21世紀深夜アニメバトルロワイアル@ウィキ

I Was Born to Love you

最終更新:

匿名ユーザー

- view
だれでも歓迎! 編集

I Was Born to Love you ◆/Fnde2WILg



「みんなーーーー!!今日は来てくれてありがとー!!」

ワァァァァァァァァァァァァ!!!!

広いステージに観客が所狭しと敷き詰められている。
歓声がドームに反響する。ピンクのツインテールが宙に揺れ、
アイドルLUNARの曲が終了した。
ルナがこちらへ手を差し伸べてくる。

「さ、次は愛紗の番だよ!」

気が付くと私の手にはマイクが握られていた。
ああ、そうか。今日はLIVE Revolutionの日だったな。

「それじゃあ愛紗!歌います!Flower of Bravery!」

ワァァァァァァァァァァァァ!!!!



―――これは夢。幸せな、夢。



あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛
あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛
あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛
あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛
あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛
あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛



人ならざる叫びが辺り一面に木霊する。長い夢から覚め、関羽はゆっくりと目を開けた。
星空は消え、うっすらと明るくなってきた空が目の前に広がる。
どうやら地面に仰向けに倒れているらしい。
一体、自分はどうしてしまったのだろう?息が苦しい。体中が痛くて仕方がない。
首を横に向け、目を見開く。
さっきまで一緒に居た江戸前留奈という名前の女の子が、口から血を流して既に事切れていた。
よく見ると体中に穴が開き、そこから大量に血が流れている。
おそろおそる、自分の様子を確認する。

「…………あ………………あぁ………………。」

全身に鉛の弾が突き刺さり、地面に作られた血の池に体を漬けていた。
トリエラが最初に見せてくれた、銃という武器。あれに撃たれたらどうなるか想像に難しくなかったが
できれば実感はしたくはなかった。これほど絶望的な気分になったのは初めてだ。

(……………………終わり…………なの……………………?)

もう息をするのも辛い。でも自分はこんなところで終わるわけには行かないのだ。
于吉は何の為にこんな殺し合いを始めたんだ?一緒に連れてこられた仲間はどうなった?
何も、何も分かっていない。何もしていない。何も出来ていない。
碌に戦いもせず訳もわからず意味も分からず死ぬなんてとんだ笑いものだ。
冗談にしては性質が悪すぎる。

あぁ、でも。

本当にもう体が動かない。何も、見えない。これが現実。これは英雄の物語なんかじゃない。
死と言うものは誰であろうが、残酷なまでに平等に無慈悲だ。
悔いが残る。私がこの殺し合いを潰さなきゃいけないのに。誰があいつを止めるんだ。

(…………いや………そうだな………。)

私は一人じゃなかった。朱里も、星も、翠も、姉上…あーうん、みんなやる時はやるさ。
いつも私がみんなを引っ張ってきたんだ。たまには任せたっていいじゃないか。
もういちど鈴々の顔が見たかったな……。

もう、考えるのも辛い。本当に、終わりなんだな。
そういえば、さっきの夢の続きはどうなったんだろう。できれば、また……。

様々な無念を抱え、関羽は静かに目を閉じた。



◇  ◇  ◇



もう少しで診療所へ着く。そうすればこの少女を介抱できるだろう。
ヘンリエッタを背負うマスクド竹之内は足を急がせていた。

「頑張れ、このまま真っ直ぐ歩けば――。」

その時、向かっている方向から声が聞こえた。
この先に誰か居るのだろうか?もしかしてこの娘が捜しているらしい人がすぐそこまで?


ふふふーん。ふふふふーん。


「…………これは?」

鼻歌だった。それも、何人かのデュエット。
更に、マスクドはこの鼻歌に聞き覚えがあった。
ある日林下が歌詞の分からない鼻歌を口ずさみながら登校してきた時があった。
ソレを聞いた神代が学校中の不良どもに鼻歌を聞かせて廻り、結果クロ校中の皆が覚えてしまい
朝の集会でデュエットを歌ったのである。結局誰の歌か分からなかったので最後まで鼻歌だったが。
と、いうことは俺の学校の生徒の誰かなのか?

