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  • ろりしょたばとるろわいある@ うぃき
  • 君と共に弾幕を(後編)

ろりしょたばとるろわいある@ うぃき

君と共に弾幕を(後編)

最終更新:2010年10月20日 18:14

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君と共に弾幕を(後編)◆3k3x1UI5IA


初弾は、直進する4つの光球だった。
フランドールも使った、基本的な攻撃魔法『ディバイン・シューター』。フランドールの時より、数が少ない。
空中に跳んで避けながら、フランドールはイアホンを耳に差す。
ランダム選曲設定されていたi-Podから、どこか身体に馴染む曲が流れだす。
表示された曲名は、『U.N.オーウェンは彼女なのか?』。
テンションが上がる。自信が漲る。フランドールの顔に、笑みが浮かぶ。
大きく弧を描いて戻ってきた弾丸を楽々と避けながら、楽しそうに笑う。

「この程度? これじゃ物足りないわ♪」
「……反応が遅い。次、『ディバイン・バスター』、早くして」
『発動の遅延は貴女の側の適性不足に由来するものと思われます。私に責任を求めるのは筋違いです』

険悪な会話を交わしつつ、それでも仮面の怪人の手にした杖から、太めのビームが放たれる。
しかし「溜め」に時間が掛かり過ぎていて、その攻撃も見え見えで。これも余裕を持って回避する。
そのビームも、以前フランドールが同じ技を放った時と比べると2回りほども細い。まるで弱々しい。

攻撃力、射程、弾速、速射能力、連射能力、同時制御可能弾数――
その全ての性能が、フランドールより明らかに劣っていた。一見しただけで劣っていると分かってしまった。
ミッドチルダ式の魔法は、同じ魔法でも使い手の特性や能力に応じて大きく変化してしまうものだ。
フランドールは小さく嘆息する。こんなにショボいとは思わなかったのに。
強引にでも取り戻して攻守交替しないと、退屈で退屈で死んでしまうんじゃないだろうか?
――だが、次の瞬間、彼女はその読みが甘すぎたことを知る。

「なるほど、なるほど。だいぶコツが分かってきたわ。となると――こうして、こうかな」

空中に散ったディバイン・バスターの残滓が消えると同時に、新たな光弾が放たれる。
レーザーのように弾道が残像を残すそれは、『ディバインシューター』の上級技、『アクセルシューター』。
今度は6発。前の4発より数は多いが、しかし本来は12の弾丸を操る技だ。やっぱり数が少ない。
フランドールはギリギリまで引きつけ、弾と弾の間をすり抜けようとして――

「――痛ッ!!」

肌を焼かれる痛みに、悲鳴を上げた。
けれどどうして!? 確かに弾道は見切ったはずなのだ。弾に当たるはずもないのだ。
事態の理解できないフランドールは、改めて周囲を見回し、ようやく気づく。

弾が通り過ぎて何秒も経つというのに、未だ空中に『弾道』の『残像』が残っていた。
否、それは網膜に焼きついた『残像』ではない。弾が通った跡に残された、破壊エネルギーの光。
メインの弾頭が通り過ぎてなお、その場に残り続ける『当たり判定』。

「これって……!」
『し、新魔法の構築!? たったこれだけの時間で――!』
「ゼロから作ったわけじゃない、私のオリジナル・アレンジよ。
 命名するなら――『アクセルシューター・シャイニングケージシフト』」

         *         *         *

元の世界でヴィクトリアが持っていた技は、避難壕(シェルター)の武装錬金。
それは『アンダーグラウンド・サーチライト』。
ニュートンアップル女学院の地下に百年近くに渡り展開されていた、複雑怪奇な秘密基地。
ホムンクルスの身体を持っていたことを差し引いても、常識を超える長時間の展開。
そして、亜空間形成系の中でも特別に広く入り組んだ空間の形成。

武装練金もまた、本来は使い手の特性に合わせて各人ごとに構成される「武器」である。
フランドールの特性が『純粋な破壊』であるように、ヴィクトリアの特性を端的に表現するなら――
『超長時間持続』。及び、『空間構築』。
並みの使い手を遥かに超える持続力。それに加えて、「自分のフィールド」を作り出す空間センス。
直接的な攻撃力にはかなり劣るが、この2つについては彼女の能力は突出していて――だから。

