十師族(じゅっしぞく)は、
日本で最強の
魔法師の
家系。
二十八家から4年に一度開催される「十師族選定会議」で選ばれた10の家系が『十師族』を名乗る。十師族とそれ以外の
魔法師の間には、乗り越えがたい実力の差があるとされている。
概要
九島烈が確立した序列。
魔法師の『人として生きる権利』を守る為の組織であり、また
魔法師が国家権力によって使い捨てにされないための仕組みとして、
日本という国家に口答えする為の組織として作られたという一面もある。互いに牽制しあうことで
魔法師の暴走を予防するという意味合いも持つ。
表向きは民間人。表の権力は放棄しているものの政治の裏側では司法当局を凌駕する権勢、超法規的な特権を持っている。
十師族体制
十師族はいわば私的な枠組みであるが、日本国内の
魔法師は
現代魔法師も
古式魔法師も十師族をリーダーとする
魔法師のコミュニティに所属し、十師族体制と呼ばれる自治に従っている
但し、十師族は日本魔法界のリーダーであって支配者という訳ではないが、十師族に属する者達や十師族の地位を得る事を望む人間の中には、「十師族が日本魔法界の支配者である」と意識している者が少なからずいる。
魔法師の利害を代弁する組織としては
日本魔法協会が存在するが、協会は公式の組織として政府の意向を無視することができない。核戦争の防止という絶対に譲れない目的の為には、政府に大きく譲歩することもやむを得ないという雰囲気がある。
それに対し十師族は、時に政治家や財界人に便宜を図り、時には自ら泥をかぶって権力者に貸しを作る代わりに
魔法師の利益を追求し不利益を阻止している。十師族の活動には権力者との裏取引を常として、非合法活動も厭わないとこがある。しかしながら、人は一度非合法活動を必要悪と認めてしまうと、それを口実にして歯止めを失いがちである。その結果、やり過ぎて裁かれるか、自滅してしまう。それを避けるべく、十師族は相互監視の不文律を自分たちに課している。
師族会議
師族会議(しぞくかいぎ)は、十師族各家の当主のみで行われる会議。各家対等で上下関係はない。日本魔法界におけるサミットと位置づけられている。
九島烈は2095年の三年前の当時、師族会議議長の席にあったと発言しているが、円卓テーブルで行われるため、上座や議長席などは存在しない。最年長が進行役を務める不文律ができ上がっているに留まる。
発言内容は対外秘がルールで、傍聴も許されないという話だが、
九島家などは会議の模様を様々な手段で外部に漏らしておりルールは守られていない。
十師族各家が魔法による実戦を行った場合は、規模に拘わらず師族会議に報告する義務がある。これは魔法の私的濫用を牽制するために定められた措置だが、忠実に守られているとは言えず、魔法戦闘は隠蔽されることの方が多い。
師族会議の通達
師族会議の通達は、
二十八家と
百家の各当主に対して通達される文書。師族会議用の暗号解読には手間が掛かるので、短くない時間一人になる必要がある
本来ならば
数字付きの直系でもない限り高校生が目に出来る文書ではないが、実際はマル秘指定されていない限り難しい事ではない。
オンラインの師族会議
オンラインの師族会議は、十師族が自分の家から通信回線を繋ぐやり方と、最寄りの魔法協会(京都本部、関東、東北、四国、九州の各支部)に出向いてやるやり方がある。
2097年2月の箱根で起きたテロ事件の教訓から、十師族各家の中に秘匿性を最高度に高めた回線を用意し、定例会合もリモートで行うように変わっている。
責任
日本魔法協会の職員に対する責任、
日本魔法協会に対する責任がある模様。
選定会議
十師族を決める会議は、
十師族選定会議(じゅっしぞくせんていかいぎ)と呼ばれ、4年に一度開催される。
十師族の選定基準は、
二十八家の内その時点で最も強力な家。ただし強さの基準は魔法力だけでなく、国家に貢献する能力も問われる。相応しくない家に投票しても昔のように
数字を剥奪されることはない。見る目が無いという汚名がついて回る。
2097年2月に行われた十師族選定会議は、箱根の高級なホテルの貸し会議室で行われた。
メンバー
十師族のメンバーは、
二十八家から4年に一度の「十師族選定会議」で選ばれる。
欠員が生じた場合は、次の十師族選定会議まで師族会議が選んだ補充メンバーがその務めを果たすことになっている。
2089年~2097年2月4日
一条家、
二木家、
三矢家、
四葉家、
五輪家、
六塚家、
七草家、
八代家、
九島家、
十文字家
(※2093年の十師族選定会議では、前回と同じ十家を十師族に選出した)
2097年2月4日以降~
一条家、
二木家、
三矢家、
四葉家、
五輪家、
六塚家、
七草家、
七宝家、
八代家、
十文字家
その他
- 十三使徒の動向に関する諜報活動は大きく力を割いている分野。
- この国の魔法師は、国家に裏付けられた「公式」の権力を手にすることを、十師族により禁じられている。その代わりに政府や軍や警察や財界といった、様々な意味で権力を持つ者に魔法のスキルを提供することで自らの存続する基盤を得ている。
- 「十師族は表立って高位高官にならない」という原則が確立されている。一方では、判明しているだけでも五頭家、八朔家、十山家の当主の子が軍務に就いており、どの地位までは許されるのか、原則が家族のどこまで適用されるのかは、今のところ作中では明らかにされていない。
- 十師族当主が表立って行動する場合には統合軍令部の同意を得る必要がある、という政府との非公式の取り決めが存在する。
- 十師族当主の氏名は、日本の魔法師にとっては一般知識。
- 十師族の間では、他家の当主を名字に「殿」を付けて呼ぶ慣例がある。
- 北海道と小笠原方面、沖縄方面は国防軍所属の魔法師の縄張り意識が強く、十師族も簡単には手を出せない状況である。
- 日本魔法協会の本部・支部には十師族専用の秘密回線が通っていて、国防会議の極秘情報ですら入手可能となっている。
- 十師族は日本魔法協会と定期的に意見交換を行っている。2100年時点では、本部との会合は一条家の当主と二木家の当主が交互に出席、横浜支部の会合は十文字家の当主が出席している。
登場巻数
2巻、
3巻、
4巻、
5巻、
7巻、
9巻、
11巻、
12巻、
13巻、
16巻、
17巻、
18巻、
19巻、
SS、
20巻、
21巻
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十師族 家系 用語
最終更新:2025年01月11日 15:53