四葉家(よつば)は、
魔法技能師開発第四研究所を出自とする
家系で、
十師族に選ばれる資格を持つ
二十八家の一つ。
2095年4月時点では
十師族の中では
七草家と並び最有力とされている一族で、主導的地位を争う地位にある。特異な技能を持つ
魔法師を生み出すことで知られている。東海および岐阜・長野方面を監視、守護している、。
大漢崩壊の真実を知る者達の間では「触れてはならない者たち(アンタッチャブル)」と恐怖されている一族であり、「アンタッチャブル」の異名は
大漢崩壊を知らない世代にも広まっている。
四葉家は血縁やそれ以外の配下を含め「何時でも自由に使える」
魔法師の人数はあまり多くなく、
七草、
一条、
五輪と比べても「少ない」と表現できる。その為に数こそが物を言うケースに備えて外部に使い捨ての協力者(国家の粛清対象となるような反逆
魔法師を捕縛し洗脳)を手駒にして組織している。
四葉家は旧第四研だけで開発された一族ではなく、第四研創設以前から、その前身となる組織で交配が進められていた。
四葉家はかつて、旧第四研の管理者、運営スタッフを排除して軍から自由を勝ち取った。しかしその前に軍が東道家から第四研の実権を奪った経緯があった。それ故、今でも
東道と四葉家当主は友好的な関係となっている。
本家
四葉元造がリーダーとして立ってから一族として形を持った。
四葉英作の遺言によって
四葉真夜が3代目当主となった。
四葉家当主はその世代で最も優れた
魔法師が付くことになっている。次期当主は本家当主と分家当主の話し合いで決める建前になっているが、一族に対する本家当主の影響力を考えれば本家当主の指名で次期当主は決まる。
二つの系統の魔法師
以下の二つの系統が並立し混ざり合って「四葉」を形成している。血を分けた肉親同士でも、この二つの性質はランダムに現れる。
- 精神干渉系魔法を得意とするタイプ(生まれながらに精神干渉系の異能を強化された者)
- 極めて強力でユニークな魔法を得意とするタイプ(強力で歪な魔法演算領域を備えて生まれた者)
- 両方に当てはまるタイプ
四葉の村
旧長野県との境に近い旧山梨県の山々に囲まれた狭隘な盆地に存在する地図にも載っていない名も無き小さな村である。最寄り駅は小淵沢駅。
この村には住所が割り振られていないので宅配システムが利用できない。
村には
認識阻害?の魔法による結界が構築されている。村へ通じるトンネルには
無系統魔法を鍵とした自動ゲートが設けられ、村へ続くルートには、決まった地点で特定の波形を持つ
想子波を照射しないと入れない仕組みになっている。
本宅
四葉の村の中央に位置する広い敷地内に複数の離れを持つ一際大きな平屋建ての屋敷。外見は伝統的な日本家屋だが、内装は無節操な和洋混在している。
旧第四研時代より、その所在地は政府・軍の高官、
魔法協会にも定かでなかった。但し2092年と2095年に
独立魔装大隊隊長の
風間玄信の訪問が確認されている。
また、
三矢家、
六塚家、
七草家、
九島家に対しては「甲府から諏訪の間」という大まかな地域を明かしている。このことは
一条家、
二木家、
十文字家辺りは把握しているものとされている。
分家
他の27家には無い、独特の分家制度を取っており、分家には、椎葉家、真柴家、
新発田家、
黒羽家、武倉家、
津久葉家、静家、
司波家がある。
しかし、このことは一般には公開されておらず、2097年1月の次期当主発表までは、当主の
四葉真夜以外の構成メンバーは謎に包まれていた。
分家の継承に男女の区別は存在しない。
椎葉家
真柴家
精神干渉系魔法による監視と追跡が得意で、諜報工作は専門では無い。
武倉家
静家
諜報工作は専門では無い。
四葉深夜の為に作られた分家。
婚族
四葉家一門ではないが、婚姻関係により四葉家に関する家
家系図
スポンサー
かつて
第四研のオーナーであった
東道青波が四葉家の最有力スポンサーである。四葉家と東道はお互いに持ちつ持たれつの関係となっており、四葉家が東道の権力に依存している部分があるのと同様に、東道は四葉家の力に助けられている
スポンサーが単独なのか、複数いるのかはまだ明らかになっていないが、
真夜は、「
あの方々たち」「
あの方々の」とスポンサーが一個人では無いような語り方をしている。
四葉家に対して依頼をすることができ、当主の真夜も「スポンサーのご意向には逆らえません」と語るなどそれなりの影響力を持っているようである。
後に、あの方々=
元老院だと判明。
評判
第4巻
九校戦編 <下> P410 (
風間玄信のセリフ)
「『兵器として開発された魔法師』の伝統を、最も忠実に守り続けている一族ですから、単純に戦闘力だけで見れば突出した存在になって行くのも当然かと思われます」
第9巻 来訪者編 <上> P133
四葉は良く言えば自主独立路線、悪く言えば唯我独尊路線で(中略)
取り憑かれたように自らの性能アップに邁進し、ただその魔法力のみによって十師族のトップに七草と並び立っている
第9巻 来訪者編 <上> P230
四葉の情報管理は官邸よりも数段レベルが高い、と事情を知る者たちは口を揃えて言うが、それは決して過大評価ではなかった。
第
11巻 来訪者編 <下> P63
