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とおきひ――(forgot me not)

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とおきひ――(forgot me not) ◆EchanS1zhg



 【0】


『もしも人生がやり直せるとしたら、君はいつから、どの地点からやり直したいと思う?』


 【1】


……ガーコ。 ……ガーコ。 ……ガーコ。 ……ガーコ。 ……ガーコ。 ……ガーコ。 ……ガーコ。 ……ガーコ。


と、ひとつの機械が己が存在意義に従い、えづくような音を漏らし、その口からとめどなくと紙を吐き出していた。
このモノの正体は所謂コピー機というやつで、これの存在意義とはすなわち《複写》である。
非現実(オカルト)に頼れば幾多もの手順と労力を要するそれを、この機械は少しの電力とインクカートリッジ、
それと場合によっては必要となる僅かな代金によっていともあっさりと成し遂げてしまう。科学万歳。

そんなコピー機が吐き出しているものはしかし非現実(オカルト)に属するものであった。
トレイの中に積み重なってゆく真っ白なコピー用紙の上にはシンプルな黒い文字、または模様なものが印刷されている。
本物(リアル)な魔術師でなくとも、雑学(シュミ)の範囲ででもオカルトを齧っていればそれが何かはわかっただろう。

ルーン文字。
何世紀などという暦が使われ始めて間もなくの頃にゲルマンの民が生み出した文字であり、
幾つかの古代文字に由来し現代のアルファベットにまで通じる、半ば遺失されたとする古き”日常言語”である。
縦と斜めの線だけで表記されるそれは独特であり、故に覚えがよくオカルトの中では割とポピュラーな文字なのだが、
しかしすでに述べたように、元々はオカルトなどとは一切無縁の言語であり、文字でしかなかった。

故に、これは魔術の為の言葉ではなく――魔術の側に都合よく使用された言葉というのが実際には正しい。
オカルトは何より、非日常性と秘匿性を重んじる。
つまり、遺失されているなどの理由でもう誰にも使われておらず、本当の意味にしても自分達しか知らない。
そういう性質が必要とされる訳で、中世の頃、ルーン文字はその条件に合致し、それから”魔術言語”に生まれ変わった。
非現実の側の世界で密やかに改変と改竄を受け、非現実の側の言語体系の中にひっそりと加わったのである。

再びコピー用紙の方に目を移せば、そこに同じ文字ばかりが印刷されていることに気づくだろう。
ひとつは記号の『<』のような形をした2本の斜め線で構成されたもので、今の場合『ce'n (松明)』を意味する。
もうひとつは英語の『F』のような形をした縦の直線に斜め線が2つついたもので、これは『ansuz (神)』を意味する。
2つは『<F』という風に並んでおり、つまり合わせることでこれは『火の神』と読ませるわけだ。

もっとも、ただそう表記するだけではそこに魔術などという非現実は発生しえない。
ルーンは洗練された魔術言語ではあるが、それだけで発現してしまえば世の中は魔術師で溢れかえってしまうだろう。
あくまで文字は陣を張る材料でしかない。
正しく非現実の道理に則り、配置してはじめて魔術言語として機能し、この場合においては『炎の巨神』を生み出すのだ。
科学側の言葉を用いて言い表すならば、言語は部品(パーツ)。陣は回路(ルート)である。


ステイル=マグヌスは吐き出され続ける紙をただじっと見つめている。


ひと目見てそうだとわかる白人らしい顔つきに2メートルを上回る長身。
髪の毛は真っ赤に染め上げられており、耳にはいくつものピアス。目の下にはバーコードのタトゥ。
きつい香水の香りを纏い、漆黒の神父服からジャラジャラと異質さを漂わせる彼は見た目通りに魔術師だった。
イギリス清教が懐に置く必要悪の教会(ネセサリウス)に属する魔術に対する為のの魔術師。それが彼の正体である。

彼は今、偶々に発見したコンビニへと立ち寄り、
”いつの間にか”に使いきっていたルーンを”なんとなし”にコピー機を用いて補充しているところだった。

常時のように人がいれば異質極まりない光景ではあるが、幸いかな店員すらもこのコンビニには存在しない。
とはいえ、魔術師がコンビニで術符をコピーしている姿というものが奇異な光景であることは変わりないが。
だがしかし、ステイルがこのようなことを誰かに言われたとしたらなら、彼はこう返すだろう。

「魔術師がコピー機を使ってなにが悪いのだ」――と。

魔術と科学に関しては相容れないものだというイメージが一般にはある。そして、それは大まかに言って間違いではない。
大抵の魔術師は科学技術の産物を避けるし、中には徹底して科学技術を自身から遠ざける者も存在する。
そこでふと浮かび上がってくるのが――どこまでが科学技術なのか? という問題だ。

