nanasihennkagura @ ウィキ
シェパード1
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nanasihennkagura
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アサシンとして生まれ落ちる。
それは母親の腹の中に宿る前、生まれる前から決定づけられていた。
生まれてすぐ耐え難い痛みと飢えの苦しみを教わった。
親の愛も、友情も知らずに 育った。
親の愛も、友情も知らずに 育った。
痛みと苦しみの次は人を殺す術を教わった。
それ以外に何も学ばず、何も得ず。空虚な人生。
それ以外に何も学ばず、何も得ず。空虚な人生。
何もかもが虚無であり、飢えを凌いで、傷つくことだけを恐れ、ただ生きていく。
誰かの道具として生きる。
やがて誰からも記憶されず、俺は虚空に消え去る。そう決められていた。
誰かの道具として生きる。
やがて誰からも記憶されず、俺は虚空に消え去る。そう決められていた。
―生きるとはなんだ?
疑問と疑念は尽きなかった。
マスターは「自分で探せ」と冷たく言い放つ。
マスターは「自分で探せ」と冷たく言い放つ。
俺は探すことにした。
そして。
たべることの喜びを知った。
未知を知る喜びを知った。
好かれ 信頼されることの喜びを知った。
たべることの喜びを知った。
未知を知る喜びを知った。
好かれ 信頼されることの喜びを知った。
自分だけではなく、よく知る者が喜ぶ姿に、心が湧き上がった。
死人同然だった俺は、人になれた気がした。
死人同然だった俺は、人になれた気がした。
気がつけば俺の周りには人が大勢いて、
安全な寝床より居心地のいい場所があった。
安全な寝床より居心地のいい場所があった。
だが、守らなければならなかった。
そこでは常に死が付き纏う。
そこでは常に死が付き纏う。
だから 守ることにした。貴族の温室に咲く花のように丁寧に。
花が咲き 実が成就するそのときまで 害虫は駆除しなければならない。
花が咲き 実が成就するそのときまで 害虫は駆除しなければならない。
いつか実が成就したとき、俺は生きる意味を知り、生きた証を 残せるかもしれない。
