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裸の出会いにご注意ください

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裸の出会いにご注意ください ◆bVLQ9jn0aM



上条当麻はぼんやりと立っていた。

(わたくしこと、上条当麻は現在非常にやっかいな事に巻き込まれています。
いつの間にか、自分が存在する世界は消え行く世界と変えられ、生き残るには自分ひとりになるしかない。
他を蹴落とせというサバイバルゲームのような物に参加させられる羽目になってしまったのです。
そのようなどこぞの映画のような事に巻き込まれてしまい、この上条当麻。人生最大の不幸を本気で実感しています)

「はあ、一体何をやれっつーんだよな。大体一人ってなんだ?俺が生き残りたいならビリビリやインデックスを蹴落とせ
って意味だろ。冗談じゃねーよ」

思わずため息が漏れ出る。
ネガティブな思考とどうしようもない混乱。
肩を落として、近くの岩に座り込む。

「はあ、どうするよ。まあ、多分本気で仲間を蹴落とそうとする奴は居ないだろうし、大丈夫だろ」

椅子に座りながら考える。
そして、デイバックの中に手を突っ込み、名簿以外の物を漁る。
すると、数枚の紙が出てきた。

「何だこれ?答案用紙か……『吉井明久』って誰だ?」

名簿には書かれていたような気がしたが、上条とは面識の無い男の名前だった。
最もこのテストにより吉井明久が学生である事だけは確認出来るがそれだけだ。
そして答案の中身はといえば、ほとんどが赤い不正解マークで埋め尽くされていた。
某クイズ番組に出ればかなりの人気者になれそうなぐらいの珍回答に思わず上条は笑ってしまう。

「何だこれっ、マジで笑える」

思わず噴出す。
そうこうして笑っていると、この異常な世界に巻き込まれた不幸も自然と薄らいでいくのを感じた。

(ふう、笑うと落ち着くって本当なんだな。………よしっ、インデックスを探すか。ついでにビリビリと黒子も探して、
余裕があれば土御門とステイルも……この二人はいいか。ほっといても何とかするだろうし)

「よし!行くか!!」

上条は立ち上がる。
すると、突然目の前の戸が開き、全裸の男が現れた。

「えっ!」
「おお、先客が居たのか。しかし着衣のままで入浴とは、変わった趣味だな」

ここで上条は気付いた。
ここが温泉で、自分が座っているのは、露天風呂の大きな岩だと。

「……………ってちょっと待て!何呑気に風呂入ってる?こういうのって、さっきまで笑っていた俺がいうのもなんだが……
普通はやっぱり、緊迫すべきですよね。違います!?」
「?いや、なにやら大事に巻き込まれたようだが、騒いだ所で始まらんだろ。それに今は夜だ。それに俺は今日はまだ
風呂に入ってからな。汗臭いままで歩き続けて、出会った人間を不快な気分にさせるのも不味いだろう」
「いやっ……ちょっと待ってくださいよ。えー、……俺がもし自分が生き残りたいから、他を蹴落とそうとする奴なら
どうするつもりだったんだ?」
「仮定の話をされても困る。それにお前がそういう男なら、既に俺を殺しているだろ。それに俺はこう見えても人を見る目は
あるつもりだ。だから、君が殺し合いに乗っていない事は察知出来る」

目の前の男の言葉が不思議な説得力を持っていることを上条は感じ取る。
そして、深くため息をついて体の力が抜けるのを感じる。

「はあ、俺だけですか。本気でどうするか考えているのは?」
「いや、俺も考えているつもりだ。少なくとも入浴を済ませたら考えるつもりだ」
「……分かった。じゃあ俺は外で待ってるよ」
「ああ、ところで名前は何だ?俺は北村祐作だが……」
「上条当麻ですよ。それじゃゆっくり入ってください。俺は気分じゃないんで」

こうして北村とすれ違って、上条は温泉を出て、脱衣所も抜けて男湯入り口手前に置いてある椅子に座り、北村が出るのを待つ。

(……何だか俺が馬鹿みたいですよ。何ですか?あの余裕ぶりは。普通はこう……強い決意を持ったり、少しは焦ったりする物
じゃないんですか?)
「……はあ、………俺って不幸だー」

少し愚痴交じりな思考を、一つの言葉にして吐き出す。
そして、その後十数分で北村は姿を見せる。

「いいお湯だったぞ。上条は入らないのか?」
「いや、俺はいいよ。………しかし、よくそんな余裕があるな」
「余裕?いや……信頼できる奴が居るからな。だから落ち着いていられるんだ」
「へえ、どんな奴なんだ?」
高須竜児、逢坂大河、櫛枝実乃梨の三人だな。俺の幼なじみに川嶋亜美って奴がいるんだが、そいつが真っ直ぐに笑えるように
なったのもその三人のおかげなんだ。それに、何だかんだで行動力もあるし、頭も回るし、心の強さがある。特に凄い力が
あるわけじゃないんだが、全員で力を合わせれば何か方法が見つかると思うから」
「そうなのか。じゃあ、その三人と……川嶋亜美ってのも参加者だけどこの四人なら安心ってわけか」
「そうだな。そっちはどうだ?まさか知り合いぐらい参加してるだろ」
「ああ、インデックスとビっ、御坂美琴白井黒子と土御門とステイルだな。まあステイルは少し危険だけど」
「ほお、ところで外見は…」

と、そして二人は互いの知人の外見も説明していく。
二人の声が温泉旅館の廊下に小さく響き渡る。




【E-3/温泉/深夜】
【上条当麻@とある魔術の禁書目録】
[状態]:健康
[装備]:無し
[道具]:デイパック 不明支給品1~2 吉井明久の答案用紙数枚@バカとテストと召喚獣
[思考・状況]
1:このふざけた世界から全員で脱出する。殺しはしない
2:インデックスを最優先に御坂と黒子を探す。土御門とステイルは後回し

【北村祐作@とらドラ!】
[状態]:健康
[装備]:無し
[道具]:デイパック 不明支給品1~3
[思考・状況]
1:高須竜児、逢坂大河、櫛枝実乃梨、川嶋亜美の四人を探す。
2:危険な人物に襲われた際の対処は特に考えてない。

【備考】
両者は互いの知人の外見の特徴を交換しました。



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