ラノロワ・オルタレイション @ ウィキ

潜伏する意志

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交差する意志/潜伏する意志 ◆UcWYhusQhw



特別問題

貴方は『人類最悪』が自分達と同じ舞台にいるとするならばどうしますか?




白井黒子の答え。
「特に……どうということはありませんの。やる事は今までと同じ。ギリギリまで殺し合い以外の道を探す。
 そして、見つかったのなら、内側に居る『人類最悪』を打倒する。それだけの事ですわ」


◆教師のコメント
「大変模範的な回答ありがとうございます。確かに『人類最悪』を打倒するにはそれが最善ですね。
 ですが、具体的な道が見つからなければ、その決意も空虚になってしまうのでは? 早く道が見つかると良いですね。時間切れの前に……」







◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇





「さて……まずは『人類最悪』が言った事でも考えましょうか?」

高いビルの合間を宙に浮いたホヴィーがすいすいと進んでいく。
そのホヴィーに乗り、空を駆けているのは多種多様な五人だった。

運転席に乗り、ホヴィーを巧みに操るのはミスリル所属のスナイパー、クルツ・ウェーバー
澄ました顔をしながら、若干不機嫌そうに助手席にちょこん座っている復讐者、黒桐鮮花
デッキで、何かを熱心にメモに走り書きをしている学園都市のジャッジメント、白井黒子
同じくデッキで、喋る猫を抱えながら無口を貫く少女、ティー
そして、今もまだ眠っている凡庸そうな少年、浅羽直之

そんな五人を乗せて、ホヴィーは北に向かっている。
その最中、彼らは先程流れた放送について話し合おうとしていた。
しかしながら、結論から言うと死者の発表に関しては彼らを動かす者は居なかった。

若干多いですわねと、白井黒子は内心少し焦りながらも、志は変わらず。
ガウルンに死んだ事に、クルツは若干ほっとしながらも、気を引き締め。
土御門がやはり死んでいた事に、鮮花が微妙に心を動かしながらも、それ以上感じる事もせず。
そして、ティーは最初から興味が無かった。

「壁じゃなくて……《空白(ブランク)》や《落丁(ロストスペース)》ねぇ……」

クルツは何かを考えているようにそう呟いた。
死亡者通知が大きいものではないのなら、目下気になる事といえば人類最悪がくれたヒント。
壁だと思っていたあの闇は、ただのブランクだったという事だった。

「わたくしはブラックホールみたいなのと推測してましたけれども……あながち間違いではなかったという事ですの」

黒子はデッキから運転席側に身を乗り出しながら、クルツに答える。
あの暗黒空間にRPG-7を打ち込んだ結果、そうでは無いかと立てていた仮説があながち間違いではなかった事に少し満足げだった。

「最も、それなら……脱出するのは更に一苦労という事だけれども」

でも、それは、逆に脱出するには更に苦労するという事でもある。
それを鮮花はうんざりしながらも黒子に向かって反論した。
ブラックホールのようなモノ、いわば無ならばそこから脱出する事など到底不可能だ。

「それに、あの人言ってたわよね。この世界の端は元よりの世界から切り離された一片の存在でしかないと。 ならばこの場所は……」
「切り取られた世界……つまり、何処かに浮かんでいるような世界でしかない……そういう事ですの」

鮮花の言葉を引き継ぎ、黒子がそう結論付けた。
自分が言いたい事を黒子に取られた事を鮮花は少しムッとするも噛み付くことはしない。
こんな所でいがみ合っても仕方ないと考えたから。

「あーつまりだ。ここは例えると真っ白い紙に鉛筆で書かれた世界という事でいいんだよな? 
 それで時間がたつ度に角からぐるりと消しゴムで消されていく……という感じでいいのかな? 黒子ちゃん」
「……面白い例え方しますわね。だけど、そんな感じでいいと思いますわ」

