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ギルドについて
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概要
ファンタジーではおなじみの冒険者ギルドについて 個人的な考えを考察・まとめる。
※ソードワールドではありません
ギルドの意味
ギルド【guild】 の解説
1 中世ヨーロッパの都市で発達した商工業者の独占的、排他的な同業者組合。商人ギルドは11世紀に、手工業ギルドは12世紀に成立。13~14世紀には各都市の政治・経済を支配したが、16世紀以降衰退。
1 中世ヨーロッパの都市で発達した商工業者の独占的、排他的な同業者組合。商人ギルドは11世紀に、手工業ギルドは12世紀に成立。13~14世紀には各都市の政治・経済を支配したが、16世紀以降衰退。
2 MORPG(複数参加型のオンラインゲーム)などで、プレーヤーが集まって作るグループ。
出典:goo辞書
現代において
現代においても、商工会議所・商工組合・労働組合などといった形で残っている。
時代や世界観が違うので、あくまで近い組織。
時代や世界観が違うので、あくまで近い組織。
本題
ギルドは西ヨーロッパの中世において、商人や手工業者などの自営業者が、
生活のさまざまな面で相互に助け合うために結成した身分的な職業団体である。
生活のさまざまな面で相互に助け合うために結成した身分的な職業団体である。
その主な成立目的は、個々の「利益」にある。
主に平民で構成された商人や職人たちは、立場が弱い。
貴族に逆らえず、常に戦争に巻き込まれ搾取される立場にあった。
主に平民で構成された商人や職人たちは、立場が弱い。
貴族に逆らえず、常に戦争に巻き込まれ搾取される立場にあった。
そのため、集団となって社会的・政治的な発言力を持つことで、
既得権益を守るために自然と設立された。
既得権益を守るために自然と設立された。
最もわかりやすい例では商品の価格設定。
中世では仕入れ価格が乱高下しやすい。そのため商品を値上げすることも多かった。
だが、自分の店だけ価格を上げても、他店に客を取られるだけ。
しかし、ギルドで価格を決めておけば、街の客はその値段で買う以外の選択肢がない。
よって店の利益が損なわれることがない。
価格を安くする場合も同様で、他店から客を独占して反感を買われることもない。
中世では仕入れ価格が乱高下しやすい。そのため商品を値上げすることも多かった。
だが、自分の店だけ価格を上げても、他店に客を取られるだけ。
しかし、ギルドで価格を決めておけば、街の客はその値段で買う以外の選択肢がない。
よって店の利益が損なわれることがない。
価格を安くする場合も同様で、他店から客を独占して反感を買われることもない。
他にも、新規事業・新規事業者の審査。
自分たちの得になると思う要素か否か審査することで、敵・不利益になると思えば排除してしまえる。
自分たちの得になると思う要素か否か審査することで、敵・不利益になると思えば排除してしまえる。
また、個々の地位は低くとも大勢集まることで発言力が強くなる。
全員で示し合わせて、ストライキを行えば領主や国の税収が少なくなり、
街全体の経済は停滞するし民は飢えるかもしれない。
税収が少なくなるということは、貴族が抱える兵士や召使いなどへの賃金も支払えなくなるということ。
つまりは脅迫や交渉が可能になる。
全員で示し合わせて、ストライキを行えば領主や国の税収が少なくなり、
街全体の経済は停滞するし民は飢えるかもしれない。
税収が少なくなるということは、貴族が抱える兵士や召使いなどへの賃金も支払えなくなるということ。
つまりは脅迫や交渉が可能になる。
この辺りは多くのフィクション作品でも描かれている。
所謂なろう作品で関わる部分は、多くは新規事業・新規事業者の部分だ。
主人公が商売しようとすると、その知識を得ようとしたり、商売を認めなかったり、ギルドが悪役に描かれることがある。
所謂なろう作品で関わる部分は、多くは新規事業・新規事業者の部分だ。
主人公が商売しようとすると、その知識を得ようとしたり、商売を認めなかったり、ギルドが悪役に描かれることがある。
冒険者ギルド
ファンタジーの定番……のように思われている。
