Q&A

ツイッターの回答やラジオブックレットの教えて!佐島先生!のコーナーをまとめたQ&A(予定)


人物関連

ほのかと雫にはどんな可愛い一面があるのかな?

 ほのかは一途な女の子です。一途という意味では深雪と同じなのですが深雪は「愛されたい」という気持ちを自分で抑圧しているのに対して、ほのかは「愛されたい」という気持ちをエネルギー源にしているところがあります。その裏返しとして「嫌われたくない」という気持ちも強く、その二つの感情の間で揺れ動き、自信を無くしてしまうという悪循環に陥ったりもします。クヨクヨ悩んだり、落ち込んだりもするけれど、立ち止まってはいられない恋する乙女。それがほのかの魅力だと思います。雫は寡黙で表情に乏しい少女ですが、とても素直な女の子ではあります。友達想いで自分のことより友人のことを優先するような部分も持っています。表情の変化が小さいのは、感情の起伏が乏しいのではなく、自分の感情を表現するのが苦手なだけで彼女自身はそのことに悩んだりもしています。その反動で酔っている時は素直になり過ぎたりもするのですが、自分を表現するのが苦手な素直で友達想い女の子、それが雫という女の子であり、彼女の魅力だと思います。
魔法科高校の劣等生WEBラジオ 第0回 教えて!佐島先生! 16:10~

西条レオンハルトのことを詳しく教えてください。レオンハルトということは外国人なのでしょうか?せっかく寺島さんもゲストに来ているのであまり公式プロフィールに載っていないような小さな裏設定などあれば教えてください。例えばレオンハルトは二科生の中では優秀な人材だとか。

 家は草加市(埼玉県)にあって民間更生施設を営んでいます。暴力癖のある青少年を預かって更生させる仕事です。更生した若者に仕事を斡旋する事業も行っています。彼の家は元々古いタイプのヤクザで、彼の父方の祖母がドイツから流れてきた祖父と結婚するにあたり、祖父が「ヤクザは嫌だ」と条件を出した為、祖父に惚れ込んでいた曾祖父が組を丸ごと更生施設に作り変えました。彼の家は今でもヤクザ当時の面影が残っており、チンピラは門構えを見ただけで逃げていきますが、やっていることは極めて真っ当で地元の警察とも良好な関係にあります。この祖父はドイツの魔法師開発研究施設の出身で最も早い時期に軍事用遺伝子改造魔法師として生まれました。残念ながらレオが幼い頃に亡くなってしまいましたが、最初期の遺伝子改造魔法師としては異例の長生きをしています。レオは魔法師の才能をこの祖父から受け継ぎました。彼が付けているCADも祖父から贈られたものです。才能だけでなくレオは祖父によく懐いており、ある意味お祖父ちゃんっ子でした。そして家族構成は祖母、両親、姉です。家族にはレオ以外に魔法師は居らず、姉からは可愛がられていると同時に恐れられていて、レオも姉に対して少しギクシャクしているところがあります。ただ家に集められている元不良少年達とは良好な関係を築いていており、「若親分」扱いを受けています。レオの趣味は夜の散歩で、都会をフラフラ歩き回ることもあれば、一人で夜の山歩きに出かけることもあります。その所為でトラブルに巻き込まれたり、思いがけない出会いを経験したりします。

エリカはレオのことをどう思っているのでしょうか?そしてレオはエリカのことを思っているのでしょうか?

 エリカはレオのことを「面白いヤツ」と思っています。大部分、お気に入りのオモチャを見るような意味の「イジっていると面白い」ですが格闘家、選手としての彼の素質に注目している部分もあります。もしかしたら大化けするかもしれないと思っていて、なんとなく目が離せないというところです。レオはエリカのことを表層心理では「良いヤツだけど癪に障る女」と思っていますが、直感的に今の時点では自分より強いと悟っていて心の底では凄いヤツだと認めています。二人とも達也に対しては凄いけれど自分たちとはタイプが違うと思っていてライバルとしては見ていません。しかし、エリカとレオ、お互いの間ではコイツは自分と同じタイプと嗅覚的に認識していて、エリカはレオに期待している、レオはエリカに対抗心を持っている、そんな関係です。

前から気になっていたのですけど、服部刑部少丞範蔵副会長は3話で達也に倒された後、会長に話しかけられた途端「大丈夫です」アピールを決めていましたが、会長に気があるのでしょうか?それとそういう気持ちがあるならそうなったエピソードってありますか?

 服部は真由美に憧れています。女性として意識もしていますし、恋人になってデートするシーンを妄想したりもしています。ただその一方で真由美が高嶺の花だという現実もしっかり認識しています。彼女が十師族七草家の長女であり、いずれは同じ十師族か、あるいはそれと同等の格を持つ家柄に嫁いでいくだろうということもわかっていて、結局は手が届かないという諦めも持っています。服部が真由美に憧れたのは単純な理由で、一年生の夏、九校戦新人戦メンバーに選ばれたときに彼女のスピード・シューティングを生で観て、魔法と美貌の両方にノックアウトされたという経緯です。服部は魔法至上主義なところがあって、それも血筋や肩書きに関係なく、魔法師としての実力が第一という信念を持っています。真由美の競技を生で観るまでは「十師族何するものぞ」と突っ張ったところもあって、十師族に負けないようにとがむしゃらに頑張っていました。それが真由美の魔法にショックを受け、克人の魔法に打ちのめされて、人間が少し丸くなった―というのは余談です。そんな彼にとって魔法の実力が無い二科生が風紀委員に選ばれるというのは許されないことだったんですね。それが第二話であのような形となって現れてしまいました。

アニメ第10話で九島烈の精神干渉魔法に気付いた5人って誰ですか?原作でも特に書かれて無かったので気になりました。

 一高では達也と真由美、他の三人は他校の生徒でいずれも知覚系の特殊能力保有者です。十文字や摩利や服部も気が付きませんでしたし、深雪も気付いていません。一条将輝や吉祥寺真紅郎も判っていませんでした。ちなみにあの時、九島烈が使った魔法は視線を固定する精神干渉系魔法で、九島烈の代わりに若い女性が舞台に現れたことに疑問に思って、その女性を凝視すればするほど魔法に対する抵抗力の強弱を問わず、九島烈の術中に嵌っていくという仕組みでした。ですから肉眼以外の眼で九島烈を探した生徒には効き目が薄かったのです。

早速ですが佐島先生に質問です。達也は今の感じからすると中学生の頃モテていたが告白されても全て断っていたと思います。一体どんなセリフで断っていたのですか?

 達也は中学生の頃から大人びていました。同級生や下級生とは雰囲気が大きく違っていて、その差は高校生である今より激しいものでした。中学一年生にして三年生よりも大人びていた程です。そのせいで彼に憧れている生徒は数多くいましたが、告白を決意するまでに踏み切れた女子生徒は僅かでした。いざ告白しようとしても達也を前にすると何も言えなってしまうというケースが殆どでした。達也は穏やかに対応しているのですが、女子生徒のほうが勝手に気後れしてしまう…そんな雰囲気が中学時代の達也にはありました。そして見事告白を成し遂げた女子生徒は達也の「ごめん、君のことが嫌いというわけじゃないんだ…」という一言で敢え無く走り去ってしまうというパターンでした。それ以上達也の前で耐えられる女の子は居なかったのです。こうして達也はモテるのに寂しいという中学時代を過ごしました。そのお陰で男子生徒のウケは良かったようです。
※ 文庫2巻では「自慢ではないが、女性にモテた経験はゼロだ。」と書かれている*1

千葉エリカには学年No.2の美少女という裏設定がありますが、3位以下のランキングも設定や佐島先生のお考えがあったりするのでしょうか?