そんな鮮花の剣呑な空気を感じ取ったかクルツは確かめるように黒子に聞く。
黒子は直ぐ理解し、自分なりに解釈したクルツに若干驚きながらも、頷いた。
クルツは、それを確認すると、つまりと言葉を続けて

「あのキツネヤローは俺達と同じ世界に居る……という事だよな。そうでなければ放送なんて出来ない」
「……そうなりますわね、つまり見つけさえすれば打倒する事は可能……そういう事になりますわ」

『人類最悪』が内側に居るという事も聞く。
ここがノートに書かれた世界というのなら『人類最悪』がその場に一緒に居なければならない。
ノートに書き込まれたモノは書き込まれなければ存在しないから。
そのルールは『人類最悪』であっても例外ではないはず。
……書き込んだ本人では無い限りは。

「……貴方、中々聡いですわね」
「いやあ、そんな事無いぜ、可愛い子ちゃん達に囲まれればこれくらい思いつく……ゲフッ!?」
「前向いて運転してください。危ないですよ」
「あ、鮮花ちゃん……殴らなくても……妬かなくても……グェ!?」
「おっと手が滑りました」

この、クルツという男に対して黒子は少し意外に感じていた。
ただの軽薄な男だと思っていたが、思いの外、聡い。
認識を改めると共に一つ疑問に思ってくる。
何故、この男は鮮花に付き添い自分にも付き合っているのだろうか。
人類最悪を打倒すると考えてるのは確かだろう。
だけど、その裏に何かあるのだろうか。
それが、何故か少しだけ怖く感じたのだった。
……と、黒子は思ったが鮮花に殴られてる姿を見ると、やっぱりただの気の迷いだろうかとも思えてくる。
少し溜息を吐きながら、黒子は鮮花をなだめる為にパンパンと手を打つ。

「さて、鮮花さんは何か思いついたことは……?」
「わたし…………うーん」

不意に話しかけられた鮮花は顎に手をかけながら、与えられたキーワードに関して言葉を考えていく。
切り取られた世界、空白、そして自分が見てきた事……
そして、思った事をそのまま、口にする。

「わたし、摩天楼で見たものがあるのよ」
「それはなんですの?」
「部屋を調べていたら、何か可笑しいのよ……食べかけの食事、つけっぱなしのテレビ…………まるで、其処に人が居たみたいな」
「ああ、俺も見たぜ、そういうの。何か不思議だよな」
「ええ……元の世界から切り取った世界というなら…………そう、まるで『人間だけを喰った』ような……そんな感じがしたわ」
「『人間だけを喰う』?」
「そう。まあ、そんな気がしただけど……」

黒子が鮮花の疑問に対して、そう答える。
存在するはずの人だけを消し取ったこの世界。
切り取ったその瞬間に、人が消え去ったとでもいうのだろうか。
その事を鮮花はまるで『人間を喰らう』と表現した。
どうしてそう思ったかは鮮花自身もよく解らなかったけど。
何故かそんな気がしたから。

「それも調べる対象にしておきましょうか。今では情報が不足していますの。だから………」
「…………うん、ここ…………うわぁ?!」

黒子はふむと頷き、少し考えながら、鮮花に対して答えたその時だった。
後ろから少年の呟きが聞こえてきたのは。






◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇





浅羽直之の答え。
「どうしますか……といわれても。ぼくは伊里野を護る。それだけで…………」

◆教師のコメント
「相変わらず流されているようですね。ですが、その誰かを護りたいという意志だけは賞賛に値するのではないでしょうか?」





◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇





「…………うん、ここ…………うわぁ?!」

目を覚ますと目の前には一人の女の子が浅羽を見つめている。
女の子――ティーは浅羽に悪い奴といった本人で、見つめられた事に驚くしかない。
逃げようとして振り返ったら、其処は空の上で、更に驚く羽目になってしまった。
結局、浅羽は自分が空の上に浮かんでいる事を認識するのに少し時間がかかってしまった。