いわゆるなろう作品には数多くの冒険者ギルドが当たり前のように登場する。
しかも、かなり繁盛する様で、殆どの世界にかなり大きな組織として存在するように見える。
しかも、かなり繁盛する様で、殆どの世界にかなり大きな組織として存在するように見える。
王族の血筋であるはずの、公爵などがギルドマスターを行っているパターンすらある。
どの世界においても、それほど重要な組織として扱われている。
どの世界においても、それほど重要な組織として扱われている。
また、高級品であるはずの紙を簡単に発行して、住所不定・身分不明の相手に冊子を配ったり、
ギルド登録の際に記入させる登録用紙、ボードに張り出される各依頼票など。
産業などは現実の中世レベルに見えるが、紙をふんだんに使えるほど豊か。
ギルド登録の際に記入させる登録用紙、ボードに張り出される各依頼票など。
産業などは現実の中世レベルに見えるが、紙をふんだんに使えるほど豊か。
また、受付嬢には即座に薬草の種類を見抜いたり、計算ができる知力、言語能力、
ギルドマスターに気軽に声をかけ確認など、地位も必要になるようだ。
ギルドマスターに気軽に声をかけ確認など、地位も必要になるようだ。
ギルドの数多くは地域限定の組織であり、成り立ちは上記に述べた通り。
同じ名前のギルドがあったとしても、繋がりの無い、もしくは薄い別組織が殆ど。
同じ名前のギルドがあったとしても、繋がりの無い、もしくは薄い別組織が殆ど。
しかしながら、多くの作品に登場する冒険者ギルドは身分証明書を提示すると、
即座にそのランクに応じた扱いをあらゆる都市で受けられる。
即座にそのランクに応じた扱いをあらゆる都市で受けられる。
真剣に考えてみる
作品の中で描かれるこれらような展開を、ごく当たり前のように感じるだろうが、実はかなり異常だ。
名刺の肩書きに役職がついてれば、みんなスゴイ人だと思うか?
事業内容や規模を問わず『社長』なら全員年収一千万円以上だと思うか?
履歴書に『生徒会長を務めました』と書いてあれば、バイトリーダーを任せても大丈夫だと思うか?
ゴールド運転免許証の持ち主は、後にも先にも無事故無違反優良運転手だと思うか?
名刺の肩書きに役職がついてれば、みんなスゴイ人だと思うか?
事業内容や規模を問わず『社長』なら全員年収一千万円以上だと思うか?
履歴書に『生徒会長を務めました』と書いてあれば、バイトリーダーを任せても大丈夫だと思うか?
ゴールド運転免許証の持ち主は、後にも先にも無事故無違反優良運転手だと思うか?
そんなわけはないだろう。
たしかに権威主義な人は多い。肩書きが立派ならば、その人物そのものも立派だと、勝手な色眼鏡で見てしまうことは多々ある。
しかしあくまで一般レベルの話であり、業務上必要な手続きを踏むなら別だ。色眼鏡は外して考えるはずである。
たしかに権威主義な人は多い。肩書きが立派ならば、その人物そのものも立派だと、勝手な色眼鏡で見てしまうことは多々ある。
しかしあくまで一般レベルの話であり、業務上必要な手続きを踏むなら別だ。色眼鏡は外して考えるはずである。
そのランク相当だと認められたとした場合。
他所の街でも同じ扱いを受けられるかというと、否。
そもそもギルドとは、既得権益を守るための組合なため、
他所の街を拠点に活動する、実績と信頼ある冒険者たちを優遇し、新参者は後回しにするはず。
他所の街でも同じ扱いを受けられるかというと、否。
そもそもギルドとは、既得権益を守るための組合なため、
他所の街を拠点に活動する、実績と信頼ある冒険者たちを優遇し、新参者は後回しにするはず。
しかしながら、多くの作品では、そのようになっていない。
街どころか国を移動しても、冒険者ギルドが発行する身分証明書は、恣意的でない限りどこでも同じ評価を受けることができる、謎に高い信頼性がある。
街どころか国を移動しても、冒険者ギルドが発行する身分証明書は、恣意的でない限りどこでも同じ評価を受けることができる、謎に高い信頼性がある。
そして、なぜか国内どころか、超国家規模のネットワーク化がされた、全世界規模の超巨大組織として描かれている。
現代でもそんな企業、ざらにはない。国際機関でも全世界どこの国にも窓口があるわけではない。
そんな巨大組織を中世レベルで作られているということになる。
そんな巨大組織を中世レベルで作られているということになる。
