救いと因果と◆UcWYlNNFZY



「…………」

ただ、黙々と歩いてる二人がいた。
「百年の魔女」古手梨花と元「ミカエルの眼」ニコラス・D・ウルフウッド
数奇な出会いをし、一旦は距離が縮まったが見えた二人だがその距離はまた広がっていた。
それは先ほど流れていた放送による影響だった。

(ああもう!……なんでかしら……なんでこんなにいらつくのかしら)

梨花は自分の前を歩いているウルフウッドをただ睨んでいた。
別にウルフウッドは悪くない。
ただの自分の我が儘までしかないのだ。
それなのに梨花はウルフウッドに対して少し苛立ちを覚えていた。
その理由は放送の時間まで遡る……




◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇





『―――では六時間後の第二回放送でまた会おう。 君達がそれまで生き残っていれば――の話だが』

何処からともなく流れてきたギラーミンの放送に耳に傾けた梨花達。
唐突に発表された死者の発表に二人は身を強張らせた。
だが呼ばれた名前に彼らの知り合いが居ないことを確認すると梨花はほっと息をする。
運命を覆す為に戦った仲間達。
幾ら圭一達を信頼をしてても彼らはこの殺し合いの中では強者ではない。
ウルフウッドや先程襲ってきた者に比べれば充分弱者だ。
自分は先ほどの者に気付くことすらできなかったのだから。

そんななかでも自分を含めた6人全員誰も呼ばれなかったことは単純に嬉しいことだった。
特に沙都子の名前が呼ばれなかったこと。
特別贔屓するわけではないが梨花の親友であり何より彼女は仲間の中でも特に幼いのだ。
最悪のケースも有りゆるだけに梨花はとても嬉しかったのだ。
兎に角梨花は仲間が全員生きているという最悪中の最善だっただけにほっとしていた。
全員死ぬという最悪中の最悪も考えられただけに。

(でも……他に15人も死んでるのよね……)

だけど梨花は喜んでばかりはいられない。
それでも15人も死んだのだ。
この6時間の中で15人ものの命が。
名前も知らないし顔も知らない。
梨花にとって接点のかけらも無い人達。
だがそれでも同じ殺し合いに否応無しに巻き込まれた可哀想な人達。
そんな人達の為に梨花は目を瞑り黙祷をした。
ただ、やすらぎを。
そんな下らない気休めを、だけど優しい思いを乗せて。
ただ祈った。



「よっしゃ嬢ちゃん、ぼちぼちいくで」


そんな梨花の気持ちを裏切るようにウルフウッドは明るく話しかける。
まるで死者のことなど気にしてないように。
ウルフウッドはただ単に名簿に死んだものに線を引き地図に禁止エリアなる場所を書き込んだだけ。
別に死者に対して感慨にふけることも無くただ事務的に。
そんな死者に何も思っていないウルフウッドの行為が何故か梨花には腹立たしくて。

「ちょっと、ニコラス、15人も死んだじゃない!」
「……ああ、せやな」
「15人もよ!?」
「せやな……それが? 嬢ちゃんの知り合いは死ななかった、ワイの知り合いも死ななかった。それだけや」
「……な!? それだけ!?」

ウルフウッドの余りにそっけない反応に梨花は唖然とした。
確かに互いの知り合いは死ななかった。
それだけでも充分かもしれない。
でも、それでも梨花にとってはウルフウッドの反応はあまりに寂しすぎる。
15人の命が、『それだけ』や『それが?』で片付けられてしまった事。
その事が何故か、梨花にとって堪らなく嫌だった。

梨花は知らないことだがウルフウッドの世界は余りにも死が身近すぎた。
毎日のように毎日のように人が死んで。
余りにも近すぎて。
梨花の様に反応することなんてとっくの昔の事。
近すぎて、慣れてしまって。
15人死んだ。
それだけの事としか受け入れることしか出来なくなってしまった。

でも。
それでも。

ウルフウッドは忘れない。
呼ばれた名前に自分が見つけた桜田ジュンの名前があった事。
彼の敵討ちを誓った事。
それを改めて呼ばれたことで再認識をした事。
そして、彼が死んだという事。