「ああ、目を覚ましたのですの?」
「……君は……」
「悪いようですけど、貴方がどう行動してきたか聞きますけど、よろしいですの?」

浅羽が起きた事に気付いたらしい黒子が、そう尋問する。
どうやら、浅羽が殺し合いに乗っていた事に核心を持っているようだった。
しかも、運転席と助手席には見知らぬ男女がいて、空の上。
逃げられる訳が無く、浅羽は真っ青になっていく。

「ぼくは……………………伊里野を護りたかっただけだったんだ」

そして、喋れたのは伊里野を護りたいという唸りの様な言葉だけで。
その信念だけを浅羽は俯くだけで、それより先は言えなかった。
押し黙るように俯くだけ。

でも、この事実だけは絶対に確かなものだった。

暫くの間、黒子はきょとんとし浅羽を見てるだけ。
だけど、その発言を黒子は不服とし問い詰めようとする。

「……その気持ちは解りますが、ですが答えに…………」
「……………………いいんじゃないかしら。それで」

その黒子の言葉を打ち切ったのは助手席に座る鮮花だった。
黒子は予想外の援軍に驚き、鮮花の方を向く。

「どうしてですの?」
「誰かを護りたくて、殺し合いに乗った。その答えで充分じゃない?」
「ですが、それで殺していたら……」
「それは、その時よ。裁くのはわたし達じゃない。殺された人の身内が居るのなら、その人が裁けばいいだけ。そうでしょう?」

鮮花と黒子の言い合いを浅羽は信じられない様に見るだけ。
まさか、庇う者が現れるとは思わなかったから。
浅羽は茫然とそれを見ていたが、鮮花は浅羽に向かって口を開く。

「ねぇ、貴方。伊里野って人を護りたいんでしょ?」
「…………は、はい」
「その方法は? 今でも変わってない?」
「…………それは…………」

浅羽は考える。
けど、答えは迷って。
でも、今の状況を考えて、そして自分自身の心に聞いて。

「護れれば、それでいいです」

答えを出す。
護れるなら、それでいいと。
ただ、残るのは伊里野を護りたい。
その気持ちのみだったから。

「そう……じゃあ、付いて行くという事でいいわね。殺し合いに乗る気は無いならね」
「あ、はい」

浅羽はその問いかけにただ、頷くだけ。
鮮花はそんな浅羽を見て、少しだけ羨ましく感じた。
自分は護る人はもう死んでしまった。
残るのは復讐心だけ。
だけど、この少年はまだ、違う。
まだ、色々な可能性が残っている事が少しだけ羨ましい。

そして、浅羽が取った行動は鮮花と一緒で。
強く追求する気にはなれなかった。
今は、殺し合い乗らないで、護るというのならば。
その浅羽の考えを尊重したい、何故かそう思ったから。
護れなかった自分と違って、護って欲しい。
そんな、気がして。

鮮花のそんな少し哀しそうな姿を、クルツは何も言わずにただ見ているだけだった。
ただ、鮮花を見る表情は少し哀しげだっただけで、でもそれ以上は何もする事はない。

「という事だけど、いいかしら?」
「いいも何も勝手に決めて…………まぁ……いいですわ。その内言う気になったら聞きますけど、いいですの?」
「うん」

鮮花は黒子に同意を求め、黒子は呆れ気味に同意する。
今の所、浅羽が何かしら行動を起こすという訳ではないらしい。
それにたとえ起こしたとしても今のメンバーでは浅羽が敵う相手などいないだろう。
それ故に今は浅羽と行動する事を決めたのだ。

