小説家になろう? > 感想 > 2010年02月19日00時42分53秒

投稿者: 紅月    [2010年 02月 17日 (Wed) 10時 25分 23秒] ---- ----
▼一言
 3章完結おめでとうございます。
 いつも楽しませていただいております。

 閑話休題、1章から読み返していて気になった点をいくつか知りたいのですが、

 無系統魔法のサイオン弾についてですが、真由美の使うものは起動式や魔法式の一部を砕くもので、術式解体のダウングレード版と理解すればよいでしょうか?
 また、
>術式を乱すんじゃなくて、吹き飛ばす圧力
とありますが、真由美の使う程度の出力でも起動式を乱せるのならば術式解体はかなり効率が悪いように思えます。あえて術式解体を使う際のメリットが知りたいと思いました。

 あと雲散霧消についてですが、通常はどの程度のレベルで分解しているのかなと。
 分子の結合を分解するだけなら人体に使うと、タンパクや脂肪の粉末以外に重量の7割ぐらいの水が液体として下に落ちるでしょうし、仮に酸素ガス水素ガスまで分解するなら体積の急激な膨張(水18mLが33Lのガスに分解)により軽い爆発が起きてもおかしくないかなと思ったので。
 演出上は全て塵になったでいい気もするんですがね。

4章楽しみにしてます。
佐島勤    [2010年 02月 19日 (Fri) 00時 42分 53秒]
 ご感想ありがとうございます。

 真由美の対抗魔法の本来の用途は起動式の破壊です。
 この用途では達也も「3-(4) 忍び寄る影」で花音に対して同じ技を使っています。
 一方、魔法式の無効化については、常に成功するとは限りません。
 魔法式は魔法による事象改変が完結するまで魔法師によって維持されます。途中で魔法式が崩れると魔法が成立しませんので。
 サイオンの弾丸で魔法式の攪乱を目論んでも、術者の魔法式を維持する力の方が強ければ多少の乱れは修復されてしまいます。
 一方、術式解体はほぼ100%、魔法を無効化できます。部分的な損傷ならば修復できても、全面的に破壊されては一から再構築する他ない、とお考え下さい。
 ですから、「2−(7) 交通事故」で摩利は真由美なら無秩序な魔法式の乱舞に対処することも出来ただろう、と考えていますが、実は真由美にもあの状況を打開するのは難しかったのです。
 また、余談ですが、あの事故の時に達也が使ったのは「術式解体」ではなく魔法式という情報体の分解、即ち「術式解散」の方でした。

 雲散霧消の標準形態は元素レベルの分解です。分子ではなく元素に分解されるあたりが物理現象との違いです。
 従って人体を分解した場合、水ではなく酸素と水素が生成されます。
 水素はその比重に従って上に昇り、酸素は空気より僅かに重いのでその場に止まります。
 「2−(25) スナイパー」のケースでは、水素ガスは天井を伝って斜め上方から崩された壁の穴から外に抜け、室内では容燃性の元素が酸素と結び付いて燃焼炎を発生させています。
最終更新:2016年07月25日 21:28