魔法による、誰でも使えるリアルタイム通信や、現代の鉄道・飛行機並の輸送技術が確立しているなら、話は変わる。(誰でも使えるというのが大事)
だが移動は人の足か帆船、離れた場所への連絡は手紙を運ぶしかないなら、絶対にそんな組織は作れない。
だが移動は人の足か帆船、離れた場所への連絡は手紙を運ぶしかないなら、絶対にそんな組織は作れない。
世界が日本列島サイズだったとしても、本部から指示を出すだけでも、全ての支部に届くのに一年くらい平気でかかるだろう。
加えて山賊や盗賊、連絡員の病死・事故死などもあり得る。
しかも異世界では魔物の脅威もある。連絡員が死亡、手紙の紛失などで、連絡が届かないことも珍しくないだろう。
それで足並み揃えた業務ができるはずがない。
加えて山賊や盗賊、連絡員の病死・事故死などもあり得る。
しかも異世界では魔物の脅威もある。連絡員が死亡、手紙の紛失などで、連絡が届かないことも珍しくないだろう。
それで足並み揃えた業務ができるはずがない。
そして魔法によって、誰でも使える、現代に匹敵する通信・輸送技術があれば……とは前述しているが、これを定義してしまうと、前提を否定してしまう。
それは『中世ヨーロッパ』の枠内に収まらない。
どう考えても、産業革命以後の技術レベルだ。歴史や世界史の教科書では『近世』に入る。
それは『中世ヨーロッパ』の枠内に収まらない。
どう考えても、産業革命以後の技術レベルだ。歴史や世界史の教科書では『近世』に入る。
しかも冒険者ギルドで独占しているため、一般化されていないといった事態は考えられない。
それらの技術は政治や軍事、日常生活における重要性がハンパない。独占しようとしたら、間違いなく為政者たちは技術を得るために、実力行使する。王侯貴族の横暴さをナメたら市民は死ぬ。
それらの技術は政治や軍事、日常生活における重要性がハンパない。独占しようとしたら、間違いなく為政者たちは技術を得るために、実力行使する。王侯貴族の横暴さをナメたら市民は死ぬ。
そうなれば冒険者ギルドの末路は、決まっている。
1、物理的に叩き潰されて存在そのものを抹消される。
2、技術を公開することで通信会社・物流会社として生まれ変わり、近代国家へ進化する手助けを行う。
3、技術をネタに秘密結社化して世界を裏から牛耳る。
どれにせよ『冒険者ギルド』という形では、公然に存在できない。
1、物理的に叩き潰されて存在そのものを抹消される。
2、技術を公開することで通信会社・物流会社として生まれ変わり、近代国家へ進化する手助けを行う。
3、技術をネタに秘密結社化して世界を裏から牛耳る。
どれにせよ『冒険者ギルド』という形では、公然に存在できない。
前提として、中世ヨーロッパ風異世界は、封建制の国ばかりだ。
●中世封建制度(フューダリズム)
フューダリズム(Feudalism)とは歴史学において中世北西部欧州社会特有の支配形態を指した用語であり、「封建制」と訳される。土地と軍事的な奉仕を媒介とした教皇・皇帝・国王・領主・家臣の間の契約に基づく緩やかな主従関係により形成される分権的社会制度で、近世以降の中央集権制を基盤とした主権国家や絶対王政の台頭の中で解消した。
(出典:wikipedia 封建制)
大半の人は身分制度、つまり「国王とか領主がいたら封建制」くらいの認識でしかないだろう。
だから土地のことについて、作品の作者も読者もあまり頓着しているとは思えない。
だから土地のことについて、作品の作者も読者もあまり頓着しているとは思えない。
厳格な身分制度のもと、土地の所有権あるいは使用権を与えられ、生活を営む。
軍事のことを除けば、封建制社会は、それが基本形となる。
土地の外に出るのが前提のグローバル化と著しく相性が悪いというか、真っ向からケンカを売っている。
軍事のことを除けば、封建制社会は、それが基本形となる。
土地の外に出るのが前提のグローバル化と著しく相性が悪いというか、真っ向からケンカを売っている。
移動は基本人間の足、あっても馬車な時代なので、技術的な問題もある。魔法がある異世界でも、この基本原則は変わっていない。
だがそれ以外の理由で、人が移動することは、領主も納得のなんらかの理由がない限り、まず不可能だ。
やはり一番は経済的な問題だろう。
やはり一番は経済的な問題だろう。
