21世紀深夜アニメバトルロワイアル@ウィキ

DANCING JUNK

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DANCING JUNK ◆PuVQoZWfJc


どうしよう、どうすればいい、いったいどうすれば............
「どうしてこんなことになってしまったんだ!」
長いポニーテールをなびかせながらその少女、馬超(真名は翠)は走っていた。

その背中に二つのデイパックと大きな茶筒のような青年を背負って。
元々自分はそれほど頭がいい方ではない。だから先程のような場所に突然仲間の
何人かと一緒に連れてこられたようであること、そして今また別の場所にいることに
さしたる動揺もなかった。どうせ考えてもわからない。こういうのは趙雲にでも後で聞けばいい。

今はそんなことよりも自分が死なせてしまったかもしれないこの青年の命を救う方が先決だった。
彼女は今、手持ちの荷物にあった地図から医院(病院のこと)を目指し走っている。庵の方にも行こうと
思ったが、それはあくまで医院で手の打ちようがなかった時だ。急がねばならない。
(済まない、済まない、済まない済まない済まない!あたしが余計ことしたばっかりに!)

激しい後悔と焦燥の中、彼女は全力で走っていた。どうしてこうなったのか、それは今より少し遡る。

「ッ!今度は何だ!」
見知らぬ夜に放り込まれた少女は辺りを見回す。昼と夜、屋内と屋外、コロコロと変わる状況に彼女の頭は
とっくの昔に置いてきぼりだった。だがそれでも大事なことは見失ってはいない。名簿を見たときに知ってる
名前の中に自分の友達の名前が入っていること、そして入っていない者もいることがまず一つ。

(愛紗たちも来ていたが鈴々はいなかった、もしかしたら不幸中の幸いってやつだったかもな、それに)
思い出すのは于吉を侍らせた(馬超にはそう見えた)桃色の髪の子供とそれと対立しているような
もう少しだけ年上の同じく桃色の髪の女性、まったく同じように男の首を刎ねたところを見るに二人は
妖術使いの同門か同種の妖怪化何かだろう。二人にしてみれば内輪もめの可能性もある。これが二つ。

(妖術とかが相手だとあたしはお手上げだなあ、せめて皆と一緒なら、いや皆に甘えるばっかりじゃ駄目だ!
せめてあたしひとりでも相手の手のうち暴くとか、無理矢理連れてこられた人たちを逃がすとか、主催と
グルの奴を見つけるとか何かしないと!)

そう決意を新たにしたものの、手荷物のデイパックに入っていたものは彼女からしてみれば、武器にもならないモノばかり。
組立式の釣竿に太鼓のバチのようなものがいくつかあるだけ。完全に外れだ。釣竿はとても画期的だったが今は
役に立ちそうもない。


そして今問題なのはあの主催とこの異常な大会である。ほとんど動かずに人の首を3人も飛ばし
その後に驚くほどの速さで突撃した男もやはり何をされたかもわからぬ内に無惨な最後を遂げた。
正確にはそれをやったのはもう一人の女の方であったが。

とりあえず自分の身と無害な人たちを守りつつ仲間を助けに行こうとした矢先だった。彼はそこに居た。

「音声ガイダンスに従って名前を入力して下さい。パスワードを設定します。ここには生年月日など、
個人情報はなるべく使わないで下さい」

ただそればかりをうわ言のように繰り返す青年、馬超は彼に声をかけたがまるで反応がない。あんなことをいきなり
目にすれば放心状態になるのも無理はない。自分ですら怯んでしまったのだから、普通の人なら気が触れてしまっても
おかしくはないだろう。彼女は気の毒そうに青年を見る。精悍な顔つきだが優しそうな表情が逆に痛ましかった。

首輪の位置もなんだかおかしい、太っているわけではないが彼には首が見当たらない、奇妙な印象があったがそれより
も首輪が自分と違い浮いている事に気を奪われた。まるで土星の輪のように浮いている。

「なあ、あんた、どうしたんだ、あんたもここに連れてこられたのか」
聞いて答えはない、よく見れば顔に生気が見られない。馬超は彼を諦めかけたが地図に医院の名があったのを
思い出す。ここにこのまま置いていけば間違いなく彼は死んでしまう、自分は医者ではないから助けになって
あげられないかも知れない。それでも見捨ててはおけない。

「なあ、聞こえてないかも知れないけどさ、きっと、きっと大丈夫さ、だから、元気出しなよ!」
自分を奮い立たせるという意味でも声を張り上げ茶筒のような男の後頭部をばしんと叩く。それがいけなかった。
彼の、メカ沢新一の首輪が軽い音を立てて地に落ちる。目から光も失われて、声を出さなくなる。

一瞬の間、今度は馬超から血の気が失せる番だった。
焦る。どうして首輪が落ちる?強く叩き過ぎたのか?頭に病があったのか、だからあんなふうに放心状態だったのか?
首輪が落ちたってこれは自分たちを見張るためのものだから、それが落ちたってことは............

「おい、しっかりしろ!大丈夫か、悪い、そんな強くは叩いてないんだ!本当だ!しっかりしてくれ!」
棒立ちのまま死んでしまったのではないかと思い強く揺さぶる。気が動転してもう一度同じように頭を叩く。すると

「音声ガイダンスに従って名前を入力して下さい。パスワードを...........」
またもうわ言を呟き出し足元の首輪がもう一度浮いてくる。どうやら一命を取り留めることに成功したみたいだ。



これ以上まずいことにならない内に馬超は彼を背負って病院へと駆け出した、そして今に至る。
背負い辛かったので彼の上着(学ラン)を借りて腕と腕を結び担ぎデイパックももう片腕に下げる、目指すは
医院、そして庵(診療所)。背負った際に彼の後頭部のできもののような物が肩に何度かあたる。

その度にうわ言が止み首輪が浮き沈みを繰り返す。急がなくてはいけない。まさに半死半生といった態だった。
「音声ガイダンスに、音せ、音声、音声がい、音............」
「う、うあああああああああああーーーーーーーーー!」

互いに追い詰められながら、一路病院へ急ぐも彼女の頭の中には先程の決意は失われていた。
(頼む、愛紗、誰か助けて!)と

【一日目 C-3 森(やや病院寄り) 深夜】

【馬超@真・恋姫†無双】
[状態]:混乱、疲労(中)
[装備]:組立式の釣竿@現実
[道具]:基本支給品×1 未確認のランダム支給品0~2
[思考]
基本:今ならまだ間に合うかも知れない!
1.病院へ、それでダメなら診療所へ向かう。
2.愛紗たちを探す。


【メカ沢新一@魁!!クロマティ高校】
[状態]:意識不明の重体@初期化
[装備]:スタン、スモーク、白燐各種2個づつのグレネード6個セット
[道具]:基本支給品×1、ランダム支給品0~2(未確認)
[思考]
基本:意識不明の為未確認
備考:馬超は中身を見ていません。
また基本的にメカ沢は神山、林田以外には普通の人間、シリアス系にはサイボーグに見えます。

020:悪魔が目覚める日 投下順に読む 022:チャオ ソレッラ
019:関羽、トリエラとフラテッロの契りを結ぶのこと 時系列順に読む
000:胎動 メカ沢新一 028:フォークト=カンプフ検査法
馬超

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