コピー機は科学技術のもたらしたもの。確かにそれはその通りだと皆が納得する。
では翻って、ルーンを鉛筆を使って記すとして、その場合使用する鉛筆は科学技術のもたらしたものではないのか?
そもそもルーンを書き記す紙はどうなのか? 貴様らが読む魔導書は? 製本は科学技術の産物ではないのか?
こんなことを言われたら、科学を否定する魔術師は目を落ち着きなくキョロキョロをさせるかもしれない。
つまりはそういうことである。
今時、教会の寄宿舎にだって全自動洗濯機があるのだ。桶と板で洗濯をする魔女なんて現代には存在しない。

実際に、魔術と相容れない科学とは科学により人間からズレてしまった存在を指すが……――これはまた別のお話。

さて話を戻すと、14歳という年齢にしてすでに戦力として活動しているステイルはコピー機を好んで使用していた。
何より楽だ。わざわざ使い魔(ファミリア)を使役するまでもなく、ボタンひとつでコピー機は従順な下僕と化す。
またコピー機はルーンを書き損じたりしない。
なによりこれは大きい。『魔女狩りの王』を呼び出すのに必要なルーンの枚数は数千以上となるのである。
いかにシンプルなルーン文字といえど、いやシンプルなルーン文字だからこそ些細な書き損じが致命的となる。
陣の中にひとつでも書き損じがあれば最悪、全体が機能しなくなることもありえるし、更には暴発まで考えられる。

そこまで考えれば魔術師にコピー機を使うななどと言えるものがいるだろうか? いやいないだろう。


ステイル=マグヌスは吐き出され続ける紙をただじっと見つめている。
しかし、実は彼はステイル=マグヌスであってそうではない見せかけだけの存在にすぎなかった。

そして、そんな魔術師の”残滓”を離れた位置からじいっと見つめている者がいた。




 【2】


表通りに面したコンビニより道路を挟んで反対側。街路樹が等間隔で並ぶ歩道の上に2人の少女の姿があった。

夜が流れ落ちている。そんな印象を抱かせる麗しい漆黒の髪を持つ小さな、それでいて凛と強い印象を抱かせる少女と、
暗色のジャージに鼻の絆創膏と一見ボーイッシュだが、よく見ればとても女の子らしいとわかるポニーテールの少女。
炎髪灼眼の討ち手であるシャナと、2年F組の素直になれない女の子が一角である島田美波の2人である。

「ふむ、トーチか……」

そして、とても少女らの口からとは思えない厳つい声がその場に響いた。
シャナが首からかけるペンダント――コキュートスから届く、彼女と契約し力を与えている王――アラストールのものだ。
2人の少女と一柱の王はコンビニの中でただコピーを繰り返している怪しい男を見て、どうしたものかとその頭を悩ませていた。



昼過ぎの一時を神社で過ごし、食事と情報交換。そしてドタバタを経て、探し人を追って文字通りに飛び立ったシャナらであるが、
ものの数分で彼女らは異変へと行き当たることとなった。
澄み渡るような青空のキャンバスに、まるで泥水を零したかのようにもうもうと黒煙が立ち上っていたのだ。

先を急ぎたいところではあるが見逃すわけにもいかず、調査に当たったもののその結果は芳しくなかった。
完全に火の手が上がってしまったホテルの中に入ることは敵わず、さりとて傍には何者の気配も感じられず、
それでも近くに手がかりがあるのではないかと歩き回った末に見つけたのが、コンビニの中にいたトーチであった。

トーチ。それは人を喰ってそこから存在の力を奪った紅世の徒が、消えてしまうその者の代わりに置いてゆく代替物。
彼女らが発見したその男は紛れもなくそのトーチであり、放っておけば”いなかったこと”になってしまう。そんな存在だった。



「どう……思う?」

シャナはその小さな口から戸惑いを含んだ言葉を漏らした。
コンビニの中にいる男がトーチだということはフレイムヘイズである彼女からしたら一目瞭然なのであるが、
しかしどうしてこんな所にそんなものがいるのかという疑問があった。
誰があの男を喰らい、トーチにしてしまったのかについては考えるまでもない。
状況を鑑みれば紅世の徒であるフリアグネ以外に候補はいないし、トーチに残された薄白い炎がその証拠でもあった。
だが、常時であれば紅世の徒が人間を喰った後にトーチを残してゆくのは自然であるが、今はその常時ではない。

「彼奴の狙いが判然とせぬな」

アラストールの言葉にシャナは頷く。
視線の先にいるトーチは存在の力も最早薄く、放っておいても数時間。下手をすれば今にも消えかねないという風だ。
フリアグネが人間の手駒を得ていたとは聞いていたが、その成れの果てがあれなのだろうか?
しかし駒として残したには力が弱すぎるし、ただ喰らったというのならわざわざトーチを残した理由がわからない。

「あの……シャナ。ちょっといいかな?」

美波に声をかけられたシャナは思索の糸を手繰る作業を中断し、意識をそちらへと傾けた。
さて彼女は何を意見するというのだろうか。何も知らないだろうに……と、そこでシャナは彼女の次の発言を察する。