「ちょこまか逃げようというのなら――まずは、その逃げる余地を奪うのが私のやりかた、よ」

――それはまさに、「輝ける檻」だった。
光弾が通った弾道にうっすらと尾を引く光の筋が、なおも破壊の力を残したまま空中に留まって。
空中に、光の檻を織り上げる。フランドールの進路を遮り、逃げる余地を奪う。
誘導攻撃魔法にケージ系拘束魔法のエッセンスを付加した、ヴィクトリアオリジナルの魔法
本来一瞬で消えるはずの『破壊エネルギー』の持続時間を、格段に引き延ばしたもの。
通った跡に残された光の線は弾本体よりずっと弱く、触れても僅かに肌を焼かれる程度だったが……

「あうッ!?」

その痛みでコンマ数秒でも動きが止まれば、誘導弾の格好の餌食。
大きくUターンしてきた「光の筋の先端」、光の尾を引くスフィアが、フランドールの身体に襲い掛かる。
直撃。フランドールの腹部を、1発のスフィアが貫通する。空中で、フランドールの身体が大きく傾ぐ。

「『ライン』の持続時間は、数秒というところか……もう少し延ばせそうだけど、消耗も増えそうね」

ヴィクトリアは仮面の下で呟く。
そういうことが「できる」という直感は、レイジングハートを手にした瞬間に「分かった」が……
具体的な効力や性能は、実際に使ってみなければ分からない。
なんとも不便な『魔法』だ、と思いつつ、しかし核鉄だって同じようなものか、と考え直す。
それより、気になったのは。

「それにしても……直撃しても怪我が無いのは、どういうこと? 何か妙なことしてないでしょうね?」

         *         *         *

――理論でなく感覚で魔法を組む子は恐ろしい、と評したのは、クロノ・ハラオウンだったか。
高町なのは、フランドールと感覚優先のマスターに仕えてきた『彼女』には、その実感があまりなかったが。
こうして感覚任せに新魔法を組み上げたヴィクトリアを間近で見てしまえば、その意見に同意するしかない。

「それにしても……直撃しても怪我が無いのは、どういうこと? 何か妙なことしてないでしょうね?」
『……以前の仮マスター・フランによって、『非殺傷設定』が掛けられたままの状態になっています』
「何よ、それ?」
『物理的損害を回避し、対象の魔力のみにダメージを与える属性です』

ヴィクトリアに問われ、レイジングハート・エクセリオンは、嫌々ながらも白状する。
『彼女』はデバイスだ。明確に下された命令には逆らうことができない。
魔法についての質問を受ければ、しらばっくれることはできない。虚偽の報告もできない。

『時空管理局などの現場では、むしろ通常設定よりも使われる機会の多い魔法です。
 この設定を掛けることで街並みなどに損害を与えず、対象を気絶させて捕獲することも可能になり……』
「解除。この街を穴だらけにした時と同じ設定に。OK?」
『…… Yes, my illegal master. 』

命令のままに、設定を変更する。念ぜられるままに、光の尾を引く光弾を射出する。
抵抗など、できるはずがない。相手を『不正な処理により主人となった者』と命名するくらいが関の山だ。

これが、ほんの数時間前に出会っていたなら、レイジングハートは喜んでヴィクトリアに協力していただろう。
好戦的で殺人狂な、問答無用な危険人物。それがフランドールの第一印象。
なんとかして止めなければ、と思っていた。もっと話の通じる相手の手に渡りたい、とも思っていた。
ヴィクトリアの言葉の端々には主催者ジェダへの敵対心も窺える。
恐らくはこの殺し合いのゲームを否定すべく動くであろう主・高町なのはと、同じ方向を向いた者。
そこに協力する理由こそあれ、否定する論理的根拠など何一つない……はずだった。

けれど、何故だろう――今は、このヴィクトリアという少女に握られても、全然嬉しくはない。
何故だか、フランドールの側に居たい。あの美しい弾幕を、もう一度共に描きたい。
フランドールを、殺したくない。

「――あうッ!」

再び空中に描かれた『輝く檻』が、フランドールを捉える。フランドールの右脛が、大きく抉られる。
左肩は砕かれ、右手には日傘。空気抵抗は受けるし、バランスも取れない。
こんなコンディションで、回避し続けることなど出来はしない。
レイジングハートは、叫ぶ。唯一『彼女』に自由が許された「言葉」で、フランドールに呼びかける。

『フラン! 『魔法』を使って下さい!』

短い付き合いだが、しかし『彼女』は見抜いていた。
フランドールの言う「弾幕ごっこ」は、決して強者が弱者を一方的に嬲るものではない。
仕掛けられた側からの反撃も、許されている。ゴンの鉄拳のような攻撃も、許されている。
そして今、フランドールが自分のことを「弾幕ごっこを受ける立場」だと認識しているなら。

『貴女自身の『魔法』を! あの弾幕や、『スペルカード』とやらを使って下さい! そうすれば……!』

そうすれば――レイジングハートが、それを全て「受け止める」。
デバイス側の任意で発動可能な「防御魔法」で、全て「受け止める」。
どんな強力な『魔法』を使おうとも、フランドールに人殺しはさせない。人を壊させはしない。
ヴィクトリアもフランドールも、どちらも「救って」みせるから。だから――!