ガサリと音がし、森林の中から歌い手達が姿を現す。

ふふふーん。ふふふふーん。

四人の男女が横一列に並んでこちらへ向かって歩いてくる。
まるで生気の感じない三人と、異様なパワーに満ち溢れているマイクを持った男が一人。
俺はこの男を知っている。本名かどうか知らんが皆がそう呼んでいる。

「フレディ!無事だったのか!?」

男の命名はフレディ。本当にクロマティの生徒なのかも怪しい謎の男。いや、俺も人のことは言えんが。
それにしても、この連れは一体何なんだろう?こんな短時間でもうこんなに仲間を増やしたというのか?
表情が虚ろで皆操られてるんじゃないかという気がしないでもないがとりあえず殺し合いに乗っている
感じはしないのでよしとしよう。只者ではないと思っていたが流石だ。

ふふふーん。ふふふふーん。

気がつけば俺も鼻歌を口ずさんでいた。
そうか、こういう絶望的な状況でこそ楽しいことをしなければならないということなのか、フレディ。

ふふふーん。ふふふふーん。

じゃあ、一緒にいこう。皆でこの島から脱出するんだ!

ふふふーん。ふふふ


「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!!!!!!!!!!!」

突然、脇腹にとてつもなく重い衝撃が走った。背負った少女が足で蹴ったようだが、
みしみしと内臓に伝わる重量はさっき蹴られた時の非では無かった。更に拳で背中を殴られる。
溜まらず足を崩して倒れこみ。その後、駄目押しのように踏み付けられた。ぶちゃりと内臓が潰れる嫌な音がした。

「―――――がぁっ!?」

あまりの激痛にマスクドはのた打ち回る。ぐるぐる廻る視界の端で、今まで背負っていた少女が
口から泡を吹きながら頭を抑えて苦しんでいた。


◇  ◇  ◇

(痛い、違う、怖い、痛い違う怖い、イタイチガウコワイ、いたいちがうこわい.........!)

頭の中に知らないヒゲを生やした背の高い男の顔が浮かび、ヘンリエッタの思考は混乱を極めていた。
記憶が浮かんでは消えていき、自分が何者なのか分からなくなっていく。

自分が何者なのか思い出せない。たいせつなひとの顔が思い出せない。
思い浮かぶのは浮かぶのは髭の男の顔だけ。思い出すのは家族の死体だけ。

こんなもの消さなきゃ消さなきゃけさなきゃ。わたしがいなくなるわたしがワタシガ―――。

充血した目が、こちらに歩いてくる一団を視覚に捉えた。あの髭の男だった。

(ミツケタ。こいつがゲイインなんだ。こいつをけさなきゃ。―――さん!)

ふらふらとした手つきで転がっているディバックを開け、中からクリス・スーパーV "ベクター"を取り出した。
まだ覚えている。コレの使い方を覚えている。ロックを外し圧倒的な嫌悪感を向けたあの男に照準を定めた。
ユルサナイ。ワタシの大切な人を奪うあの男を許さない。嫌なことを思い出させるあの男をゆるさない。

―――もう、息の根を止めるしかない!





ふふふーん。ふふふふーん。


まだフレディ達は歌っている。マスクドは激痛を堪えながら立ち上がろうとする。


(そうだなフレディ。律儀に学校に通っていたお前だ。殺し合いなんざ乗らねーよな。
 お前なりに殺し合いを止める方法を考えて実行していたんだろうな。やるじゃねぇか。
 思わず俺もお前の歌に心酔するところだったぜ。そうやって拡声器を使って島中を周れば、
 ひょっとしたらみんな殺し合いなんかやめちまったかも知れねーな。……でもよ。)

頭をよろめかせながら少女の方を見る。ふらつく体を必死に留め、機関銃をフレディ達に向けていた。

音楽は人類史において常に世界の人々に癒しと希望を与え続けてきた。
だが、歌で救えない世界も、確かに存在する。

「逃げろぉぉぉぉぉぉ!!!!!フレディィィィィィィィ!!!!!!」

鼻歌の合唱とマスクドの絶叫を、機関銃の発射音が掻き消した。



◇  ◇  ◇


「……」

長い催眠状態から目覚め、皆城総士はゆっくりと目を開けた。

(俺は一体どうしてしまったんだ?)