「……”トーチ”って何?」

当たり前の質問にシャナは言いよどむ。
この先、同じようなことが繰り返されるなら今のうちに説明しておいた方が後々において楽ができるだろう。
フレイムヘイズや紅世の徒に関する事情を知ってもらっておいた方が色々とやりやすいのは言うまでもないことだ。
だがしかし――

「(めんどくさいなぁ)」

――というのが彼女の偽らざる本音であった。
人とのつきあいがそれほどということもあるが、そもそも性分として誰かに説明をするというのが得意ではない。
それに、今ここで美波に説明をしたとして有益な答えが返ってくるのかというと、それは怪しく思える。

「……………………」

とりあえず難しい顔をして、話していいのか慎重に考えているんですよという風を装い、シャナはしばし沈黙した。
この間にアラストールが説明を始めてくれたらいいのにななどと、そんなことを考えているのである。
しかしそんな心を見透かしているのか彼は無言を貫いたままで、しばらくの後、シャナは小さな溜息をつくことになった。



紅世の徒とは別世界から人間の世界へと訪れた者であり、人間を喰ってその”存在の力”を奪い自らの欲望を叶える者。
フレイムヘイズとは、それをよしとしない紅世の徒が人間と契約して力を貸した存在であり、紅世の徒を追い、討つ者。
大雑把に言えば、紅世の徒は乱獲者で、フレイムヘイズはその取締り官。王と言われるのはその中でも強い奴。

「――ってことでいいんだよね?」
「ふむ。端的に我々の関係を言い表していると言えるだろう」

美波がヴィルヘルミナから受けたという説明を聞き、シャナは胸元のアラストールと一緒にそれで理解は十分と頷いた。
例外や個々の事情により実際はそれほど単純ではないが、そこまで深い理解を求める必要もない。
彼女が持っている知識を確かめると、シャナはトーチの話の前提となる存在の力と世界の歪みについて説明を開始する。

この世のあらゆる存在が持つ《存在の力》とは、紅世の徒が現世にて力を振るう為の根源的なエネルギーになること。
そして、《存在の力》を奪われたものは存在そのものが薄まってしまい、
全て奪われるようなことになれば、この世から存在したという事実ごと、まるで穴を開けたかのように消失してしまうこと。
その穴を修復する為に世界は歪み、これが大きくなると世界そのものの崩壊に繋がることが恐れられている。
故に、それを懸念した紅世の王が人間に力を貸し与え、紅世の徒を討滅しており、これが両者が対立する理由であること。

「……消えちゃった人はどうなるの?」
「ただ消え行くのみだ。この世から存在したという痕跡は全て消失し、人々の記憶からも失われてしまう」
「で、でも……それって例えばクラスからひとりいなくなったら、覚えてなくても不自然だなってわかるんじゃ……」

美波の疑問はもっともだ。
存在の消失はこの世からその痕跡すらをも失わせるが、あくまでそれはその時点での痕跡にすぎない。
例えに挙げたように学校のクラスの中で考えれば、同級生の記憶や名簿の中などから名前は消えてしまうが、
その者が座っていた机が消えることはないし、その者が住んでいた家や部屋が消えてしまうこともない。
気づいていれば非常に不自然ではあるが、だがしかしその不自然を感じないのが存在の消失という現象なのである。
教室の中に空いている机があること。家の中に空いている部屋があることを誰も不自然には思わないのだ。

「そんな……友達でも……好きな人でも……」
「故にそこには看過しえぬ世界の歪みが生まれてしまうのだ」

シャナは美波の青くなった顔を見て出会った頃の悠二のことを思い出していた。
あの時もしつこく食い下がる彼にこんな説明をして、そしてあの時は怯えたり納得いかない彼を弱っちい者だと思っていた。
今は違う。あの時は”フレイムヘイズ”だけでしかなくて、今は人との絆を持つ”シャナ”だから気持ちが理解できる。

「そして我々はその世界の歪みを感じ取り、その気配を辿って歪みの元になる紅世の徒を追っていた」
「なるほど……でも、追っていたって過去形なのはつまり今はそうじゃないってこと?」
「歪みの気配を追うこと自体は変わっておらぬが、奴らはその時間を稼ぐ術を生み出した」

それがトーチである。
喰った人間を消化した後、僅かな存在の力でその人間とそっくりな変わり身をそこに置いてゆくのだ。
一見して本物と変わることのないそれを置くことで、一時的にではあるが世界に穴は開かず歪みは生まれない。
トーチは時間をかけて消耗し終いには消えてしまうが、世界の修復もそれに沿って行われる為、歪みも最小限に抑えられる。

「取っていったものの変わりにそっくりな偽物を置いてゆくから取っていったこと自体に気づかない……」
「トーチそのものは我々からすれば一目瞭然ではあるが、少なくとも喰った瞬間を捉えられなくなったのは事実だ」

一通りの説明を受けた美波はシャナから目を離し、今もコンビニの中で突っ立っているステイルの方を見た。
おそらくはあれがすでに偽物や、幽霊のようなものだということが実感できないのであろう。