         *         *         *

『あの弾幕や、『スペルカード』とやらを使って下さい! そうすれば……!』
「嫌よ、レイジングハート! せっかく『面白く』なってきたってのに!」

仮面の怪人の手にある『トモダチ』の悲鳴に、しかしフランドールは笑って答える。
フランドールの身体のあちこちには、痛々しい火傷の跡。
仮面の少女が展開した『光の檻』は、なかなか厄介な相手だった。その全てを綺麗に避けきるのは難しい。
肌を焼き、右脛を削り、前髪を掠め……。
さらに、回避動作の際、風に煽られた日傘が揺れて、直射日光がフランドールの肌を焼く。
即死するほどヤワではないが、無視できるほど軽いダメージではない。
文字通りの、満身創痍。
吸血鬼の身体でも耐え難いはずの苦痛の中にあって、それでもフランドールは笑っていた。
楽しそうに、笑っていた。

「もっと、もっとよ! もっとあなたの『弾幕』を見せて!」

一切の反撃を行わず、回避のみに徹しながら、フランドールは叫ぶ。
実のところこの状態、フランドールがその本来の力を使えば、打開できる見込みもある。
各種の通常弾幕で牽制しても良し、攻撃系の『スペルカード』で向こうの弾を薙ぎ払っても良し。
『フォーオブアカインド』で分身したり、『そして誰も居なくなるか?』で姿を消せば、回避だって楽だったはず。

けれど。
『約束』、してしまったから。
『トモダチ』と、約束したから。
通常弾幕も『スペルカード』も封印して、レイジングハートの魔法「のみ」を使うと、約束してしまったから。
いくらレイジングハート自身が反撃を望んでも、その『約束』を破るのは、彼女の中の「何か」が許さない。

レイジングハートを奪われた今、反撃の手段は何も無い。
フランドールに格闘戦の心得は無いし、ゴンのように接近戦に活路を見出すこともできない。
それでも、フランドールは諦めていなかった。この『弾幕ごっこ』に勝つつもりだった。
唯一残された勝利条件、『放たれる全ての弾幕を避けきる』。ただそれだけを目指して。
それに……。

「綺麗……。とっても、綺麗」

仮面の怪人の杖から放たれ織り上げられる、『輝く光の檻』。
それは、美しかった。自らの立場を忘れるほど、美しかった。
フランドールの描く弾幕とは、また異質な美。
六角形を基調とした幾何学模様。確実に標的を誘導し、退路を断ち、追い詰める、効率的な空中回廊。
追い詰められる側にありながら、フランドールはその美しさに酔いしれる。

たった数分の戦いは、しかし百の言葉にも勝る。
出会ったばかりの仮面の少女の性格が、その美しい弾道から深く理解できてしまう。
真面目で、確実性を重視し、安全第一。それでいて、隠し切れずに滲み出してしまう破滅願望。
そして、避ける仕草から、フランドールの方の性格もまた、仮面の少女に伝わっているはずで――
ああ、なんて楽しいんだろう!
きっと2人は、『トモダチ』になれる。だって、こんなにも互いのことを理解できるんだから。

「――なまえを、教えて!
 私はフランドール。フランドール・スカーレット」
「……ヴィクトリア。ヴィクトリア・パワード」

『アクセルシューター』の連射が途絶えた所で、フランドールは呼びかけて。
表情をミラーシールドに隠す怪人も、しっかりと名乗り返す。
互いに決め手のないまま攻防を続けて、そろそろ互いの疲労も限界が近い。
きっと次の連撃が、双方にとって最後の勝負。

「そろそろ、決着としましょう――レイジングハートは、返してもらうわよ!」
「いいわ、これで終わりにしましょう――『アクセルシューター・シャイニングケージシフト』!」