四葉家は、数の上で七草家や一条家に著しく劣っている。だが、戦力で劣っているわけではない。一人一人の質では、むしろ上回っていると言って良い。それに少ないといっても、政府機関からカウンターテロの切り札として超法規的業務を受注するに足りるだけの人員は抱えている。秘密裏に活動している破壊工作部隊や暗殺部隊を闇から闇に葬る仕事は「数字付き」の中で四葉家が最も長けているという評価もある程だ。
第
11巻 来訪者編 <下> P127
今は(とりあえず)日本政府に従っている形だが、もし彼らが地下に潜りテロリストと化したなら、四回目の世界大戦の引き金が引かれると言う者までいる。魔法というものの一面を、そこまで狂的に突き詰めた集団として、彼らは尊敬されるのではなく、ただ恐怖されていた。
第
12巻 ダブルセブン編 P31
最も秘密主義で最も悪名高い『死(四)の魔法師工場』
第
12巻 ダブルセブン編 P166
四葉の名は七草以上にインパクトがある。政治的な利用価値なら七草の方が上だが、権力者を恐れさせることに掛けては四葉が図抜けている。
第
13巻 スティープルチェース編 P308
何せ四葉に臣従する魔法師は「魔法を発動する兆候など隠せて当然」が基準なのだから。
第
14巻 古都内乱編〈上〉 P135 (
司波達也のセリフ)
「いや、すまない。『四葉の裏仕事』などと言うと、まるで四葉が表の仕事を営んでいるような表現だと思ってつい笑ってしまった。」
第
15巻 古都内乱編〈下〉 P55
国家に対して重大な反逆行為を働いた、あるいは働こうとした魔法師。国家に対して直接的な敵対行動こそ取らなかったものの、軍事的に利用可能な魔法技術を国外の勢力に流出させようとした魔法師。そうした国家に対し背信行為を働いた魔法師たちの粛清は、四葉家に依頼されることが多い。
第
17巻 師族会議編〈上〉 P115 (
千葉エリカのセリフ)
「あの四葉家の一員だもの。何も感じなかったら怖い物知らずじゃなくてただのバカよ。知らなかったで済まされるレベルを超えているわ」
第
20巻 南海騒擾編 P113
およそ三十年前、大漢崩壊と共に囁かれ始めた戒めの言葉。
──日本の四葉に手を出すな。手を出せば、破滅する。
第
21巻 動乱の序章編〈上〉 P38
同じ十師族であっても四葉家は別格。別格に恐ろしい。世間では四葉家と七草家が日本魔法界の双璧と評価されているが、魔法の実力は四葉家が抜きん出ている。
第
21巻 動乱の序章編〈上〉 P230 (
アンジェリーナ゠クドウ゠シールズのセリフ)
「四葉の悪名は大袈裟なものじゃない。ミユキとタツヤのことを思い出すたび、私はそう考えてしまいます。」
第
21巻 動乱の序章編〈上〉 P233
雛鳥であろうと卵であろうと、魔法師の世界に生きる者にとっては、四葉家という存在はそれ程までに畏怖の対象となっているのである。
第
26巻 インベージョン編 (
司波達也のセリフ)
我々は軍事組織ではない。確かに暴力行為で報酬を得ているが、それはあくまで副業だ。敢えて分類するなら、四葉家は研究組織だ。
使用人
四葉家では各業務において使用人を監督する立場にある8人を等しく執事(しつじ)と呼んでいるが、主のプライベートな用向きを果たす執事(バトラー)は葉山だけである。
第3位までが四葉家の内情を知る(達也についても詳しく知っている)内陣(インナー)、第4位以下が外陣(アウター)。
また、重要な血族に
ガーディアンと呼ばれる特殊な護衛を配している。
傘下の企業
登場している中では、
フォア・リーブス・テクノロジーは四葉家が正体を隠して出資し設立した企業である。
また、それ以外にも、四葉家が正体を隠して出資し裏で支配している企業が存在し、主要都市には四葉の息が掛かったホテル、あるいはもっと直接的に四葉の資金が入っているホテルが存在する。該当するものとして、横浜のホテルと、東京のホテル、奈良のホテル、京都のホテルが本編に登場している。
巳焼島を私有地化している。
小淵沢駅から少し離れたところに法人名義のヘリポートを所有している。
その他
暗号通信
国防軍と同等の暗号通信を採用している。共通鍵暗号方式で暗号鍵を1時間ごとに変更している。
企業の名称
多くの魔法関連企業が、四葉家とは繋がりが無いにも関わらず、「虎の威を借る」目的で「四葉」を意味する名称を採用している。だが、四葉家はこれに対し抗議等を行ってはいない。なお、
フォア・リーブス・テクノロジーも真相を知る者以外には、こういった企業の一つと見られている。
政治との関わり
「自分たちは権力者などという凡人は相手にしない」という傲慢で、ある意味潔癖症な考えが基本スタンスとなっており、政治には積極的に関わろうとしない。
政府や黒幕と呼ばれている人々の依頼を請け負うことはあるが、権力者同士の潰し合いからは距離を置いている。
関連
登場巻数
2巻、
3巻、
4巻、
6巻、
8巻、
9巻、
10巻、
11巻、
12巻、
16巻、
17巻、
18巻、
19巻、
SS、
20巻、
21巻、
22巻、
23巻、
24巻、
25巻、
26巻、
27巻、
28巻、
29巻、
30巻、
31巻、
32巻、
メイジアン・カンパニー1巻、
メイジアン・カンパニー2巻
コメント
十師族 家系 用語
最終更新:2025年01月16日 17:59