 3位以下は考えておりません。大体こういうランキングは本命と対抗までで3位以下はあまり記憶に残らないのではないでしょうか?学年は違いますが、真由美も摩利もタイプは違いますが間違いなく美少女で、花音もかなりレベルが高いルックスです。魔法師は男女を問わず、美形が生まれる確率が高く、魔法科高校は学力だけでなくルックスのレベルも一流校です。ほのかも雫も地区の公立高校に紛れ込めばトップクラスの美少女です。それを踏まえれば一高の中で圧倒的な容姿を誇る深雪、それに次ぐと囁かれるエリカがどれ程ハイレベルなルックスなのかご想像頂けると思います。

小野遥はああ見えてスパイですが、あの優しい雰囲気はスパイである自分を隠す為にわざとそうしているのでしょうか?それとも普段から本当にあのように優しい感じを醸し出しているのでしょうか?

 小野遥のあの雰囲気は演技ではありません。あれはあの人本来の性格です。彼女は魔法科高校の受験に失敗したことで魔法師の道を諦め、理科高校に進学し、大学で精神医学を専攻して、精神科医師免許を取っています。

ここで少し解説しますと、魔法科高校の世界では戦争による人口減少のせいで人材が不足し、専門家の早期育成が必要になりました。その為、高校の段階で教育が専門分化し、魔法科高校以外にも文科高校、理科高校、教養科高校、体育科高校など専門性の高い高校が一般的になっています。国家資格も早く取れる限定資格と、取得に時間が掛かる一般資格に分かれています。医師免許も全て医療行為が可能な一般医師免許と、特定の分野しか医療行為の出来ない専門医師免許に分かれており、専門医師免許はもっとも早くて22歳で取得可能です。

話を戻しますとこのように小野先生は大学卒業まで精神科医を目指しており、カウンセラーになったのも精神科医としてのキャリア形成の為でした。このあたりも私たちの世界とは少し事情が違います。またしても話が脱線してしまいましたが、要するに小野先生はスパイになるつもりなど無かったのです。
彼女のBS魔法と呼ばれている固有技能は他人に認識されなくなるというスパイや泥棒向きのモノでしたが仕事の道具にする気はありませんでした。ただそういう力を持っていれば使いたくなるのが人情というものです。彼女は自分のBS魔法を使って最初は些細な悪戯を、段々と大それた悪さをするようになっていきました。しかし悪いことは出来ないもので、公安には彼女の特殊技能の天敵となる能力「自分の五感に対して如何なる魔法的干渉を受けない」というBS魔法の持ち主がいて、その人に悪戯の現場を見つかってしまったのです。小野先生の悪戯は明らかに犯罪行為でした。その現場を押さえられた彼女は、犯罪行為を見逃す代わりに公安のスパイになることを承知するしか無かったのです。彼女は元々少しドジで少しお調子者の優しい女性です。公安のスパイをやらされているのは、彼女にとってもとても不本意な事で「早く公安を辞職したい」といつも考えています。

自分はテレビアニメを見てて気になったんですが、達也は深雪にプレゼントや入学祝等を贈ったりしているんですか?

 入学祝ではありませんが達也が深雪に誕生日プレゼントを贈ったエピソードは電撃コミックスNEXT 魔法科高校の優等生 第1巻冒頭に描かれています。雪の結晶をデザインした髪飾りはこの時に達也が贈ったものです。深雪が達也にプレゼントすることも当然あります。これもコミックス魔法科高校の優等生第3巻に出てくるエピソードですが、達也の誕生日プレゼントに深雪がバイクのヘルメットを選んでいる描写があります。ただ深雪から達也にというケースではプレゼントよりも、気合の入った手料理を振舞うことのほうが多いです。そうなったのは昔何が好きかを聞かれて「深雪の手作りがいい」と何気なく洩らしたセリフを深雪がずっと覚えているからだったりします。そのうち料理やお菓子だけでなく達也の普段着も深雪の手作りになることでしょう。

なかなか憎めないキャラの森崎ですが、他の生徒から見て森崎はどんな印象を持たれているのでしょうか?色々なキャラクターから視た森崎像を知りたいです。

 レギュラー陣からの印象は芳しくありません。深雪は入学直後に嫌な思いをさせられたせいで関わりたくないと思っています。ほのかと雫は「認めなきゃ、現実を」という生温かい目で森崎のことを見ています。彼の実力に関する二人の評価は「テクニックで補っているけれど、地力は他人を見下せる程ものじゃない」で一致しています。上から目線のようですが、ほのかと雫が地力で勝っているのは誰の目にも明らかですし、実は教師陣も二人と同じ評価です。エリカ、美月、レオは入学直後の事件の印象を引きずっていて、「いけ好かない」と感じています。幹比古は二年生になるまで森崎と殆ど面識がありませんが、美月やエリカがよく思っていないので精神的にも距離を置いていました。
他方、達也グループとあまり親しくない一年一科生の間における森崎の評価は男女ともかなり高めです。それは百家本流に比べて劣っている先天的な魔法力を、技術の向上によって補おうとする愚直な努力と、その結果、自分より明らかに才能で勝っている上位に喰らい付いている成績、九校戦でも決して得意ではないスピード・シューティングで準優勝して見せた勝負への執着心、そう言った才能の差を努力で埋めて、ある程度の結果を出している姿が平凡な一科生の共感を呼んでいるからです。森崎の短所は、自分と他人を比べ過ぎるところでしょう。もう少し精神的なゆとり出来て、自分より成績が劣っている者を見下すことで自分のプライドを支えようとする子供っぽい部分が無くなれば、彼はもっと人気が出ると思います。

九校戦編でリタイヤした森崎は心の中でどんな思いだったのでしょうか?きっと良い所を魅せたいと意気込んでいたはずだと思うのですが…

 ベットで悔しさに男泣きしました。絶対安静で無ければのたうち回り叫び声を上げていたことでしょう。もし彼一人が軽傷だったなら四高の天幕に殴り込んでいたはずです。彼はそれくらいモノリス・コードにプライドを賭けていました。自分が雑草と見下した達也が同級生の女の子達に実績と才能を称賛されていたのです。同級生だけでなく上級生の間にもそれに同調する空気がありました。それを見て森崎は「自分が達也以上の成果を上げないと自分が間違ったことになってしまう」と自分で自分を追い詰めてしまいました。その為にはモノリス・コードで優勝するしかないと思い込んだのです。だからモノリス・コードで達也が二科生だけのチームで優勝したその結果を知って、彼はますます追い詰めれてしまいます。アニメでは語られていませんが、文庫第5巻に収録されている「優等生の課外授業」というエピソードで心境の変化をもたらす事件に遭遇するまで、森崎はかなり危うい精神状態になっていました。

ほのかは達也のことが好きですが、一方で深雪とほのかは友達同士でもあります。深雪から見てほのかはどんな風に見られているのでしょうか? 深雪はほのかの恋心に気付いているのでしょうか?

