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  • リリス乱舞/斬、そして……(中編)

ろりしょたばとるろわいある@ うぃき

リリス乱舞/斬、そして……(中編)

最終更新:2007年12月19日 23:20

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だれでも歓迎! 編集

リリス乱舞/斬、そして……(中編) ◆sUD0pkyYlo


――リリスは、一言で言えば、舞い上がっていた。

信じられないほど自分の身体がよく動く。
自分で考えて戦っている時よりも綺麗に、最高のコンボが次々と決まる。
『君は君の『本当の力』を知らない』『俺ならきっと君の『本当の力』を引き出すことができる』――
まさにグリーンの言った通りだった。
タバサを石造りの塔に叩き込んだリリスは、かつてない充実感に顔を綻ばせる。
タバサは間違いなく強かった。光る鎌の斬撃も、魔法攻撃も、どれも当たっていれば危ないものだった。
実際、激しい攻防の中、光の鎌が肩を掠めていたが、それだけでもかなり痛い。直撃だったら大変だった。
その強いタバサを相手に、ここまで一方的に戦えたのはグリーンのお陰。
適切な時に適切な指示を出してくれた、グリーンのお陰。

(グリーンと一緒なら、あたしきっと誰にも負けない!グリーンが指示を出してくれるなら、誰にも負けない!
 ニケにも、エヴァにも、デ、ディ、えーっと何だっけ、ともかく『ディなんとか』って子にも、きっと負けない!
 もしかしたら、ジェダ様にだって……!?)

心の中、何の気もなしに呟いて――ふと、リリスはその言葉の持つ重みに気付いて、凍りつく。
とうとう思い出せなかったインデックスの魔法名など、もはやどうでもいい。
そんなことよりも……!

(あたしが……ジェダ様に、勝てる?! 本当に、あたしが、勝てちゃうかもしれないの?!)

それは、リリスの胸の中に初めて芽生えた叛意。
今までは想像することすらできなかった発想。
確かにジェダはリリスの恩人だ。身体を持たぬ魂に、この仮初めの身体を与えてくれた。
けれどもそれ以上に、間近で見ていたジェダの力は強大で、絶大で、圧倒的で――。
決して勤勉な部下とは言えないリリスも、流石に面と向かって逆らったことは一度も無かったのだが。

  そのジェダに、勝てる、のかもしれない。
  もしも、グリーンが背後から指示をくれるのならば。

――そう思ってみると、色々と前提が変わってくる。そう考えれば、浮かぶ発想も変わってくる。
今までは、ジェダのご機嫌を取って、最大限彼の望む行動をとって、その上でご褒美を貰おうと思っていた。
ジェダに頼んで請うて、なんなら土下座してでも、グリーンの魂を見逃してもらおうと思っていた。
精一杯頑張って考えても、そこまでしか思いつくことが出来なかった。
けれど。
もしもジェダと戦って勝てるなら――リリス自身に、ジェダさえも上回れる素質が眠っているなら――
そこまで低姿勢に出る必要は、無い。
自分の力を見せ付けて、ジェダを脅してもいい。妥協を引き出してもいい。力づくで認めさせてもいい。
そして最悪の場合、ジェダを殺して下克上を狙うという手も――!

(――ダメ! ジェダ様に逆らうなんて、そんな……! でも……!)

自分の中に沸き上がってきた、とてつもない発想。あまりのことに眩暈さえ覚えて、慌てて否定する。
ジェダは敬愛すべき主であり、父親のような存在であり、彼女にとってはまさに神そのもの。
だけど、グリーンはまた違う意味で大切な存在で、たとえジェダの命令でも絶対に失いたくない存在で……!
リリスの中で、ジェダへの忠誠心と、グリーンへの想いがぶつかり合う。
リリスの心が、激しく揺れ動く。

「……リス! リリス! どうした、まだ終わってないぞ!」

だからリリスは、しばらくの間、自分がボーッとしていたことにすら気付かなかった。
何度も呼びかけられて、ようやく正気に戻る。
まだ1人を倒して1人を子豚に変えただけ。まだ動ける相手が2人残っている――
そのことをリリスが思い出した時には、僅かに遅かった。