馬鹿の一つ覚えの、『光の檻』。
しかし毎回異なるその軌道は、決して甘く見れるものではない。『光の壁』が空中に織り上げられる。
弾と弾の隙間に身を滑り込ませるようにして避けたフランドールは、そして顔を強張らせる。
――レイジングハートが、変形していた。カートリッジシステムから煙を吹き、取った姿は砲撃用形態。

「レイジングハート、バスターモード……『ディバイン・バスター』!」

『光の壁』に緩やかに覆われて、回避の余地のないフランドールに、極太のビームが襲い掛かる。
使い手の適性不足は、デバイス側を「そのための形態」に変形させることでフォロー。
正真正銘、勝負を賭けたヴィクトリアの大技に、フランドールは……

「こっちにも……手札はあるんだから!」

迫り来るビームに恐れることなく、フランドールはあえて『光の壁』にその身を「掠らせる」。
光のラインに焼かれたランドセルが、弾け飛ぶ。
空中に舞い散る持ち物の中、彼女は素早く手を伸ばし――

極太の光の柱が、空中で弾けた。

         *         *         *

『――フラン!』
「……まさか、そんな手を使うとはね」

レイジングハートが、彼女の名を叫ぶ。ヴィクトリアが、呆れたような声を上げる。
そして、フランドールは……。

「あ、あはは☆ こ、この勝負、あ、あたしの勝ちってことでいいわね?」

フランドールは、そこにいた。
枯れ枝のような翼の片方を吹き飛ばされ、浮力を失い地面に叩きつけられても、なお、笑っていた。
マントを片腕に引っ掛け、あちこち破けた日傘を片手に、笑っていた。

弾幕回避の高等技術、「あえて掠らせる間合い」を取って。
自らランドセルを破壊し、他のどんな方法よりも素早く取り出したのは、ゴンの遺品・『ひらりマント』。
刹那の間に広げた『それ』で、回避不能な『ディバイン・バスター』を防御。
完全に防いだとは到底言えない状態ではあったが、それでもなんとか、凌ぎきったのだ。

これで、この『弾幕ごっこ』はフランドールの勝ち。最後のコンボも凌がれてしまったヴィクトリアの負け。
フランドールは、覚束ない足取りで、仮面の少女に歩み寄る。嬉しそうに微笑みながら、歩み寄る。
もう、手を伸ばせば届く距離だ。

「えへへ……ヴィクトリアって、面白いわ」
「…………」
「あなたも、私の『トモダチ』になってくれる? 私、あなたのこと、もっと知りた――」

ドスッ。
フランドールの言葉が、重たい衝撃に遮られる。
何が起こったか分からず、彼女はゆっくりと自分の胸を見る。

フランドールの薄い胸に大穴が開き、長い、見覚えのある棒が、突き立っていた。

それはレイジングハート・エクセリオンの柄。
彼女の身体を貫いたのは、双刃の槍のように尖ったバスターモードの先端。
ホムンクルスの怪力で放たれた、知恵ある杖に自己分解する間も許さぬ神速の突き。
それは、真っ当な槍術からは程遠い力任せの代物でしかなかったが、しかしこの場ではそれで十分だった。

「――私は、貴女になんか興味は無いの。
 ましてやあなたみたいな奴と『トモダチ』だなんて、真っ平御免だわ」
『ふ……フランドール!』
「あ……? え……?」

フランドールは、理解できない、といった風に目を丸くする。
いや、実際、彼女には理解できなかったのだ。

生まれてから495年、屋敷の地下に閉じ込められていた彼女。人命の意味すら良く分かってない彼女。
吸血鬼として人の血を糧にしながら、人間そのものを見たことすら無かった彼女。
だから、彼女には分からない。
自分の身に負った怪我の意味が、分からない。
自分が、もうどうしようもない致命傷を負ってしまったということが、理解できない。
『弾幕ごっこ』の中、被弾し激痛を感じながらも笑っていたのも、要は、「分かってなかった」だけなのだ。

だが、非情な現実は当人の理解を待ってはくれない。
突き立てられた時と同じように、無造作に乱暴に凶器が引き抜かれる。
凶器として使われた『トモダチ』が、彼女の身体から引き離される。
フランドールの手にしていたマントが、風に煽られ飛んで行く。日傘がポロリと、手から零れ落ちる。

心の臓に杭を打ち込み、その身を日光に晒す――
伝統的な吸血鬼退治の手法も、この姉妹を相手に効果があるのかどうか、本来なら怪しいものだったが。
しかし、ここはジェダが支配する殺し合いの島。これだけの損傷を受け、生き延びることは許されない。
身体が崩れる。避けられない破滅が、ゆっくりと歩み寄る。

