な…!?オ…オレの体がアザラシになってる!? ◆0yJAV1.DLQ 氏
上空から二人の男女の声が響き渡る、朗らかに。
桃色の髪の少女の眼窩から涙が零れていた。
にゅうには何が悲しく、また何が辛いのか分からない。
誰のために、誰が泣いているのか。
彼女にはそれさえ分からぬまま、感情に任せ泣く。
稚児のように感情にむき出しにし、拭えど拭えど涙が収まることなく、ただ体を震わせる。
桃色の髪の少女の眼窩から涙が零れていた。
にゅうには何が悲しく、また何が辛いのか分からない。
誰のために、誰が泣いているのか。
彼女にはそれさえ分からぬまま、感情に任せ泣く。
稚児のように感情にむき出しにし、拭えど拭えど涙が収まることなく、ただ体を震わせる。
□ □ □
「にゅ…?」
数刻経ってにゅうが気がついた。
彼女は目を擦りながら上体を起こす。
泣きつかれ、いつの間にか眠りについていたようだ。
その顔には涙が頬を伝った跡がある。
何故、泣いていたのだろう。
疑問が残る少女はどうにも冴えない気分が煩わしく、また今置かれている状況をつかめずにいた。
記憶にある場所でもないし、「彼」もいない。
彼女は目を擦りながら上体を起こす。
泣きつかれ、いつの間にか眠りについていたようだ。
その顔には涙が頬を伝った跡がある。
何故、泣いていたのだろう。
疑問が残る少女はどうにも冴えない気分が煩わしく、また今置かれている状況をつかめずにいた。
記憶にある場所でもないし、「彼」もいない。
そう、いない。
「……」
言葉が出ない。
傍らにいつもいてくれた彼の価値を、目を潤ませながら認識した。
心細く、頼れるものもいない自分に何ができようか。
周りをきょろきょろ見てデイパックを発見。
弱弱しく、おっかなびっくりといった風にデイパックに手を伸ばした。
ここに何か手がかりがあるやも、その一心で中に手をいれて掴む。
傍らにいつもいてくれた彼の価値を、目を潤ませながら認識した。
心細く、頼れるものもいない自分に何ができようか。
周りをきょろきょろ見てデイパックを発見。
弱弱しく、おっかなびっくりといった風にデイパックに手を伸ばした。
ここに何か手がかりがあるやも、その一心で中に手をいれて掴む。
「にゅ~?」
想像していたものとは違う。
掴んだ物を揉んでみると「むにゅ」っとしている。
にゅうは揉むたびに返ってくる反応が面白くて、揉み続ける。
掴んだ物を揉んでみると「むにゅ」っとしている。
にゅうは揉むたびに返ってくる反応が面白くて、揉み続ける。
彼女は遂に先ほどまでの薄暗い気分から脱していた。
思っていたものよりも、肌触りが抜群に最高で、生暖かくて、まるで生きているような。
思っていたものよりも、肌触りが抜群に最高で、生暖かくて、まるで生きているような。
生きているような?
にゅうは精一杯の力でそれを引き上げた。
白き巨躯に、何者も恐れぬ黒きつぶらな瞳、多くの人の眼に晒され否が応にも身につけていた風格。
出てきたのはアザラシ。
白き巨躯に、何者も恐れぬ黒きつぶらな瞳、多くの人の眼に晒され否が応にも身につけていた風格。
出てきたのはアザラシ。
――――――――北斗くん
北斗くんを見たにゅうは目を輝かせた。
すぐさま、北斗くんに襲い掛かり、顔をその腹の辺りに埋めた。
ぐねぐねと顔を動かし、北斗くんの腹の肉をシェイクするにゅう。
彼女の顔は、このバトルロワイアルという極限空間でも至福の幸福感に包まれ蕩けるようになっていた。
すぐさま、北斗くんに襲い掛かり、顔をその腹の辺りに埋めた。
ぐねぐねと顔を動かし、北斗くんの腹の肉をシェイクするにゅう。
彼女の顔は、このバトルロワイアルという極限空間でも至福の幸福感に包まれ蕩けるようになっていた。
「にゅう~~~~~~~~~!!!!!!!!!!!!!!!」
「キィ~~~~~」
「キィ~~~~~」
暴れる北斗君。
だが体格の利を生かし嬉々と北斗くんを翻弄し好き勝手しくさるその姿は、小鹿を狩ろうとせんプレデターを連想させる。
いつのまにかにゅうの口からは涎が垂れ、しかし興奮にとり憑かれたにゅうは嫌がる北斗くんの猥らな肢体をむさぼる。
強者のエゴの前に弱者はただただ蹂躙されていく。