ティーはどうですの?」

黒子はその隣でずっと浅羽を見ていたティーに対しても尋ねる。
ティーはそのまま、浅羽の瞳をずっと見つめてて。
浅羽は少し怖がりはじめるも……やがて

「いい」

そう、ティーは短く言った。
黒子は、その返事に頷き、さてと区切りを入れて、こう言い放った。


「そろそろ昼食にしませんこと? 親睦会もかねてですわ」






◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇





黒桐鮮花の答え。
「関係ないです。ただ、幹也を殺した相手を殺すだけ。燃やす尽すだけが、わたしがやるべき事よ」

◆教師のコメント
「とても、わかり易い回答ですね。それもひとつの道でしょう。ですがその炎に自分も焼かれない様、気をつけてください」





◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇





「しかしまあ……何時の間、にこんな大所帯に……」
「まあ、それもいいんじゃないか? 少なくとも俺は楽しんでるぞ、可愛い女の子に囲まれて!」
「クルツさんは自重してください」
「あの……ぼくも居るんだけど……」

そのささやかな昼食会はとあるビルの屋上で行われた。
食料は、直ぐ下にあったコンビニから適当に取ってきたものだ。
浅羽に自己紹介をした後、後は各自に情報交換をかねた雑談をしている。

「でも、まさか猫が喋ると思わなかったわ……」

鮮花は卵のサンドイッチを食べながら、ティーの上に座っているシャミセンを見る。
先程、喋ってシャミセンは今度は喋らず、にゃーというだけ。
それ故に

「……え? とても喋るようには見えないけど……?」

お握りを食べていた浅羽はそれを信じる事が出来ない。
何処にもいそうな猫をただ見つめて不思議がるだけ。

「……喋りなさい」
「にゃー」
「喋れ」
「にゃー」
「馬鹿にしてるの! この猫はー!?」
「ちょ、ちょっと落ち着けって、鮮花ちゃん!」
「にゃー」

何かコントを見ているようだと浅羽はふと思う。
猫を焼こうとしている鮮花を見ながら、そんな事をただ思って。
こんな平和な空気をできるなら、伊里野に見せたい。
そんな事を思いながら。

「まあ、喋るのは確かですわ。実際何度も聞きましたし」
「そ、そうなんだ……」

ワッフルを食べていた黒子が補足するように、浅羽に呟く。
浅羽は信じられないながらも、その猫を見つめている。
ニャーとないた姿は少し可愛くて、伊里野は喜ぶだろうなとそう思った。

「しかし……いいなあ、うんうん」
「何が?」
「こんな可愛い女の子達に囲まれながら食事するなんて……」

そう、クルツは焼きそばパンを口にしながら答える。
浅羽の存在を抜きにして、三人の少女を見ながらそう答える。
鮮花は露骨に嫌な顔をし、ティーは表情を変えず、黒子は呆れながら

「というか、こんな幼い女の子達に囲まれるのがいいんですの?」

そう、クルツに向かって言う。
ティーは子供に言って等しく、黒子自身も声からは予想もつかないが中学一年でしかない。
クルツは笑いながら

「ああ、いいね!」

そう、指を立てていった。
流石に黒子はあきれ果てた時、かりかりとパンを食べてたティーがおもむろにクルツに向かって口を開く。

「ろりこん」

呟いたと同時にまた黙ってパンをカリカリと食べ始める。
その後冷たい空気が流れ、クルツは冷や汗を流して。

「いや、ほら、鮮花ちゃん高校生だし、別にそういうのじゃないから!」
「…………」

露骨に、退いていくメンバーに必死に釈明するクルツ。
黒子は、退きながらクルツに問う。

「じゃあ、他に共通点があるといのんですの……?」
「えっと、ほら、ひんにゅ……」
「貧乳じゃないですからね、私は!」

クルツが何か言おうとしたその言葉にまず反応したのが、何故か鮮花だった。
今度は鮮花に視線が集まり、鮮花は口を滑った事を確認する。
そして、次に釈明する側に回った鮮花は黒子のほうを向いて言葉を発する。

「い、いや、まあ黒子さんもそうですし」
「これから成長するからいいんですの……でも鮮花さんは……」
「くっ……」

黒子の憐れみの視線を鮮花に向ける。
鮮花は少しイラつきながら、反論する言葉をさがそうとする。
その時だった。

「まずしい」

ティーが鮮花に向けてそう言い放ったのは。

その瞬間。


「AzoLto――――!!!」


嫉妬の炎が燃え上がった。



(何が何だか……)