領地というものを、現代日本の都道府県くらいに考えてはならない。江戸時代の藩政ともやや異なるので、この辺りの感覚は現代日本人には理解しにくいだろう。
分け与えられた土地はひとつの国で、その責任者は小さな王様であると考えるべきだ。
分け与えられた土地はひとつの国で、その責任者は小さな王様であると考えるべきだ。
領主は自分の領地でやりたい放題。関所の出入りで通行税、徒歩税・車税・橋税・河川税・浅瀬税など、「払いたくなければ出て行け」と言わんばかりに、移動だけで税金を搾取しまくれる。
交通費が払える経済力の持ち主――貴族と商人以外、移動は実質不可能になる。
しかもその中でも有力な者に限るのである。
交通費が払える経済力の持ち主――貴族と商人以外、移動は実質不可能になる。
しかもその中でも有力な者に限るのである。
更に言えば、「移動してどうするの?」という問題もある。
農民は土地を耕してればいい。
職人はモノ作って売ってればいい。
移動する必要があるのは、大商人と役人と兵隊、あと犯罪者くらい。
身分制度があるため、領主が通行の融通を利かせなければいけない相手は、ごく限られている。
農民は土地を耕してればいい。
職人はモノ作って売ってればいい。
移動する必要があるのは、大商人と役人と兵隊、あと犯罪者くらい。
身分制度があるため、領主が通行の融通を利かせなければいけない相手は、ごく限られている。
だから民間人の移動、見知らぬ土地への旅行という娯楽なんて、概念そのものが少ない。
江戸時代後期のお伊勢参り、イスラム教のメッカ巡礼みたいに、宗教的背景がない限りは。
江戸時代後期のお伊勢参り、イスラム教のメッカ巡礼みたいに、宗教的背景がない限りは。
つまり、冒険者ギルドが世界征服する。
圧倒的な財力・政治力・軍事力をもって全国家にケンカを売り、その全てに完全勝利して侵略し、スペースオペラでしか見たことがない惑星唯一の超巨大連邦国家を建国する。
圧倒的な財力・政治力・軍事力をもって全国家にケンカを売り、その全てに完全勝利して侵略し、スペースオペラでしか見たことがない惑星唯一の超巨大連邦国家を建国する。
その中でA帝国、B公国、C王国という『州』が独自に活動している状態にし、冒険者制度を共通の法とする。
それならば、問題のほとんどは一応の解決を見る。よくある描かれ方がされている冒険者ギルドのまま、作ることも不可能ではない。建国当初は悪として語り継がれ、住所不定・身分不明の冒険者たちはとてつもなく恐れられるだろうが、一世代も誠実に活動を続けていれば、そんな評判も徐々に払拭されていくだろう。
それならば、問題のほとんどは一応の解決を見る。よくある描かれ方がされている冒険者ギルドのまま、作ることも不可能ではない。建国当初は悪として語り継がれ、住所不定・身分不明の冒険者たちはとてつもなく恐れられるだろうが、一世代も誠実に活動を続けていれば、そんな評判も徐々に払拭されていくだろう。
城壁に囲まれた都市内、その人通りが多い場所に冒険者ギルドは建つ。
外から訪れた冒険者たちは、まず町の警備兵たちによる検問を受け、城塞都市内に入る。
その際に通行料が徴収されるか、身分証明書の提示が求められる。
身分証明書がない場合でも、『これから冒険者ギルドで登録する』と保証金を払えば、仮の証明書で都市内に入ることができる。
外から訪れた冒険者たちは、まず町の警備兵たちによる検問を受け、城塞都市内に入る。
その際に通行料が徴収されるか、身分証明書の提示が求められる。
身分証明書がない場合でも、『これから冒険者ギルドで登録する』と保証金を払えば、仮の証明書で都市内に入ることができる。
テンプレと呼ばれる作品の序盤で、よく見られる展開だろう。
社会や物事の道理を多少なりとも知っていれば、これは絶対にありえないとわかるはず。『フィクションだから』で済むレベルではなく、作者は知らず知らずのうちに、人並の思考すら不可能な馬鹿キャラを揃えてしまっている。
為政者が仕事として、誰しも共通して日常的に警戒しなければならないのは、自国・自領の人の出入りだ。
これは現代でも同じだ。パスポートという身分証明書と、その発行費用を必須とし、入出国の際には厳重に審査されている。
そういう法や制度がないから、自由に出入りできた、と考えるのは違う。
これは現代でも同じだ。パスポートという身分証明書と、その発行費用を必須とし、入出国の際には厳重に審査されている。
