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トリックロジック――(TRICK×LOGIC) 4
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トリックロジック――(TRICK×LOGIC) 4 ◆EchanS1zhg
【第三殺害現場 《クビキリメンバー》 -実地検分】
そこはそこでまた、これまでの二つとは異なる印象を持つ殺害現場だった。
これまでの殺害現場を、例えばアスファルトの上にグロテスクを晒したあれを無惨な殺害現場とするならば、
例えばミステリの1シーンのような流血に彩られたあれを無慈悲な殺害現場とするならば、
ここは、流れる湯の音と白い湯気に包まれたこの現場は、まるで無感動な、白けきった殺害現場だった。
例えばミステリの1シーンのような流血に彩られたあれを無慈悲な殺害現場とするならば、
ここは、流れる湯の音と白い湯気に包まれたこの現場は、まるで無感動な、白けきった殺害現場だった。
「血が流れてないってのも……けっこう、それはそれで不気味っつーか、なんか違和感あるな」
現場を見に行きたいと言ったぼくに同行してくれた上条くんが、死体を覗き込みそんなことを言った。
こんな状況での単独行動には色々と問題があるので、快く同行してくれたのには感謝である。
こんな状況での単独行動には色々と問題があるので、快く同行してくれたのには感謝である。
さて、死体であるけれども、現場は温泉――と言っても銭湯の風呂場となにが変わるというわけでもないのだが、
そのタイルが敷かれた床の上に横たわっていた。
浴槽から流れ出るお湯が床を洗い続けているので、彼が言うとおり現場にはもう血の痕跡はほとんどない。
そして血に塗れていない死体はその生々しさだけが浮き彫りになって、やはり彼が言うように不自然な存在であった。
そのタイルが敷かれた床の上に横たわっていた。
浴槽から流れ出るお湯が床を洗い続けているので、彼が言うとおり現場にはもう血の痕跡はほとんどない。
そして血に塗れていない死体はその生々しさだけが浮き彫りになって、やはり彼が言うように不自然な存在であった。
「この分だと、いわゆる証拠ってやつも流れちゃってるんだろうな。誰がやったなんかわかりっこねぇ」
「別にそれはいいよ。ぼくたちの中に犯人がいないってことが信用できれば、今はそれで十全さ」
「別にそれはいいよ。ぼくたちの中に犯人がいないってことが信用できれば、今はそれで十全さ」
実際、どれだけの登場人物がここを訪れ、そして今も潜んでいるかなんてわかりっこないのだ。
なので、ぼくは犯人を特定すること自体に興味はない。6人の中に犯人がいないと証明することが最重要課題なのだ。
今はまだ亜美ちゃんが部屋を別にするぐらいで済んでるけど、これ以上のトラブルはぼくのキャパを超えてしまう。
なので、ぼくは犯人を特定すること自体に興味はない。6人の中に犯人がいないと証明することが最重要課題なのだ。
今はまだ亜美ちゃんが部屋を別にするぐらいで済んでるけど、これ以上のトラブルはぼくのキャパを超えてしまう。
「しかし、凄腕のテロリストだっけ?
正直なところ、ぼくはこの人がこうやって黙った状態になっていることに安心を覚えるよ」
「そりゃあ、俺もこんなゴツいオッサンとか相手にしたくねぇけどよ。それは死んだ人に悪くないか……?」
正直なところ、ぼくはこの人がこうやって黙った状態になっていることに安心を覚えるよ」
「そりゃあ、俺もこんなゴツいオッサンとか相手にしたくねぇけどよ。それは死んだ人に悪くないか……?」
この死体となっている人物は、千鳥さんによるとガウルンと名前の国際的テロリストらしい。
そのスキルがどういったものかまでは聞いてないけど、しかしその身体の大きさだけで脅威としての説得力は十分だった。
そのスキルがどういったものかまでは聞いてないけど、しかしその身体の大きさだけで脅威としての説得力は十分だった。
黒桐って人や北村という人物。忍者の人など、ここには後3つの死体があったけれど、その体躯はどれも標準程度だ。
それに比べてこのガウルンという人物は、落ちた頭と身体とを合わせて見積もれば2メートル近くもある。
しかもその上、細身ではあるが引き締まった筋肉の持ち主でもあり、体躯とは関係ないが傷のある顔もやけにいかつい。
本当。こんなのと殺し合いなんかするはめにならなくてよかったと、心底思える人物だった。
しかし、考えてみれば彼を殺したという人物もどこかに存在するわけで、脅威の問題は解決はしていないのだが。
それに比べてこのガウルンという人物は、落ちた頭と身体とを合わせて見積もれば2メートル近くもある。
しかもその上、細身ではあるが引き締まった筋肉の持ち主でもあり、体躯とは関係ないが傷のある顔もやけにいかつい。
本当。こんなのと殺し合いなんかするはめにならなくてよかったと、心底思える人物だった。
しかし、考えてみれば彼を殺したという人物もどこかに存在するわけで、脅威の問題は解決はしていないのだが。
「しっかし、こいつも綺麗に切られてやがるな……」
「こいつも? 上条くんはどっかで似たような死体を見たことがあるのかい?」
「似てるといえば似てるんだけど、全然違うとも言えるかなぁ。
学校で見た死体の話なんだけど、あれもこの死体みたいに切り口がいやに綺麗で印象に残ってんだ。
まるでワイヤーで引いて切ったみたいにってな。
もっとも、あっちは全身バラバラでこっちは首だけだから、やった人間が一緒かはわかんねぇけどよ」
「ふぅん……」
「こいつも? 上条くんはどっかで似たような死体を見たことがあるのかい?」
「似てるといえば似てるんだけど、全然違うとも言えるかなぁ。
学校で見た死体の話なんだけど、あれもこの死体みたいに切り口がいやに綺麗で印象に残ってんだ。
まるでワイヤーで引いて切ったみたいにってな。
もっとも、あっちは全身バラバラでこっちは首だけだから、やった人間が一緒かはわかんねぇけどよ」
「ふぅん……」
なるほど。確かに首の切断面は異常に綺麗だった。血がお湯で洗い流されている分、それがよくわかる。
剣術のスキルがあれば一刀両断ということも可能だろうが、上条くんの言うとおりワイヤーを使ってというのも考えられるか。
例えば、”曲絃糸”のような。もし”ジグザグ”な彼女がここにいればこんな現実を実現させることも可能と、そう言える。
剣術のスキルがあれば一刀両断ということも可能だろうが、上条くんの言うとおりワイヤーを使ってというのも考えられるか。
例えば、”曲絃糸”のような。もし”ジグザグ”な彼女がここにいればこんな現実を実現させることも可能と、そう言える。
「……戯言だけどね」
「ん? なんか言ったか?」
「いいやなんにも。気にしないでくれ」
「ん? なんか言ったか?」
「いいやなんにも。気にしないでくれ」
しかし、学校の廊下に”ジグザグ”にされた死体……か。否が応でも”彼女”のことを想起してしまう。
無論。彼女はすでに死者であるので、こんなところで再登場するわけない。あくまでこれはぼく個人の妄想でしかない。
似たようなスキルの持ち主がこの場所にいる――それはそれで剣呑だけど、そう考えるのが現実的思考だろう。
無論。彼女はすでに死者であるので、こんなところで再登場するわけない。あくまでこれはぼく個人の妄想でしかない。
似たようなスキルの持ち主がこの場所にいる――それはそれで剣呑だけど、そう考えるのが現実的思考だろう。
スキルの持ち主と言えば、北村くんと忍者の人を殺害したのは”師匠”と呼ばれる人物である可能性があるんだっけか。
名簿上には確かに”師匠”という名前が記されているが、この呼称もまた”彼女”の存在を想起させる。
なんにせよ、それはぼく自身の感傷や思い出といったものでしかないけど。
名簿上には確かに”師匠”という名前が記されているが、この呼称もまた”彼女”の存在を想起させる。
なんにせよ、それはぼく自身の感傷や思い出といったものでしかないけど。
「じゃあ、いっくん手伝ってくれるか?」
「手伝う?」
「ああ、このオッサンの死体。このままにはしておけねぇだろ?