「それで、あのトーチどうしようか?」

だんまりとし何かを考え始めた美波を置いておき、シャナは胸元のアラストールへと話しかけた。
今語るべきはトーチが作られることになった由来やその是非ではない。目の前のトーチをどうするかだ。

「あの酔狂な王であれば、ただの余興ということも考えられるが、しかし楽観するわけにもいくまい」

そしてシャナはアラストールと一緒に現時点でわかっていることをまとめなおした。
まず、フリアグネの作ったトーチなのは間違いないこと。そして非常に弱い消えかけのトーチであることだ。
故にあのトーチ単体ではそれほど脅威になるとは考えづらい。何か別の要素が混じってくると考えるべきだった。

「我々フレイムヘイズに対する罠なのかもしれん」
「……罠?」

フリアグネがシャナやヴィルヘルミナといったフレイムヘイズを最大の敵として警戒しているだろうことは予想できる。
なので、そのフレイムヘイズしか気づくことのないトーチを用い、対フレイムヘイズ専用の罠を張っているのではないか?
そんなアラストールの考えを聞き、シャナはなるほどと納得した。確かにありえる話だ。

「この場所では我々にとって未知なる物や道理も多い、あの王がそれを使っている可能性もある」

フリアグネはその真名を”狩人”といい、これまで数多くのフレイムヘイズを返り討ちにしたフレイムヘイズ殺しである。
ただ強いだけでなく、難敵と見れば引き、攻入る時には策を巡らせ罠を張り、その勝率を高めることに余念がない。
また彼は宝具の”収集家”としても名高いが、集めるだけでなくそれを使いこなす術にも長けているのだ。
この世界で彼が何を引き当て、何を奪い取ったのか……想像するならばいかな可能性もありえた。

「じゃあ放っておく? すぐに消えちゃいそうだし」
「ふむ。最善ではないが、相手の行動が読めぬ以上そうするも已む無しか……いや、しかし――」

シャナは己の身中に住まう王の感情がいくらかの恐怖に揺れたことに気づいた。
紅世の王は一体何に気づき、戦慄したのか?

「トーチは1体だけとは限らぬ……」
「まさか!?」

その可能性に思い当たり、シャナもアラストールと同じように戦慄で身体を振るわせた。
目の前には1体のトーチしかいないが、しかしこれはこの1体しかいないことを保証するものではなく、その逆だ。
1体のトーチが見つかったということはつまり、この他にもトーチが作られている可能性を意味する。
そしてその可能性はある結末をフレイムヘイズと紅世の王に想像させた。

「この世界を壊そうとしているの!?」
「あくまで可能性ではあるが、あやつが以前あの街で何を企てていたかを考えればありえなくもないであろう」

《都喰らい》――その自在法の名前をシャナはうめくように口から零した。
紅世の徒が人を喰らい存在の力を得て、結果世界に歪みが生まれるのは先に述べたとおりだが、
その歪みの性質を最大限に活かし、一度に大量の存在の力を得ようとする方法が《都喰らい》である。

原理は単純で、まずはある一定の範囲内で大量の人間をどんどんと喰らってゆき、そこに穴埋めとしてトーチを並べておく。
そしてトーチの数が充分揃ったら、何らかの方法で一気に取り去ってしまい、世界に修復しきれぬ矛盾を発生させるのだ。
結果として、世界は巨大な矛盾を飲み込む歪みを発生させ、その一帯は諸共に消失させられてしまうことになってしまう。
消失させられたものらは全てが根源たる存在の力に還元されてしまい、それこそが術者の目的となるのだ。

シャナと対決した時にフリアグネが画策していたものであり、実際にそれは発動の直前まで進んでいて
彼女と、そして悠二の活躍がなければ彼らの住む御崎市は全てを巻き込んで壊滅し、フリアグネは絶大な力を得ていただろう。

「でも、こんな狭い世界でそんなことができるの?」
「……むしろ、このような狭い世界だからこそ容易に達成できるやもしれぬ」

シャナの白い顔が更に色を失った。
確かにアラストールの言うとおりだろう。この世界にはたった60人。あの人類最悪を加えても61人しかいない。
それぐらいにまで少ないのならば、逆に言えば世界に穴を開ける人数も少なくてすむということだ。
実際の都喰らいでは住民の一割も必要としなかった。ここでなら10人もトーチにすれば充分に達成できるに違いない。

「プライドの高い彼奴のこと。仮に人類最悪の言葉が真実だとしてもただ生き残って帰してもらおうなどとは思うまい」
「だからこの世界そのものを破壊して、その力で帰ろうってこと……?」

シャナの顔に今までにない深刻さが浮かび上がる。
ただひとりしか生き残れないとされる場所で、人々が互いにその席を巡って殺しあう。それはとても恐ろしい。
しかし、その中でその根底から破壊してひとり生き残ろうとしているものがいるのだとすれば、話はそれどころではない。