鮮花を必死になだめようとするクルツ達を他所に浅羽はボッーとそれを眺めていて。
傍観していた立場だけに、あるモノを見つける。

「ねぇ……あれ!」

皆に呼びかけて、指を指す方法に見えるモノ。
激しく燃えて、黒煙を吐く建物が存在していた。

「…………火事がおきてる」

南西の方角に火事が起きていた。
それを見た他の面子も一気に空気を入れ替え、それに対して対処を考える。

「どうします?」
「…………そうだな。あの方角で俺はアレだけの火事を起こせる人物というなら一人だけしってるぜ……多分そいつがおこしたんだと思う」

クルツが何かを知った口ぶりで他のメンバーに言う。
その言葉に鮮花は思い至った様にクルツに答える。

「土御門さんが言っていた……ステイルって人ですか」
「ああ、火を操るといってたし間違いないだろう」

ステイル=マグヌス
土御門が言っていた火を操る魔術師。
方角的にも、ステイルが居た場所と一致していたのだ。

「では、どうします? そちらの方向に向かいます?」
「それは止めた方がいいと思いますの」
「どうして?」
「どうしてもなにも…………今の構成面子を見れば自然に解るかと」

鮮花はそう言われて周りを見る。
自分の他に居るのは、クルツ、黒子、ティー、浅羽。
そして、現場に居るとされる人物は強いといわれるステイル。
つまり

「ああ……足手纏いが多いという事ですか」
「ああ、俺と黒子ちゃん、頑張って鮮花ちゃんがギリギリだ」
「わたしも一応戦力に入れてくれるんですか」
「まあな……といっても其処の坊主、ティーちゃんを抱えて乗り込むには無理だと思うぜ」
「……悔しいですが、その通りですの」

戦える人物より、足手纏いが多いという事。
もし、戦闘に巻き込まれたら、浅羽、ティーを護らなければならない。
戦える人物の許容範囲を考えると向かうのは危険だと判断したからだ。

「だからまあ、今はこの場を離れることを最優先するべきじゃないのかな?」

提案するクルツに皆は静かに同意した。
反論する必要も無いし、わざわざ死ににいくのは避けたいからら。

「なら、さっさと行きましょう。進路は予定通り飛行場へ」
「ああ、そうしよう」

その鮮花の提案により、昼食会は終わりを告げ、全員ホヴィーに乗り込む。
そして、エンジンをかけ、ホヴィーは北に向かっていく。

(僕が……伊里野を護るんだ)
(絶対に……仇は取ります)
(皆で、脱出するんですの……お姉さまもご無事で)
(…………ぶっこわす)
(……さて、はて、どうなる事やら)


それぞれの意志を秘めながら。


ただ、北へ。






◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇





ティーの答え。
「ぜったいにぶっこわす」

◆教師のコメント
「シンプル且つデンジャラスの回答ですね。ですから此方に向けるのはやめてくださ…………」





【C-5/北東/1日目・日中】

黒桐鮮花@空の境界】
[状態]:強い復讐心、ホヴィーの助手席に乗車中
[装備]:火蜥蜴の革手袋@空の境界、コルトパイソン(6/6)@現実
[道具]:デイパック、支給品一式、包丁×3、ナイフ×3、予備銃弾×24
[思考・状況]
基本:黒桐幹也の仇を取る。そのためならば、自分自身の生存すら厭わない。
1:クルツと行動。飛行場へ向かい、クルツから銃の技術を教わる。
[備考]
※「忘却録音」終了後からの参戦。
白純里緒(名前は知らない)を黒桐幹也の仇だと認識しました。