また誰かが風呂を使いたくなるかもしれねぇし、こんな湿っぽくて熱い場所に放っておいたらすぐに腐っちまう。
大体、悪人って言ってももう死んだ人だしな。
墓までは無理でもどっか落ち着いた場所くらいにはってのが、上条さんとしての礼節なわけですよ」
「なるほどね。それは賛成だ。少なくとも腐った死体なんてのは見たくもないしね」
「手伝う?」
「ああ、このオッサンの死体。このままにはしておけねぇだろ?
また誰かが風呂を使いたくなるかもしれねぇし、こんな湿っぽくて熱い場所に放っておいたらすぐに腐っちまう。
大体、悪人って言ってももう死んだ人だしな。
墓までは無理でもどっか落ち着いた場所くらいにはってのが、上条さんとしての礼節なわけですよ」
「なるほどね。それは賛成だ。少なくとも腐った死体なんてのは見たくもないしね」
幸いと言っていいのかどうか、死体は死後硬直が始まっているようで運びやすい状態だ。
上条くんの言うとおりこんな場所でほっとけば遠からず崩れてぐずぐずになってしまうだろうし、移動させるなら今の内だろう。
上条くんの言うとおりこんな場所でほっとけば遠からず崩れてぐずぐずになってしまうだろうし、移動させるなら今の内だろう。
ぼくは死体の足元に回ると硬くなった足首を掴んで持ち上げた。
上条くんは”頭のない頭側”に回って、転がっていた頭部を身体の上に乗せてから肩を掴んで持ち上げる。
見た目どおりの重さだ。こいつはちょっとした棚なんかを運ぶ感覚に似ている。
そして既視感を感じる行為でもあった。
首切り死体の移送。それをぼくはこの春に2回も経験している。あれを2回と言うか1回だと言うかは微妙なところだけど。
上条くんは”頭のない頭側”に回って、転がっていた頭部を身体の上に乗せてから肩を掴んで持ち上げる。
見た目どおりの重さだ。こいつはちょっとした棚なんかを運ぶ感覚に似ている。
そして既視感を感じる行為でもあった。
首切り死体の移送。それをぼくはこの春に2回も経験している。あれを2回と言うか1回だと言うかは微妙なところだけど。
「後で北村や黒桐さんの死体もどうにかしてやらねぇとな。あっちもあれでほったらかしじゃ悪いし」
「上条くんはなかなかに”いい人”だね」
「そんなことねぇよ。俺はただ自分の気持ち悪いことに我慢ができないってだけだから」
「普通の人はそういう時でも面倒くさがったり損得を考えちゃうものさ」
「だったら俺は頭が悪いだけだ。損な役回りだなって思うことばかりだしな」
「まぁ確かに、美徳と最善最良は似て非なるものだよね」
「上条くんはなかなかに”いい人”だね」
「そんなことねぇよ。俺はただ自分の気持ち悪いことに我慢ができないってだけだから」
「普通の人はそういう時でも面倒くさがったり損得を考えちゃうものさ」
「だったら俺は頭が悪いだけだ。損な役回りだなって思うことばかりだしな」
「まぁ確かに、美徳と最善最良は似て非なるものだよね」
そして、ぼくと上条くんとは濡れた足場で足を滑らせないよう一歩ずつ慎重に浴室の中を横切ってゆくのだった。
【第三殺害現場 《クビキリメンバー》 -検証】
運び出した死体を適当な空き部屋に安置したぼくと上条くんはその後、皆の待つ客間へと戻っていた。
途中、部屋の番号をド忘れして迷子になりそうになったけど、そこは上条くんの記憶のおかげで事なきを得て、
同じく戻ってきていた千鳥さんに女湯での成果を報告し、お茶をいただいて一息をついたというところ。
途中、部屋の番号をド忘れして迷子になりそうになったけど、そこは上条くんの記憶のおかげで事なきを得て、
同じく戻ってきていた千鳥さんに女湯での成果を報告し、お茶をいただいて一息をついたというところ。
「なんですか、女の子は甘いものでできてるって本当なんですか――って、なによこの大量のドーナツ?」
「ああ、これは涼宮さんが持ってきてくれたんだけどね。当麻は甘いもの苦手だっけ?」
「いや嫌いじゃねぇよ。むしろ糖分の補給はありがたいですよ。けど面食らったっていうか、まぁいただきます」
「上条くんもじゃんじゃん食べていーからね。まだまだあるし」
「ああ、これは涼宮さんが持ってきてくれたんだけどね。当麻は甘いもの苦手だっけ?」
「いや嫌いじゃねぇよ。むしろ糖分の補給はありがたいですよ。けど面食らったっていうか、まぁいただきます」
「上条くんもじゃんじゃん食べていーからね。まだまだあるし」
なんというか和やかな空間になっていた。あのビクビクしていた姫路さんも今ではもふもふしている。
ミスタードーナツ万能説か。いや、やっぱりドーナツには人を馬鹿にする成分が混じっているのかもしれない。
どうせなら亜美ちゃんも戻ってくればいいのに。フレンチクルーラーもいっぱいあるのだから。
ミスタードーナツ万能説か。いや、やっぱりドーナツには人を馬鹿にする成分が混じっているのかもしれない。
どうせなら亜美ちゃんも戻ってくればいいのに。フレンチクルーラーもいっぱいあるのだから。
「それで、千鳥さんに聞きたいことがあるんだけどいいかな?」
「ん? いいけどなに?」
「ん? いいけどなに?」
ほうっておくと皆がドーナツを食べるだけの人間になってしまいそうな錯覚を起こしたので自分から話を振ってみる。
この場所におけるミステリ的な状況のうち、大体は概要を掴めたのだけど、まだひとつ不明な部分が残っているのだ。
正確にはこの場所の外で起きたことだけど、風呂場の死体と大きな関連性があると見られるので無視はできない。
この場所におけるミステリ的な状況のうち、大体は概要を掴めたのだけど、まだひとつ不明な部分が残っているのだ。
正確にはこの場所の外で起きたことだけど、風呂場の死体と大きな関連性があると見られるので無視はできない。
「千鳥さんが遭遇したっていう”櫛枝実乃梨”の姿をした何者かについてなんだけど」
なにがミステリかというと、これこそミステリというものが最後に残っていたこれだ。
千鳥さんいわく、偽物の登場である。怪盗百面相もかくやとなれば、もうミステリというより古い探偵小説の趣だった。
千鳥さんいわく、偽物の登場である。怪盗百面相もかくやとなれば、もうミステリというより古い探偵小説の趣だった。
「ああ、それのことね――」
経緯を説明するとこういうことだ。
温泉施設に向かっていた千鳥さんは、その温泉施設の近くで櫛枝実乃梨と再会した。
再会ということは既に面識のある人物であり、彼女は特に警戒することなく櫛枝さん(?)と会話をする。