「杞憂であればそれにこしたことはないが、幸運に身を委ねて働かぬのは愚者のすることだ」

アラストールの言葉にこくりと頷き、シャナはトーチを強く見つめる。
フリアグネが《都喰らい》。または別の何かを目論んでいるとして、彼女が取りえる選択肢はそう多くはない。
ひとつは、フリアグネ自身を発見し討滅することで彼の目論見そのものを破壊してしまうこと。
もうひとつはこの自在法の性質を見切り、速やかに対処することで彼の計画を妨害、頓挫させてしまうこと。

「性格や狙いから考えてフリアグネが我らの前に姿を現すとも思えぬ、実際にヴィルヘルミナの前よりも引いたのだ」
「出てくるとしたら”王手”がかかった後。……じゃあ、あいつを見つけ出してってのは難しいか」

瞳に僅かな憂いを浮かべシャナは深く息を吐いた。
フリアグネを見つけ討滅することは困難だろう。何せ並の相手ではない。紅世の徒の中でも王と呼ばれる存在なのだ。
一度は倒した相手ではあるがそれは幸運が重なった結果だと理解しているし、今は悠二も傍にいないのである。
ならば今はもうひとつの手段を取るしかないとシャナは思う。
《都喰らい》はすでに既知の方策だ。ゆえにその対処方法も存在したし、実行した経験もあった。

「じゃあ、あのトーチを、消す」

それが唯一にして単純。確実な対処方法だ。
一度に大量のトーチを消されるから歪みも大きくなる。ならば、作られる端から消していけばそれを妨げることができる。
仮にも人であったものを消し去るのは非道にも映るだろうが、しかしシャナは使命に生きるフレイムヘイズであった。
しばらく止めているだけだった足を踏み出し、シャナはトーチの元へと歩み寄ろうとし――

「待って!」

――美波にその腕をとられ引き止められた。




 【3】


「あの人。多分ステイル=マグヌスって人だと思う。
 ウチはインデックスから聞いたんだけど、ばっちり特徴が一致してるし仲間だった言ってたもの。だから――」

だからなんだというのか。
あのトーチが神社にいた白いシスターの仲間だとして、しかし”あれ”はもう本物ではなくただの残り滓でしかないのだ。
消えてしまえば知っていたという記憶ごと失われる。だから消した後で誰かが悲しむなんてこともない。
そもそもすでに消えかけなのだ。放っておいても数時間もすれば消える。今ここで消したとしても大差はない。なのに、

シャナは自分よりはるかに非力な美波の手を振り切ることができないでいた。



「トーチが消えると記憶も消えちゃうんだよね?」
「そうよ」
「思い出とか、楽しかったこととか、想ってたりすることも全部なかったことになっちゃうんだよね?」
「そう説明したでしょ」
「もしその人に恋人がいたとしても、相手の人は恋人がいなくなったことにも気づかず生きてゆくんだよね?」
「なにが、言いたいの……?」

そんなことはわかっていた。

「ウチはそんなのイヤ」
「同情してるの? 初めて会ったあの男に? それともインデックスって子に?」
「それも、少しはある……けど、それよりもウチはそういうことがあったんだってことを忘れてしまうのが怖い」
「……怖い?」

美波の目には涙が浮かんでいた。
しかしそれは憐憫からくるものではなく、恐怖とそれ以外の何かのようだと思え、シャナは自身がそれに気づくことに怖気づく。

「これから先、忘れていることがあるのかもってずっと怯えながら生きてゆくのはイヤ。
 けどなによりも、もしアキがトーチになってて私がいつかアキのことを忘れちゃうのかもって考えるのが、怖い。
 私がトーチになってシャナやヴィルヘルミナさんに消されてみんなが私のことを忘れちゃって……、
 そして私がアキのことを好きだって思ってたことも全部なくなっちゃうなんて……そんなの絶対に、……イヤ」

シャナの細い腕を掴む美波の手がガクガクと震えていた。
それは世界の裏側にある残酷な真実を知ってしまった者の反応で、今更ながらにシャナは教えてしまったことを後悔する。

「けど、そんなこと言ったって――」
「わかってる。これはウチのわがままだって……、シャナ達にとってはしなくちゃならないことだってわかってる。
 けど、お願いだから……ウチらといる間はトーチを消さないって言ってほしい。でないと……」
「そんな、……勝手なこと」

心が軋む。そんなことはわかっていたのだ。だから努めて冷静にフレイムヘイズとして振舞おうとしていたのに。

「シャナは、もし”悠二って人がトーチになったりしたら”、そんな平気な顔して消すことができるの――?」

――美波の手を思いっきり振り放した。



「うるさいうるさいうるさい」

胸元のアラストールと追いかけてくる美波が何か話しかけている。
しかしシャナはそれを一切無視して灰色の道路をずんずんと渡り、トーチが中にいるコンビニの前へと進んだ。
自動ドアが開き、「いらしゃいませ」という音声が店内に流れるが、消えかけのトーチはそれに気づいた様子もない。
更にカツカツと足音を立てて近づいたところでコピー機の前につっ立っていたトーチはようやくこちらに気づいた。