空に顔を向け地面に倒れ伏せている。手にべとりと液体の感触が伝わった。
顔を横に向ける。全身に弾丸を浴びた二人の少女の遺体が生気も無く横たわっていた。

「……!」

唐突に記憶が蘇る。そうだ、俺たちはフレディに感化されずっと彼と共に歌っていたのだ。
そしてマスクを被った男と背負われた少女の組に出会い、突然叫び出した少女が銃を撃ってきて――。

(……なぜ、俺は生きている?)

全身に傷があり体が痛むが、致命傷は免れている。何故自分だけが助かった?
記憶が蘇る。少女の持つ銃が火を噴いた瞬間、歌うのをやめたフレディが俺の前に飛び出し――。

そうか、咄嗟にフレディが前へ出て俺の盾になってくれたんだ。

それで、フレディは――?



「ああああああああああああああああああああああああああああああああああ
 ああああああああああああああああああああああああああああああああああ
 ああああああああああああああああああああああああああああああああああ
 ああああああああああああああああああああああああああああああああああ
 !!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」


体を起こして正面を向いたとき、それを目撃した。
弾丸を撃ちつくした少女が必死の形相で倒れたフレディの上に馬乗りになり
顔面に拳を直接何度も叩き込んでいるのを。拳は血に濡れ、傷だらけになっている。
義体の腕力は成人男成の比ではない。銃弾のシャワーを浴びても即死しないフレディでも
拳が叩き込まれる度に生々しい音と共に骨がひしゃげ歯が飛び散り、眼球が外れてぶらりと垂れ下がっていた。

「や、やめろ――!」

飛び出そうとした総士を、何者かが持ち上げ肩に抱え込んだ。
少女と一緒にいた、マスク男である。
男は総士を抱えたままその場をどんどん遠ざかっていく。

「待て!なぜ逃げる!なんであの娘を止めないんだ!?」

「……俺一人ならそうしたさ。だが、あんたがまだ生きている。
 ……確実に助かる奴が居るんなら、そいつを安全な場所まで連れて行かなきゃならん。」

ヘンリエッタはフレディの首を掴み、上半身を持ち上げた。
首を両手で強烈に締め上げる度に、フレディの筋肉質の体が痙攣する。

「フレディはまだ生きてるぞ!見捨てるのか!?」

マスクドは唇を強く噛み、切れた口から血を流した。

「もう、無理だ。」

フレディがゆっくりと振り向き、総士の方を見た。
痙攣する右手を動かし、親指を突き上げる。
そして、ぐしやぐしゃに潰れた口からヒューヒューと息を吐きながら、呟いたのを確かに聞いた。