「い……嫌! わ、私、もっとレイジングハートと、遊びた……!」

最期に一滴の涙と首輪、そして小さく音楽を奏で続けるi-Podだけを残し。
さんさんと降り注ぐ太陽の下、最初っから壊れていた吸血鬼フランドール・スカーレットは、灰の山へと還った。

         *         *         *

『ヴィクトリア・パワード……貴女は、酷いヒトです』
「生憎、私も100年以上も昔に『人間』をやめているの。その批難は見当はずれもいいとこね。
 それに悪いのは、戦いの本質を見誤っていたあの子の方よ。
 あんな様子じゃ長生きできやしないって、レイジングハートも分かっていたはずでしょう?」
『だとしても……私は、貴女を許しません』
「ふうん。で、許さないのなら、どうする気?」
『…………』
「何も出来ないのに、偉そうな口を利くものじゃないわ。もっと自分の分を弁えなさい」

怒りに声を震わせるレイジングハートを、ヴィクトリアは鼻で笑う。
この程度のことで殺られるなら、それはハメられた奴が悪いのだ。
そこには正義も大義も、関係ない。
むしろ、好んで「正義」や「大義」を口にする連中ほど、平気でエグい手を使ってくるものだ。
それはそう、ヴィクトリアを人外の世界に追いやった、練金の戦士たちのように。

「さて、かなり疲れたけど、もう一働きしてもらうわよ」
『…………』
「エリア・サーチ。あの、頭の中にお花畑でも広がっていそうな肉達磨を探すわよ」

ヴィクトリアは灰の山から首輪とi-Podを拾い上げると、杖を片手に立ち上がる。
まだ肝心の品物を手に入れていない。まだ遠くに行ってないはずの彼から、取り戻せていない。
是非とも取り戻したい、『詳細名簿』。どういう執着なのか、あの少年忍者が未だに持ったままの紙の束。
しかし、素手では捕獲が困難なあの野生動物も、レイジングハートがあれば捕捉できるはず……!

         *         *         *

――数分後。

「モッチョレ~~ッ!」

身体のあちこちに『輝く檻』による傷を負いながら、少年忍者が逃げる。
その手には、既に紙の束はない。四つん這いになって獣のように必死で逃げていく。
しかし、首尾よく目標のアイテムを手に入れたヴィクトリアは、未だ浮かない顔。
何故なら、拾い上げた『詳細名簿』は……。

「なるほど――『私のことを許さない』って、こう来るか」
『私に原因を求めるのは筋違いです。『不正なるマスター』の側の判断ミスだと思われます』
「なんで『非殺傷設定』とやらを掛けなかったわけ? あれ使えば、こんなことにはならなかったじゃない」
『命じられませんでしたから。そもそも、『非殺傷設定』の解除を命じたのは貴女です』
「……小学生並みの屁理屈ね、それ」

ヴィクトリアは仮面の下で溜息をつく。
ようやく取り返した『詳細名簿』、しかしその縁の一部は、抉れるように削り取られている。
少年忍者を捕まえるべく放たれた『アクセルシューター・シャイニングケージシフト』が、名簿を掠めたのだ。
残された紙をパラパラと捲ってみるが、欠損と焼け焦げで、必要な情報がかなり失われてしまっている。

ヴィクトリアの意図も目的も、レイジングハートはちゃんと分かっていただろうに……
なるほど、インテリジェントデバイスが主人に非協力的だと、こういう仕打ちを受けるわけか。
なかなか高い授業料になってしまったわね、と彼女は心の中でぼやく。

「予想してた以上に消耗しちゃったし、フランとやらは『食べる』前に灰になっちゃったし……。
 やっぱり、慣れないことはするもんじゃないわね」

ヴィクトリアは考える。まずは、この消耗からの回復が先決だ。
どこかで『食料』を確保するまでは、また隠れ潜んで行くしかないだろうか? それとも……!

