◯月◯日。私は研究者仲間の神白遊里と共に日本にあるとある遺跡の一つへ来ていた。
この遺跡は神獣と関係すると伝えられている。
私の専門分野とする神装巫女研究と神白悠里の専門分野である既存の神話の強化及び信仰の普及とも重なるため、要は合同フィールドワークというわけだ。
この遺跡は神獣と関係すると伝えられている。
私の専門分野とする神装巫女研究と神白悠里の専門分野である既存の神話の強化及び信仰の普及とも重なるため、要は合同フィールドワークというわけだ。
もしもここに遺された謎を解き明かして、その神獣を『知る』事ができればか細い『縁』を紡ぎこちらへ招く事ができるようになる。
それは私にっとって新たな巫女の誕生に繋がり、今隣にいる神白遊里にとっては龍へ零落を防ぐことに繋がる。
それは私にっとって新たな巫女の誕生に繋がり、今隣にいる神白遊里にとっては龍へ零落を防ぐことに繋がる。
「これを見てほしい。過去の伝承にまつわるものだ。恐らく神獣の形を模したものと思われる」
神白悠里は私へ話しかけてくる。
元遺継装具だった遺跡から採取されたナニカを見せて。
何度も述べるように私とて研究者の端くれ。自分なりの所感と意見を告げてみる。
元遺継装具だった遺跡から採取されたナニカを見せて。
何度も述べるように私とて研究者の端くれ。自分なりの所感と意見を告げてみる。
「恐らくそうなのでしょうね。長い歴史があってもかけが少なくここに置かれていたということね。きっとこれが今は忘れ去られたとはいえ当時は大事にされていたのはわかるわ」
「そこまでわかるなら問題はないな。ここの管理者へ許可はもらっているから持ち帰って遺継装具科とも協力するぞ」
「そこまでわかるなら問題はないな。ここの管理者へ許可はもらっているから持ち帰って遺継装具科とも協力するぞ」
遺継装具科とはその名の通り巫女研究所の遺継装具研究担当であり、様々な博物館・美術館等遺継装具を飾る施設とは協力関係にある場所だ。
「そうね宿っていた巫力を見るなり、色々とすることはあるでしょうから」
私は神白遊里についていくように、歩きながら答える。
「そしてこっからがフィールドワークとしての本題だ。ここ、見えるだろう?」
神白遊里は石の壁に掘られたなにかを見せ指を差し続ける。
「これは過去の文字、文書だこれを解読していくことによりこの地とこの遺跡に祀られていた神を知るのが今回の一番の目的だ。これ以外にもいくつか文字や絵が残っているからそれも同様に解析だ。その都度君の意見を聞かせてくれ」
「わかったわ。方法は文字を見て古文の資料を見ながら合わせて読む。それからここの気象や周囲の伝承も確かめないといけないわね」
「わかったわ。方法は文字を見て古文の資料を見ながら合わせて読む。それからここの気象や周囲の伝承も確かめないといけないわね」
この遺跡にはいくつかこういうものも見つかった。その全てを考察し解読する。それが我々研究者の仕事だ。
「ああ、その通りだ。楽しいな。やるべきことがたくさんあるということは」
こうして研究員たちによる解読作業が始まったのだった。