 深雪は、ほのかのことを親しいクラスメイトであり友人だと思っています。深雪にとってその人が兄・達也の価値を理解しているかどうかが友達として付き合える第一条件になります。ですから、いち早く達也のことを認めたほのかは深雪の目に好ましく映りました。もちろん達也に好意的であるという理由以外にも、ほのかの性格や容姿を女の子らしくて可愛いと思っています。深雪は自分の性格を「裏表が激しくて可愛げがない」と考えていますから、ほのかのストレートな感情表現を羨ましく感じているという面もあります。深雪は幼い子から大人に合わせた対応を求められることが多かったので、ある程度の裏表は仕方が無いところではありますが、本人はもっと可愛くなりたいのでしょうね。達也に対しては十分素直なのですが…。
ほのかが達也に恋をしていることは深雪だけでなく達也グループ全員が気付いています。こういうことにはわりと鈍い美月と幹比古もなんとなくわかっています。ちなみにレオは他人のことであれば意外に敏感です。達也本人も知っています。何故なら九校戦の後、夏休みに北山家の別荘へみんなで遊びに行ったときに告白されているからです。残念ながらテレビアニメでは放映されませんでしたが、そのときのエピソードは電撃文庫シリーズ第5巻に収録されています。深雪はほのかが達也に告白するときに雫の呼び出しを受けていました。親友に対する雫の援護射撃です。そのときに深雪は「ほのかに嫉妬するかもしれないけど、邪魔はしない」と雫に明言しました。今のところ深雪本人はそのつもりです。本心はともかくとして、また今のところですが…
※ 文庫5巻では「大丈夫。わたしに、ほのかの邪魔をするつもりは無いから。……ヤキモチは焼くけどね?だから、安心して、って言っても無理かもしれないけど」と書かれている*2

深雪と言えばお兄様一筋でほかの男子には目もくれないという印象ですが、実際に深雪の理想の男性というのはどういう人なのでしょうか?例えば深雪に好意を寄せている将輝などは如何ですか?

 深雪の理想の男性は達也なのですが、深雪はそのことに気付いていません。というより無意識にそのことに目を背けています。実の兄を恋愛対象に見るなんて不道徳だと考えているのです。達也を恋愛対象にするなど恐れ多いとも思っています。ときどき行動が意思と理性を裏切ってしまいますが…
達也が男性として好きだということから目を背けるために、深雪は自分の恋愛感情そのものを見ないようにしています。そのせいでどんな異性がタイプか?ということも自分でわからなくなっています。将輝から向けられている好意は理解できるのですが、深雪はそれを受け止めることが出来ません。思慕に応える恋愛感情が壁の向こうに隠されている状態になってしまっているからです。
こと恋愛面に関して言えば、今の深雪は身体だけが成熟して心は思春期が始まったばかりの状態です。愛しく思う相手に「恋をしてはならない」と強く思っているために意識と無意識の折り合いを上手く付けられなくなっています。

吉祥寺真紅郎はカーディナル・ジョージと呼ばれていますが、これは誰が言い出したあだ名なんですか?まさか自分からでしょうか?

 結論から申しますとUSNAの魔法学研究者が言い出したニックネームです。
吉祥寺が見つけ出した基本コードは魔法理論の分野における世界的な発見で、その論文は日本国内だけでなく海外でもほぼ同時に発表されました。弱冠13歳という年齢もあって天才少年・吉祥寺真紅郎の名は世界に轟いたのですが、残念ながら「キチジョウジ」も「シンクロウ」も欧米の学者には発音しにくい名前でした。
ただそれだけなら精々「シンクロウ」に落ち着いたはずでしたが、発音に四苦八苦するアメリカ人学者の中に偶然、昔の日本文化に詳しい年配の学者が居て「キチジョウジはジョージと略すんだ。」と得意気に語ったことがきっかけとなり、「ジョージ」という愛称が定着してしまったのです。そして吉祥寺が発見した基本コードは、英語でカーディナル・コードと言いますので、この二つを合わせたカーディナル・ジョージが魔法学の世界における吉祥寺のニックネームになりました。
なお、一条将輝が吉祥寺のことをジョージと呼ぶのはカーディナル・ジョージと無関係の偶然の一致です。

中条あずさは次期生徒会長ですが、あまり自ら生徒会長になるタイプではないのに何故、生徒会長という重責を担うようになったのでしょうか?もしかして実は野心の塊だったのでしょうか?

 下馬評では服部が真由美の次の生徒会長でした。あずさは生徒会長になりたくなかったので、服部が生徒会長になると聞いて安心していました。ところが服部は十文字から部活連の次期会頭に指名されてしまいました。そうなると生徒会の中で次の生徒会長候補はあずさしかいません。真由美は是非ともあずさを自分の後任に据えたいと思っていました。そこで説得役として白羽の矢が立ったのは達也と深雪の兄妹です。過去のトラブルをネタに達也があずさを脅し、深雪がその横であずさをなだめるという二人のコンビネーション。それに加えてトーラス・シルバーの最新CADというエサを目の前にぶら下げられて、あずさは生徒会長に立候補することを承諾させられたのでした。この詳しいエピソードは電撃文庫シリーズ第5巻に収録されています。
魔法科高校の劣等生WEBラジオ 満開!ブルーム放送委員会 第14回 教えて!佐島先生!&たっつん先生! 19:27~

真由美は達也に恋愛感情を持っているのでしょうか?気になります。

 異性としては意識しています。しかし、恋愛感情と呼べるほどハッキリしたものではありません。真由美が達也に対する自分の感情の種類をハッキリさせないのは、彼女が奥手だからではありません。中学生の頃から何度もお見合いモドキをさせられて、恋愛というものに妙な先入観を持ってしまっているのです。今の自分に纏わり付く様々な柵を忘れさせてくれる強烈な感情を抱くことが恋に落ちるということで、我を忘れさせてくれるような強さが無いなら、お見合いモドキして結論を出さないまま何度か会っている複数の男性とあまり変わらない、という夢を見ているのだか冷めているのだかよくわからない思いを抱いています。だから相手が自分をどう思っているのか試すような真似をついついやってしまうのです。
魔法科高校の劣等生WEBラジオ 満開!ブルーム放送委員会 第14回 教えて!佐島先生!&たっつん先生! 24:16~

第2話の生徒会室で昼食を食べるシーン。指を怪我しているあたり、摩利はあまり料理が得意ではないようですが、なぜこの日、摩利はお弁当を作ってきたのですか?

 このシーン、誤解をなさっている方が多いと思いますが、摩利は料理が得意です。調理中は包丁で指を切ったりしません。彼女が苦手なのは掃除と片付けで、指に貼られていた絆創膏は多分調理器具の後片付けの時にうっかり怪我をしてしまったのでしょう。達也が「手を見れば分かる」と言っていたのは包丁を日常的に使っている跡やフライパンの油が飛んだ跡が残っていたからです。
結論を申しましますと、料理が得意な彼女はいつもお弁当です。
BD/DVD特典 魔法科高校の劣等生 入学編1 GUIDE BOOK 教えて!佐島先生! 特別編 質問2

