歴史
世界三大連合の成立
20世紀末に誕生した欧州連合は21世紀初頭にかけて様々な問題を露呈したものの、21世紀中頃にかけて、大きく成長することとなった。そして、アメリカが欧州と大規模な経済協定を結んだことをきっかけとして、アジア圏地域も対抗するように連立政府を樹立。ここに欧州・アメリカ連合とアジア極東連合という2大地域が世界に台頭するようになった。
両連合の対立姿勢は明確であり、経済のみならず軍事力においてもたびたび衝突を繰り返していた。コレに対して残った国家の中で最大の勢力圏を有していたインド、アフリカ地域は同様に経済および政治的結束を固め、インド・アフリカ連合が成立、ここに現在にも名残を残す世界三大連合が成立することとなった
大戦の勃発~アジア極東連合の侵攻
西暦2100年。太平洋の海洋資源開発をめぐり、欧州アメリカ連合とアジア極東連合が戦争に突入する。これは実質的には第三次世界大戦と言うにふさわしい規模ではあったものの、のちの歴史書には本戦争を単に「大戦」と表記されることが多い。
大戦において両連合の軍事力は拮抗しており、その戦いは実に10年以上も継続していた。電子機器を始めとした計測、制御装置の向上もあり大規模破壊の戦略兵器は投下前に検知、迎撃されることが多く、戦争は拮抗状態が続いていた。しかし、徐々に人的資源の豊富さを武器にしたアジア極東連合の物量作戦が功を奏し、欧州地域の直近まで勢力を伸ばしていた。そして最後の侵攻がおきるのではないかと、みなが予想していたころ、その事件は起きたのだった
厄災
2111年冬。日本列島のほぼ中心に位置する東海地方で現在でも原因が不明となっている大きな「爆発」が発生した。便宜上「爆発」としておくが、当時の状況を把握できる人物がいないため、その詳細は今持って不明である。いずれにせよ、その「爆発」によりアジア極東連合の主要な技術的拠点であった日本は完全に壊滅することとなった。
それだけに終わらず、日本を中心に以後1年の間世界中に降り注ぐこととなった「灰」により、当時主要な電力源であった太陽光発電システムに大規模な障害が発生することとなり、各国は電源システムの大きな見直し、都市機能、工場機能の維持に奔走することとなり、戦争は強制的に一時停止することとなった。
大戦集結
厄災とそれに伴う世界規模の気候変動、日照量の減少により、大戦を継続することが困難になった2つの連合に対し、中立を保ちつつ、大戦を背景に技術、経済力を飛躍的に伸ばすことに成功したインド・アフリカ連合は大戦の終結を提案。両連合がコレを承諾したことにより、大戦は集結することとなった
世界政府の樹立
地球資源の枯渇問題
宇宙開拓宣言
初期の宇宙開拓
宇宙開拓の初期は地球から近傍の月および金星の開拓を実施した。月に大規模な開拓基地を建設した。地球の大企業を中心に作られた月面の都市「ルナメトロポリス」は月の資源採掘や、宇宙船の航路管理などの実施を主な経済活動としている。
次に建設されたのが金星上に作られた「黎明都市(ドーンシティ)」だ。
この都市は金星の重力と釣り合うように設置された起動レール上を常時運動することで、常に「夜明け」の状態を維持している。これは金星上の高い気温に対して、一定の温度を維持するための措置である
本格的な火星開拓の開始(キャンペーン開始直前)
火星に降り立った最初の入植者「はじまりの7人」を皮切りに多くの人間が火星に降り立った。「7人」を中心にタルシス丘陵に設立されたのがタルシス共和国。現在は同国を中心にして主に赤道を目指して、開拓団は徐々に南下していっている。現在の中間目標はマリネリス渓谷に十分な量の水を供給し海化すること、周辺地域の緑化を目指している。
超能力
超能力者の誕生
大戦集結から1年が経過したころ、世界各地で超常的な、不可思議な力を持った人々が現れた。彼らは、人の心を読んだり、手を触れずに物を動かすことができた。こうした能力者のことを「」と呼び、人々は恐れ、遠ざけることとなった。
このため、大戦後の混乱期の中で、様々な規模の能力者狩りが行われた。特にヨーロッパ地域で行われた大規模な「魔女狩り」の再来など、能力者は自らの力を隠して過ごすこととなった。
そんなおり、アジア地域に現れた「カグヤ=ツキシロ」という東洋人は自ら超能力者だということを明かして、各地の超能力者に団結の呼びかけを行った。彼らは中央アジアに自分たちの自治区画「エデン」を形成した。超能力に対する研究や研鑽が不十分な時代にあって、カグヤの能力は軍を抜いており、彼女一人で1個軍隊に相当する力があったという。
コレについては後世の創作/誇張だとするのが一般の解釈だが、
超能力に対する防御も十分でなかった時代のため、
彼女の存在が当時の国家/アジア極東連合に対して大きな脅威となったことは間違いない
彼女は自分たち能力者の保護を訴えた。当時、大戦の傷跡も大きかったアジア極東連合は彼女たちの能力を取り込むという思惑もあり、その動きに同調、エデンを正式な能力者の自治区として認めることとなった。
超能力研究の開始
エデンで超能力者の自治が認められることとなった後、その能力解明のために複数の科学者がその地を訪れることとなった。カグヤはその研究に積極的に協力した。そんな中、脳外科医であり、脳に関する先進的研究で有名であったライズ=E=スヌーズ博士は本来なら使われていない脳の未使用領域が超能力の使用により活性化することを突き止めた。博士はその脳部位を「超脳野」と名付け、人工的に活性化する方法を突き止めた。博士は自らの娘であったイブに超能化手術を施し、彼女を超能力者にすることに成功し、以後、超能力者は人工的に作り出すことが可能となった。