白井黒子@とある魔術の禁書目録】
[状態]:健康、ホヴィーのデッキに乗車中
[装備]:グリフォン・ハードカスタム@戯言シリーズ、地虫十兵衛の槍@甲賀忍法帖、鉄釘&ガーターリング@現地調達
[道具]:デイパック、支給品一式、姫路瑞希の手作り弁当@バカとテストと召喚獣、
     伊里野加奈のパイロットスーツ@イリヤの空、UFOの夏
     デイパック、支給品一式 、ビート板+浮き輪等のセット(大幅減)@とらドラ!、カプセルのケース
[思考・状況]
基本:ギリギリまで「殺し合い以外の道」を模索する。
1:ホヴィーをクルツに運転させ、北へ移動。『消滅したエリア』の実態を間近で確かめる。また『黒い壁』の差異と、破壊の可能性を見極める。
2:移動中に浅羽が目覚めたら詳しい事情を聞く。その後の処遇はまだ保留。
3:“監視”という名目で鮮花とクルツの動向を見定める。いつまで行動を共にするかは未定。
4:当面、ティー(とシャミセン)を保護する。可能ならば、シズか(もし居るなら)陸と会わせてやりたい。
5:できれば御坂美琴上条当麻と合流したい。美琴や当麻でなくとも、信頼できる味方を増やしたい。
6:伊里野加奈に興味。
[備考]:
※『空間移動(テレポート)』の能力が少し制限されている可能性があります。
 現時点では、彼女自身にもストレスによる能力低下かそうでないのか判断がついていません。

ティー@キノの旅】
[状態]:健康。ホヴィーのデッキに乗車中。
[装備]:RPG-7(1発装填済み)@現実、シャミセン@涼宮ハルヒの憂鬱
[道具]:デイパック、支給品一式、RPG-7の弾頭×1
[思考・状況]
基本:「くろいかべはぜったいにこわす」
1:RPG-7を使ってみたい。
2:手榴弾やグレネードランチャー、爆弾の類でも可。むしろ色々手に入れて試したい。
3:シズか(もし居るなら)陸と合流したい。そのためにも当面、白井黒子と行動を共にしてみる。
4:『黒い壁』を壊す方法、壊せる道具を見つける。そして使ってみたい。
5:浅羽には警戒。
[備考]:
ティーは、キノの名前を素で忘れていたか、あるいは、素で気づかなかったようです。

浅羽直之@イリヤの空、UFOの夏】
[状態]:全身に打撲・裂傷・歯形。右手単純骨折。右肩に銃創。左手に擦過傷。(←白井黒子の手により、簡単な治療済み)
     微熱と頭痛。前歯数本欠損。。ホヴィーのデッキに乗車中。
[装備]:毒入りカプセル×1@現実
[道具]:なし
[思考・状況]
0:伊里野を護る
1:伊里野の不調を治すため、「薬」と「薬に詳しい人」を探す。とりあえず黒子たちについていく。
2:とりあえず、地図に描かれていた診療所を目指そう。
3:薬に詳しい「誰か」の助けを得て、伊里野の不調を治して……それから、どうしよう?
4:ティーに激しい恐怖。
[備考]
※参戦時期は4巻『南の島』で伊里野が出撃した後、榎本に話しかけられる前。
※伊里野が「浅羽を殺そうとした」のは、榎本たちによる何らかの投薬や処置の影響だと考えています。
※まだ白井黒子が超能力者であることに気付いていません。シャミセンが喋れることにも気付いていません。





◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇





クルツ・ウェーバーの答え。
「まあ、そんな事より女の子に囲まれてるほうがいいよなあ」

◆教師のコメント
「貴方、そのせいでロリコン扱いですが、それでいいんですか。ですが貴方が考えてる事がイマイチ読めませんね……何か隠し持っているような……」






◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇








さてと……黒子ちゃんにはちょっと疑われてる……かな?
小さい割に頭がいい子だけど。
坊主は気づいてないだろう。見た所平凡な少年だ。
ティーちゃんは読めん。無口な割に厳しい事を言う子にしか見えないな。
鮮花ちゃんは…………まぁいつも通りだな。

