以下、ネタバレ注意!
過去とトラウマ
「親に叱られたい」という動機で自宅に放火し、結果として第三者(親の招いていた客)を死亡させてしまった(放火殺人)。
両親は世間体を理由(ナノカの幻視で確定)に事件を事故として隠蔽し、アリサを叱らなかった。この「罪を犯したのに許された(罰せられなかった)」ことが彼女のトラウマとなっている。
考察
両親はどうやって事件を揉み消したのか?
権力者説
- 警察等に圧力をかけられるほどの権力を持つ家系で、事件そのものを揉み消した。
- それほどの権力があれば牢屋敷行きも阻止できたのでは?
- 家柄のいいことが示唆される二階堂ヒロですら牢屋敷行きは免れられていないため、「機関」は国家レベルも超えている可能性があるが(例、シュタゲの300人委員会)
事故偽装説
- アリサが自供しなかったため、両親が警察に「事故による出火」と説明して押し通した。
- 魔法による放火は物証が残りにくいため、警察も立件できなかった可能性がある。
トラウマの考察
アリサのトラウマは、単に「叱られないこと」ではなく、罪を犯しても「許されてしまうこと」への恐怖であるという考察がある。
- 罰せられることで得られるはずの「安心」を、両親に「事故だった」と許されたことで得られなかった。
- 不良行為や自傷的な態度は、他者から罰せられない代わりに、自分で自分を罰することで「罰せられている安心感」を得ようとする現実逃避の一種?
被害者への罪悪感問題
作中では、死亡した被害者への言及よりも、両親との関係や「許された」ことへの葛藤が中心に描かれている。
アリサのトラウマも「両親に叱られず、許されてしまったこと」であり、罪悪感の対象がずれているのではないかと指摘されている。
警察へ自供した?
アリサが警察に自供していれば、親に罪を揉み消されなかったのではという議論があるが、以下の根拠から恐らく自供はしていないと考えられる。
- 自供していれば、少年院や精神病院での保護・治療などの法的措置が取られるはずだが、その描写がなく家出している。
- 危険な発火能力を持つ魔法少女を、国や「機関」が野放しにするとは考えにくい。
- アリサの言動からは「両親に怒られたい」という欲求が強く、法的な処罰を望んでいたかは疑問。警察沙汰は望んでいなかった可能性がある。
- 牢屋敷で真っ先に脱出しようとしたことから、国家による処罰を受け入れるつもりはない様子がうかがえる。
罪を裁かれたいのか、裁かれたくないのか
- アリサの言動は罪を裁かれることを望んでいるようなものが多いが、実際に警察に自供したり、牢屋敷での処罰を受け入れたりする行動は取らないという矛盾が目立つ。
- 「裁かれるべき」と思いつつも、実際に警察に自供して罰を受けるのは怖かった?
- アリサが求めていたのはあくまで「両親に叱られること」であり、司法の裁きを受けることではなかったため?
- 警察に自供しても、また「許されてしまう」可能性を恐れて行動に移せなかった?
ヒロの「家に帰れ」発言
「人殺し」という設定の必要性
アリサに「放火殺人を犯した」という重い設定が必要だったかについても意見が分かれる。
必要派
- 過去に人を殺した罪の重さを知っているからこそ、牢屋敷での殺人衝動に強く抗い、「殺すくらいなら自分が死ぬ」という行動をとったことに説得力が生まれる。
不要派
- 「放火で家族に火傷を負わせた」程度の罪でも物語は成立するはず。
- 殺人という設定が重すぎて倫理的な議論を巻き起こしている。
- 作中で被害者への言及が少なく、設定を活かしきれていない。
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最終更新:2025年08月10日 00:05