以下ネタバレ注意!























過去とトラウマ そして黒幕として

優しき天使であり牢屋敷の管理者にして本作の黒幕

遥か昔に大魔女であるユキに拾われ、魔女達の暮らす島で育てられていた人間の少女だった。

しかし、人間よる魔女達の島への襲撃により、自身とユキを残して仲間は死亡。
ユキは人間への復讐を誓い、メルルをそのための実験台にした上で島から姿を消し置き去りにする。

メルルのトラウマは家族と思っていたユキに「実験動物扱いされたまま見捨てられた」事だった。

彼女はユキに見捨てられたと信じたくないあまり、自身が魔女因子を埋め込まれた人間では無く原初の魔女であり、魔女殺しの魔法を与えられた選ばれた存在だと思い込もうとしていた。

本来であればとっくに人間の姿を失っていた存在ではあったが、彼女の精神力の賜物なのか、初期の実験によるエラーなのか最後の裁判でトラウマを刺激されるまで人間の姿を保っていた。

ストレスを与えて魔女化させるために、国から送られてきた少女達を監禁し、不味い飯を食べさせ、可愛い服を着せ、寝心地の悪いベッドを用意するなど衣食住から魔女化のための工作をしていた。
本人自身にとっても皆を苦しめる事はとても辛い作業であり、目的のために仕方なくやっている。

その場その場の友情関係はおそらく本当のものがあり、誰かが傷つけられたりすれば心の底から心配をするなど優しい天使のような心を持つ。
が、次の瞬間には殺していたり、名前を間違えているなど切り替えがとても早い。

記憶障害説

一つの説として記憶障害の可能性が指摘されている。

エマさんの名前をエナさんと間違えたシーンは人の心があり、そのままでは耐えられなかったから、忘れるようにしているではないか。

  • 今までしっかり名前を覚えていたのに、公式で人の心がないとされているゴクチョーですら覚えている名前を忘れる。
  • 名前を忘れたのがエマ、手紙を捨てたのがシェリーと、そのようなシーンがメルルと長く行動していて情が移ってるであろうキャラをわざわざ描写している。
  • 魔女化の姿となる以前のメルルは魔女化を治癒して遅らせてる描写がある…が、明確に心を治しているという描写があるわけではない。魔女化を治しているだけで、心の傷には影響がない可能性もある。何なら無機物も治せる事から、部分的な時間巻き戻しの可能性もあり、それだと心の傷は治しようもない。(記憶を巻き戻したら記憶ごと消えてしまう)

黒幕として時には殺人を唆すなど悪役と言ってもいい立場ではある。
が、ナノカの言った通り許される行為ではないとは言え、本来は即刻処刑されていた少女達に生きるチャンスを与えていたとも言える。

皮肉な事に、ストレスを与えて魔女化させる、大魔女を見つけるというメルルの行為自体はハッピーエンドに不可欠だったものであり、彼女こそ本作のMVPだとの声も一部ではある。

彼女が牢屋敷の運営を諦めずに続けていなければ、処刑対象だった少女達の一部は助からず、今後も何の罪もない者達が新しく処分され続けていた事だろう。

牢屋敷とメルルの謎

魔女裁判システム成立までの経緯

本作の黒幕であるメルルだが、一体どのような経緯で牢屋敷の管理を任され、また魔女裁判システムを運用する事になったのかが謎である。
ユキに置いて行かれた後のメルルが、一体どのようにして国と繋がり、牢屋敷の管理を任される事になったのかは情報が不足しており全く予想がつかないと言える。
ゴクチョーがなんらかの交渉役になった可能性もあるが、そもそもゴクチョーの正体もまた不明である。

メルルに牢屋敷の管理を任せた機関とは何か

メルルは牢屋敷の管理を"機関"に任されたと話していたが、最後までこの機関について詳細が明かされる事はない。

また、機関はメルルに対して「魔女因子の高い少女は即刻処刑せよ」との指令を出していたが、メルルは大魔女を見つけたい己の願望と、少女達が可哀想だという理由から、牢屋敷で共同生活をさせる事を思いついたらしい。