        *     *     *

――グリーンもまた、舞い上がっていた。

大雑把にリリスの持ち技とその特性を聞き出しただけで、この強さだ。
見た目だけならクールで落ち着いた普段のグリーンのままだが、内心では激しい興奮を抑えきれない。
強力で忠実な仲間から、自分の指示で120%の実力を引き出す――まさに、トレーナー冥利と言っていい。

本来、天性の戦闘センスを駆使し、機転を利かせて戦うのはレッドの得意とするスタイルだ。
グリーンはむしろ育成が本分。時間をかけて鍛え上げ、絆を深め、そして正攻法で確実に勝利するタイプ。
けれども、常に自分の理想通りに戦えるわけでもない。
トレーナーとして様々な経験を積む間に、グリーンもまた、それなりに鍛えられてきたのだ。
レッドには及ばないまでも、並大抵の人間よりはよほど頭が回る。戦闘の駆け引きも知っている。

ともあれ、出会ったばかりでコレなのだ。
もしこの先、じっくり特訓する時間が持てるなら、彼女はまだまだ強くなれる。
戦いの中で垣間見えたいくつかの欠点を補っておこうか。それとも、長所をさらに伸ばす方向に進めようか。
『育てる者』としての才能を最大限に発揮すれば、どちらの方針を選んでも、きっと……!

(きっとリリスは強くなる。できれば新たな技も覚えさせたい。
 俺の持てる技術全てを注ぎ込めば、きっと今までのどんなポケモンよりも強く……
 ……って、ちょっと待て。俺は今、何を考えた!? 何を考えてる!?)

心の中に浮かんだ言葉に、グリーンはようやくハッとなる。自分自身の考えに気付いて、愕然となる。
グリーンは……いつの間にか、最愛の恋人・リリスを、ポケモンと同等の存在だと見なしていた。
そして、ポケモンの育成とバトルの技術を、そのままこの人間同士の殺し合いのゲームに持ち込もうとした。
そのどちらも、グリーンの潔癖な倫理観には相容れないもの。
きっと祖父のオーキド博士は許さないだろう。ポケモントレーナーとしては、許されない態度だろう。
なのに何故、自分はそんな考えを持ってしまったのか。
何故、自分はポケモンバトルの時のように、リリスに指示を出して戦わせてしまったのか。
今さらながらに、激しい後悔に襲われる。

……グリーン自身には、自覚が無かった。
今の彼は、リリス、つまりサキュバスの体液によって「酔っ払っている」ようなものなのだ。
当然、自制心や理性の働きは、普段より鈍くなる。
リリスへの想いを最優先にした結果、それらの倫理を軽視してしまったのも、無理はなかった。

呆然とするグリーン。とはいえ、流石に彼は冷静である。
すぐに、今はまだそんな物思いにふけっている場合ではないことを思い出す。正気に返る。
まだ1人倒しただけ。その1人だって、損害の様子は確認できていない。まだ終わっていない。
こちらも何を考えているのか、頭を押さえてボーッと立ちつくすリリスに、グリーンは声を荒げる。
見れば隻腕の少年は何かを懐から取り出していたし、最初にKOした小人はようやく起き上がろうとしている。
そして、白い子豚は回れ右して逃げ出そうとしている。仲間を見捨てて、1人で逃げ出そうとしている。
ここで反撃を許すわけにはいかない。1人だって逃がすわけにはいかない。

「リリス! リリス! どうした、まだ終わってないぞ!
 子豚が逃げる、決して逃がす――グゥッ!?」

叫びかけたグリーンの口から、苦痛の呻きが漏れる。何の前触れもなく、グリーンを激痛が襲う。
竹刀を取り落とし、右顔面を押さえながら、思わずその場に膝をつく。
見上げれば、隻腕の少年が1冊の古い本を手にしている。
互いに片目同士、視線の合った少年がニヤリと笑う。