魔法科高校の生徒の一ヵ月の平均的なお小遣いは、現代日本の通貨に換算してどれくらいですか?また、達也の月収がどれくらいかも教えてください。

 自宅から通っている生徒の平均的なお小遣いは5千円前後です。一人でアパートを借りている生徒はやりくりによって自由に使えるお金が上下します。家庭に金銭的な余裕がない生徒は奨学金が手厚く支給されますし、家の仕事を手伝っている生徒も少なくありませんから「自由にできるお金」という意味ならもっと多くなります。
 達也の月収は平均500万円です。CADの売り上げに応じた出来高払いなので月によって大幅に増減します。トーラス・シルバーの世界的な名声を考えると年収6000万円は物足りないようにも感じますが、魔法産業は産業界全体で見ればニッチな存在ですし、FLTは中堅企業の規模しかないことを考えれば、達也と牛山で二人合わせて年収1億円というのは破格の厚遇だと言えます。
BD/DVD特典 魔法科高校の劣等生 入学編2 GUIDE BOOK 教えて!佐島先生! 特別編 質問3

エリカと幹比古が幼馴染とありますが、千葉家と吉田家の関係はどういったものなのでしょうか?また二人の昔のエピソードがあれば教えてください

 千葉家と吉田家はエリカや幹比古の祖父の代からの付き合いです。
 千葉家はエリカの祖父が魔法剣技〈剣術〉体系化し、父親がそれを広めました。千葉家が今の家に住み始めたのは剣術道場を始めてからで、それまでは吉田家の近所でした。
 といっても、子供の頃から付き合いがあったわけではありません。吉田家と千葉家の付き合いは、エリカの祖父が吉田家の魔法を学ぶ為にその門を叩いたことから始まりました。
 その当時はまた魔法研究が進んでおらず、古式魔法の方が新しい魔法、達也たちの時代で言う現代魔法より優れていました。自己加速術式を伝える法術剣士の家系出身であるエリカの祖父は、家伝の剣術を魔法戦闘技術として進化させる為に、古式魔法の伝承者であることを世間に明かしていた吉田家の教えを請うたのです。
 後にエリカの祖父は吉田一門と別れ、色々な所で修行を積み魔法剣技〈剣術〉を体系化させました。しかし彼は吉田一門と喧嘩別れしたのではなく、最初の師である吉田家に対する敬意と恩義を死ぬまで忘れませんでした。現代魔法の発達により古式魔法を学ぶ者が減少した時期があり、その時に吉田家は没落し掛かりましたが、〈剣術〉の創始者として名声を確立していたエリカの祖父が恩返しに援助したこともあります。そうした経緯で千葉家と吉田家はお互いの家を行き来する関係になりました。
エリカはとある事情から学校以外で家の外に出ることを許されていませんが、幹比古が初めて千葉家を訪れた時に同い年のエリカと会って、それ以降の付き合いになっています。
 出会った当初は、幹比古がエリカのことを気に掛けて色々構おうとしたのをエリカが鬱陶しがって邪険にしていた、という今と反対の関係でした。
BD/DVD特典 魔法科高校の劣等生 九校戦編1 GUIDE BOOK 教えて!佐島先生! 特別編 質問3

牛山と達也の出会いや二人で開発をするようになった経緯などあれば教えてください

  達也は現独立魔法大隊の真田と知り合ったことで、父親の思惑から外れて自分のアイデアで新しいCADを開発しようと思い立ちました。しかし当時の彼にはハードウェアの知識がありません。そこで本社の人事管理システムをハッキングして、ハードウェア開発の高い実力を持ちながらFLTの中で冷遇されている人材を慎重に探しました。そうして見つけたのが牛山です。
 しかし、見つけてすぐに牛山と接触したわけではありません。何といっても達也はまだ無名の中学生でしかありませんでしたから直接会いに行っても相手にされるはずもありませんでした。
 そこで色々と後ろめたいことのある父親を脅して開発第三課に研修という名目で潜り込み、ループキャストシステム用CADの企画書をわざわざ紙に出力してこっそり牛山のデスクに紛れ込ませるという裏工作を行いました。それまで重役の息子の道楽としてしか達也のことを見ていなかった牛山が、その企画書を見て仰天し達也に「自分で考えたのか」と詰め寄ったのが達也と牛山の、本当の意味での出会いです。
BD/DVD特典 魔法科高校の劣等生 九校戦編1 GUIDE BOOK 教えて!佐島先生! 特別編 質問6

幹比古が魔法力を失うきっかけとなった一年前の事故について教えてください

 2094年8月17日、旧暦2094年7月7日の太陰暦七夕の日、吉田家では年一回の重要な魔法儀式が行われていました。広域気象操作が可能な神霊――大規模独立情報体を喚起する(呼び出して活性化する)技を競う儀式です。
 この儀式で幹比古の兄の元比古は大気流動の大規模独立情報体「風神」の喚起に成功。対抗心を燃やした幹比古は制止する周囲の声を聞かず、吉田家の最終目標である水の大循環の独立情報体《竜神》の喚起に挑むがこれに失敗。相思の枯渇を起こして気を失ってしまいます。
 それ以来、幹比古は、自分の魔法発動が遅くなっているという感覚に取り付かれて魔法が上手く使えなくなるのですが、実際には速度低下の事実はありません。これは幹比古の感覚が加速した為の錯覚です。幹比古は《竜神》との接触時、向こう側からの干渉で無理やり魔法演算を加速させられた時の感覚を引きずっていたのです。幹比古のスランプの原因は、竜神との接触体験にとりつかれていたせいなのでした。
 達也によって、CADを利用したより高速な現代魔法の原理に基づく古式魔法の術式を使用する機会を与えられたことにより、幹比古は発動速度との感覚のずれを克服しスランプを脱却しました。今では、自分が何故スランプだったのかその理由を自覚しています。
BD/DVD特典 魔法科高校の劣等生 九校戦編2 GUIDE BOOK 教えて!佐島先生! 特別編 質問4

服部と桐原は仲が良いようですが、何かエピソードなどありましたら教えてください

 二人とも徹底した実力主義ですから、入学当時からお互いを認め合っていました。しかし服部と桐原が本格的に仲良くなったのは、二人が一年生の10月に〈正式な試合〉をしてからです。
 生徒会長になった真由美から副会長に指名された服部は、その当時とても張り切っていました。風紀委員を差し置いて校内を積極的に巡回していた程です。その得意げな態度を目にして、桐原は服部に挑戦状を叩きつけたのです。そんなに偉そうに振舞う実力があるなら見せてみろ、と。
 結果は服部の辛勝でした。二人とも入院しなければならないほどの重症は無かったものの、顔も体も痣だらけで酷い有様になっていました。それを黙って見ていた真由美も摩利も大概ですが。しかしその結果、桐原は服部にとって本音も見せられるし弱音も吐ける、数少ない友人の一人になりました。拳が育んだ友情ということですね。
BD/DVD特典 魔法科高校の劣等生 九校戦編2 GUIDE BOOK 教えて!佐島先生! 特別編 質問6

エリカの兄・修次と摩利は交際関係にあるようですが、なれそめを教えて下さい

 二人のなれそめは千葉道場に摩利が入門したところから始まりました。と言っても、摩利も最初から千葉本家の道場に通っていたのではありません。中学二年生の時、地元の警察署の中にある千葉道場に入門した摩利はめきめきと上達し、第一高校入学を機に本家道場へ推薦されました。
摩利は確かにこの当時から優れたセンスを示していましたが、実力的には本家道場のトップクラスに到底及ばず、年下のエリカにも惨敗して、本家入門早々すっかり落ち込んでいました。その摩利を辛抱強く励まし、指導したのが修次です。皮肉なことに、修次と摩利の仲を取り持ったのは、摩利に敗北の苦汁をなめさせたエリカだったと言えるかもしれません。
BD/DVD特典 魔法科高校の劣等生 九校戦編3 GUIDE BOOK 教えて!佐島先生! 特別編 質問6

大亜連合が論文コンペの会場に突入したため、 吉祥寺が発表する機会は失われてしまいましたが、彼はどんな発表をする予定だったのでしょうか?