温泉施設に向かっていた千鳥さんは、その温泉施設の近くで櫛枝実乃梨と再会した。
再会ということは既に面識のある人物であり、彼女は特に警戒することなく櫛枝さん(?)と会話をする。
その櫛枝さんが言うには、
温泉施設の中で北村くんの死体を見て、千鳥さんと上条くんの仕業じゃないかと思って彼女らを探していたらしい。
だが幸いにも誤解はすぐに解けた。
そして、櫛枝さんは温泉施設の中にガウルンとおぼしき人物が入っていったから気をつけろとも助言してくれたのだ。
温泉施設の中で北村くんの死体を見て、千鳥さんと上条くんの仕業じゃないかと思って彼女らを探していたらしい。
だが幸いにも誤解はすぐに解けた。
そして、櫛枝さんは温泉施設の中にガウルンとおぼしき人物が入っていったから気をつけろとも助言してくれたのだ。
ところがここらあたりから彼女の言動がおかしくなる。
武器になるものがあるかと尋ねられた千鳥さんがスタンガンを見せると、それが何なのかわからなかったらしい。
千鳥さんはスタンガンの説明をしているうちにそれに気づくが、そこで唐突に投げ倒され、気絶させられてしまった。
武器になるものがあるかと尋ねられた千鳥さんがスタンガンを見せると、それが何なのかわからなかったらしい。
千鳥さんはスタンガンの説明をしているうちにそれに気づくが、そこで唐突に投げ倒され、気絶させられてしまった。
しばらくして気づくと櫛枝さんの姿はなく、自分の荷物も持ち去られたらしいとわかる。
さて困ったが、上条くんとの約束もあるので千鳥さんは危険を承知で温泉施設へと向かうことにした。
そこで――
さて困ったが、上条くんとの約束もあるので千鳥さんは危険を承知で温泉施設へと向かうことにした。
そこで――
「――ガウルンが死んでるのを見つけたのよね」
ついでに、ガウルンが持っていたらしい銛撃ち銃と、気絶している間になくなっていた鎌もそこで見つかった。
もっとも、どちらも壊れて使い物にならなくなっていたので、この部屋を掃除する際にゴミと一緒に捨ててしまったが。
重要なのは鎌の方だ。奪われた物がそこにあったということは、つまり奪った者がガウルンを殺したと推測できる。
もっとも、どちらも壊れて使い物にならなくなっていたので、この部屋を掃除する際にゴミと一緒に捨ててしまったが。
重要なのは鎌の方だ。奪われた物がそこにあったということは、つまり奪った者がガウルンを殺したと推測できる。
「その、櫛枝さんって前の放送で名前を呼ばれちゃってた、わよね……?」
ハルヒちゃんがおずおずと尋ねた。その通り、彼女の名前は呼ばれている。
つまりすでに死んでしまった人間だということなのだけど、そこが問題をややこしくしていた。
彼女が存命なら、また会った時に問いただせばいいと結論は出るのだが、もういないのならそうはできない。
つまりすでに死んでしまった人間だということなのだけど、そこが問題をややこしくしていた。
彼女が存命なら、また会った時に問いただせばいいと結論は出るのだが、もういないのならそうはできない。
「だったらあれか? 櫛枝が千鳥から武器を奪って温泉まで戻り、そこでガウルンってオッサンを殺して
でもってその後すぐに他の誰かに殺されちまったってことになるのか?」
でもってその後すぐに他の誰かに殺されちまったってことになるのか?」
ひとつの可能性としてはそれも考えられた。
しかし時間的余裕や、千鳥さんや上条くんらの知る櫛枝実乃梨のパーソナリティを考慮すると大きな疑問が生じる。
しかし時間的余裕や、千鳥さんや上条くんらの知る櫛枝実乃梨のパーソナリティを考慮すると大きな疑問が生じる。
「亜美は絶対偽物だって言ってたし、私もあれが本物の櫛枝さんだとは思えないのよねぇ……」
「だとすれば誰かが変装していたってことも考えられるね」
「だとすれば誰かが変装していたってことも考えられるね」
こういった状況下であるし、ましてや一度しか会っていない相手だ。
同じ制服を着たり、特徴を少し掴んだ姿をしていれば本物だと勘違いさせることは決して難しくはないだろう。
同じ制服を着たり、特徴を少し掴んだ姿をしていれば本物だと勘違いさせることは決して難しくはないだろう。
「だったら能力者ってのも考えられるぜ。
学園都市には相手の感覚に偽の情報をつかませて、姿を消したり別の人間だって思わせるやつもいるんだ。
そういう能力者や魔法使いみたいなのが千鳥を騙したのかもしれない」
学園都市には相手の感覚に偽の情報をつかませて、姿を消したり別の人間だって思わせるやつもいるんだ。
そういう能力者や魔法使いみたいなのが千鳥を騙したのかもしれない」
変装の達人と言えばぼくはあの人を思い浮かべるが、なんにせよ一時的に騙すぐらいなら不可能ではないということだ。
そして、千鳥さんの前に現れた櫛枝さんが偽物だとすると今度は別の問題が生じる。
そして、千鳥さんの前に現れた櫛枝さんが偽物だとすると今度は別の問題が生じる。
「えっと、じゃあ……なんでその櫛枝さんの偽物は千鳥さんのこととか北村くんのことを知っていたわけ?」
ハルヒちゃんの言うとおりだった。
偽の櫛枝さんとおぼしき人物は、本人かまたは彼女の近くにいた人物でないと知りえないことを知っていた。
そうだとするとあまり愉快ではない想像をしなくてはならないことになってしまう。
偽の櫛枝さんとおぼしき人物は、本人かまたは彼女の近くにいた人物でないと知りえないことを知っていた。
そうだとするとあまり愉快ではない想像をしなくてはならないことになってしまう。
「ひとつの可能性としては、彼女と同行していた人物の中にその偽物になった人物がいたことになるね」
「木下さんか、シャナちゃんってこと? でも木下さんは亡くなってるし……」
「シャナがってのもちょっと想像できないな。絶対とは言えないけど、そんな柄には見えなかったぜ?」
「木下さんか、シャナちゃんってこと? でも木下さんは亡くなってるし……」
「シャナがってのもちょっと想像できないな。絶対とは言えないけど、そんな柄には見えなかったぜ?」
千鳥さんが櫛枝さんと交流した時、その場にいたのは上条くんと、木下さんとシャナという少女がいたという。
もし犯人がいるとするならばこの中に潜んでた可能性が高い。
となると消去法で考えるとシャナという子しかいなくなるのだが、どうやら千鳥さんと上条くんはありえないと思っている。
だとすれば、どこからならば千鳥さんと櫛枝さんの情報を得られるのか?