「俺もよく分かんねーけどな……『最も単純な報復の呪い』、だそうだぜ。どうでぇ! そのお味は?」

        *     *     *

――白レンは、早々に見切りをつけていた。

自分自身も格闘の心得があるから、分かる。分かってしまう。
タバサではリリスに勝てない。このままでは、万が一にも、勝てない。
タバサ自身が言っていた通り、彼女は本来後方支援向き。スピードもパワーもあまり無いのだ。
せめて白レンが万全であったなら、タバサと代わって前衛に立ち、あの高速の連続攻撃に対応したのに。
イシドロは片目を潰されて投石のコントロールを失い、蒼星石は早々にKOされた。
事態が打開される可能性は、限りなく低い。

白レンは、改めて自分の姿を確認する。
雪のように真っ白な肌を持つ、綺麗で可憐な可愛い子豚。目だけが血のように赤い。
いや、他の人は「可愛い」と思うかもしれないが、白レンにとっては我慢のならない屈辱的な姿だ。
そして姿だけでなく、多くの能力が封じられてしまっている。
氷を出すことも出来ない。猫を召喚することも出来ない。白猫に姿を転じることも出来ない。
エーテライトなら口で咥えて振るえるかもしれないが、これ1本でどれほどのことができるものやら。
体力やスピードは変わらないようだが、技が封じられてしまった今となっては、肉弾戦をする気にもならない。
常識から考えて、こんな強制変身など、そうそう長続きするとは思えないのだが。

(これは……駄目なようなら、早めに逃げ出さないとね。
 せっかくの『戦力』をここで失うのは痛いけど、私が死んだら元も子もないし――)

傍からは可愛らしい鳴き声にしか聞こえない独り言。
何を言っているのか、とイシドロがこちらを向くが、やはり意味は分からないらしい。
こちらの真意が伝わらないのはいいが、これでは指示を出すことすらできない。白レンは小さく溜息をつく。

と、そんな彼女の目の前で、事態が急変する。
1人でリリスと渡り合っていたタバサ、その身体がリリスの翼に掴まれ、矢のように放たれる。
石造りの塔に激突。轟音。爆発音。
なんとも呆れたことに、あの頑丈そうな外壁を突き破ってしまっている。あれでは、まず死んだと見ていい。
白レンは決断する

(まったく、全然使えないじゃない! イシドロ、後は任せたわよ! 私は逃げるわ!)

白レンはクルリと回れ右して、その場から一目散に逃げ出した。
口に自分のランドセルを咥えて、一目散に。
すぐに敵の側にも気付かれるが、それでも白レンは逃げ切れると確信していた。
何故なら。

「リリス! リリス! どうした、まだ終わってないぞ!
 子豚が逃げるぞ、決して逃がす――グゥッ!?」
「俺もよく分かんねーけどな……『最も単純な報復の呪い』、だそうだぜ」

何故なら、こういう時のためにイシドロを調教し、こういう時のために『あの宝具』を委ねたのだから。

        *     *     *

――蒼星石は、ようやく目を覚ました。

どれほどの間気絶していたのだろう。
軋む身体を大地から引き剥がすように起こした彼女が、そして見たものは。
塔の中に叩き込まれるタバサの姿と、一目散に逃げ出す白い子豚の姿だった。

(くっ……タバサっ……! 戦闘は、まだ続いてるのかっ……!?
 白レンは……あれじゃ足手まといになるだけか。なら、一時身を隠すのも手か……!)

身体のあちこちが痛い。それでも頑張って身体を起こす。
タバサが動けないなら(まだ死んではいないと思いたいが)、蒼星石がなんとかしなければ。
そう思って必死に身体を起こしたのだが、何故か動きがない。
敵味方双方、何故か攻撃らしい攻撃もしていなくて――

「リリス! リリス! どうした、まだ終わってないぞ!
 子豚が逃げるぞ、決して逃がす――グゥッ!?」
「俺もよく分かんねーけどな……『最も単純な報復の呪い』、だそうだぜ。どうでぇ! そのお味は?」
「ぐ、グリーンっ!!」

グリーン、と呼ばれた指揮官的立場の青年が、右目を押さえて膝をつく。
イシドロが、古い本を手にしてニヤリと笑っている。
リリスが、彼女らしくもなく大いに動揺している。
まだ息を吹き返したばかりの蒼星石には、何がなんだか分からないが……ただ1つだけ。
一連のドサクサの中で、地面に落ちた「とある武器」に視線が釘付けになる。
これだ。この劣勢を一挙に覆せる、唯一の手段は――!