 吉祥寺の発表テーマは「基本コード魔法の重複限界」でした。基本コードを用いた魔法は物質を一時的に熱や圧力が作用した状態に改変するのではなく、熱や圧力を直接発生させると予想されています。事象改変は単純に「熱を加えること」「圧力を加えること」で同じ対象に繰り返し行使しても重ね掛けによる必要干渉力の増大は発生しませんし、状態の変化を定義するものではありませんから、効果は無限に累積していきます。
 吉祥寺は加重系基本コードを用いた魔法を重複発動し続けることにより金属酸素を作り出す実験で、基本コード魔法に理論的な重複限界が無いことを示そうとしました。
BD/DVD特典 魔法科高校の劣等生 横浜騒乱編2 GUIDE BOOK 教えて!佐島先生! 特別編 質問7

藤林と小野遥はそれぞれの異名をお互い知っていましたが、二人は魔法師の世界ではどの程度有名人なのでしょうか?

 藤林響子はかなりの有名人です。第二高校は九校戦に一度だけ優勝したことがあるのですが、彼女はその時の立役者です。真由美や摩利のような派手な活躍はありませんでしたが、同世代の魔法師の間では忘れられないヒロインとなっています。また、日本魔法界の長老・九島烈の孫であり、古式魔法の名門・藤林家の長女として魔法師社交界でも名花扱いされています。
 「電子の魔女(エレクトロン・ソーサリス)」の異名も有名ですが、それは電子を操る放出系魔法の名手としての側面が良く知られているだけで、その名が天才ハッカーの異名でもあることを知っているのは、諜報の世界に身を置く者にほぼ限られています。
 一方の小野遥はほとんど知られていません。正体不明の凄腕女スパイ「ミズ・ファントム」の名は諜報の世界で知らぬ者は無いというほど有名ですが、「ミズ・ファントム」の正体が小野遥であるということを知っているのは本当に一握りの人間だけです。藤林はハッキングスキルを駆使して遥の正体を突き止めましたが、最終的な特定には九重八雲を訪ねる必要がありました。
BD/DVD特典 魔法科高校の劣等生 横浜騒乱編2 GUIDE BOOK 教えて!佐島先生! 特別編 質問9

深雪が達也に科している魔法力の封印と解放について詳しく教えてください

 達也と深雪の双方に掛けられた精神干渉系魔法で、深雪の魔法制御力を使って達也の魔法演算領域の機能を部分的にブロックしています。
 元々は西暦2092年8月の沖縄戦(原作八巻「追憶編」、アニメの一話冒頭)の後、二人の母親である深夜が編み出し行使した魔法です。深夜はまず、達也の魔法演算領域に深雪の魔法制御力を受け入れる一種のバックドアを作りました。そして今度は、深雪の魔法を制御する能力を使って達也の分解魔法に制限を掛けました。この所為で達也は「マテリアル・バースト」を自由に使えず、深雪は自分の魔法を制御しきれずに暴走させてしまうようになりました。
 深夜の死後、このシステムは四葉の分家当主に引き継がれましたが、分家の魔法ではこの仕組みを継続的に維持することはできず、深雪が自分で自分に魔法を掛けるような形式に変更せざるを得ませんでした。その魔法の性質上、深雪に解除の鍵を持たせる必要があったのです。それが「達也の額に深雪が唇で触れる」という動作でした。
 ですから、封印の解除は達也の魔法力の全解放であるのと同時に、深雪が本来の魔法制御力を取り戻すことでもあります。
BD/DVD特典 魔法科高校の劣等生 横浜騒乱編3 GUIDE BOOK 教えて!佐島先生! 特別編 質問3

第26話で深雪たちが陳祥山の『鬼門遁甲』を打ち破った具体的な方法を教えてください

 陳祥山の目的を魔法協会の機密データと予想した深雪は、機密データをコピー可能な端末が置かれた閲覧室で待ち伏せることにしました。しかしいくら監視モニターを切り替えてみても怪しい人影を発見できません。相手を認識しようとすると、その意識を逸らされる魔法が使われていると考えた深雪は、美月に閲覧室に接近する霊子光を見張らせました。
 精神に働き掛ける魔法も想子を媒体にしています。霊子光は他者の精神に影響を与えますが、意識を操作する魔法とは無関係です。従って霊子光だけを見ていれば、意識を別方向に誘導されることはありません。そして深雪は接近するスパイに注意するのではなく、美月の指示に従って閲覧室の扉が開くのを待っていました。
 もし深雪がドアを見張っていただけなら、ドアが開いて陳祥山が入ってきた途端、「鬼門遁甲」の術中にはまって彼の姿を見失っていたでしょう。ですが美月の指示によって、部屋に入ってくるタイミングに合わせて目を向けることにより、陳祥山の姿を認識することができました。鬼門遁甲は認識の方向をずらす術ですので「何時、何処にいるか」を探している相手には有効ですが、「今、そこにいる」と確信して目を向けられると通用しなくなるのです。
BD/DVD特典 魔法科高校の劣等生 横浜騒乱編3 GUIDE BOOK 教えて!佐島先生! 特別編 質問5


舞台関連

魔法科高校の劣等生8巻に出てきた『潜水ミサイル艦』とはなんなんだろう?ミサイル運用能力もある潜水艦なら『ミサイル潜水艦』と呼称するのが、一般的だと思うけど。100年後の設定だから今の常識を当てはめるのはおかしいかもわからんが。

ミサイル潜水艦はミサイルを搭載した潜水艦で、潜水ミサイル艦は潜水航行能力を持つミサイル攻撃艦です。潜水航行能力に重きを置くか、ミサイル搭載量を重視するかの違いで、実質は同じ物ですね(^^;
+ ...
以前の疑問への回答きてたー! RT @dengeki_mahouka: ミサイル潜水艦はミサイルを搭載した潜水艦で、潜水ミサイル艦は潜水航行能力を持つミサイル攻撃艦です。潜水航行能力に重きを置くか、ミサイル搭載量を重視するかの違いで、実質は同じ物ですね(^^; #mahouka

一校のクラスの席順は横向きに並んでるんですか?一年の時も二年の時もシバとシバタで隣通しって表現があったので、聞いてみました。自分のとこは縦だったので不思議に思ってしまいました。

第一高校の席順は50音順です。但し並び方は様々です。達也たちが一年生の時は男女別縦並びで、2-Eは男女混合横並びです。50音横並びなんて現実には余り聞きませんが(笑)

プシオンは英語でどんなスペルを書くのでしょうか?

サイオンは psyon です。プシオンはかなり変則的な綴りで psycheon です。英語の読み方でこれをプシオンとは発音しないのですが、意味の方から決めた専門用語ということでご理解下さい。
+ ... 別の質問者がこの件に関して別の質問しているが、返事は途絶えている。
https://twitter.com/shin_hachijyuu/status/468585274524442624
@dengeki_mahouka すみませんが、psyonとpsycheonは何語の専門語でしょうか?英語であまり見つかりませんが。。。

国際魔法協会は設立しても第三次世界大戦は止まらず、設立して19年間も戦争が続いていたのに何故「平和機関」としての地位を占めることが出来たのでしょうか?熱核兵器が使われなかっただけではただの環境保護機関としての地位では?