盗み見していた人物がいたとも考えられるが、それよりも妥当で説得力のある解答がひとつ存在した。
もし犯人がいるとするならばこの中に潜んでた可能性が高い。
となると消去法で考えるとシャナという子しかいなくなるのだが、どうやら千鳥さんと上条くんはありえないと思っている。
だとすれば、どこからならば千鳥さんと櫛枝さんの情報を得られるのか?
盗み見していた人物がいたとも考えられるが、それよりも妥当で説得力のある解答がひとつ存在した。
「それじゃあ、こう考えるしかないね。偽者の櫛枝さんに千鳥さんの情報を教えたのは”櫛枝さん本人”であった」
これが、一番妥当で説得力のある答えだ。
「どういうことなのいっくん?」
「何も彼女が進んで話をしたとは限らない。
彼女がもう死んでいる以上、無理やりに情報を吐かされ、その後入れ替わるために殺害された可能性がある」
「何も彼女が進んで話をしたとは限らない。
彼女がもう死んでいる以上、無理やりに情報を吐かされ、その後入れ替わるために殺害された可能性がある」
犯人に自由に変装できるスキルがあり、ある程度腕に覚えがあって、偶然を挟まないとするとこれが最もありえる。
「なんにせよ、本物の櫛枝実乃梨を殺した人物と、その偽者となった櫛枝実乃梨とが同一なのは間違いないと思う。
多分だけど偽物が千鳥さんに語った櫛枝さんの動向は真実じゃないかな」
「私を探してたってところ?」
「そう。本物の櫛枝さんも、本当にひとりで千鳥さんを探してここを出た。
けれど運悪く、偽物となった人物に行き当たってしまった。
そしてなんらかの方法で事情を聞きだされ――それは穏便なものであった可能性も充分あるけど、
相手に有益だと思われてしまい、入れ替わりのために……つまり、入れ替わる以上本物は邪魔になるので――」
「――殺されたっていうのかよ」
「そうだね。それで衣装や荷物を奪われたと見るのが、今のところは一番想像しやすい真相かな」
多分だけど偽物が千鳥さんに語った櫛枝さんの動向は真実じゃないかな」
「私を探してたってところ?」
「そう。本物の櫛枝さんも、本当にひとりで千鳥さんを探してここを出た。
けれど運悪く、偽物となった人物に行き当たってしまった。
そしてなんらかの方法で事情を聞きだされ――それは穏便なものであった可能性も充分あるけど、
相手に有益だと思われてしまい、入れ替わりのために……つまり、入れ替わる以上本物は邪魔になるので――」
「――殺されたっていうのかよ」
「そうだね。それで衣装や荷物を奪われたと見るのが、今のところは一番想像しやすい真相かな」
もっとも、言葉の通りに今のところは一番想像しやすいというだけにすぎない。
ぼくが今思いつくパターンの中では可能性が高いだろうというだけで、実際の真相に近い保障なんてできやしない。
なにせ情報が圧倒的に不足しているのだ。あらすじだけでミステリを解いてみようとするようなものである。
実際に無視できない穴はある。例えば千鳥さんはどうして殺されなかったのか等々。疑問を数え上げればきりはない。
けど、この場においての着地点としては上々なはずだ。
ぼくが今思いつくパターンの中では可能性が高いだろうというだけで、実際の真相に近い保障なんてできやしない。
なにせ情報が圧倒的に不足しているのだ。あらすじだけでミステリを解いてみようとするようなものである。
実際に無視できない穴はある。例えば千鳥さんはどうして殺されなかったのか等々。疑問を数え上げればきりはない。
けど、この場においての着地点としては上々なはずだ。
「じゃあ、今頃シャナはどうしてるんだろうな?」
「ここから櫛枝さんが飛び出して行ったって言うのが本当なら、シャナちゃんも追いかけて行ったと思うけど」
「それで誰かに襲われて木下が……か?
どっちにしろ、入れ違いになったのは変わらないみたいだな。
だったら、涼宮が言ったようにこっから教会に向けてひとつずつ当たって行くのがいいんじゃないか?」
「そうよね。ソースケもどこにいるのかわかんないし、地味にいっこずつ見て行くのがいいみたい」
「ここから櫛枝さんが飛び出して行ったって言うのが本当なら、シャナちゃんも追いかけて行ったと思うけど」
「それで誰かに襲われて木下が……か?
どっちにしろ、入れ違いになったのは変わらないみたいだな。
だったら、涼宮が言ったようにこっから教会に向けてひとつずつ当たって行くのがいいんじゃないか?」
「そうよね。ソースケもどこにいるのかわかんないし、地味にいっこずつ見て行くのがいいみたい」
うん。これは悪くない展開のはず。
もっとも、ぼく自身に”無為式”がある以上、100%の保障はできないのが辛いとこだけど。おそらく、今は大丈夫なはずだ。
あれはあくまでぼくの外側にある流れを破綻させるものだから、ぼく自身がこの流れの中で前を向いている限りは……、
もっとも、ぼく自身に”無為式”がある以上、100%の保障はできないのが辛いとこだけど。おそらく、今は大丈夫なはずだ。
あれはあくまでぼくの外側にある流れを破綻させるものだから、ぼく自身がこの流れの中で前を向いている限りは……、
おそらく。
きっと。
多分。
楽観的に見れば…………、ちょっと自信なくなってきたけど、どうかうまくいきますように。……ねぇ、神様?
きっと。
多分。
楽観的に見れば…………、ちょっと自信なくなってきたけど、どうかうまくいきますように。……ねぇ、神様?
「じゃあ! そうと決まればちょっと休みましょう。川嶋さんも説得しないとだしね!」
「それで、川嶋さんの機嫌がなおったらみんなでまずは学校に向かいましょう!」
「おいおい待てよ涼宮。みんな疲れてるはずだし、腹ごしらえもだな――」
「ここにたくさんあるでしょう?」
「だからドーナツだけでなくてだな、上条さんはこう晩飯的なものをいただきたいと思ってるわけですよ。
その、主にたんぱく質だとか脂質だとか」
「ああ、別に勝手にすればいいけど。そう言えば、私もここで温泉に浸かりたかったのよね。
1日に1回ぐらいはお風呂に入っておきたいし、せっかく温泉が目の前にあるのに入れないのは癪だわ」
「別にそれはいいけど、単独行動は危険だよハルヒちゃん」
「だったらあんたが見張りに立ちなさいよ。でも覗いたら絶対死刑だけどね」
「おいおい待てよ涼宮。みんな疲れてるはずだし、腹ごしらえもだな――」
「ここにたくさんあるでしょう?」
「だからドーナツだけでなくてだな、上条さんはこう晩飯的なものをいただきたいと思ってるわけですよ。
その、主にたんぱく質だとか脂質だとか」
「ああ、別に勝手にすればいいけど。そう言えば、私もここで温泉に浸かりたかったのよね。
1日に1回ぐらいはお風呂に入っておきたいし、せっかく温泉が目の前にあるのに入れないのは癪だわ」
「別にそれはいいけど、単独行動は危険だよハルヒちゃん」
「だったらあんたが見張りに立ちなさいよ。でも覗いたら絶対死刑だけどね」
「姫路はどうする……って、ちょっと大丈夫か?」
「……………………」
「色々あって疲れてたのよね。
今は休むといいわよ。あたしがお布団引いてあげるし……ってことで男子は退出ー!