「キミっ――グリーンに何したのっ!? 早く戻してよっ!!」
「へっへっへ。戻せって言われて戻す奴がどこにいるよ!? 俺達は敵同士だぜ?!」
「こ……このぉぉっ!!」

まるで攻撃して下さい、と言わんばかりに挑発をするイシドロ。激昂して彼に突進するリリス。
その場の注意は全てそちらに惹きつけられて、蒼星石はイシドロの意図を「そのように」理解する。

(すまない、イシドロっ! 君がそれほどの覚悟なら、ボクは、ボクのやるべきことをするだけだっ!!)

身体中の関節が軋みを立てるが、蒼星石は構わず飛びおきてダッシュする。
狙いは未だ膝をついたままのグリーン、および――その足元に転がる、1本の竹刀。
ハッ、とグリーンが顔を上げるが、もう遅い。
蒼星石は、素早く竹刀を蹴り上げて――
空中で、薔薇乙女の体格には大きすぎるその竹刀の柄を、両手で抱えるようにして捕まえて――
全身で振り回すようにして、動けぬグリーンの身体に振り下ろす。

次の瞬間。
ポンッ! と煙が上がって、グリーンは変身する。一房の前髪の生えた、1匹の子豚に変身する。
無理して長大な竹刀を振るった蒼星石は着地に失敗し、無様に地面に転がってしまう。
それでも、これは大きな一撃。戦況を一変させる一手。

「――やったっ!」
「がっ……はっ……!!」

蒼星石の歓声と、イシドロの呻きが重なる。
一瞬、歓びに顔をほころばせかけた蒼星石は、振り返って見て愕然とする。

ほぼ同じタイミングで、リリスの貫き手がイシドロの腹部を貫いていた。
それはどう見ても、致命傷。
そして致命傷を負ってなお、イシドロは血と共に最期の呪詛を紡ぐ。

「かかったな――『偽り写し記す万象(ヴェルグ・アヴェスター)』!!」

        *     *     *

――バルディッシュ・アサルトは、タバサという少女のことが好きだった。

バルディッシュの目には、本来の主人・フェイトと、現在の仮の主人・タバサが、どこか重なって見えたのだ。
もちろん、表面的な外見や性格は大きく異なる。金髪、という以外にほとんど共通点が無い。
けれども、どこか世間ズレした感性とか。その芯の強さとか。
傷ついても傷ついても、諦めずに立ち上がる不屈の勇気とか。
自分自身のためではなく、仲間の、トモダチのために全力を尽くすその誠意とか。
そういった深い部分に、どこか共通する魂の輝きを見たのだ。

インテリジェントデバイスの矜持に賭けても、この少女をこんな所で死なせるわけにはいかない。そう思った。

「くっ……ふぅっ……! あ、あれ……? わたし……生きて、る?」
『衝突の瞬間、自分の判断で『リアクターパージ』を行いました』

――もうもうと粉塵舞い上がる、薄暗い石造りの塔の中。
頭を振って身体を起こすタバサに、バルディッシュは現状を説明する。
いつの間にか、タバサの身体を包んでいたあの蒼い衣装は消えうせている。
代わりに残されていたのは、白いドロワーズとキャミソール。蒼星石が服の下に着ている下着と同じもの。
服を犠牲にすることで、タバサはなんとか命を取り留めたのだ。

『バリアジャケットの表層部分を『自爆』させ、衝撃を相殺する技です。
 速力が上がる代わりに防御力が著しく低下してしまう、最終防衛手段だったのですが……』

解説をするバルディッシュのボディに、時折、ビリッと紫電が走る。黒い杖にも、所々にヒビが走っている。
あのリリスの連続攻撃は、それを受け止めていたバルディッシュにも深刻なダメージを与えていた。
それでも彼は苦痛を訴えることなく、タバサの身を気遣う。

