、縁が深いイクストーヴァの王子、トレイズ。
この三名が居る時点で殺し合いに乗るという選択肢は有り得ない。
そう、アリソンは母親だったのだから。
そうには見えないほどの美貌だが35歳である。
自分が生涯愛すと誓った男、ヴィルがいたのだから。
最もヴィルは偽名であるトラヴァスであったが。
そして、縁が深いイクストーヴァの王子、トレイズ。
この三名が居る時点で殺し合いに乗るという選択肢は有り得ない。
そう、アリソンは母親だったのだから。
そうには見えないほどの美貌だが35歳である。
「やれやれ……まさか娘まで」
アリソンはまた大きな溜め息を付く。
まさか自身の娘までとは思っていなかった。
リリアは何度も厄介ごとに巻き込まれていることは承知であったが、それでも心配でならない。
しかも今回はリリアにとっての王子様は傍にいるかは分からないのだから。
だが
まさか自身の娘までとは思っていなかった。
リリアは何度も厄介ごとに巻き込まれていることは承知であったが、それでも心配でならない。
しかも今回はリリアにとっての王子様は傍にいるかは分からないのだから。
だが
「……まぁ、あの子なら大丈夫……きっと大丈夫。信じてる」
そう呟き、近くの飛行機を物色し始める。
リリアは持ち前の豪胆さで今まで乗り切っていった。
きっと今回もそうしている。
そう、アリソンは信じて。
リリアは持ち前の豪胆さで今まで乗り切っていった。
きっと今回もそうしている。
そう、アリソンは信じて。
「凄いわね……どんな技術が使われてるのかしら……しかし燃料切れ……か」
飛行機は物色する中でアリソンの世界ではありえないような技術の飛行機が何台もあった。
アリソンはそれに驚くも燃料切れである事にまた溜め息を付く。
どんなに凄くても乗れなければ意味が無いのだから。
そして全部の飛行機が燃料切れであるのを確認する。
アリソンはそれに驚くも燃料切れである事にまた溜め息を付く。
どんなに凄くても乗れなければ意味が無いのだから。
そして全部の飛行機が燃料切れであるのを確認する。
「ちぇ……全部使えないか……残念ー」
そう悔しそうに言う。
これほどの飛行機、アリソンにとっては興味深々だった。
彼女は空を飛ぶのが好きだったから。
そしてそれは
これほどの飛行機、アリソンにとっては興味深々だった。
彼女は空を飛ぶのが好きだったから。
そしてそれは
「リリアもきっとここに来るかしら……?」
娘であるリリアにまで受け継がれている。
だから、リリアはここに来る。
そう、アリソンは何故だが確信できた。
それならば彼女はここで待っているというのも手だったが……
だから、リリアはここに来る。
そう、アリソンは何故だが確信できた。
それならば彼女はここで待っているというのも手だったが……
「リリアが危険な目にあってるかも知れないのに……動かない訳は無いわよ」
リリア達を率先的に探す。
そう決めたのだから。
娘が今も危険に巻き込まれてるかもしれないのにのうのうとまっていることなどできない。
元々待っているなんてじれったいだけだとアリソンは呟く。
彼女はそう、強い『母親』だった。
そう決めたのだから。
娘が今も危険に巻き込まれてるかもしれないのにのうのうとまっていることなどできない。
元々待っているなんてじれったいだけだとアリソンは呟く。
彼女はそう、強い『母親』だった。
「それなら……」
アリソンは思いついたかのようにペンとメモを出しあえて『西側』であるベゼル語で文を書き出す。
それは、リリアとトレイズとヴィルに当てた手紙だった。
もし、ここにきたら彼女達に伝わるようにと。
彼女達なら東側の言葉も通じると知っていたからだ。
それは、リリアとトレイズとヴィルに当てた手紙だった。
もし、ここにきたら彼女達に伝わるようにと。
彼女達なら東側の言葉も通じると知っていたからだ。
「これでよし……っと」
手早く手紙を仕上げ、それを何故かあったロクシェ軍の戦闘機のコクピットにおいていた。