そこに鍵があるから適当な部屋に……じゃなくて隣の部屋にいなさい。なんかあったら呼ぶから」
「まぁ、別にいいけどよ。じゃあ晩飯はどーすんだ? どーせ作るんならあんま量は関係ねーけど」
「じゃあ私たちの分もお願いしようかな。なんならあたしも手伝うけど?」
「千鳥さん。そんなの、いーにやらせればいいわよ。ねぇ、料理ぐらいできるんでしょう?」
「まぁ、いいけどね。上条くんが言うとおり量は増えてもそんなに手間は変わらないよ」
「……………………」
「色々あって疲れてたのよね。
今は休むといいわよ。あたしがお布団引いてあげるし……ってことで男子は退出ー!
そこに鍵があるから適当な部屋に……じゃなくて隣の部屋にいなさい。なんかあったら呼ぶから」
「まぁ、別にいいけどよ。じゃあ晩飯はどーすんだ? どーせ作るんならあんま量は関係ねーけど」
「じゃあ私たちの分もお願いしようかな。なんならあたしも手伝うけど?」
「千鳥さん。そんなの、いーにやらせればいいわよ。ねぇ、料理ぐらいできるんでしょう?」
「まぁ、いいけどね。上条くんが言うとおり量は増えてもそんなに手間は変わらないよ」
そしてぼくは上条くんと一緒に追われる様に、もしくは解放される様にその部屋を後にした。
仮初めの平穏はまったくもって戯言のそれでしかないけれど。戯言で築き上げられた砂上の楼閣にすぎないけれど。
ばくたちは今、死体に囲まれていて。そしてその外側には更に多数の死体があり、死体の数だけ殺人があるけれど。
状況は、これっぽちも変化しておらず、ぼくらは未だ絶望する中にしかいないのだけれども。そうでしかないのだけど。
ばくたちは今、死体に囲まれていて。そしてその外側には更に多数の死体があり、死体の数だけ殺人があるけれど。
状況は、これっぽちも変化しておらず、ぼくらは未だ絶望する中にしかいないのだけれども。そうでしかないのだけど。
まぁ、それでも。今はこうでもいいんじゃないかと、思った。ここにはこんなにも心地よい人間ばっかりなのだから――
この6人ではミステリは発生しえない。それが今唯一の、ぼくが保障できる解答だった。
【エピローグ 《melancholy girl x0》】
ゴウンゴウンゴウン――と、金属の桶がぐるぐると回っている。率直に言えば洗濯機がぐるぐると回っていた。
ここは温泉施設の中にある洗濯室。コインランドリーのような場所と思ってもらってくれればかまわない。
ここは温泉施設の中にある洗濯室。コインランドリーのような場所と思ってもらってくれればかまわない。
あの後、ぼくと上条くんは女性3人が陣取る部屋の隣にぼくたちの部屋を確保した後、すぐにそこを出た。
そして上条くんが下水の匂いが染み付いた制服を洗濯したいと希望したので今ここにいるのだ。
姫路さんならともかく、上条くんの体操着姿なんかずっと見ていたくもないのでぼくは一も二もなくそれに賛成した。
そして上条くんが下水の匂いが染み付いた制服を洗濯したいと希望したので今ここにいるのだ。
姫路さんならともかく、上条くんの体操着姿なんかずっと見ていたくもないのでぼくは一も二もなくそれに賛成した。
「悪いな。つきあわせちまって」
「いやいやこちらこそどういたしましてだよ」
「いやいやこちらこそどういたしましてだよ」
見納めだからといっても、ぼくは上条くんの体操着姿を凝視することなどなく、何もない壁を見ながら思索に耽る。
とりあえず、慌しい状況が落ち着いたので、現状の確認と今回の自己採点だ。
とりあえず、慌しい状況が落ち着いたので、現状の確認と今回の自己採点だ。
今現在、亜美ちゃんだけは別室に引き篭もっているという状況だけど、人間関係はそこまで悪くはない。
千鳥さんや上条くんは言うに及ばず、姫路さんの状態もこの人間関係の中なら大丈夫だろう。
懸念しておかねばならないのは、彼女が殺害した黒桐幹也の関係者であると想像できる黒桐鮮花の存在だ。
姉か妹か母か従姉妹かは知らないけど、無縁でないとするならば恨みを買ってもしょうがない。
千鳥さんや上条くんは言うに及ばず、姫路さんの状態もこの人間関係の中なら大丈夫だろう。
懸念しておかねばならないのは、彼女が殺害した黒桐幹也の関係者であると想像できる黒桐鮮花の存在だ。
姉か妹か母か従姉妹かは知らないけど、無縁でないとするならば恨みを買ってもしょうがない。
まぁ、それはその時として、ハルヒちゃんの状態も良好だ。
どうやら彼女は人がたくさんいる場合の方が気丈になるらしい。今までよりも明るい顔が何度も見れた。
流れとしてはこの後、いくつかのミステリアスなスポットを当たって行くわけで、
その場所自体にはなんの期待もないけれど、ハルヒちゃん自身がそこに”当たり”を生む可能性には期待できる。
それもその時だけど、都合よくことが運べば思ったより早くに解決の糸口みたいなものが見つかるかもしれない。
どうやら彼女は人がたくさんいる場合の方が気丈になるらしい。今までよりも明るい顔が何度も見れた。
流れとしてはこの後、いくつかのミステリアスなスポットを当たって行くわけで、
その場所自体にはなんの期待もないけれど、ハルヒちゃん自身がそこに”当たり”を生む可能性には期待できる。
それもその時だけど、都合よくことが運べば思ったより早くに解決の糸口みたいなものが見つかるかもしれない。
となると、問題は引き篭もった亜美ちゃんの存在か。
しかしぼくは女の子をかどわかすスキルなんて所持はしていないので、これは時間に頼るしかないだろう。
おそらく、こちら側が楽しくしていれば亜美ちゃんも姫路さんへの疑いを緩くするはずだ。
所謂、天岩戸作戦。まぁ、これは千鳥さんやハルヒちゃんに任せておけばいい。
時間がかかってしまうのも仕方ない。
元々1日の4分の1ぐらいは休息に使わねばならないのだから、今というタイミングは丁度いいと前向きに捉える。
しかしぼくは女の子をかどわかすスキルなんて所持はしていないので、これは時間に頼るしかないだろう。
おそらく、こちら側が楽しくしていれば亜美ちゃんも姫路さんへの疑いを緩くするはずだ。
所謂、天岩戸作戦。まぁ、これは千鳥さんやハルヒちゃんに任せておけばいい。
時間がかかってしまうのも仕方ない。
元々1日の4分の1ぐらいは休息に使わねばならないのだから、今というタイミングは丁度いいと前向きに捉える。
で、自己採点だけど……ぎりぎり60点ってところか。赤点は免れたけど、満点には程遠い。