『バリアジャケットを再構築しますか? 今再び攻撃を受ければ、今度こそ貴方の身体が持ちません』
「ううん、待って……。今、『すばやさ』が上がる、って言ったよね……?」

血を吐きながら、それでもタバサは確認する。
身体に受けたダメージは深刻だが、それでも闘志は未だ消えていない。タバサはまだ、諦めていない。
バルディッシュの何気ない一言から、一発逆転の可能性を探っている。

『はい。現在の『インナーフォーム』は、本来の主・フェイトの『ソニックフォーム』にも相当します。
 『ソニックセイル』を出せば高速戦闘も可能になるはずですが……防御の方は、裸とほとんど変わりません』
「なら――リリスより先に、攻撃を当てることもできるかもしれないね。
 こっちの攻撃が効かないってわけじゃないんだから……もしも、一撃で決めることができれば……!」

タバサは立ち上がる。フラつく身体を杖で支えながら、なんとか立ち上がる。
そして暗い塔の中、その幼い顔に不敵な笑みを浮かべると、一言。

「ごめんバルディッシュ。もうちょっとだけ、『無茶』する。最後まで付き合ってくれる?」
『 Yes sir. 』

もちろん、バルディッシュ・アサルトに異論があろうはずが無かった。

        *     *     *

――リリスは、パニックに陥っていた。

愛しのグリーンを苦しめた少年は、怒りに任せて即刻その腹をブチ抜いた。
だがリリスが彼を襲っている隙に、グリーンは彼自身の武器で子豚の姿に変えられてしまって。
今度は蒼い服の人形に怒りをぶつけようとして――突然、激痛に襲われた。

「『偽り写し記す万象(ヴェルグ・アヴェスター)』――!!」

腹を貫かれ、打ち捨てられた少年が、確実に死に至る傷を負ったまま、それでも宝具の真名を開放する。
その身は大地に崩れ落ちても、息のある限り呪詛は効力を表す。
リリス自身に、ダイレクトに苦痛が跳ね返る。
腹の真ん中に大きな風穴を開けられたような感覚。立っていることも困難な激痛。
ダークストーカーたる自分は、実際に腹を貫かれても、これほどの痛みは感じはしないというのに……!

リリスは、がっくり膝をつく。
動けない。いや、どう動いたらいいのか分からない。
経験のない痛みに、自分がどこまで動けるのか分からない。こういう時どうしたらいいのか分からない。
救いを求めるようにグリーンの方に視線を向けるが、当然ながら子豚は何も言わない。言うことができない。

(グリーン……ここから、どうしたらいいの?! ねぇ、グリーン!)

リリスは動けない。グリーンからの指示を断ち切られて、どう動けばいいのか分からない。
自分1人で「みんなと遊んでいた」時は、どうやって自分の行動を決めていたんだっけ?
分からない。分からない。何もかも、ワカラナイ。

そして、混乱の極地にあって動けぬリリスの前に、静かな死神の足音が聞こえてくる。
蒼星石も、死にかけていたイシドロも、その人物に釘付けになる。その人物の迫力に息を飲む。
塔の中、薄暗がりの中からゆっくり歩み出て来る影。考えのまとまらないリリスにも、直感的に分かってしまう。
これは――この足音は、敗北の音だ。
死を齎す者だ。全ての終わりを告げる者だ。何もかもブチ壊しにする者だ。

「……バルディッシュも、力を貸してくれている。カラダとココロの全てを賭けて、支えてくれる。
 だからっ……私もっ……!」

それは――既に殺したと思っていた第一の強敵・タバサだった。
もう、あの堅く蒼い服は無い。あられのない下着姿で、傷だらけの身体で、それでも堂々と姿を現す。
純白の下着の所々に鮮血を滲ませながら、それでも尽きぬ闘志を漲らせ、彼女は杖を振りかざす。
呆然とするリリスの眼前で、少女は大きく腰を落として身構える。

「いくよ、バルディッシュ――『てんくうのつるぎ』ッ!!」
『 Drive ignition. Load Cartridge. ―― Zamber form!』

バルディッシュの頭部、リボルバー状のシリンダーが火を吹き、空薬莢を3連続で排出する。
見る間に杖が大きく姿を変える。
伸びて、ズレて、回転して……最後に光の刃が出現し、身長をも遥かに超える長さの巨大な剣の姿になる。
『ザンバーフォーム』。
アサルト、ハーケンに続くバルディッシュ・アサルトの第三形態。もはや杖の原型さえ留めぬ破壊の力。
それだけでも凄まじいプレッシャーだというのに、タバサはさらに……!