これで自身が居たことを証明できるだろうと思って。
アリソンは大きく伸びをして
これで自身が居たことを証明できるだろうと思って。
アリソンは大きく伸びをして
「よっし、いきますか」
声を張り上げ格納庫から出て行く。
その姿はしっかりとしており。
その姿はしっかりとしており。
かっこいい『軍人』に見え。
そして、
たくましい『母親』のようだった。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「…………」
暗い街をグリーンのセーターを着た20代前半ぐらいの男が歩いていた。
その男はシズと言った。
取りあえず生き残る事を前提に動いていた。
その男はシズと言った。
取りあえず生き残る事を前提に動いていた。
彼の目的は一つ。
帰って復讐を成し遂げるという事。
自身の父親を殺す。
帰って復讐を成し遂げるという事。
自身の父親を殺す。
ただ、それだけを決めていた男が歩いている。
シズは何も思わず空を見上げていた。
思うのは自身に従っていた陸という喋るの犬の事だけ。
彼は何をしているのだろうかと。
自分がいなくなって何をしているのか。
思うのは自身に従っていた陸という喋るの犬の事だけ。
彼は何をしているのだろうかと。
自分がいなくなって何をしているのか。
そう思ったときシズは苦笑いを浮かべる。
陸の事だ、きっと大丈夫だろうと思って。
それに、復讐を成し遂げたら陸は元々独りになる。
それなら変わりもしないか……そう一人呟いてまた歩き出す。
陸の事だ、きっと大丈夫だろうと思って。
それに、復讐を成し遂げたら陸は元々独りになる。
それなら変わりもしないか……そう一人呟いてまた歩き出す。
何もなかった。
ただ、復讐を成し遂げればよかった。
それしか……残されてないだから。
そうシズは思い自嘲気味に笑った時前を歩いている女の人を見つける。
シズが剣に手をかけたと同時に女の人も気付いた様子で近づいてきた。
シズはその彼女に遠くから話しかける。
シズが剣に手をかけたと同時に女の人も気付いた様子で近づいてきた。
シズはその彼女に遠くから話しかける。
「……貴方はこの生き残りに……」
「ううん、脱出したいだけよ。殺さずに、皆とね……貴方は?」
「……俺は生き残る、絶対に。最も殺しには乗らないけどね」
「ううん、脱出したいだけよ。殺さずに、皆とね……貴方は?」
「……俺は生き残る、絶対に。最も殺しには乗らないけどね」
お互いに殺し合いに乗ってない事を確認すると安心したかのように互いに近づいてきた。
そしてシズは彼女に笑みを持って話しかける。
そしてシズは彼女に笑みを持って話しかける。
「俺はシズ……貴方は?」
「アリソンよ、よろしく」
「アリソンよ、よろしく」
そう、朗らかに笑うアリソンに何処か懐かしいのを感じながらもシズは握手をした。
アリソンは変わらず笑っていて。
シズは何故だがその笑みが眩しかった。
アリソンは変わらず笑っていて。
シズは何故だがその笑みが眩しかった。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「取りあえず、互いに脱出の手がかりは……なしか」
「そうだね」
「そうだね」
あれからシズとアリソンは情報交換を始めた。
最も互いに大した情報も持ってないのでアリソンが自身の娘達の事を話しただけなのだが。
互いに情報も大した事を持ってない事を確認し、やがてシズは
最も互いに大した情報も持ってないのでアリソンが自身の娘達の事を話しただけなのだが。
互いに情報も大した事を持ってない事を確認し、やがてシズは
「なら、もう行くよ」
そう言った。
特に情報も無いなら留まっている必要はない。
シズはそう判断したから。
彼の心には復讐しかないのだから。
だが
特に情報も無いなら留まっている必要はない。
シズはそう判断したから。
彼の心には復讐しかないのだから。
だが
「ちょーっと、待って」
「?」