表面上の問題はだいたい取り繕った。ここらへんは戯言遣いの面目躍如である。
この6人のグループ内において大きな問題がすぐに噴出することはない。この点はクリアだ。
この6人のグループ内において大きな問題がすぐに噴出することはない。この点はクリアだ。
しかし、外側の脅威に対する策はこれっぽちも用意できていなかった。
第一の殺害現場の犯人は素人――つまり姫路さんの犯行であって、これはもう脅威足りないけど、他は違う。
朝倉涼子に師匠と呼ばれる人物。そして櫛枝実乃梨を騙った何者か。どれも対抗するにはリスクの大きな相手だ。
そして、脅威の数はそれだけではないだろう。
実効的な実力による脅威いう意味においてはこの6人は脆い。むしろグループと化したことでなお脆くなった。
この点はぼくにはフォローできない。
そういう意味では60点は満点だと言えるけど、しかしそんな自己満足じゃぼくたちはぼくたちの命を守れない。
第一の殺害現場の犯人は素人――つまり姫路さんの犯行であって、これはもう脅威足りないけど、他は違う。
朝倉涼子に師匠と呼ばれる人物。そして櫛枝実乃梨を騙った何者か。どれも対抗するにはリスクの大きな相手だ。
そして、脅威の数はそれだけではないだろう。
実効的な実力による脅威いう意味においてはこの6人は脆い。むしろグループと化したことでなお脆くなった。
この点はぼくにはフォローできない。
そういう意味では60点は満点だと言えるけど、しかしそんな自己満足じゃぼくたちはぼくたちの命を守れない。
「ほんと、なんであいつは死んでしまったんだ。ぼくから見れば唯一の頼れる実力者だったのに――」
「なにか言ったか、いっくん?」
「ああ、なんでもないよ。ただのないものねだりさ」
「ああ、なんでもないよ。ただのないものねだりさ」
……なんでみんなよりにもよって”いっくん”なんだろうね。上条くんにしても千鳥さんにしても。
まぁ、彼らに”いーちゃん”とは呼ばれたくないし、
”いの字”とか”いのすけ”なんかよりかは”いっくん”が選ばれやすいんだろうというのは承知しているけど。にしてもだ。
まぁ、彼らに”いーちゃん”とは呼ばれたくないし、
”いの字”とか”いのすけ”なんかよりかは”いっくん”が選ばれやすいんだろうというのは承知しているけど。にしてもだ。
「そうだ上条くん。ひとつ質問してもいいかな?」
ぼくのことを”いっくん”と呼ぶのなら。これも懐古のひとつだけど、この質問を彼にぶつけてみよう。
「君は、姫路瑞希を――殺人者としての姫路瑞希を許容できるのかい?」
庇護されるべき女の子としての姫路瑞希じゃない。殺人を犯した事実を持つ姫路瑞希を――だ。
それはつまり、現実的な妥協という意味での許容ではなく。一個人の価値観として殺人を許せるのかと認めるかということ。
それはつまり、現実的な妥協という意味での許容ではなく。一個人の価値観として殺人を許せるのかと認めるかということ。
「彼女のことを可哀想だって思ってあげることは容易い。彼女のことを保護するのは男性としてはある意味当然だ。
けど、そういう問題ではなく、君は彼女が殺人を犯したという事実をどう捉えているのか、それを聞いてみたい」
けど、そういう問題ではなく、君は彼女が殺人を犯したという事実をどう捉えているのか、それを聞いてみたい」
本来ならば、この質問は姫路さん自身にぶつけるものだから、これは所詮戯言、所謂余興にしかすぎない。
ただの興味本位だ。上条当麻という人物が何者かであるのか。そこに対するちょっとした好奇心。
ただの興味本位だ。上条当麻という人物が何者かであるのか。そこに対するちょっとした好奇心。
「そんなことは関係ねぇよ。やったことはやったことだ。”覆水盆に返らず”ってぐらいならこの上条さんだって知ってるぜ。
姫路が黒桐さんって人を殺したのは事実だ。
だからもしここに警察がいるってんなら、俺は姫路が警察に行くよう説得するだろうし引っ張ってでも連れて行く。
姫路の罪自体を受け入れたり許したりってことはしない……っていうか、それは俺のすることじゃない。
俺には姫路を裁く権利なんてねぇよ。だから罪を許容するとかしないとかは関係ないんだ。
そして、俺は姫路を守る。
誰にだって姫路をいたずらに傷つける権利なんてないし、そんなことは罪とは関係なく許されるもんじゃない。
だから俺はここで最後まで姫路を守るって決めたんだよ。
姫路を傷つける何者からも、姫路が自分自身を傷つけちまうってことからもな」
姫路が黒桐さんって人を殺したのは事実だ。
だからもしここに警察がいるってんなら、俺は姫路が警察に行くよう説得するだろうし引っ張ってでも連れて行く。
姫路の罪自体を受け入れたり許したりってことはしない……っていうか、それは俺のすることじゃない。
俺には姫路を裁く権利なんてねぇよ。だから罪を許容するとかしないとかは関係ないんだ。
そして、俺は姫路を守る。
誰にだって姫路をいたずらに傷つける権利なんてないし、そんなことは罪とは関係なく許されるもんじゃない。
だから俺はここで最後まで姫路を守るって決めたんだよ。
姫路を傷つける何者からも、姫路が自分自身を傷つけちまうってことからもな」
「どうして、君は姫路さんを助けるんだい?」
「困ってて助けを求めてたんだ。だったら助けるだろ。女の子でもオッサンでもな」
それが上条当麻の解答。
あぁ、戯言だ。この場合はぼく自身の存在がまごう事なき戯言。
彼は――上条当麻はぼくの意地悪に対し、見事なカウンターを返して見せた。
あまりに綺麗に決まりすぎて気持ちがよくなるくらいの一撃。そう。これこそが”正解”というものだ。
彼は――上条当麻はぼくの意地悪に対し、見事なカウンターを返して見せた。
あまりに綺麗に決まりすぎて気持ちがよくなるくらいの一撃。そう。これこそが”正解”というものだ。
そして、”とある彼との共通点《メインヒロイン》”。
「そう言えば、いっくんも学校の校庭に書かれてた魔方陣みたいなのを見てたんだっけ?」
「ぼくは夜のうちだったから、そこにあると気づいたくらいだったけどね。上条くんは何かわかったのかい?」
「いんや。俺にはさっぱり――ここにインデックスがいたらなにかわかると思うんだけどな……」
「インデックスというと君が探している女の子だっけ?」
「ああ。いっくんのほうは玖渚友って女の子を探してるんだよな?