まあ、ばれてもそんなに支障は無い事ではあるけれども……まぁ言う必要も無い。

そう思いながら、ポケットに隠してあるモノを触り、思う。

正直、隠してる事はある。けどまあ大した事でもない。

気付いたのは土御門と会って少し経ってから。
見つけたのは偶然。
沢山あるジュースの中に混じっていたコレ。
恐らくカモフラージュでもされてたんだろうか。
今じゃ珍しいポケベルのような機械。

俺はそれ見て、特に何にも思わなかった。
まだその時は何も無かったのだから。

そして、鮮花ちゃんと会う直後ぐらいにメッセージがきた。
誰からも解らずに一つのメッセージが。

「摩天楼に行け」

示された言葉一つ。
とはいえ、鵜呑みする訳が無い。
怪しすぎて、話にならん。
摩天楼に何があるかわからないし、罠の可能性だってある。
誰から送られてきた訳でも無いし、それで行動に移せというのも厳しい。
だけど、鮮花ちゃんに会ってから、行動するに当たっての情報がある。

彼女は摩天楼から着たという。
聞いたところによると摩天楼には俺が警戒するような要素は無かった。

だから、まあその時行く事も視野には置いておいた。
んで、機会があったから鮮花ちゃんにそう提案したわけ。

…………なんで土御門に隠してたって?
言う必要も無いものだろう。
これがあったからって別に行動方針が変わる訳じゃない。
何より、あいつも俺に隠し事をしていた。
なら、こっちも何か隠し事をするのは別に悪く無いだろう。
もしあいつが話せば、こっちも手札を切るつもりで話すつもりでいた。

でもまあ、結果的にあいつは話す間も無く死んだ。

それだけの話。


まあ、それで鮮花ちゃんを言いくるめて、摩天楼へ。
元々武装強化もしたかったし、それができる可能性といえば摩天楼か警察署。
武装強化だけであるなら……早い話が警察署の方が最も得策だろう。
武器の管理庫ぐらいは大きさによるが、あるはずだ。
わざわざ何十階、何百もある部屋があるマンションを漁るよりよっぽどいい。
もし無かったとしても、それは徒労にはならないだろう。
だけど、そのメッセージを確認したいから摩天楼を選択した。
鮮花ちゃんに行った理由はまあそれも事実なのでそのまま。


それで、摩天楼へ。


……そして、結果的に見つかった銃。
これは武装を欲しがっていた俺に対するメッセージなのだろうか。
……その可能性は低いとは思うものの、とはいえ他に発見など無かった。
欲を言えばもっと探したかったが…………まあ仕方ない。
黒子ちゃん達と合流した以上我を張る訳にも行かなかったしな。

とはいえ、不可解なのも事実だ。
たかが銃だけの為にメッセージを送る必要も無い。
それに、わざわざこの言葉を残したってことはよっぽどだろう。
いけなかった場所に何かある…………? それともいる…………?

しかし、何故こんなものを俺に。
………………いや、俺だからか。
他にありえるとするならば、宗介辺りしか思い浮かばない。それか死んだ土御門か。
理由は簡単だ。
大多数に知られては困るんじゃないかなと俺は思う。
誰が送ったか解らない、けど身元不明の時点でありえるのはキツネヤローぐらいだ。
もしくは、その近縁の者か……まあ、そこら辺だろう。
他の一般、そうだな例えばかなめちゃんなら仲間にばらすかもしれない。
でもそれじゃあ、駄目だ。

多分それ以降のメッセージは来ないだろう。

あくまでその支給した者に教えたいならば。
集団でそのアイテムの情報が公になれば、きっともう意味が無い。
主催の者自ら、明らかにするようなものを明らかになっているのに送る訳がないからな。

つまりはそれを隠し通せるような人間で無ければならないって事。
そして、それが俺だった。

で、何故そんな情報を俺にくれる?
考えられるのはいくつか。

あのキツネヤローはこの殺し合いを一篇の物語といっていた。
別々の世界の物語を紡ぎ合わせて一篇の物語にするという。
そして、あいつ自身はあくまで舞台装置といった。
しかし、舞台装置が、何もしないという訳じゃないだろう。
一篇の物語を面白くするなら、それなりに工夫をするはずだ。
そう、なにか手を加えたり……とかな。
まあ、つまりだ面白くする為の手段と考えるのも一考だと思う。
それ以外の意図は俺には思いつかん。

じゃあ、それに対して俺に何の役割を望む?