そういう法や制度がないから、自由に出入りできた、と考えるのは違う。
家の鍵などかけたことがない田舎モノが都会に出てきて、オートロックじゃないからと同じ意識で生活していて空き巣に入られたら、笑われるだろう。
整備されていないからこそ、自分たちでセキュリティを工夫して食い止める必要があるのだ。
整備されていないからこそ、自分たちでセキュリティを工夫して食い止める必要があるのだ。
都市に入る人間を警戒しなければならないのは、想像しやすいだろう。
スパイや犯罪者、禁止物品や病原菌を持ち込ませないために、水際で食い止める。
スパイや犯罪者、禁止物品や病原菌を持ち込ませないために、水際で食い止める。
忘れがちだが、出る人間も警戒しなければならない。
技術などの情報、他地に秘密にしている物品が流出する可能性があるからだ。
大人数が街から逃げた場合、税収にも響く。
技術などの情報、他地に秘密にしている物品が流出する可能性があるからだ。
大人数が街から逃げた場合、税収にも響く。
では、冒険者。
住所不定、自称冒険者。
金さえ貰えればどんな依頼でも引き受ける。
武器を持っている。
魔法を使える。
自国民だけでなく他国民、人間どころか獣人やエルフ・ドワーフといった異人種がいる。
真っ先に職務質問されること間違いなしの怪しい連中である。
そんなの簡単に街に受け入れてたら、警備兵も、そんな制度を作った責任者も、『無能』以外に評する言葉がない。
住所不定、自称冒険者。
金さえ貰えればどんな依頼でも引き受ける。
武器を持っている。
魔法を使える。
自国民だけでなく他国民、人間どころか獣人やエルフ・ドワーフといった異人種がいる。
真っ先に職務質問されること間違いなしの怪しい連中である。
そんなの簡単に街に受け入れてたら、警備兵も、そんな制度を作った責任者も、『無能』以外に評する言葉がない。
都市内・国内に、冒険者ギルドの存在意義はない。
職業安定所や人材派遣会社としてなら、需要があるだろう。それを作ることで経済が回り、税収が増えるなら、為政者にとっても歓迎すべきことだ。
しかし、だからといって、身元がハッキリしない最下層構成員までもを、検問をほぼ顔パスできる権限を与えるわけはない。
職業安定所や人材派遣会社としてなら、需要があるだろう。それを作ることで経済が回り、税収が増えるなら、為政者にとっても歓迎すべきことだ。
しかし、だからといって、身元がハッキリしない最下層構成員までもを、検問をほぼ顔パスできる権限を与えるわけはない。
為政者の立場から冒険者ギルドの使いどころを探ろうとしても、かなり厳しい。
まず、冒険者からは直接的な税を取りにくい。
市民権を持っていないなら、人頭税といった住民税は取れない。
土地を持っていないなら、地代や死亡税 (相続税)は取れない。
商売をしていないなら、市場税や流通の間接税も取れない。
賦役、つまり労働力を税として徴収しようにも、冒険者たちの言動から考えて、数が集まるとは思えない。
取れるとすれば、通行関連の税くらいだろう。
市民権を持っていないなら、人頭税といった住民税は取れない。
土地を持っていないなら、地代や死亡税 (相続税)は取れない。
商売をしていないなら、市場税や流通の間接税も取れない。
賦役、つまり労働力を税として徴収しようにも、冒険者たちの言動から考えて、数が集まるとは思えない。
取れるとすれば、通行関連の税くらいだろう。
冒険者ギルドという組織と建物を作れば、色々と搾取できるだろうが、為政者の立場からすると、税というメリットよりも、無法者を引き入れるデメリットが目立つ。
また、家無し流浪の民である冒険者達は居心地が悪ければ簡単に移動しようとするだろう。
また、家無し流浪の民である冒険者達は居心地が悪ければ簡単に移動しようとするだろう。
各地を旅する交易商人との違いはそこにあり、経済活動に貢献しているか否かだ。ある程度の資産を持っていることも多く、そういった場合商人たちは責任感ある態度を取るため信用も得やすい。
当然だが利益や資産を守るために悪いことはしないし、領主の機嫌を損ねるようなことは控えるのである。
当然だが利益や資産を守るために悪いことはしないし、領主の機嫌を損ねるようなことは控えるのである。
冒険者の身元が確かだと、他国・他領で揉め事を起こしたら、開戦の切っ掛けになる可能性もある。言いがかりだろうとなかろうと、国主・領主が送り込んだテロリストではないと証明できない。