「さらに加えて―― 『 バ ・ イ ・ キ ・ ル ・ ト 』 ぉ ッ ! ! 」

絶叫と共に、異質な魔法を迷わず重ねがけする。魔力の刃の上に、さらに魔力を乗せる。
光の大剣の上に、輝くオーラが纏わりつく。過剰な集中を強いられた魔力が、バチッ、バチッと所々で爆ぜる。
暴発寸前、限界ギリギリ紙一重。一極集中された破滅の光。
よく見れば既にバルディッシュ中央の宝玉にも亀裂が入っていて、そう長くは持ちそうにない。
そしてタバサも長く時間をかけるつもりは無い。
出し惜しみ一切なし。手の内がバレても気にしない。考えうる限り最強の一撃で、決める。

勇者。
今のタバサを一言で表現するなら、おそらくこの言葉しかない。
絶望的な状況でも決して諦めず、たった1つの勝機に己の全てを賭けることのできる者。
たとえ天空の武具を扱う資格は持たずとも、タバサもまた、立派な勇者なのだ。

手足に生えた加速用の光の翼を見ても、その決意の篭った瞳を見ても、タバサの作戦はまず1つきり。
まっすぐ突っ込んで、斬りつける。ただ、それだけ。
圧倒的な速度と破壊力で剣を振るだけ。小細工も何もない。外れた時のことも考えていない捨て身の作戦。
それに対する、リリスの方は――

(どうすればいいの? グリーン、指示を頂戴! グリーン、あたしを操作して!
 あたしじゃダメなの、グリーンの指示がなきゃ……!)

報復の呪詛のせいで身体が痛む。普段通りの動きはきっとできない。
でもまだリリスには多彩な技が残されている。幻惑の手段も反撃の手段も、山ほど考えられる。
選択肢は無数にあって――しかし、だからこそ、今のリリスには「選べない」。
絶対にミスのできない局面を目の前にして、自分自身の判断も直感も信じられない。
グリーンの適切な指示、それに従う喜びを知ってしまった彼女には、もう指1本動かすことができない。

「疾風、迅雷……『バイキルト・ザンバー』、『会心の』ォ――!」
「――グリーン! 指示を! 指示を頂戴! あたし、どうすれば――!」

轟っ!
タバサが大地を蹴る。凄まじい速度で、天を衝くような光の刃が迫る。
いくらリリスでも、こんなものの直撃を喰らったらどうしようもない。一瞬で死んで消滅した上にお釣りが来る。
冥王ジェダだってまともに受け止められるかどうか。それくらいのエネルギー量。
そうと分かっていても、リリスはもう、自分の判断では動くことができなくて――!

「―― 『 会 心 の 一 撃 』 ィ ッ ! ! 」

斬。
森の中、巨大な刃が容赦なく振り下ろされる。
その余波だけで何本もの大木が吹き飛ぶ。爆音と共に、大きく土煙が舞い上がる――




        *     *     *

「……っと、これで全部かな? これでもういいでしょ? さっさと遊びに行こうよぉ。
 あたし、説明するの疲れちゃった。グリーンでなきゃあたし、きっと殺しちゃってるかも」
「――じゃあ、最後に、1つだけ。他のことは全部忘れてもいいから、覚えておいて欲しいことがある」
「何? 面倒くさいことだったらイヤだよ?」
「リリスが俺の指示に従うなら、おそらく勝てると思う。負けるとは思えない。
 けれども、戦いというのは何が起こるか分からない。
 ひょっとしたら、俺が指示も出せない状況に陥るかもしれない。
 もしも万が一、そんなことになった時には――――」

        *     *     *


後編ヘ

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