単なる推論だが、このメッセージに拘束力は無いと思う。
ゆえにそのメッセージに従うかは俺の自由、判断に任されるだろう。
それに、脱出を望むならば従いすぎるとかえって思う壺だ。
奴は優勝を望んでいる。ならば従いすぎると待ってるのは優勝の道しかなくなる。
………………まあ、最悪の場合優勝を目指すのに抵抗は無いが。あくまで最悪の場合だが。

だけど、まあ、奴が送るメッセージ次第によって俺はどんな役割でも押し付けられる。

例えば、有益なメッセージを誰かに渡す為のメッセンジャーにもなれる。
例えば、俺に何らかの行動を起こすように促すという内容のメッセージによって、俺は奴の駒にもなる。
例えば、逆に仲間の腹の内を聞き出すように促すメッセージならば、スパイにもなる。

色々な役割があるという事だ。
だけどまあ、奴の言う通りのなるようなメッセージならば、それなりの対価がある可能性もある。
例えば先程手に入れた銃の様に。

だが、あくまでそのメッセージを受けるかは俺の自由。
俺の判断に任される。

つまり、だ。

俺は奴から送られてくるメッセージを選び、それを行うかどうかを判断し、行動しなければならない。

情報や行動の選択。
それによって開けてくる道が随分と違う。
基本的には俺の行動方針に大きな動きさせるようなのは無い。
……が、そのメッセージにおいては行動を起こす必要がある可能性はある。
どのくらいの頻度で来るかわからない。
罠の可能性だってありえる。

ならば。

俺は、その度に重要な決断をし、選び取らなければならない。

そういうことだ。

難儀なモノを押し付けられたが、まあそれが結果的にプラスになればいい。

仲間も増えた所だし…………さて、気を引き締めて頑張らないとな。

己の生還の為に。

嘘を吐きながら、俺しか知らない真実を隠し通す。




【C-5/北東/1日目・日中】

クルツ・ウェーバー@フルメタル・パニック!】
[状態]:左腕に若干のダメージ、、復讐心、ホヴィーの運転席に乗車中
[装備]:エアガン(12/12)、ウィンチェスター M94(7/7)@現実、ホヴィー@キノの旅
[道具]デイパック、支給品一式、缶ジュース×17(学園都市製)@とある魔術の禁書目録、BB弾3袋、予備弾28弾、ママチャリ@現地調達 メッセージ受信機
[思考・状況]
基本:生き残りを優先する。宗介、かなめ、テッサとの合流を目指す。
1:ホヴィーで飛行場へ向かい、鮮花に銃を教える。
2:可愛いい女の子か使える人間は仲間に引き入れ、その他の人間は殺して装備を奪う。
3:知り合いが全滅すれば優勝を目指すという選択肢もあり。
4:ステイルとその同行者に復讐する。
5:メリッサ・マオの仇も取る。
6:鮮花に罪悪感、どこか哀しい 。
7:メッセージを待つ。それを隠し通す。
[備考]
※土御門から“とある魔術の禁書目録”の世界観、上条当麻、禁書目録、ステイル=マグヌスとその能力に関する情報を得ました。
※最初に送られてきたメッセージは「摩天楼へ行け」です。次回何時メッセージが来るかは不明です。


【メッセージ受信機@オリジナル】
ポケベルに似た形の小型のメッセージ受信機。
文字などを受信するすることが出来る。
何時、誰からのメッセージが送られてくるかは不明。




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