「なんで生き残りたいの?」
「?」
「なんで生き残りたいの?」
アリソンはシズを引き止める。
簡単な質問だけを簡素に伝えて。
シズは至極真っ当に言う。
簡単な質問だけを簡素に伝えて。
シズは至極真っ当に言う。
「生き残りたいと思うのは……普通だろう」
そういって。
胸に秘める復讐心を隠しながら。
だが、アリソンは
胸に秘める復讐心を隠しながら。
だが、アリソンは
「嘘つきね」
冷たくそう言って直後乾いた音が響いた。
「なっ!? それはどこから!?」
シズは驚いたように頭を抑える。
アリソンに叩かれたのだ、ハリセンで、全力で。
アリソンはそれでも目は冷たくシズを睨んでいた。
アリソンに叩かれたのだ、ハリセンで、全力で。
アリソンはそれでも目は冷たくシズを睨んでいた。
「どこからでもいいのよ。シズ。嘘ついてるでしょ?」
「そんなわけない」
「……貴方生きたいといってる割には目が死んでるわよ?」
「そんなわけない」
「……貴方生きたいといってる割には目が死んでるわよ?」
アリソンにそういわれてシズは思わず顔を手で抑える。
目が死んでいる。
何故かその言葉が心を見透かされている様で。
途轍もなく嫌だった。
目が死んでいる。
何故かその言葉が心を見透かされている様で。
途轍もなく嫌だった。
「何が……俺は別に」
「何か隠してるでしょ……いいなさい」
「べつ……いたっ!? 叩く……いたっ!?」
「何か隠してるでしょ……いいなさい」
「べつ……いたっ!? 叩く……いたっ!?」
有無を言わさずハリセンで叩くアリソン。
シズはそのアリソンの横暴に思わず退きながらも
シズはそのアリソンの横暴に思わず退きながらも
「帰って……復讐したいだけだ……その先なんて知らないさ」
そう告げた。
告げるつもりなど無かったのだが。
シズは思ったのだ。
アリソンの眼差しが何処か懐かしいものに見えて。
それは昔……『母親』に見られているような暖かいような眼差しに感じて。
つい、言ってしまった。
告げるつもりなど無かったのだが。
シズは思ったのだ。
アリソンの眼差しが何処か懐かしいものに見えて。
それは昔……『母親』に見られているような暖かいような眼差しに感じて。
つい、言ってしまった。
「ふぅん……」
アリソンはそう呟き考える様に腕を組んで。
やがて
やがて
「寂しいかもよ? 復讐なんて。私が最近体験した中では結局何も残らず失っただけ……そんなものよ?」
諭すように優しく言った。
あやす様に。
正す様に。
そう、静かに。
あやす様に。
正す様に。
そう、静かに。
シズは面食らうもやがて
「……それがどうした? 俺は元々何も残ってない」
「……そうかしら? そうには見えないけど?」
「…………」
「……そうかしら? そうには見えないけど?」
「…………」
反論するもアリソンがじっと見つめてくる。
その眼差しがシズにはどうにも苦手で直視はできない。
自身には何も残っていない。
そう思い続けているのだったから。
それを覆させられるような気がして。
堪らなく嫌だった。
その眼差しがシズにはどうにも苦手で直視はできない。
自身には何も残っていない。
そう思い続けているのだったから。
それを覆させられるような気がして。
堪らなく嫌だった。
だから。
「俺はもう行くよ……」
そのまま振り返って歩き出す。
これ以上アリソンを見てられなかった。
母性溢れるあの目が。
苦手で苦手で堪らなかったから。
これ以上アリソンを見てられなかった。
母性溢れるあの目が。
苦手で苦手で堪らなかったから。
「なら、私は勝手についていくわ。心配だから」
「ついてくるな」
「どうするも私の勝手よ。それこそ私の前を歩かないでちょうだい」
「……くっ」
「ついてくるな」
「どうするも私の勝手よ。それこそ私の前を歩かないでちょうだい」
「……くっ」
シズはそう突き放したはずなのにアリソンが付いてくる。
どんなに言っても付いてくるであろう。
諦めたようにシズは歩き出す。