それを絶対に忘れない。

そう心に刻んだ事を梨花は知らない。


「……もういい! ニコラスに同意を求めようとした私が馬鹿だった!」
「……なんやんや……埒があかん」

知らないが故に梨花は怒る。
そんな梨花の気持ちが知らないが故にウルフウッドは困惑する。

そんな連鎖。

でも、感じ方は違っても思う事は一緒。

二人が放送を聴いて意志を持った事。
それは同じなのだから。



◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇



そんな事で梨花は未だに怒りを感じていた。
自身と同じ考え方をしろなんて身勝手すぎる思いだが。
遊園地の叫び声も気になったがウルフウッドが気ままに進んでるのを梨花は追いかけるしかなかった。
ウルフッドが信頼できるのは梨花は知っているから。
だけどその信頼故に梨花の身勝手な思いをウルフウッドに同意を求めてしまう。
そんな、ままならない連鎖に梨花は更に苛立ってしまう。

(ああ……もう!……解ってる。私の我が儘だって。でも……ああ……もう)

梨花の思考の連鎖はだんだん絡まっていき梨花自身が困惑してしまっている。
そもそも、梨花は何故ウルフウッドにそこまで気を使っているのだろう。
それすらも梨花は気付かずただ混乱していく。

(ああ、もう! 訳わかんないわよ……私)

思考と思考がぶつかり合って梨花が混乱の極地に達しようとしてた時

「あぅ!?……な、何? ニコラス」

前を歩いてたはずのウルフウッドが唐突に立ち止まりそれに気付かなかった梨花は彼の背におもいっきりぶつかったのである。
元々混乱していた梨花は訳が解らずくるくると目を回す。
そして振り返ったウルフウッドの顔を上目遣いで見つめる。
憮然としていたウルフウッドであったが突如

「ふぇ……?」
「あの……なんや、そのスマン。なんや知らんけど怒らした……その……なんやスマン」

不器用な笑顔を浮かべただ梨花の頭を撫でていた。
未だに梨花が怒っている理由をウルフウッドは分からない。
それでも何かこの空気が耐えがたく責任は恐らく自身にあると判断したウルフウッドはただ謝ろうと思った。
そして頭を撫で続ける。
不器用そうな、笑顔で。

梨花はそんなウルフウッドの様子に毒素が抜けていくような感じがして次第に笑顔になっていく。
困ったような笑顔が梨花の怒りを何故か静めていく。
優しくその大きな手が何処か、心地よかった。

「いや、いいのです。こちらこそ御免なさい……そして有難う」
「おう……」

頬を赤く染め笑う梨花に不器用にも返事を返すウルフウッド。
ウルフウッドは何か思いつつもいつ撫でるのをやめようか迷っている。

そして何かのどかで微笑ましい風景が暫く続いていた。

だが

「おう、何か仲良さそうだな」

突如割り込む声。
その少年はゴムのような体をしならせ突如空から飛び降りてきたのだった。
いししと笑いながら近づく麦藁帽子の少年―――モンキー・D・ルフィ―――

「「わっ」」

その少年の声に驚いた二人はバッと距離をとる。
流石のウルフッドも空からくると思わなかったのだ。
二人は途端に今までの行為が恥ずかしくなり距離をとってお互いの顔を直視できなくなる。
梨花にいたっては何故か真っ赤だった。

「うん……?」

その場にはいまいち状況がつかめないルフィがただ困惑するだけ。

そして、ウルフウッドの咳だけが響いていた。



◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇




「人形なみたいなのと……玉男ね」
「正確にはチンク、むすか……ん、いや真紅とあすかだ。信頼できるからこいつらは心配すんな」

梨花の確認の声がビル街に響く。
互いに害意がないことを知ると梨花とルフィは互いの情報交換をしていた。
ルフィはまず先程あった真紅たちの事を教えたのだ。
そして互いの知り合いを確認して情報交換を進めていた。
ウルフウッドは細かいのは梨花に任せビルの壁によっかかり話が纏まるのを待っている。