「……ロック……ユー……!」






ぶちゃっ


肉が潰れる音が鳴り、尋常ならね握力でフレディの首が捻じ切られた。
原型を留めぬほど変形した頭部が地面に転がる拡声器の上に落下し、


ぐちゃっ


ヘンリエッタはマイクごとフレデイの頭部を踏みつけ、砕き潰した。

総士の声ならぬ叫びが、周囲に反響した。




首の無くなった筋肉質の男から吹き出る血のシャワーを浴び、
頭の先から爪先まで全身を真紅に染めた少女は呆然と立ち尽くし、

くすりと嗤った。

もう、声は聞こえない。脳漿を撒き散らした髭男の顔も思い出すこともない。
思い浮かぶのは愛しいあの人の顔だけ。浮かぶ名前はあの人の名前だけ。

「あは、あはは、私、やり、ましたよ、ジョゼさん、私、えらいですよね、
 あったら、褒めて、ください、いっぱいいっぱい、ほめてください。」

そのままふらふらとした足取りでヘンリエッタはこの場を後にした。
鮮血のの足跡をつけながら、あの人の下へ――。


【F-5 道路 早朝(放送直前)】

【ヘンリエッタ@GUNSLINGER GIRL】
[状態]:疲労(大) 全身血塗れ 両拳損傷 神経衰弱 頭部に軽い出血と鼻血 発狂
[装備]:TDI クリス・スーパーV "ベクター"ドットサイト付き(0/30)@Angel Beats!、
    ミネベア M60 “ニューナンブ”(5/5)@現実
[道具]:基本支給品×3、ランダム支給品0~5、久瀬修一の薬、クリス・スーパーVの弾倉×4、
    ニューナンブの弾丸×10、野田のハルバード@AngelBeats!

[思考]
基本:ジョゼさんと合流する
1:ジョゼさん、今行きます
2;邪魔する人は、殺します

[備考]
※マジックアイテムのマイクは破壊されました
※十字槍「銀閃」@真・恋姫†無双ランダム支給品×4が 関羽、江戸前留奈、フレディの死体の傍に
 放置されています。




◇  ◇  ◇


「……行ったか?」

ようやく診療所にたどり着いたマスクド竹之内と皆城総士は窓から外の様子を確認した後、
放心したように椅子とベッドに座り込んだ。
惨劇を死に物狂いで逃げ延びた安堵、級友のような存在を見捨てた無力感、
マスクドは様々な感情に押しつぶされそうであった。

(間違いない、あの娘はイタリアで噂に聞いたマフィアが使ってる少女兵士の類のものだ。
 一般人なんかじゃねぇ。……へっ、今頃気付いて何になる!)


プ~~~~……


気の抜けたような音が、総士の方から聞こえた。彼の手にはフレディから貰ったのか
金色に輝くトランペットがあった。

「やはり、上手く吹けないな。」

「……なんだそりゃ?」

「なぁ、鳥や昆虫に、意識があると思うか?」
「いや、何の話だ?」
「どこかの本で読んだことだが、集団で生きる彼らには本能はあるが自我、意識というものがないらしい。
 だが、そういう動物は死の恐怖も不安も感じない。ある意味、どんな人間よりも幸福な存在だ。
 あの男の歌を聴き、あの男と共に歌っていたとき、俺には自我や意識がなかった。
 だが確かに覚えている。あのときの俺は、幸福な気分を味わっていた。俺は幸福だった。
 ……今のこの感情は、この悲しさはなんなんだ?教えてくれ。」

トランペットを見つめながら、総士は呟いた。




【関羽@真・恋姫†無双 死亡】
【江戸前留奈@瀬戸の花嫁 死亡】
【フレディ@魁!!クロマティ高校 死亡】

【残り41人】







【F-6 診療所 早朝(放送直前)】

【マスクド竹之内@魁!!クロマティ高校】
[状態]:内臓内出血、出血 脳震盪 放心 
[装備]:C4爆弾x7@現実(最初は15個あった) 一つ一つが携帯電話で起爆するタイプ、マスクドが
     持っているのはカナンに支給されたうちの予備の携帯電話。
[道具]:基本支給品×1、ランダム支給品0~2(未確認) トイレットペーパー
[思考]
基本:仲間と帰る為にますは首輪のタイムリミットを外す。
1:とにかく今は休養する。
2:殺し合いが起きているかどうか確かめ、可能ならば説得を試みる。

【皆城総士@蒼穹のファフナー】
[状態]:全身に掠り傷、疲労(大)放心
[装備]:トランペット@現実
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×3
[思考]
基本:皆を探す、殺し合いには乗らない
1:フレディ…


046:誤解~だんぜつ~ 投下順に読む 048:ドキッ乙女だらけのいらん子中隊
時系列順に読む
045:スクラップド・プリンセス ヘンリエッタ 000:[[]]
マスクド竹之内 000:[[]]
039:メイドインヘブン 皆城総士
フレディ 死亡
関羽
江戸前留奈

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
ウィキ募集バナー