彼はこの研究により莫大な富を得ることとなり、その資金を使って「ライズ先進医療研究所」を設立。やがてこの研究所は政府直轄の組織となり、超能力者の保護/管理を担当することとなる
超能力工学の誕生
「超脳野」の存在が明らかになることにより、人間の持つ未知の機能が超能力の源泉であることは分かったものの、不可思議な減少が発生する理由を直接説明するものではなかった。コレに対して原子物理学者の「朱原(シュ・エイ)」により未知の素粒子の作用であることが判明した。この素粒子は通常状態では「あらゆる性質を持たない」粒子であり故に絶対に観測されない。しかしこの粒子が「ある」と認識した時点でこの粒子は観測可能となり認識者の任意の性質を持つことが可能となる。(正確には物理定数は固定だが、どの粒子と相互作用可能かが任意に操作できる)この粒子の特異な振る舞いにより様々な不可思議な現象が引き起こされることが判明した。この作用を研究することで、様々な超能力機器が生み出されることとなった。
企業の台頭と国家の縮小
地球政府の設立から程なくして、統一貨幣であるクレジットが発行されることとなり、十数年の移行期間を設けながら、地球政府はクレジットを用いた金融政策に移行することとなった。各国はそれぞれの独自通貨の保有を許可されたものの、世界的規模に発展した経済活動のためにほとんどの企業がクレジットを活用していることもあり、実質的に国家独自の金融政策を打つことが不可能となってしまった。
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これにより、まず経済面での国家の影響力が非常に小さくなり、特に小規模な国家では企業が全面的に経済面を支援することとなった。結果として、国家の様々な活動、特に治安や医療関連について、企業は国家よりも良質なサービスを提供することでさらに存在感を増していった。
こうした流れを受けて国家の役割は大きく2つに絞られることとなった。
一つは企業のサービスを受諾できないほど経済的に困難な人達に対する、各種サービスの提供やそれに伴う労働機会の提供である。企業のサービス、例えば治安維持などの程を受けるためには一定量の金額を該当企業に収める必要がある。一般的にそうしたサービスの費用は収入の10%程度とされるが、継続的に払えない家庭に対しては、国家が最低限のサービスを提供することとなる。
もう一つは中立な立場で各企業を監視、取締を行うことである。各国家はその規模の大小に関わらず、地球政府の後ろ盾を持っており、各企業が公正な活動を行っているか、倫理的、法規制的にひっかかるような活動をしていないかを常に注視している。また、企業間の揉め事に際しても、国家が間に入り調停を行っている。
もちろん、国家と企業が癒着しているという事案は後をたたないものの、地球政府自体が企業の必要以上の台頭や、特定企業への優遇などが起きないようにしていることもあり、長期的に見て、国家による企業の監視は有効的と言える。
なお、こうした事情もあり、各国家には必ず数名の地球政府関係者からの出向者が含まれていることが多い。
創作メモ
地球政府設立まで
ヨーロッパ・アメリカ大陸連合、アジア・極東連合、アフリカ連合の大きな3つの地域連合が競合。
EU+アメリカ vs アジア極東連合で大きな戦争。両者疲弊。原因不明の爆発により、日本壊滅。戦争終結。
終結後、台頭してきたアフリカにより、3連合のパワーバランスが均等に。戦争の爪痕や精神的疲弊により3連合の統一を望む世論が大きくなる。地球政府設立。トップは各地域から一人ずつを専任する3頭政治体制。
壊滅的な被害を受けた日本から不思議な力を持った子供が見つかる。
カグヤ=ツキシロ(月城カグヤ)という名前の少女の存在により、超能力(名称考える)の存在が公に。初期の超能力者は非常に弱い存在であり、迫害の対象となる。超能力者は団結して、自分たちの保護と権利の保障を訴え、カグヤをその代表として活動する。
彼らの団体は(名称考える)と呼ばれ、最終的には地球政府の下部組織に取り込まれ、超能力者の管理、保護を担当することになる。
その後の超能力研究により、後天的に超能力を得ることも可能となる。現在の超能力者の大半は後天的能力者であり、先天的能力者(ネイティブ)と区別して扱われる。(いずれにせよ、すべての能力者は政府の管理下に置かれるのが通常)
超能力者の発見による小規模の混乱はあったものの、地球政府の設立以後、大きな戦争もなく、人類は順調に発展した。その結果、土地問題を始めとした資源の枯渇が問題視されることとなる。
西暦◯年、地球政府はそうした問題の解決として宇宙開拓に乗り出すこと、そのための宇宙税の導入と、その資金により運営されるテラフォーミング委員会(TFM)の設立を宣言する。
TFMによる宇宙開拓の手始めとして月面都市ルナメトロポリスの建設、金星上の黎明都市の建設が計画され、両都市が◯年に完成する。
2都市の建設によりえた宇宙開拓の技術と経験をもとに火星開拓を開始することが決定する
メモ
最終更新:2022年01月09日 19:40