それをアリソンは後ろから付いていく様に歩き出した。
どんなに言っても付いてくるであろう。
諦めたようにシズは歩き出す。
それをアリソンは後ろから付いていく様に歩き出した。
アリソンがシズを見て思った事。
それは何処か戻れない所に無理して向かっていくようなそんな様子だった。
アリソンはそんなシズを止めたいと思った。
何故か、それはアリソンにも判っていなかったけど。
彼女にある母性がそうさせたかもしれない。
答えは解らないけど。
それは何処か戻れない所に無理して向かっていくようなそんな様子だった。
アリソンはそんなシズを止めたいと思った。
何故か、それはアリソンにも判っていなかったけど。
彼女にある母性がそうさせたかもしれない。
答えは解らないけど。
でも、今アリソンはシズの後ろを静かに歩いている。
そのシズを見つめるアリソンの目は。
確かに
『母親』の様だった。
【B-4/南部/一日目・黎明】
【シズ@キノの旅―the beautiful world―】
【状態】健康
【装備】贄殿遮那@灼眼のシャナ
【道具】デイパック、支給品一式、不明支給品(0~2個)
【思考】
0: 生き残る。
1: 一先ずは脱出を目指す。
2: それが不可能ならば殺し合いに乗る。
3:アリソンは気にしない
【状態】健康
【装備】贄殿遮那@灼眼のシャナ
【道具】デイパック、支給品一式、不明支給品(0~2個)
【思考】
0: 生き残る。
1: 一先ずは脱出を目指す。
2: それが不可能ならば殺し合いに乗る。
3:アリソンは気にしない
〔備考〕
※ 参戦時期は6巻『祝福のつもり』より前です。
※ 殺し合いをどこかの国の富豪の開いた悪趣味な催しだと考えています。
※ 参戦時期は6巻『祝福のつもり』より前です。
※ 殺し合いをどこかの国の富豪の開いた悪趣味な催しだと考えています。
【アリソン・ウィッティングトン・シュルツ@リリアとトレイズ】
【状態】健康
【装備】カノン(6/6)@キノの旅―the beautiful world― かなめのハリセン@フルメタルパニック!
【道具】デイパック、支給品一式、カノン予備弾24
【思考・状況】
1:シズが心配だから付いていく。
2:リリア達と合流。
【状態】健康
【装備】カノン(6/6)@キノの旅―the beautiful world― かなめのハリセン@フルメタルパニック!
【道具】デイパック、支給品一式、カノン予備弾24
【思考・状況】
1:シズが心配だから付いていく。
2:リリア達と合流。
【備考】
※格納庫の中にリリア、トレイズ、トラヴァスにあてた手紙が残っています。
※格納庫の中にリリア、トレイズ、トラヴァスにあてた手紙が残っています。
【カノン@キノの旅―the beautiful world―】
先込め式44口径のリボルバー型パースエイダー。
キノが師匠から受け継いだパースエイダーの一つ。
現実世界のコルトM1851がモデルと思われる。
先込め式44口径のリボルバー型パースエイダー。
キノが師匠から受け継いだパースエイダーの一つ。
現実世界のコルトM1851がモデルと思われる。
【かなめのハリセン@フルメタルパニック!】
かなめが宗介相手に突っ込む時に使うハリセン。
形状は普通の白い大きな普通のハリセン。
かなめ何処からだすかは永久の謎である。
かなめが宗介相手に突っ込む時に使うハリセン。
形状は普通の白い大きな普通のハリセン。
かなめ何処からだすかは永久の謎である。
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| 前;Sleeping Beauty | 榎本 | 次:天より他に知るものもなし |
| 前:Sleeping Beauty | アリソン・ウィッティングトン・シュルツ | 次:粗悪品共の舞踏会 |
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