機関に関して言える事として、おそらく国に属するなんらかの組織だと思われるが、そもそもなぜメルルが国と手を組む事が出来たのかという謎もある。

本来危険な魔女因子を持つ少女を殺処分している国からすれば、元々魔女側であり、ユキの家族であったメルルにその役を任せる事は、徒党を組まれる可能性や、悪用される可能性があり、敵に塩を送る行為ではないか。
これに関してはいくつかの説が唱えられている。

メルルの魔法による治療との等価交換説

メルルの魔法は治療であり、黒幕として真の能力を隠していたものの、死以外のあらゆる生物の病や負傷、さらには壊れた無機物までも治すことのできる強力なものである。
この能力を人間側に使う代わりに、人間側はメルルに対して処分対象の少女を送り込んでいるという説である。

  • この説を裏付けるものとしてゲストハウスの存在がある。
最後までこのゲストハウスの存在理由は明らかにされないが、シェリーの推理通り、外からの来訪者を迎え入れるための施設の可能性が高い。

このゲストハウスに外からやってくる政財界のVIPなどが滞在し、メルルが治療を行なっているのではないかという事である。

大魔女暗殺目的説

上記の説に加えてもう一つ可能性として唱えられている説が、国は魔女因子の元凶たるユキの存在を把握しており、その存在を確実に抹殺するためにメルルを泳がせているというものがある。

メルルがユキとの再会を願い、そのために魔女裁判を運営している事は国も当然把握しているはずである。
人類に害を及ぼす魔女因子、その元であるユキをメルルを利用して見つけだし、その首を確実に取ってしまおうと考えている可能性は十分にあり得る。

ゴクチョーとメルルの関係

黒幕として牢屋敷を運営するにあたり、メルルに仕える存在として行動するゴクチョーの存在があるが、本当にメルルに対してゴクチョーが仕えているのかという謎がある。 

ゴクチョーによるメルルへの裏切り?

  • エマへの質問
アリサ死亡の裁判において、自殺ではあるもののトレデキムを渡したメルルだが、この時の計画としてはアリサの自殺という判決になるだろうと思っていたと考えるのが自然だろう。
メルルからすれば地下にエマがいた事も、操作盤に触れた事もわざわざ議題に挙げる意味が全く無い。
しかしなぜかゴクチョーによるエマへの質問という形でまさかのエマが処刑対象という事になってしまう。
メルルからすればこの際、エマが処刑されたとしてもさほど問題は無かったのだろうがここからの展開が彼女を追い詰める事になる。

  • ナノカの死体の出現
その後のエマの処刑の際、ゴクチョーが選んだ処刑台の上昇により、メルルが隠したはずのナノカの死体が発見されてしまう事になる。
メルルからすれば使い魔のはずのゴクチョーが、予定には無い質問を急にエマにして処刑に追い込んだかと思えば、次の瞬間には自身が殺害したナノカの死体が現れるという衝撃の展開である。
明らかにメルルがこのような指示をゴクチョーにするはずがなく、ゴクチョーがメルルの使い魔であるのならわざわざこのような不自然な一連の行動をする意味が分からない。
処刑台に関しては狙ったような台詞ではなく、適当に選んだような口調ではあるが極めて疑わしい状況だと言える。

メルルとゴクチョーは遥か昔からの知り合い

かつて牢屋敷に送り込まれた、念写の魔法を持つ少女の一人がメルルに渡した写真があるが、ユキに膝枕をしてもらい無邪気な笑顔を浮かべるメルルとそれを見ているゴクチョーの姿が写し出されている。
この事からまだ島の魔女達が存在していた頃からゴクチョーとメルルは知り合いであると分かるのだが、ゴクチョーはラストに魔女の駆逐が役目と話していたりするなど全く正体が不明である。
果たしてメルルとゴクチョーの関係が明らかにされる日は来るのだろうか。

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2025年08月12日 00:13