美波の悲鳴が聞こえた気がする。しかし、そんなの関係ない。



シャナに気づいて振り向いたステイルの胸に、彼女は右腕を伸ばし――突き刺した。




 【4】


「うん? どういう事態なのかな? これは……?」



”気づいたら”、どうしてか不機嫌そうな顔の美少女と、なぜか半べそをかいている女の子とが目の前にいた。

「あんた、ステイル=マグヌスってやつであってる?」
「……そうだけど?」

今いるここはどうやらコンビニの中らしいとステイルは認識する。
しかしどうしてここにいるのか、記憶はまるで夢を見ていたかのように不鮮明だ。
ホテルの中にいたことまでは覚えている。そして……そう、ルーンを使いきったから補充しにコンビニに入ったのだ。
今もコピー機が働いている音が後ろから聞こえてくる。どうやらそれを待っているうちにうとうとしてしまったらしい。

「(寝不足かな? ……戦場でぼうっとしちゃうなんてさ)」

とりあえず、その間に殺されなかったのは幸運だとステイルは神に感謝し、改めて目の前の少女らを見た。
自分の名前を知っているということは、どうやら知りあいの内の誰かと出会っているらしい。

「私はシャナ。こっちのは島田美波。それであんたに聞きたいことがあるの」
「ふうん?」

頭がすっきりしてきたところで、ステイルは少女らのことをよく観察してみる。
目の前で話しかけてくる小さい方の女の子は気配からして普通でないとわかる。間違いなく非現実(こちら)側の存在だ。
逆にその後ろで所在無さげにしているジャージの子は見たまんまに普通の子らしい。
経緯はわからないが、元からの知りあいってわけでもなさそうに見える。となればここで仲間になったのだろう。

「全部答えてくれたらインデックスって子の居場所を教えてあげる。いいでしょ?」
「へえ……って、それは本当かい?」

靄のかかっていた頭がまた一段とクリアになる。
インデックス。インデックス。インデックス。インデックス。インデックス。彼女こそステイルの存在意義であった。

「安心しなさい。あの子は私の仲間と今は一緒にいる。私の仲間は強いから彼女が危険にさらされることはないわ」
「それは、君たちに感謝するべきなんだろうね。うん、僕からも礼を言わせてもらうよ。ありがとう。
 あーでも、少しは警戒されちゃってるのかな? 一体、彼女は僕のことをなんと言ってたんだろう?」
「仲間だって聞いてる。えーと……ネセサリウスって教会のシスターと神父なんでしょ?」
「そうか仲間か。仲間ね、うん。……そうだ。そこにツンツン頭の少年は一緒じゃないのかい? 上条当麻って名前なんだけど」

さりげない質問ではあったが、ステイルにとってはこの先の進路を決める重要な質問であった。
もしあの少年がインデックスの傍にいるのならば考えることは何もない。居場所など聞かずただ自分の仕事をするだけだ。
今更、彼女の隣を彼から掠め取ろうなどと卑しいことは思わないし、ただ自分が知るように自分を彼女の為に使うだけの話である。
しかし聞いてみると、あのいつでも守ってみせると豪語する少年はインデックスの傍にはいないらしかった。

「明け方頃に南西の海岸の近くで会って、話をして別れてそれっきり」
「ふうん。またぞろ女の子のトラブルに顔を突っ込んでいるのか彼は……やれやれ」

彼がどこかでまた別の物語の主人公(ヒーロー)をしてるというなら、夢見るぐらいまでなら罰は当たらないかもしれない。

「それで聞きたいことって? 彼女に会わせてくれるっていうならなんでも答えるけど?」
「まずは”これ”ね。あのホテルを燃やしたのはあんたなの?」

言って目の前の少女はポケットから一枚の黒焦げた紙を取り出した。
それが何かなど、仕掛けた張本人であるステイルしたら考えるまでもなかったが、しかし彼は口よどんでしまう。

「ああ……、それは僕のルーンだね。”ホテルが燃えていたのかい?”
 確かにホテルには特製の結界を張っておいたけど……あぁ、じゃあ誰かがそれに引っかかったのかな?」
「ふぅん。結界が張れるんだ。じゃあどんな結界なのか教えなさい」
「うん? 知りたいのかい? いや、知っておかないと困るということかな。
 何、簡単な結界さ。このルーンを張ってね、インデックス以外の人間がそこに入ってきたら……まぁ、そんな感じだよ」
「あのホテル以外にも結界を張ったの?」
「いや、誓ってあのホテルだけだよ。何せ手間もルーンの枚数もかかるものでね。
 ひとつ張り終えてようやくって所だったんだけど……そうか、燃えているってことは”誰か来て”たんだな」

ステイルは困ったような笑みを浮かべ小さな息をついた。
わかっていたことだが、罠を張った後そこから離れてしまえばその結果がどうなろうと自分には知る術がない。
インデックス以外の人間がどうなろうともとは思っていたが、実際にそうなるとなんとも面映いものであった。

