大雨ながらもまばらに人がいる客席。
撮影機材だけはご先祖様からのコネクションで一丁前に組んでもらっているぶん、十分恵まれています。
海の見える小高い丘の市民用公営ステージで、わたし達のファーストライブは始まりました。
撮影機材だけはご先祖様からのコネクションで一丁前に組んでもらっているぶん、十分恵まれています。
海の見える小高い丘の市民用公営ステージで、わたし達のファーストライブは始まりました。
「それではあたし達の伝説を、始めていきまーす!」
まだわたし達には「持ち歌」がほとんどありません。あるのは先祖代々伝わる「祝詞」だけ。
なので他の神装巫女さんたちから許可をいただいたカバー曲を中心にセットリストを組んで、順調にライブを進めていきます。
なので他の神装巫女さんたちから許可をいただいたカバー曲を中心にセットリストを組んで、順調にライブを進めていきます。
「「「「ありがとうございました!まだまだこれからもライブはつづきます!応援よろしくお願いしまーす!」」」」
ライブが進むにつれ、体の奥底から今まで感じたことのない、温かで芯のある力が湧き上がってくるのを感じます。
これが「信仰」なのでしょうか。
わたし達を観て、応援してくれる人がいる。
涙腺が緩みそうになりますがグッと堪えて、更にパフォーマンスをアップしていきます。
これが「信仰」なのでしょうか。
わたし達を観て、応援してくれる人がいる。
涙腺が緩みそうになりますがグッと堪えて、更にパフォーマンスをアップしていきます。
その時でした。
天を貫く強烈な落雷と共に、ついにヤツが現れました。
翠色の翼を持った巨大な蛇のような竜……「にわか雨の悪竜」です。
翠色の翼を持った巨大な蛇のような竜……「にわか雨の悪竜」です。
「おやおや、私たちのライブに呼ばれて竜さんが飛び入り参加してくれるようです〜」
見敵の衝撃から真っ先に立ち直り、ひなたがアドリブでMCを入れます。
「そう、これからはワタシが剣武のパフォーマンス、3人でライブのスペシャルステージ」
みゆきも体制を立て直し、剣武の準備を行います。
(まだ多分信仰が集まりきってない。3人は「アレ」で信仰を高めて)
(わかった!)
(わかった!)
そう、「アレ」。
わたし達にはひとつだけ、切り札があります。