国際魔法協会が平和機関と名乗っているのは、全面核戦争の防止に貢献したからです。人類社会を破滅から救ったという、彼らの主観に基づく自称でしかありません。
+ ... 質問者はこの件に対して追加で質問しているが、返事は途絶えている。
核戦争の防止に貢献したからということですが、飢餓が原因で戦争が始まったのに核兵器を使おうとした国はあって阻止したのでしょうか?戦争を始めた目的からすれば食料やそれを得る領土なわけで、国際魔法協会が無くても核兵器を使う国は無いと思いますが。

よくわかる魔法科第一回で、魔法科高校の受験資格に日本国籍が必要とありますが、リーナは外国籍ですよね?二、三、四高にも留学生が来たとあります。日本国籍が必要なのであれば留学生を想定していないどころか排除していることになりますし…

魔法科高校の受験者資格が日本人に限定されているのは外国への技術流出を恐れているからです。軍事に直結する技術ですからね。来訪者編の留学はあくまで特殊な事例でした。
一つには、向こうの方が進んでいる部分もあるのでお互い様だという思いもあったはずです。日本からも同数が向こうへ留学していますので、持ち帰った技術も少なくないことでしょう。
それに留学生は本人の身元を相手国が保証していますので、問題を起こした際に対処しやすいという面もあります
+ ... 質問者はこの件に対して追加で質問しているが、返事は途絶えている。
日本人限定ではなく日本国籍ですよね?帰化すれば日本国籍を得られますが、それで技術流出を防げるのでしょうか?達也も帰化してからの期間を聞くまでジェニファーを疑問視していたと思いますが。

国立魔法大学付属第一高校には何人ぐらい生徒がいるんですか?この世界では人口の何割が魔法師になっているんですか?

 第一高校の入学人数は一科生100人、二科生100人の200人です。だから三学年で600人とはならず、毎年事故により魔法技能を失って退学する生徒が1割から2割存在しますので全校生徒の人数は500人から550人です。魔法学の発達により魔法を顕在化できる比率は増えていますが、それでも実用レベルで魔法を発動できる中高生は年齢別人口比で1/1000前後です。年をとるにつれて魔法力が弱まっていく人も多く、成人後も実用レベルの魔法力を維持している者はさらにその1/10以下となります。これは日本における比率で、日本はアメリカ、イギリス、ドイツと共に世界でもトップクラスの高比率を誇っています。世界的に見れば人口比1/100,000以下という地域が一般的です。

ブルームの中での劣等生とウィードの中での優等生の魔法での実力の差はどれくらいですか?

 入学当初は殆ど差がありません。入試成績の1位から100位が一科生、101位から200位までが二科生になりますが、入試成績には配点が低いとはいえ筆記試験の点数も加わりますから、一科生の90位と二科生の110位と比べて、二科生の110位のほうが実は魔法の実力が上というケースもありえます。ただし、二年生に進級する頃になると、一科生と二科生の実力差は明確なものになります。教師の個別指導の有無は魔法力の開発にそれだけ大きな影響を持っています。達也のような例外を除き二科生のトップクラスであっても、一科生の底辺クラスに勝てません。

作中でも拳銃型、刀型、スマホ型のような様々なCADが出てきますが、大体いくらぐらい(何円ぐらい?)の設定だとかはあるのでしょうか?

 通常市販されているタイプですと3万円~5万円で販売されています。ただし政府が価格の9割を補助していますのでメーカーが手にする売価は30万円~50万円です。特殊なタイプのものはメーカー売価で100万円前後というケースもあります。買い手が外国の軍隊だったりすると政府の補助は当然ありませんからメーカーの売価がそのまま小売価格になります。

ずっと気になっていたのですが女子生徒の制服のローブ?は選択できるのですか?何種類あるのでしょうか?

 あのヒラヒラを作中ではジャケットの内側に着るガウンと言う意味でインナーガウンと呼んでいます。大学生が卒業式に着るアカデミックガウン(アカデミックドレスとも言いますが)あのゆったりとしたガウンの簡略版です。インナーガウンの柄は、雪、月、花の三種類で具体的なデザインは品位を損なわない限り自由です。作中世界ではテーラーマシンという自動洋裁、和裁、刺繍機械が商業用に普及しており、お店で安くレンタルすることも出来ます。中学校の選択教科でその操作を教えていますので、自分でデザインした服を自分で仕立てることが出来る高校生も珍しくありません。自分で仕立てられなくても安価に仕立てを依頼することができます。ですから女子生徒達は自分の好みでインナーガウンの柄を選び、アレンジし、カスタムメイドしています。なお、色も品位を損なわない限り自由です。

第2話で服部副会長と司波達也が話をするシーンで起動式が読めることに服部副会長は驚いていましたが、起動式は読めないものなんですか?またその理由を教えてください。

 第2話で服部副会長の口から語られた通り、最も単純な起動式でもアルファベットで3万字相当の情報量があります。これはアルファベットがローマ字であると仮定して電撃文庫20ページ分に該当します。しかもその情報は言語の形を取っていません。CADが作動中に見えている数字やアルファベットはその実、無意識領域に存在する魔法演算領域が魔法式構築の際に使用するシンボルです。日常的に使用することが無いシンボリックな文字列で記述されたアルファベット換算3万字相当の情報をCADが出力する0.5秒以内の時間で読み取る。これが起動式を読むということです。達也にしか出来ないというわけではありませんが、同じことをするためにはCADの処理速度に劣らぬスピードで文字列を読み取ってその意味を理解するか、起動式を一文字一文字読むのではなく、ブロックごとに一纏まりな情報として理解する能力が必要です。どちらも常識的には不可能と考えられています。なお達也は両方の方法を同時に併用して起動式を読んでいます。

本作には出てこないのですが、魔法科高校には遠足や修学旅行には行くのですか?もし行くのならどこに行ったりするのでしょうか?この間遠足に行ったときに気になりました。教えてください。

 残念ながら魔法科高校には遠足も修学旅行もありません。魔法科高校の生徒は魔法の理論、魔法の実技に加えて、語学、数学、自然科学、社会科学などの一般教養科目も学ばなければなりません。一般教養科目は定期試験こそ無いもののその分日常点のみで評価されることになっています。一般科目に教師は付きませんが、端末を通して履修状況がチェックされます。それに加えて頻繁にレポートの提出が求められますので一般教養科目だけでもけしてラクではありません。続いて魔法の修得+一般科目の履修、この時代の高校は専門化していて、現代の大学の機能を部分的に果たしている為に高校生が学ぶことが増えていますが、魔法科高校の生徒はその傾向が特に顕著です。魔法の修得、一般教養科目の履修、クラブ活動と九校戦、それから九校戦編の次の舞台となる論文コンペ、彼らはこの時間でこれで一杯一杯です。遠足や修学旅行を組み入れる余地はありません。

桐原君が使っていた高周波ブレードは、殺傷性ランクがBとなっていますが、この殺傷性ランクはどれくらいの規模で分けられているのですか?