まぁ、こっちの話だけどあいつは魔術(オカルト)の専門家だからな。それが魔術関係ならわかったろうになって話」
「なるほどねぇ。こっちのあいつは電子(デジタル)の専門家だけどね。だからこの場合は役に立たない。
でも、記憶力だけは異常だからね。こういう場合、常に隣にいると便利なんだけど」
「インデックスも記憶力はすごいな。読んだ本の1頁1文字すら忘れない。
もっとも食欲の方がすごいけど……あいつちゃんとメシくってるのかなぁ……」
「あいつは普段は食べないくせに食う時は異常に食うしなぁ。今がその飢えてる時でないといいけど……」
「玖渚友って子は小さな女の子だっけ?」
「インデックスって子は小さな女の子だっけ?」
「そうだな。ついでに貧相なお子様体型《ロリータ》だ」
「そうだよ。ついでに貧相なお子様体型《ロリータ》なんだ」
「…………」
「…………」
「早く無事見つかるといいな」
「早く無事見つかるといいね」
「ぼくは夜のうちだったから、そこにあると気づいたくらいだったけどね。上条くんは何かわかったのかい?」
「いんや。俺にはさっぱり――ここにインデックスがいたらなにかわかると思うんだけどな……」
「インデックスというと君が探している女の子だっけ?」
「ああ。いっくんのほうは玖渚友って女の子を探してるんだよな?
まぁ、こっちの話だけどあいつは魔術(オカルト)の専門家だからな。それが魔術関係ならわかったろうになって話」
「なるほどねぇ。こっちのあいつは電子(デジタル)の専門家だけどね。だからこの場合は役に立たない。
でも、記憶力だけは異常だからね。こういう場合、常に隣にいると便利なんだけど」
「インデックスも記憶力はすごいな。読んだ本の1頁1文字すら忘れない。
もっとも食欲の方がすごいけど……あいつちゃんとメシくってるのかなぁ……」
「あいつは普段は食べないくせに食う時は異常に食うしなぁ。今がその飢えてる時でないといいけど……」
「玖渚友って子は小さな女の子だっけ?」
「インデックスって子は小さな女の子だっけ?」
「そうだな。ついでに貧相なお子様体型《ロリータ》だ」
「そうだよ。ついでに貧相なお子様体型《ロリータ》なんだ」
「…………」
「…………」
「早く無事見つかるといいな」
「早く無事見つかるといいね」
あの零崎人識を鏡の向こう側の自分とするならば、上条当麻は夏休み前に立てたスケジュールみたいな存在だった。
つまり、ある時描いた理想形というやつ。
つまり、ある時描いた理想形というやつ。
ぼくと上条くんはおそらく、多分、本質や素材という部分で相似する部分が多くあるとそう思う。
そしてぼくは夏休みの宿題なんかこなす意味はないと置き去りにした結果、最後に痛い目を見た捻くれ者の愚か者だ。
彼の夏休みはこれからだろう。
そして、彼はぼくとは違って必要以上に宿題をこなす人物に違いない。それこそ、人の宿題にまで手を出すような。
そしてぼくは夏休みの宿題なんかこなす意味はないと置き去りにした結果、最後に痛い目を見た捻くれ者の愚か者だ。
彼の夏休みはこれからだろう。
そして、彼はぼくとは違って必要以上に宿題をこなす人物に違いない。それこそ、人の宿題にまで手を出すような。
「上条くんは夏休みの宿題はちゃんと計画立ててこなすタイプ?」
「いやー、そうしないといけねぇとはわかってんだけど、毎年八月末に大童ですよ」
「そう。じゃあこれからはちゃんと最初からがんばれるようにするといいよ。
機会があるならぼくも少しぐらいは手伝ってあげてもいいさ。こう見えても、勉強を教えるのは得意なほうでね」
「それはありがたい……けど、どうして急にこんな話題に?」
「ああ、それはね――」
「いやー、そうしないといけねぇとはわかってんだけど、毎年八月末に大童ですよ」
「そう。じゃあこれからはちゃんと最初からがんばれるようにするといいよ。
機会があるならぼくも少しぐらいは手伝ってあげてもいいさ。こう見えても、勉強を教えるのは得意なほうでね」
「それはありがたい……けど、どうして急にこんな話題に?」
「ああ、それはね――」
――戯言って言うんだよ。
【E-3/温泉/一日目・夕方】
【千鳥かなめ@フルメタル・パニック!】
[状態]:健康、まだ喰えるけど?
[装備]:とらドラの制服@とらドラ!、ワルサーTPH@現実
[道具]:デイパック、基本支給品x2、御崎高校の体操服(女物)@灼眼のシャナ、黒桐幹也の上着
客間の鍵(マスター)、客間の鍵(女部屋)、客間の鍵(その他全部)
血に染まったデイパック、ボイスレコーダー(記録媒体付属)@現実、不明支給品x1-2
[思考・状況]
基本:脱出を目指す。殺しはしない。
0:姫路さんを休ませる。
1:亜美を説得。
2:施設を回り、怪しいモノの調査。
└まずは学校の魔方陣(?)。その次に教会地下の墓所の予定。その次は図書館?
3:知り合いを探して合流する。
[備考]
登場時期は、長編シリーズ2巻、3巻の間らへん。
[状態]:健康、まだ喰えるけど?
[装備]:とらドラの制服@とらドラ!、ワルサーTPH@現実
[道具]:デイパック、基本支給品x2、御崎高校の体操服(女物)@灼眼のシャナ、黒桐幹也の上着
客間の鍵(マスター)、客間の鍵(女部屋)、客間の鍵(その他全部)
血に染まったデイパック、ボイスレコーダー(記録媒体付属)@現実、不明支給品x1-2
[思考・状況]
基本:脱出を目指す。殺しはしない。
0:姫路さんを休ませる。
1:亜美を説得。
2:施設を回り、怪しいモノの調査。
└まずは学校の魔方陣(?)。その次に教会地下の墓所の予定。その次は図書館?
3:知り合いを探して合流する。
[備考]
登場時期は、長編シリーズ2巻、3巻の間らへん。
※「銛撃ち銃(残り銛数2/5)@現実」と「小四郎の鎌@甲賀忍法帖」は遺棄されました。
【涼宮ハルヒ@涼宮ハルヒの憂鬱】
[状態]:健康
[装備]:弦之介の忍者刀@甲賀忍法帖
[道具]:デイパック、基本支給品、大量のドーナツ@ミスタードーナツ
[思考・状況]
基本:この世界よりの生還。
0:姫路さんを休ませる。
1:休憩しながら晩御飯を待つ。
2:その後、出発までに温泉に入る。
3:施設を回り、怪しいモノの調査。
└まずは学校の魔方陣(?)。その次に教会地下の墓所の予定。その次は図書館?
4:朝倉涼子に会ったら事情を説明してもらう。
[備考]
登場時期は、一学期終了以降。
[状態]:健康
[装備]:弦之介の忍者刀@甲賀忍法帖
[道具]:デイパック、基本支給品、大量のドーナツ@ミスタードーナツ
[思考・状況]
基本:この世界よりの生還。
0:姫路さんを休ませる。
1:休憩しながら晩御飯を待つ。
2:その後、出発までに温泉に入る。
3:施設を回り、怪しいモノの調査。
└まずは学校の魔方陣(?)。その次に教会地下の墓所の予定。その次は図書館?