「……トッピロキ~~ッ!」

視界の隅、街の南に広がる平原で、ヒラヒラと宙を舞う赤いマントを追いかける肉達磨の姿が映る。
その姿、「どう見ても信頼できず有能でもない」人間の姿は、彼女に1つの誘惑を囁きかけていた――


【G-1/路上/1日目/真昼】
【ヴィクトリア=パワード@武装錬金】
[状態]:慣れない魔法の連発により、精神的に相当の消耗。かなり限界に近い状態。
[服装]:バリアジャケット展開中。外見は『ルリヲヘッド』の装着時そのまま。
[装備]:レイジングハート・エクセリオン@魔法少女リリカルなのは(カートリッジ残数5発)
[道具]:アイテムリスト、天空の剣@ドラゴンクエストⅤ、基本支給品×2(食料のみは1人分)、
     首輪×2、i-Pod@現実?、詳細名簿(ただし損傷して情報が一部欠損)
[思考]:この杖、あんまり私の邪魔をするようなら海にでも投げ捨ててやろうかしら?
    非協力的なレイジングハートに対し強い警戒。警戒しつつも、まだ使うつもりではある。
第一行動方針:ひとまず、消耗からの回復を図りたい。
第ニ行動方針:最初から目障りだった肉達磨(しんべヱ)を殺して食べて栄養補給することも検討?
第三行動方針:首輪を外す。主催者の目的について考える。
第四行動方針:“信用できてなおかつ有能な”仲間を捜す。 ホムンクルスのイリヤに興味。
基本行動方針:様子見をメインに、しかしチャンスの時には危険も冒す
参戦時期:母を看取った後
[備考]:能力制限により再生能力及び運動能力は低下、左胸の章印を破壊されたら武器を問わずに死亡。
   いわゆる「ジョーカー」の存在を疑っています。
   詳細名簿が損傷する前に、『01:明石薫~46:ニケ』の顔写真とプロフィールにざっと目を通しました。
   ヴィクトリアは、レイジングハートから使い方の解説をまともに教えて貰えていません。

[備考]:
 レイジングハートは、ヴィクトリアに非協力的です。ヴィクトリアのことを憎んですらいます。
 デバイスの性質上、下された命令には逆らえませんが、その命令の範疇で可能な限りの抵抗を試みます。
 レイジングハートは、ヴィクトリアの持ち物や情報をほとんど把握していません。
 (特に、アイテムリストの存在を知らないため、自分をどうやって使ったのかが大きな謎になっています)

[備考]:
 支給品の1つ、「詳細名簿」の縁を魔法の弾が掠め、大きく削られるように損傷しました。
 そのため、残された情報は一部欠けたモノになっています。
 具体的に誰のどんな情報が失われ、どんな情報が残っているかは、後の書き手さんに委ねます。

【G-2/穴の北側の平原/1日目/真昼】
【福富しんべヱ@落第忍者乱太郎】
[状態]:凶暴化。体のあちこちに軽い傷。
[装備]:なし
[道具]:なし
[思考]:ウニョラー
[備考]:
 凶暴化は数時間経つか、呪いを解く効果のある魔法や道具で治ります。
 ただし一旦治った後、何かのきっかけでフラッシュバックのように再発した例も報告されています。
[備考]:
 現在、風に乗って宙を舞うひらりマント@ドラえもん と、飽きることなく戯れ続けています。

【フランドール・スカーレット@東方Project 死亡】
[備考]:
 G-1の路地に、フランドールの死体(灰の山)が残されています。
 フランドールの支給品の1つ、『レミリアの日傘@東方Project』は、灰の山の傍に落ちていま
 また、辺りにフランドールの共通支給品が散らばっています(ランドセルは破損)。


【アクセルシューター・シャイニングケージシフト】
ヴィクトリアの構築した新魔法。
闇の書の意志にコピーされた『スターライトブレイカー』がほとんど別物の魔法と化したように、
この魔法もヴィクトリアが使ったことで新特性が付加された『アクセルシューター』である。

一見すると「弾数の少ないアクセルシューター」だが、レーザーのような弾道が数秒ほど空中に留まる。
そしてその空中に留まる光の筋にも、破壊エネルギーが消えずに宿っている。
光の筋の持つ破壊力は弾本体より遥かに弱く、多少のダメージを覚悟すれば突破することも可能。
弾頭は自由に誘導できるので、空中に文字通りの『光の檻』を織り上げることもできる。
ただ、純粋な破壊力、弾速、弾数は減少しており、人によっては逆に対処しやすい技かもしれない。

≪105:救いの棟は紅く染まりて 時系列順に読む 114:はやてのごとく!~at the doll's theater~(前編)≫
≪112:でにをは、そして正しすぎる拳(前編) 投下順に読む 114:はやてのごとく!~at the doll's theater~(前編)≫
≪093:隠密少女 ヴィクトリアの登場SSを読む 135:隠密少女Ⅱ≫
福富しんべヱの登場SSを読む
≪092:君のために、僕のために フランドールの登場SSを読む GAME OVER

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