概要
『Stop, Look and Listen』は、1926年に公開されたアメリカの無声映画である。上映時間60分 (フィルムリール6巻) 。
アーヴィング・バーリンとハリー・B・スミスによる1915年の同名のミュージカルを原作とする。
アーヴィング・バーリンとハリー・B・スミスによる1915年の同名のミュージカルを原作とする。
監督・主演は1910年代末から20年代初頭にかけて短編喜劇映画で絶大な人気を誇っていたラリー・シモン。シモンの映画に悪役として常連出演していたオリヴァー・ハーディ(*1)がスタン・ローレルとコンビを組む前に出演した最後の作品でもある。
日本では1927年に『弗箱シーモン』の題で公開された。他の邦題として『猛進ラリー』『ラリーの突貫百万弗』が確認されている。
シモンの映画の大半と同様、本作のフィルムも失われたと考えられてきたが、2020年に最後の10分間を収めたフィルムが日本で発見され、その後国内に2篇の断片が現存していることが判明した。
あらすじ
小さな町の行儀の良い青年、ルーサー・ミークにはドロシーという恋人がいた。ドロシーは舞台女優としての名声に憧れ、ルーサーを説得して自分が主演する巡業一座の出資を取り付けた。初日の夜、一座の支配人とルーサーの不作法な義理の兄が銀行強盗を働く。ルーサーは犯人だと疑われ、追っ手から逃れ、強盗たちを追いかけ、ついに彼らを捕まえて金を取り戻す。ドロシーは舞台をきっぱりと諦め、ルーサーと結婚する。
発見状況
2020年1月、東京都在住の歴史研究家で映像収集家の笹山俊彦氏が愛知県の骨董業者から入手した16mmフィルムにラリー・シモンが出演していることに気付き、自身のTwitterに4枚のキャプチャを投稿した。ケースには『喜活劇 猛進ラリー』と書かれ、中間字幕は日本語に置き換えられていた。
その時点では氏も何の映画なのか分からない状態だったが、投稿を偶然見たクラシック喜劇研究家のいいをじゅんこ氏が調査に協力、そこに無声喜劇映画研究家のスティーヴ・マッサ氏も加わり、フィルムの正体が『Stop, Look and Listen』の最後の10分間であることを突き止めた。
失われた映画と見なされていた本作の発見は大いに話題を呼び、早速2020年4月のBritish Silent Film Festivalで上映されることが伝えられた(*2)。
その時点では氏も何の映画なのか分からない状態だったが、投稿を偶然見たクラシック喜劇研究家のいいをじゅんこ氏が調査に協力、そこに無声喜劇映画研究家のスティーヴ・マッサ氏も加わり、フィルムの正体が『Stop, Look and Listen』の最後の10分間であることを突き止めた。
失われた映画と見なされていた本作の発見は大いに話題を呼び、早速2020年4月のBritish Silent Film Festivalで上映されることが伝えられた(*2)。
その後、京都府のおもちゃ映画ミュージアムに同種のプリントが所蔵されていることが館長の太田米男氏の指摘で判明。いいを氏は2018年に当該フィルムのデジタル映像を観る機会があったが、当時はその価値に気付いていなかったという。
そして、マツダ映画社が2013年の「無声映画鑑賞会」第659回にて『ラリーの突貫百万弗』の題で上映した映画が『Stop, Look and Listen』と同一作品であることが判明し、現時点で最長となる43分版の現存が確認された(*3)。当該フィルムは1936年に本庄映画配給社の配給で再公開された時に使用されたもので、冒頭に「1000000弗 RUSH 大喜活劇 突貫百萬弗」と表示される。元の映画からはオープニングと中間字幕がカットされ、井口静波弁士 (1898~1968) の語りが録音されていた。
この事実が発覚した後、「無声映画鑑賞会」第750回 (2021年4月13日) ・第786回 (2024年1月30日) ではタイトルを日本初公開時の『弗箱シーモン』に改め、片岡一郎弁士の語り付きで上映された(*4)。
この事実が発覚した後、「無声映画鑑賞会」第750回 (2021年4月13日) ・第786回 (2024年1月30日) ではタイトルを日本初公開時の『弗箱シーモン』に改め、片岡一郎弁士の語り付きで上映された(*4)。
10分版のフィルムはネット上にアップロードされたものが視聴可能である。43分版はネット上で視聴できず、ソフト化も実現していないが、時折イベント上映が行われている。直近では2026年6月20日の『銭湯シネマ カツベンのゆ 第二十六入浴』にて上映予定。
メディアギャラリー
参考リンク
- Wikipedia-Stop, Look and Listen (film)
- Wikipedia-Larry Semon
- 笹山俊彦氏の投稿
- ぴあ映画-ラリー・シモンとオリヴァー・ハーディによる幻の無声喜劇映画、東京で発見される
- おたくま経済新聞-無声映画史に残る大発見 94年前のロストフィルム「STOP, LOOK AND LISTEN」が日本で発見される
- おもちゃ映画ミュージアム-クラシック喜劇研究家いいをじゅんこさんから寄稿文「『弗箱シーモン(猛進ラリー)』発掘について」
- 43分版の現存判明を伝えるマツダ映画社の投稿
- 無声映画鑑賞会の上映告知 第659回/第750回/第786回
- Silentfilmcalender. org
- 山崎バニラ氏公式サイト
- 『弗箱シーモン』井口静波弁士録音版(2023年12月15日)
- 『弗箱シーモン』失われたシーン(2024年1月24日)
- 御礼:TIFF活弁小絵巻2024(2024年11月5日)
- 『銭湯シネマ カツベンのゆ 第二十六入浴』詳細情報