4:朝倉涼子に会ったら事情を説明してもらう。
[備考]
登場時期は、一学期終了以降。
【姫路瑞希@バカとテストと召喚獣】
[状態]:失声症、左中指と薬指の爪剥離、微熱
[装備]:ウサギの髪留め@バカとテストと召喚獣
[道具]:
[思考・状況]
基本:上条当麻と共に生き続ける。未だ辛いことも多いけれど、それでも生き続ける。
0:安心したらぼーっと……。
1:このみんなとなら一緒にいれそう。
[状態]:失声症、左中指と薬指の爪剥離、微熱
[装備]:ウサギの髪留め@バカとテストと召喚獣
[道具]:
[思考・状況]
基本:上条当麻と共に生き続ける。未だ辛いことも多いけれど、それでも生き続ける。
0:安心したらぼーっと……。
1:このみんなとなら一緒にいれそう。
※御崎高校の体操服から元々自分が着ていた制服に着替えました。
【いーちゃん@戯言シリーズ】
[状態]:健康
[装備]:森の人(10/10発)@キノの旅、バタフライナイフ@現実、クロスボウ@現実
[道具]:デイパックx2、基本支給品x2、大量のフレンチクルーラー@ミスタードーナツ
ブッチャーナイフ@現実、22LR弾x20発、クロスボウの矢x20本、トレイズのサイドカー@リリアとトレイズ
[思考・状況]
基本:玖渚友の生存を最優先。いざとなれば……?
0:何か腹にたまるものを作ろう。
1:当面はハルヒの行動指針に付き合う。
2:↑の中で、いくつかの事柄を考え方針を定める。
├涼宮ハルヒの能力をどのように活用できるか観察し、考える。
└玖渚友を探し出す方法を具体的に考える。
3:施設を回り、怪しいモノの調査。
└まずは学校の魔方陣(?)。その次に教会地下の墓所の予定。その次は図書館?
4:零崎人識との『縁』が残っていないかどうか探してみる。
[備考]
登場時期は、「ネコソギラジカル(下) 第二十三幕――物語の終わり」より後。
[状態]:健康
[装備]:森の人(10/10発)@キノの旅、バタフライナイフ@現実、クロスボウ@現実
[道具]:デイパックx2、基本支給品x2、大量のフレンチクルーラー@ミスタードーナツ
ブッチャーナイフ@現実、22LR弾x20発、クロスボウの矢x20本、トレイズのサイドカー@リリアとトレイズ
[思考・状況]
基本:玖渚友の生存を最優先。いざとなれば……?
0:何か腹にたまるものを作ろう。
1:当面はハルヒの行動指針に付き合う。
2:↑の中で、いくつかの事柄を考え方針を定める。
├涼宮ハルヒの能力をどのように活用できるか観察し、考える。
└玖渚友を探し出す方法を具体的に考える。
3:施設を回り、怪しいモノの調査。
└まずは学校の魔方陣(?)。その次に教会地下の墓所の予定。その次は図書館?
4:零崎人識との『縁』が残っていないかどうか探してみる。
[備考]
登場時期は、「ネコソギラジカル(下) 第二十三幕――物語の終わり」より後。
【上条当麻@とある魔術の禁書目録】
[状態]:全身に打撲(軽)
[装備]:御崎高校の体操服(男物)@灼眼のシャナ
[道具]:デイパック、支給品一式、吉井明久の答案用紙数枚@バカとテストと召喚獣、不明支給品x0-1
七天七刀@とある魔術の禁書目録、上条当麻の学校の制服(洗濯中)@とある魔術の禁書目録
[思考・状況]
基本:このふざけた世界から全員で脱出する。殺しはしない。
0:何か腹にたまるものを作ろう。
1:姫路を守る。
2:千鳥や一緒にいるみんなを守る。
3:出発前に温泉にある遺体を安置したい。
4:施設を回り、怪しいモノの調査。
├まずは学校の魔方陣(?)。その次に教会地下の墓所の予定。その次は図書館?
└特に教会の地下は怪しく感じている。
5:その最中に知り合いや行方知れずのシャナを探して合流する。
[状態]:全身に打撲(軽)
[装備]:御崎高校の体操服(男物)@灼眼のシャナ
[道具]:デイパック、支給品一式、吉井明久の答案用紙数枚@バカとテストと召喚獣、不明支給品x0-1
七天七刀@とある魔術の禁書目録、上条当麻の学校の制服(洗濯中)@とある魔術の禁書目録
[思考・状況]
基本:このふざけた世界から全員で脱出する。殺しはしない。
0:何か腹にたまるものを作ろう。
1:姫路を守る。
2:千鳥や一緒にいるみんなを守る。
3:出発前に温泉にある遺体を安置したい。
4:施設を回り、怪しいモノの調査。
├まずは学校の魔方陣(?)。その次に教会地下の墓所の予定。その次は図書館?
└特に教会の地下は怪しく感じている。
5:その最中に知り合いや行方知れずのシャナを探して合流する。
【川嶋亜美@とらドラ!】
[状態]:満腹、不安、疲労
[装備]:グロック26(10+1/10)
[道具]:デイパック、支給品一式x2、高須棒x10@とらドラ!、バブルルート@灼眼のシャナ、
『大陸とイクストーヴァ王国の歴史』、包丁@現地調達、高須竜児の遺髪
[思考]
基本:高須竜児の遺髪を彼の母親に届ける。(別に自分の手で渡すことには拘らない)
0:……………………。
1:祐作のことはどうしようか?
[状態]:満腹、不安、疲労
[装備]:グロック26(10+1/10)
[道具]:デイパック、支給品一式x2、高須棒x10@とらドラ!、バブルルート@灼眼のシャナ、
『大陸とイクストーヴァ王国の歴史』、包丁@現地調達、高須竜児の遺髪
[思考]
基本:高須竜児の遺髪を彼の母親に届ける。(別に自分の手で渡すことには拘らない)
0:……………………。
1:祐作のことはどうしようか?
【客間の鍵@現地調達】
温泉施設にある休憩または宿泊用客室の鍵。
四角い棒状のキーホルダーがついており、そこに部屋の番号が記されている。
千鳥かなめは温泉のフロントからマスターキーを含む全ての鍵を調達した。
温泉施設にある休憩または宿泊用客室の鍵。
四角い棒状のキーホルダーがついており、そこに部屋の番号が記されている。
千鳥かなめは温泉のフロントからマスターキーを含む全ての鍵を調達した。
【大量のドーナツ@ミスタードーナツ】
フレンチクルーラーを始め、バタークランチ、ハニードゥ、ダブルチョコレート、チョコエンゼル、シュガーレイズド、
ショコラフレンチエンゼルショコラ、ゴールデンチョコレート、ハニーディップ、エンゼルクリーム、
オールドファッション、ポン・デ・リング、D・ポップ、クッキークルーラー等々、たくさんのおいしいドーナツ。
食べても食べてもなくならないくらいあるかもしれない。
フレンチクルーラーを始め、バタークランチ、ハニードゥ、ダブルチョコレート、チョコエンゼル、シュガーレイズド、
ショコラフレンチエンゼルショコラ、ゴールデンチョコレート、ハニーディップ、エンゼルクリーム、
オールドファッション、ポン・デ・リング、D・ポップ、クッキークルーラー等々、たくさんのおいしいドーナツ。
食べても食べてもなくならないくらいあるかもしれない。
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