「じゃあ私からは……」
「ちょっと待った、トイレ行ってもいいか?」
「いいわよ……というか恥ずかしい事言わないでちょうだい」
「いしし、わりぃ、わりぃ」

ルフィがそういって近くのビルに入っていく。
残されたのは梨花とウルフウッドのみ。

「……」

梨花はウルフウッドの方を向くがウルフウッドは何かを考えているようでじっと梨花を見つめている。
梨花はそんな視線に迷いつつだけど何かを言おうとして口を開けた時

「ねぇ……」
「嬢ちゃん、いい機会や」

ウルフウッドはあくまで淡々に事実のみを告げる。
それはウルフウッドの中で決めた事。
彼が……勝手に決めた事。
そう

「麦わらに付いていけや、ワイよりいいやろ」
「はぁ……!?」
「ワイは……ぶっちゃけると手一杯や。麦わらは見た感じ中々やりおる。安心できるやろ」

梨花をルフィに預ける事。
ルフィが力がある事を悟った末のウルフウッドの決断。

ウルフウッドは怖かった。
ヴァッシュのような事が自分のようにもできると錯覚しそうになる彼女が。
またそれもいいとおもってしまう自分自身が。
自分は自分のことで手一杯なのに。

それなのに梨花が笑顔を見せると思ってしまう。

まだ救えるって。

彼女も救える。
ヴァッシュのように出来る。
そう思ってしまう。

そんな笑顔が堪らなく嬉しく。

そして堪らなく―――怖い。

勘違いはしてはいけない。
悪党はあくまで悪党。
そう、思うから。

だから。

だからこそ。

「せやから……ええやろ? 嬢ちゃん」

ここで彼女を突き放す。
もう、夢を見ないために。
そんな理想など見ないために。

梨花を。

突き放そうとする。


だけど。


「……ふざける……」
「?」


梨花は。

「ふざけるなぁああああ!!」


梨花はそれを許せない。
許したくない。

絶叫に近い叫び声。
それはウルフウッドに向けた叫び。

「何がよ……なにがええやろよ……私は嫌だっ!」
「はっ?」
「一度わざわざ見つけといて……そしてもう一度救って……そこまでして今度は見捨てるの?」

梨花の拒絶。
それはウルフウッドに向けた怒り。

哀しかった。
助けてもらって嬉しかったのに。
なのに。

そんな事言われるのが堪らなく嫌だった。

そして何よりも。

梨花は……ウルフウッドを。


「二コラスを……信頼しているの! 私は……私は信頼してる貴方に身を守ってもらいたいの!」
「……なっ」


信頼しているのだ。
この島で。
助けてもらって。

信頼をしていたのだったから。

そんな彼に守って欲しかった。

梨花はそんな子供みたいな願いをただはき捨てるように言う。


純粋な思いをぶつけられてウルフウッドは迷いそして何かを言うとして。



その時だった。



「梨花っ!!」

ウルフウッドが始めて梨花の名前を呼び。
そしてが梨花に向かって跳躍した。
梨花を胸に抱き地面を転がる。
そして梨花が居た場所には銃弾が。

その少しはなれたビルの3階の窓からのびる銃身。
狙撃手はフライフェイスの女―――バラライカ
彼女は狙撃ポイントを見つけそして梨花を狙っていたのだ。

狙いは完璧。
ただ、一つの誤算としてはウルフウッドが同じ闇に生きるものだったという事。
暗殺者として生きていたウルフウッドは即座に反応できたのだ。
そしてウルフウッドは振り向き様に空いてる手でバラライカに向かってグルカナイフを投擲する。
バラライカは一旦部屋の中に戻りそのグルカナイフをかわす。
狙撃地点がばれた事を悟り撤退を選択したその時

「ゴムゴムの銃(ピストル)っ!!」

バラライカのもとにゴムの腕が伸びてきたのは。
そのゴムの腕は正確にバラライカのいるビル方向へ向かっていく。
バラライカはそれを避けその持ち主を睨む。

伸ばしたのはルフィ。
そう、彼女が取り逃がした獲物。
ルフィはただ闘志を燃やしていた。

そしてバラライカはそれを見届けるとビルの奥に入っていき後退していった。
これ以上の追撃は無駄。
それにこう判断したから。

(来い……)