60億という世界から80という世界に移行したとしても、その本質はやはり暴虐なる人の歴史がいまここに繰り返されようとしていた。
だが体格の利を生かし嬉々と北斗くんを翻弄し好き勝手しくさるその姿は、小鹿を狩ろうとせんプレデターを連想させる。
いつのまにかにゅうの口からは涎が垂れ、しかし興奮にとり憑かれたにゅうは嫌がる北斗くんの猥らな肢体をむさぼる。
強者のエゴの前に弱者はただただ蹂躙されていく。
60億という世界から80という世界に移行したとしても、その本質はやはり暴虐なる人の歴史がいまここに繰り返されようとしていた。
□ □ □
あてどなく歩む少女がいる。
体格に反しその顔は遠足でピクニックにやってきた、小学校低学年の児童を思い起こさせる。
足取りは軽やかで、今にもハミングで口ずさみながらスキップしそうである。
体格に反しその顔は遠足でピクニックにやってきた、小学校低学年の児童を思い起こさせる。
足取りは軽やかで、今にもハミングで口ずさみながらスキップしそうである。
「にゅう~~~」
にゅうの声が人を求めて、響き渡る。
彼女の両腕で抱えられているのは、先ほどとうって変わってリラックスした様子の北斗くん。
その平静とは幼い少女のスキルによるもの。
すなわち、人の世に知られ考えられる最も良い、仲良くなろうとする純粋無垢な誠意である。
にゅうにとっては最高で、北斗くんにとっては最悪な出会いであったが、北斗くんが少女の内に秘められた孤独を汲み取れば自然と彼らは懇ろな関係になっていた。
彼女の両腕で抱えられているのは、先ほどとうって変わってリラックスした様子の北斗くん。
その平静とは幼い少女のスキルによるもの。
すなわち、人の世に知られ考えられる最も良い、仲良くなろうとする純粋無垢な誠意である。
にゅうにとっては最高で、北斗くんにとっては最悪な出会いであったが、北斗くんが少女の内に秘められた孤独を汲み取れば自然と彼らは懇ろな関係になっていた。
「にゅ~~」
「キィ~~~~」
「キィ~~~~」
おや、にゅうが東に歩を進めようとしたが、北斗くんの泣き声を聴き北へ歩き始めた。
北斗くんが良くないと、にゅうに教えたのだ。
にゅうは勿論、自らを思っての指示を断るわけも無く従う。
この奇妙な信頼関係、にゅうもまた北斗君が鳴き声で意思表示できるということを理解したためだ。
「キィ~」というのがNOで、「キュ~」というのがYES。
人と会話にならないにゅうにとっては、それで十分である。
少なくとも先程、デイパックに入れたジェリコ941などより、よっぽど頼りになる存在に北斗くんはにゅうの中でなっていた。
かくしてにゅうはよき友を得て歩いていく。
北斗くんが良くないと、にゅうに教えたのだ。
にゅうは勿論、自らを思っての指示を断るわけも無く従う。
この奇妙な信頼関係、にゅうもまた北斗君が鳴き声で意思表示できるということを理解したためだ。
「キィ~」というのがNOで、「キュ~」というのがYES。
人と会話にならないにゅうにとっては、それで十分である。
少なくとも先程、デイパックに入れたジェリコ941などより、よっぽど頼りになる存在に北斗くんはにゅうの中でなっていた。
かくしてにゅうはよき友を得て歩いていく。
ちなみに「キュ~」というのが、どういった時に発せられるかというと
「にゅ~~~~~~」
「キュ~~~~~~」
「キュ~~~~~~」
彼女が北斗君を気遣いながら、頬を寄せるときである。
【一日目 D-3 洋館 早朝】
【ルーシー@エルフェンリート】
[状態]:にゅっ? 額と腕に軽傷 疲労(小)
[装備]: 北斗くん@クロマティ高校
[道具]:基本支給品、未確認支給品0~1、ジェリコ941(8/16)@現実、ジェリコ941の予備弾倉×2
[状態]:にゅっ? 額と腕に軽傷 疲労(小)
[装備]: 北斗くん@クロマティ高校
[道具]:基本支給品、未確認支給品0~1、ジェリコ941(8/16)@現実、ジェリコ941の予備弾倉×2
[思考]
基本:にゅう
1:ほくと……
基本:にゅう
1:ほくと……
※転倒などの軽度の衝撃、にゅうの睡眠などによって元の人格に戻る可能性があります。
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