「じゃあもうひとつ質問。坂井悠二に会ったことは? それとここ数時間でバギーを見たことはない?」
「うん? それじゃあふたつの質問になるんじゃ……あぁ、なるほど。その坂井悠二というのはバギーに乗っているんだね。
 男だと思うけど、彼も君たちの仲間なのかい?」
「そう。会ってない?」
「会ってないはずだ。けど見ているかもしれないな。えーと……おや、”いつの間にかに放送の時間は過ぎていたのか”。
 まぁいいさ。彼女が生きているならそれ以外はどうでもいいことだしね。
 ところで件のバギーだけど思い出したよ。少なくとも放送の前だったね。僕が見たのは」
「どこに向かっていたかわかる?」
「目の色が変わったね。……まぁいい、詮索はしないさ。
 確かホテルの屋上から見たんだけど、橋のすぐ向こうで爆発があってね。そこから東に向かっていたよ」
「東? ……病院の方向じゃないの?」
「病院? そこに向かう予定でもあったのかな。けど、僕が見た限り、バギーは病院ではなく東の方へと走っていたよ」
「そう。わかったわ。ありがとう」

それで質問は終わりだったのか、少女は口を閉じそわそわとし始めた。どうやらすぐにもそのバギーを追いたいらしい。
だがステイルは何もお人よしで質問に答えていたわけではない。

「それで、インデックスはどこにいるのかな?」
「言う前に約束してもらうことがあるわ」

ステイルは呆れたように大きな溜息をはいた。なんとも稚拙で傲慢、アンフェアな交渉である。
とはいえ、彼女の為ならばなんでも飲むつもりでもあった。それで彼女が助かるのならば地獄に飛び込む覚悟すら彼にはある。

「まずひとつ。結界の罠を張るのを止めなさい」
「かまわないよ。インデックスを保護していてくれている人を間違って焼いちゃうのは僕にとっても好ましくないからね」
「それともうひとつ。そこにヴィルヘルミナっていう私の仲間がいるから、あんたも保護してもらいなさい」
「うん? それは随分と僕を軽く見ているんじゃないかな? こう見えてもここじゃあまだ”負けたってことはない”んだけどね」

さすがにその言葉にはステイルも怒りを覚え、心の中に紅い火花を散らした。
実力に自負はあるし、言ったとおりここに着てからは狂犬などを屠りはすれど、誰かに遅れをとった”覚えなどない”のだ。

「別にこれは私が言ってたってヴィルヘルミナに伝えてくれるだけでいい。
 そして、できるだけ彼女の言うことに従って。あのインデックスって子を助けたいならね」
「脅迫……というつもりでもないのかな。よくわからないけど、まぁいいさ。
 とりあえず言うことは聞こう。そのヴィルヘルミナにも君の言葉を伝える。けど、そこからは束縛を受けるつもりはない」
「それでもいい」
「じゃあ、そろそろインデックスが匿われている場所を教えてもらおうか。もうこれ以上は聞きたいことも約束もなしだよ?」



そうして、ようやくにステイルはインデックスの居場所を知り、少女らはバギーを追ってコンビニを後にしたのであった。




 【5】


「インデックスが神社にね。
 必要悪の教会(ネセサリウス)のシスターが神社に保護されているって、なにか皮肉のつもりなのかな」

ステイルは少女らを見送ると、いつの間にかに動きを止めていたコピー機でと振り返った。
そして出来たばかりのルーンをトレイから回収し、商品として並んでいた頑丈な紙袋に収めてゆく。
そしてそれを終えると、まずは言われたとおりに神社へと行ってみようと思い、一歩二歩と歩き、しかしそこで足を止めた。

「なんだろうね? ”なにかが足りない”。そんな気がなんとなくする」

なんとなくという感覚を魔術師であるステイルは軽視しない。予感は人間の持つ最も優秀な知覚とも言えるからだ。
しかし、その何かはどうにも頭の中で形になりそうもないようだった。

「さっきの女の子が嘘をついてた?
 いや、そうする意味は薄いか。インデックスやあの少年と会っていたのは本当らしかったし……」

ふむ。とステイルは眉間に指を当てて考え込む。頭の中に靄がかかっているのはわかるのに、どうしてもそれが晴れない。
ここしばらくぼうっとしていたこともあり、どうにも自分は調子が悪いらしいがしかし一体どういうことなのだろう?
一分ほどそのままでいたステイルはゆっくりと目を開き、そして目の中に映ったものを見てその靄の正体に気がついた(?)。

「あぁ、”これ”かな。きっとそうだね」



ステイルの視線の先。レジカウンターの奥にあった”これ”とは棚の中に並べられた大量の――煙草の箱であった。




【C-4/市街地・コンビニ/1日目・午後】

【ステイル=マグヌス@とある魔術の禁書目録】
[状態]:“トーチ”状態。ある程度は力が残されており、それなりに考えて動くことはできる。
[装備]:筆記具少々、煙草
[道具]:紙袋、大量のルーン、大量の煙草
[思考・状況]
 基本:インデックスを生き残らせるよう動く。
 0:煙草を吸おう。
 1:神社に向かう……かな?
[備考]
 既に「本来のステイル=マグヌス」はフリアグネに喰われて消滅しており、ここにいるのはその残り滓のトーチです。
 紅世に関わる者が見れば、それがフリアグネの手によるトーチであることは推測可能です。
 フリアグネたちと戦った前後の記憶(自分がトーチになった前後の記憶)が曖昧です。
 いくらかの力を注がれしばらくは存在が持つようになりました。