ルフィが必ずこのビルにやってくるという事を。



◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇




「大丈夫か……二人とも」

異変を嗅ぎ付けルフィはトイレからすかさず帰還していた。
そして傍らに居る二コラスたちの無事を確認する。

「ええ……二コラスのお陰で」
「そっか。お前ら二人で逃げろ」
「はっ? 何言ってるの?」
「麦わら……おんどれ、一人で」

にかって笑ったルフィはウルフウッドの問いに笑う事で肯定する。
そう、バラライカに一人で戦うという事。
ウルフウッドの顔色を変えずそれを否定した

「ワイも加勢するで。武装は心もとな……」
「いや、いい」
「なんでや?」
「一緒に居た……エルルゥの仇なんだ。おれがあいつをブッ飛ばす。絶対だ」
「……」

ウルフウッドは押し黙る。
それだけルフィの表情は真剣で。
意地でも引かない目をしていた。
それに敵討ちと言われたら……もう口出しはできなかった。

「おまえもさ梨花、まもってやれよ、すんげーー仲良さそうだったぞ」
「なっ!?」

いししと笑いルフィはウルフウッドを見て背を向ける。
もう語る言葉もないといわんばかりに。
ウルフウッドも背を向け。
そして

「死ぬんやないで」
「おうよ」

そう言葉をかける。
今はこれで充分。
ルフィの為にもここで死ぬわけには行かない。

「いくで、梨花」
「え、ええ」

ウルフウッドは梨花の手を持ち駆け出す。
互いに生き延びる事を信じて。

それを見送くり、姿を見えなくなったのを確認したルフィはスーッと息を吸いそ

「エルルゥの仇……お前をブッ潰す!」

ビルに篭っているバラライカに聞こえるような大声を出して。
敵討ちを誓う。
そして


「俺の名はルフィ! 海賊王になる男だ!」


名を告げる。

己の夢を乗せて。

もう二度と仲間を失わない為に。

ルフィは―――ビルに突入した。


【D-4 中央部 ビルの目の前 1日目 午前】
【モンキー・D・ルフィ@ワンピース】
[状態]:右手のひらに切り傷 、左肩から胸にかけて浅い切り傷、右足ふくらはぎに深い切り傷、中度の疲労 ウソップ達の死に悲しみ(出来るだけ我慢している)
[装備]:なし
[道具]:基本支給品一式 ・三代目鬼徹@ワンピース、エルルゥの首飾り@うたわれるもの
[思考・状況]
 0:エルルゥの敵を倒す  
 1:エルルゥの仲間を探し、エルルゥの墓前に連れて行く
 2:ギラーミンブッ飛ばす!
 3:ワニ(クロコダイル)は会ったらブッ飛ばす!
 4:一応探すけど、ゾロ達は一人でも大丈夫だ!
 5:翠星石蒼星石、水銀燈、クーガーとの合流。カズマには注意。
【備考】
 ※原作44巻(第430話)終了後から参戦。
  ギア2およびギア3の能力低下、負荷は凄まじいものになっています。
 ※悟史の金属バッド@ひぐらしのなく頃に、基本支給品一式、アミウダケ@ワンピース 、サカキのスピアー@ポケットモンスターSPECIAL、
  庭師の如雨露@ローゼンメイデンはデイバックに詰められ、エルルゥの墓の前に置かれています
 ※真紅、あすかと情報交換をし、一回目の放送までの二人の行動を大体知りました。また、会場がループしている事も聞きました。
 ※ウルフウッド、梨花と情報交換しました。



◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇



(仇討ちか)

バラライカは狙撃とは違うビルの一室でルフィの叫びを聞く。
目を閉じながらしばしの休息をしていた。
かたき討ちをバラライカは否定する気は無い。
だが

(感情的になりすぎるな……見えることも見えなくなる)

感情のままに行動する事を否定する。
現にルフィは既に失敗しているのだから。
バラライカはこのビルを回り構造を熟知している。
隠れる事のできる場所も見つけた。
すでに地の利を得ている。
いわばここはバラライカの狩場。

ルフィは感情のままに狩場にやってきたのである。
ルフィに利く刃物はここにおいてあった包丁、ウルフウッドが投擲したグルカナイフと充分だ。
通り抜けフープもあり壁も移動する事も可能だ。
つまり

(チェックメイトだ)