 殺傷性ランクは警察が定めるランクで、裁判でも魔法犯罪の量刑に適用されます。これは日本独自の尺度ですが国際魔法犯罪取り締まりの必要性から、日本以外でも同じような尺度が適用されています。ランクにはA、B、Cがあって、具体的には次のように定められています。ランクAは一度に多人数を殺害し得る魔法、ランクBは致死性のある魔法、傷害性はあるが致死性は無い、または小さい魔法。銃器刃物に置き換えると果物ナイフはC、大型ナイフはB、拳銃はAとなります。小さな果物ナイフでも人を殺すことは可能ですが、社会的に見てそのリスクは厳格な規制を必要とするほど大きくありません。大型ナイフは高い殺傷力を持ちますが相手に接触しなければならず、多人数を殺害することは一般的に困難です。拳銃は相手に接触せずに殺傷が可能である為、容易に多人数を殺害できます。殺傷性ランクはこのような観点から分類されています。そして桐原の高周波ブレードが殺傷性ランクBであるのは、相手にブレードを当てなければならないからです。桐原の技術を持ってすれば一度に多人数の殺害が可能ですが、これは彼ほどの戦闘技術があればという条件付であり、殺傷性ランクの決定にはそのような魔法以外の技術は考慮されません。

アニメでレオやエリカ達が九校戦を見に行っていましたが、九校戦に出ない生徒はどうしているのか知りたいです。

 応援の選手は基地の外に宿を取っています。エリカ達が選手と同じホテルに泊まることができたのは千葉家のコネをフルに使ったからです。もっともコネを使ったのはエリカの父親で本当は彼女が望んだことではありませんでした。エリカの家庭の事情については後のエピソードで語られています。応援は自由参加ですが、一高ですと期間中フル参加で毎年100人以上、他の学校もこれに近い規模になります。ですから、参加者の人数を確定させてその宿を確保するのは、どの学校でも生徒会の重要な仕事になっています。この準備に失敗して応援の生徒が近くのキャンプ場でアウトドア生活を余儀なくされた例も過去には在ったようです。

風紀委員長の摩利姉さんが七高の生徒を助けようとして怪我をしてしまいましたが、その時会長が「治療魔法は定着するまでの応急処置でしか無い」と言っていましたよね?魔法は一度掛けても放って置くと効果が消えてしまうものなのでしょうか?

 魔法の効果は全て一時的なものです。本来、物質や現象が持っている性質=エイドスを偽の情報で上書きするのが魔法科高校の劣等生の世界の魔法で、エイドスには復元力がありますから時間経過によって魔法の効果は無くなります。ただ魔法で起こった物理現象もエイドスとして記録されますから、魔法により改変される前のエイドスと、魔法の発動によって新たに記録されたエイドスのどちらが安定的かによってどういう風に復元されるかが変わってきます。例えば魔法で氷を加熱して溶かすという事象改変が起こった場合、発生した熱は魔法の効果が切れることで無くなりますが、氷が解けたという事実は残ります。この場合、冷たい水溜り、または地面に薄く凍りが張った状態が出現します。達也の分解を例にとると物質を分解する力はどこにも残りませんが、分解された物質の事実として残ります。残った物質が結合して燃焼したり化合物を作ったりという分解の逆のプロセスが起こっても、元の物質が復元されることはありません。壊れたものを元に戻すという情報よりも壊れたものは壊れたままという情報のほうが安定しているからです。魔法による治療は例えば骨折の場合は、魔法で骨が繋がっている状態を作り出します。しかし、骨は本来折れているのですから、魔法の効果が切れれば骨は折れた状態に戻ります。しかし、魔法で骨が繋がっている状態を切れ目無く繰り返すことにより骨が繋がっているという情報の安定性が、骨が折れているという情報の安定性を上回るポイントが訪れます。これが定着した状態です。

古式魔法についての質問なのですが、例えば今の世の中における「昔からの伝統を守りましょう」「古き良きしきたりを残しましょう」というようなノスタルジックな位置に古式魔法があるのでしょうか?そして現代魔法と古式魔法の使い手の割合はどれくらいなのでしょうか?

 古来の伝統を守るという姿勢の古式魔法師ももちろん居ます。しかし、古式魔法師の多くは自分の目的に合っているから古式魔法を選択しているのです。例えば八雲は古来の伝統を守る立場の魔法師ですが、幹比古は「神に至る」という目的の為に魔法の研鑽を積んでいます。古式魔法は一般に現代魔法に比べ、安定性や多様性に劣りますが、特定の目的に対しては多くの場合、現代魔法より遥かに適しています。また現代魔法の習得には同じ才能が必要ですが、古式魔法の習得に必要な才能は魔法の種類によって様々です。ですから、現代魔法は使えなくても古式魔法は使えるようになるケースが少なくありません。現代魔法の才能を持たない古式魔法師の数は把握できていませんから、現代魔法師の数と古式魔法師の数の比率も正確なところはわかりませんが、実用に耐えるレベルの使い手の数は大体同じくらいだろうと言われています。

質問なのですが、達也の通っている一高と将輝達が通っている三高。それぞれの校風や学校ごとの特色というのはあるのでしょうか?それとも国立魔法大学付属の高校としてある程度は同じようなカリキュラムで均一性を持っているのでしょうか?

 魔法大学の受験資格を得るために必要なカリキュラムは共通して教えます。
しかしそれ以上の付加的な部分については学校別に特徴があります。一高と二高は国際評価基準に適合した魔法力の向上を重視しています。国際基準に沿った教育といえば聞こえはいいですが、一番無難な教育方針ということです。三高は戦闘系の魔法実技を重視します。四高はこれと対照的に魔法工学的にみて意義の高い複雑で工程の多い魔法を重視しています。
魔法の方向性だけでなく、それが使用される環境で特色を出している学校もあります。七高は「海の七高」の異名からもわかるように水上・海上で実用性の高い魔法を通常のカリキュラムとは別に教えています。八高は寒冷地帯や高山地帯といった厳しい環境化において、有益な魔法を実践で学ぶ野外実習を取り入れています。
独自色を強く出している学校ばかりではありません。五高、六高、九高は極端に特徴的な教育方針を採ることは無く折衷的な校風です。例えば九高は国際評価基準にこだわるばかりではなく、戦闘系魔法も平行して教えています。

質問なのですが、深雪は何故CADを調整するとき下着になるんでしょう?アニメで見たときドキッとしました。

 服にも服そのもののエイドスが存在し、僅かとはいえサイオンを放出、吸収していますのでそれが測定の際のノイズになります。本当は何も着ていないのが一番良いのですが、さすがにそれは達也が止めています。ですから、CAD調整の時には下着だけの姿になるのです。その代わり達也の負担にならないように深雪は露出が大目のデザインを選んでいます。決してそれ以外の邪念はありません。
魔法科高校の劣等生WEBラジオ 満開!ブルーム放送委員会 第14回 教えて!佐島先生!&たっつん先生! 15:25~

どの学校にも大抵、学園の七不思議や恋愛に関する伝説が一つや二つあったりするものですが、第一高校にはそういった類のものってあったりするのでしょうか?