 【6】


「ふむ。結果としてはシャナの判断が実を結んだ形となったか。何も聞かずに飛び出した時は些か肝を冷やしたがな」
「それは悪かったってば」

コンビニを後にしたシャナとアラストールは北へと向かい灰色のアスファルトの上を足早に進んでいた。
気持ちとしてはすぐにでも飛んで行きたいところだが、ホテルの火災によりこの上空は今、熱波の海と化しているのだ。
先刻も、熱を持った風に煽られた美波が大変なことになりかけたりもしたので、少し離れるまでは自重しなくてはならない。
そしてその美波が小走りで追いついてくると、シャナの前に回ってペコリと頭を下げた。

「あの、さっきはウチの言ったことを聞いてくれてありがとう」
「べ、別にあんたのためにやったんじゃないからね!
 私はただあいつから少しでも情報が引き出せたらいいって思っただけで、偶々仲間の仲間だから残しただけなんだから!」

そう。シャナはあのトーチを消してしまうのでなく、逆に力を分け与えたのであった。
存在の力を操れるフレイムヘイズはトーチを消すこともできれば、逆にそのトーチに火を継ぎ足すこともできるのだ。

「しかし、腕をトーチに潜らせた時はさすがの我も構えたぞ」
「一応あいつが”ミステス”かもってことだけは確認しておこうと思って。何も言わなかったのは謝るけど」
「ミステスって何?」
「あー! 今度は教えない! うるさいから黙ってなさいよ!」

”それ”が”シャナ”にとっての何もかもであった。
ミステスの少年との出会いが彼女を変え、揺さぶり、育て、今現在の”シャナ”を形作り、今回の結果を生んだのであった。

「(またヴィルヘルミナには怒られるかな。っていうか、あいつヴィルヘルミナに消されちゃわないかな……)」

ただのひとつのトーチも消せなかったなどと知られれば、また彼女を落胆させてしまうかもしれない。
一応の理屈は取り付くってはあるものの、根本にあるのは完全なフレイムヘイズにはあるまじき感傷でしかないからだ。
しかし、それこそが彼女が見つけた彼女にとっての――


――自分(わたし)なのだ。


そこには辛いこともあったが、彼女はそれを後悔しない。なぜならばそれ以上のものを自分の中に持てるようになったのだから。








「シャナってツンデレだよね」
「はぁ!? なにそれ意味わかんない!!」
「ふむ。聞きなれぬ言葉だな。響きからすると英語圏の言葉ではなさそうだが――……」




【C-4/市街地・橋の近く/一日目・午後】

【シャナ@灼眼のシャナ】
[状態]:疲労(小)
[装備]:メリヒムのサーベル@灼眼のシャナ
[道具]:デイパック、支給品一式、不明支給品x1-2、コンビニで入手したお菓子やメロンパン
[思考・状況]
 基本:悠二やヴィルヘルミナと協力してこの事件を解決する。
 1:橋を渡ったらそこから東に向かい、バギー(坂井悠二)の後を追う。
 2:島田美波を警護しつつ、彼女に協力。姫路瑞希を捜索し、水前寺を神社に連れ戻す。
 3:以上の目的を果たしたら一旦神社へと戻る。
 4:東にいると思われる“狩人”フリアグネの発見及び討滅。
 5:トーチを発見したらとりあえず保護するようにする。
 6:古泉一樹にはいつか復讐する。
[備考]
 紅世の王・フリアグネが作ったトーチを見て、彼が《都喰らい》を画策しているのではないかと思っています。


【島田美波@バカとテストと召喚獣】
[状態]:健康、鼻に擦り傷(絆創膏)
[装備]:第四上級学校のジャージ@リリアとトレイズ、ヴィルヘルミナのリボン@現地調達
[道具]:デイパック、支給品一式、
     フラッシュグレネード@現実、文月学園の制服@バカとテストと召喚獣(消火剤で汚れている)
[思考・状況]
 基本:みんなと協力して生き残る。
 1:シャナに同行し、姫路瑞希と坂井悠二を探す。ついでに水前寺も。
 2:川嶋亜美を探し、高須竜児の最期の様子を伝え、感謝と謝罪をする。
 3:竜児の言葉を信じ、全員を救えるかもしれない涼宮ハルヒを探す。
[備考]
 シャナからトーチについての説明を受けて、「忘れる」ということに不安を持っています。




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前:硫黄の炎に焼かれても(前編) ステイル=マグヌス 次:disappear/loss
前:ペルソナヘイズ(上) 少女には向かない職業 シャナ 次:forever blue (前編)
前:ペルソナヘイズ(上) 少女には向かない職業 島田美波 次:forever blue (前編)



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