ルフィを狩る準備は万端なのだ。


バラライカは立ち上がり先を見据える。

二度と同じ獲物を逃がしたりはしない。

さあ始めよう。

「さて、憐れな子羊を―――狩るとするか」



バラライカの―――狩りの時間を。


【D-4 中央部 ビルの3階のある一室 1日目 午前】
【バラライカ@BLACK LAGOON】
[状態]:腹部に中程度のダメージ、身体全体に火傷(小)、頬に二つの傷
[装備]:デザートイーグル(5/8、予備弾×24)AK47カラシニコフ(30/40、予備弾40×3)、包丁 シェンホアのグルカナイフ@BLACK LAGOON
[道具]:デイパック(支給品一式×3)、デイパック2(支給品一式×1/食料一食分消費)、AMTオートマグ(0/7)、不死の酒(空瓶) 、探知機
     のび太の不明支給品(1~3)、ヴァッシュ・ザ・スタンピードの手配書×二枚、通り抜けフープ、
[思考・状況]
  0:ルフィを狩る。
  1:戦争(バトルロワイアル)を生き抜き、勝利する。


 ※のび太から、ギラーミンのことや未来のこと、ドラえもんについてなどを聞き出しました。
 ※のび太の不明支給品の中には武器、秘密道具に属するものはありません。
 ※ヴァッシュ・ザ・スタンピードの手配書×二枚に『モヒカン男と麦藁帽子の男に気を付けろ byストレイト・クーガー』とメモ書きされています。
 ※デイパックを二つ持っています。
 ※ビルの構造を熟知しています。
 ※5階建てのビルで中規模のビルです、




◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇






「ニコラス」
「なんや」

ルフィに逃がされ走っている二人。
とりあえず体力のつづく限り走っていた。

「有難う、助けてくれて」
「気にすんなや……それにや」

手をつなぎながら走る二人。
そしてウルフウッドは言葉を続ける。

「とりあえず……この殺し合いの間は面倒みてやる。後は知らん」


その言葉に梨花は笑った。


満面の。

満面の笑みで。





◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇





何故。

何故自分はこんな事を言うんや。


ああ。

自分は気付かず人を救い続けようとしてんのか?

アイツのようになろうとしてんのか?

違う。
違う。

幻想や。

唯の幻想。

悪党はあくまで悪党。

希望など無い。


だから梨花を救おうなんて無駄や


せやのに。


何故。

何故。

梨花を救いたいと思う?


何故や。



何故


何故や……?


二コラス・D・ウルフウッド




【E-5 西部 1日目 午前】
【古手梨花@ひぐらしのなく頃に】
[状態]:健康 (少々の不安はあるが前向きに)
[装備]:なし
[道具]:支給品一式、王の財宝(の鍵剣)、インデックスの修道服@とある魔術の禁書目録、ミッドバレイのサクソフォン(内蔵銃残弾100%)@トライガン・マキシマム
[思考・状況]
 1:ニコラスと行動
 2:必ず生き残る。
 3:圭一達を見つける。
 4:安全な場所に行きたい。
 5:ルフィが心配
 ※王の財宝の使い方(発動のさせ方)を分かっていません。(説明書もありません)
 ※ウルフウッドを信頼、けどちょっとむかつく。
 ※電車に誰か(橘あすか)が乗っているのに気づきました真紅に気づいたかどうかは不明です。
 ※サクソフォンの内蔵銃に気付いていません。
 ※スタープラチナに適正を持っています。僅かな時間ですが時止めも可能です。
 ※クレアの姿を確認していません。
 ※スタンドDISC『スター・プラチナ』を落とした事に気付いていません。
 ※ルフィと情報交換しました。



【ニコラス・D・ウルフウッド@トライガン・マキシマム】
[状態]:健康
[装備]: [道具]:基本支給品(地図と名簿は二つずつ) デザートイーグル50AE(使用不能)
 SPAS12(使用不能)チーゴの実×3@ポケットモンスターSPECIAL シェンホアのグルカナイフ@BLACK LAGOON
[思考・状況]
 1:襲われたら返り討ち、必要以上に危険な事に首は突っ込まない。血まみれの謎の男(クレア)を警戒
 2:古手梨花を守る
 3:ヴァッシュとの合流、リヴィオとの接触
 4:ジュンを殺害した者を突き止め、状況次第で殺す。
 5:武器を手に入れる、出来ればパ二ッシャー
 6:この木の実結構ウマイ
 ※スタンドDISC『スター・プラチナ』を落とした事に気付いていません。
 ※ルフィと情報交換しました。
 ※自身が梨花の事を名前で読んでる事に気づいていません。




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最終更新:2012年12月02日 19:26