 第一高校に限らず、魔法科高校は不思議でいっぱいです。というのも、魔法の暴発がしょっちゅう起こっているからです。深雪や真由美のようにきちんと魔法を使える生徒は一握りで大多数の生徒は自分の魔法をコントロールできていません。
そういう未熟な魔法師が集まって魔法実技や魔法実験を行っていますので、予期せぬ魔法的現象が発生するのは日常的です。特に二科生は教員の監督なしに実技を行っていますので、魔法の流れ弾を頻繁に発生させます。現代魔法のシステム的にそういう魔法の暴発が起こっても短時間で消えますし、所詮は流れ弾ですから大した威力は持ちません。精々気温が2、3度低下するとか、湿度が局所的に上昇して結露したりモヤが出たりとか、床と窓が振動して妙な音を立てるとか、光が不自然に屈折して、鏡に映る像が歪んで見えたりとか、そのレベルです。
ただ時にはそういう予期せぬ魔法的現象が長時間残ることもあります。同じような事象改変が何度も繰り返されて、それを自然な状態と世界が錯覚してしまっている場合です。そういうイレギュラーな現象はそれが明らかになった時点で教職員が対処して消去しますが、それまでは怪奇現象として生徒たちの目に触れることになります。こんな風に七不思議的な怪奇現象が日常的に発生しているので、本物の心霊現象が発生しても区別が付かないことでしょう。
なお、恋愛に関する伝説は少なくても第一高校には存在しないようです。

作中で達也が使った究極の分解魔法マテリアル・バースト。これは質量を直接エネルギーに変換する魔法なのですが、変換できる質量に上限はあるのでしょうか?

 変換できる質量の上限はありません。ある程度均質な構造の物質であれば、無制限にエネルギーへ変換できます。
ここでいう均質な構造とは成分が均質であることではなく、歯車とか、電子回路とか、高等生物の分化が進んだ器官とか、そういう機能的な複雑さの有無のことです。ですから、猫やネズミのような小動物でもそのままではエネルギーに変換できません。実際には必要の無いことですが一旦、雲散霧消(ミスト・ディスパージョン)で元素レベルに分解してからマテリアル・バーストを仕掛けることになります。
他方、小惑星の内部は様々な鉱物が不均質に分布していますが、「鉱物の塊」という意味における構造は均質なので、達也が認識さえ出来ればどんなに大きな小惑星だろうとエネルギーに変えて消し飛ばすことが出来ます。鉱物、鉄の支柱などの金属の塊、布、液体などはマテリアル・バーストを使いやすい対象物です。布は染色や刺繍がされていても、構いません。
一方、複雑な構造を持つ機械や電子回路、生物はマテリアル・バーストの標的としては不向きです。もっともこういう複雑な構造を持つ物はマテリアル・バースト以外の分解魔法の標的としては逆に適しています。
なお、マテリアル・バーストが分解魔法に分類されるのは物質とエネルギーがシームレスな関係にあり、物質は固定化されたエネルギーであるという考え方によります。

第1話の九重八雲の寺でのシーン。深雪が魔法で達也と自分の服の汚れを取り除いていましたが、これは何系統の魔法でどのような物理的現象によって汚れを除去しているのですか?

 まず申し上げておかなければならないのは、四系統八種の魔法が物理現象を忠実に再現するものではなく、象徴的に改変するものだということです。ですからこのシーンでも物理現象の持つ意味を利用して、それと意味的に近い現象を起こすことで汚れを除去しています。
このとき使われた魔法系統は収束、吸収、発散です。まず物質の分布に干渉する収束系統で服の生地に土や埃が分布しない状態を作り出します。次に化学反応に干渉する吸収系統で生地に染み込んだ汗や皮脂と結び付いた汚れを分離します。それから相転移に干渉する発散系統で分離した汚れ成分を気体にして生地の外に飛ばしています。
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魔法が21世紀初頭に現実の技術として体系化されたとありますが、当時の魔法と達也たちの時代とではどういった違いがあるのでしょうか?また人類で最初に使用された魔法はどのような魔法でしょうか?

 超能力が魔法として体系化された当初はCADの性能も低く、起動式のノウハウも未熟だったため、一人の魔法師が扱える魔法の種類も少なく、魔法の発動にも達也たちの時代より長い時間と多くのサイオンを必要としていました。そのため当時は保有するサイオン量も魔法師の能力を測る重要なファクターでした。
実験室で最初に開発された魔法は「物を動かす」という単純な念動力を魔法に置き換える移動系魔法でした。しかし社会的に意味を持つという意味で最初に実用化された摩法は、核分裂反応を停止させる放出系魔法です。
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中華街で無頭竜が九校戦の勝敗で賭けを行っていますが、この賭けにはどのような客が参加しているのでしょうか?

 友好的な多国籍犯罪組織、非合法性の強い傭兵団、兵器ブローカーといった、「ソーサリー・ブースター」のお得意様です。
 なお賭は胴元がオッズを決めて客の相手サイドとして参加するイレギュラーなブックメーカー方式で行われました。無頭竜はお得意様の接待と銘打ち、大本命の一高に高いオッズを示して掛け金を集中させ、三高に優勝させることによって利益を得ると共にいかさまを疑われないよう勝ち過ぎを回避する、という商売を目論んでいました。
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『氷炎地獄』『フォノンメーザー』『ニブルヘイム』はA級魔法師にしか公開されていないそうですが、公開の基準はどのようなものでしょうか?また、ライセンスはいつから取れるのでしょうか?

 まず押さえておかなければならないのは、A級ライセンスを持たない魔法師がこれらの魔法を使っても法令違反にはならず、私的にもペナルティを受けることはないということです。現代魔法の特徴として、発動しようとする魔法に対してキャパシティと干渉力のどちらか片方でも不足していると魔法は全く発動しません。魔法力が足りなくて魔法が暴走するということは無いのです。
 魔法の制御は起動式によって発動時点で魔法が終了するまでの事象改変が決定されますので、コントロール力という意味でも魔法力が不足して魔法が暴走することはありません。魔法の暴走は、その魔法を発動できる魔法師が変数の設定を失敗したときに起こります。例えば深雪の冷却魔法の暴走は、座標や強度の変数を設定せずに魔法を発動してしまった為に起こる現象です。それ故、魔法力が不足しているライセンス未取得者に高レベルの魔法を禁止する理由はありません。単に「使えない」という結果が待っているだけですから。
 『氷炎地獄』などの高等魔法がA級魔法師にしか公開されていないのは、単に国際魔法協会でそう決められているからです。A級ライセンスに伴う特権の一つとして、これらの魔法の起動式が魔法協会と魔法大学から無償で提供されています。ですから、A級魔法師でなくても『氷炎地獄』や『フォノンメーザー』の起動式を入手することは可能です。魔法協会と魔法大学以外の私的な魔法研究機関に行けば、非公開の全ての起動式が手に入るというわけにはいきませんが、一つ二つの非公開になっている高等魔法の起動式は有償で手に入れられます。
 また、A級魔法師にしか公開されていないというのも完全に正確ではありません。A級ライセンス試験の課題魔法に選ばれた高等魔法は、受験者に対して魔法協会を通じ事前に起動式が配布されます。配布する際に守秘義務が課せられますが、起動式はデータですから違反してリークしても事実上ばれることはありません。実際にリークされることはほとんどありませんが。
 魔法師のライセンス試験は、満18歳以上で受験できます。受験できるのはC級以下で、A級を受験する為にはB級ライセンスが、B級を受験する為にはC級のライセンスが必要になります。ライセンスの取得には、試験合格後1年間の実務経験が必要になります。この実務経験は、証明書にC級以上かつそのライセンス以上のランクの魔法師が署名することにより認められます。例えばB級ライセンスの実務経験の証明書にはB級またはA級の魔法師のサインが必要です。ここで不正を行うと、それが発覚した場合、署名した魔法師のライセンスまで一緒に取り消しになります。ほとんどの魔法師は、魔法大学やそれに準じる高等魔法教育機関卒業時にライセンス試験を受けます。
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最終更新:2018年01月22日 19:45