だから国主・領主は、そんな流浪の問題児など、絶対に自領の者だと認めないはずである。
だから国主・領主は、そんな流浪の問題児など、絶対に自領の者だと認めないはずである。
盗賊ギルドと比較
無法者たちを駆逐できないのであれば、無法者たちの間で秩序を作れば良い。という考えは中世の時代から存在する。
盗賊ギルドのように必要悪として裏社会を管理できる存在として認め、政治家が利用しあう関係を築くという例は、歴史にもよくある。
盗賊ギルドのように必要悪として裏社会を管理できる存在として認め、政治家が利用しあう関係を築くという例は、歴史にもよくある。
しかし冒険者ギルドをそのように使うのは、不可能だ。なによりまず、表社会に堂々と出てる時点でおかしい。
盗賊ギルドも本来のギルドと同様、土地に根付いて縄張りを作り、同業種の新参者は排除するのが基本だ。
冒険者ギルドは、その土地の人間ではない者が出入りするのを前提としているので、性質が違う。
盗賊ギルドも本来のギルドと同様、土地に根付いて縄張りを作り、同業種の新参者は排除するのが基本だ。
冒険者ギルドは、その土地の人間ではない者が出入りするのを前提としているので、性質が違う。
武力として
戦争や魔物の大規模進行などで、多数の冒険者が兵士と共に戦うといった作品もあるが、予備兵力と見なすのも、かなり厳しい。
冒険者は、兵士や騎士といった正規軍とは異なる。これは多くの作品で共通している。
そして傭兵とも異なる。『傭兵』という職業の存在自体が描写されていない場合も多いが、同一の存在と見るには違和感がある。
個人個人はさておいて、総括的に言えば、冒険者は基本的にはスペシャリストではない。ほどほどに旅慣れ、ほどほどに武力を使え、ほどほどに護衛ができ、ほどほどに調査も行える、中途半端な存在。
そして傭兵とも異なる。『傭兵』という職業の存在自体が描写されていない場合も多いが、同一の存在と見るには違和感がある。
個人個人はさておいて、総括的に言えば、冒険者は基本的にはスペシャリストではない。ほどほどに旅慣れ、ほどほどに武力を使え、ほどほどに護衛ができ、ほどほどに調査も行える、中途半端な存在。
『魔物と戦うスペシャリスト』という意見もあるかもしれないが、それは絶対にない。
魔物が日常的な危険として存在する世界で、軍隊が魔物を脅威として考慮していなかったら、国や街、市民や貴族を守る気があるのかという問題になる。
魔物と戦うスペシャリストは、軍隊であるはずだ。日常的に訓練を行い、領内の見回りと調査を行い、出現したら討伐も行っている。
魔物が日常的な危険として存在する世界で、軍隊が魔物を脅威として考慮していなかったら、国や街、市民や貴族を守る気があるのかという問題になる。
魔物と戦うスペシャリストは、軍隊であるはずだ。日常的に訓練を行い、領内の見回りと調査を行い、出現したら討伐も行っている。
結論
よって、ルールブックに記載されている通り、冒険者は非常にアウトローな存在である。
ギルドを作り国家レベルで組織立って動くなど以ての外だろう。
ギルドを作り国家レベルで組織立って動くなど以ての外だろう。
もちろん例外は存在する。
ラヴァンフォース=ライオネルなどは典型的な例で、現代的な価値観に当てはめるなら「冒険家」「探検家」に近い。
ラヴァンフォース=ライオネルなどは典型的な例で、現代的な価値観に当てはめるなら「冒険家」「探検家」に近い。
冒険家とは、
地理上の発見に貢献した人たち、クリストファー・コロンブスからヴァスコ・ダ・ガマ、また商業上の目的や地理的な探検、文化的な使節の職務として困難な旅に敢えて挑んだその他の人々、マルコ・ポーロ、「さまよえる湖」のスヴェン・ヘディン、仏教を日本に伝えた唐僧鑑真など。そのほかの人々や新しい技術、科学的な発見に寄与した人たちも広義では冒険者の範疇に算入できる。
地理上の発見に貢献した人たち、クリストファー・コロンブスからヴァスコ・ダ・ガマ、また商業上の目的や地理的な探検、文化的な使節の職務として困難な旅に敢えて挑んだその他の人々、マルコ・ポーロ、「さまよえる湖」のスヴェン・ヘディン、仏教を日本に伝えた唐僧鑑真など。そのほかの人々や新しい技術、科学的な発見に寄与した人たちも広義では冒険者の範疇に算入できる。
(出典:Wikipedia)
ラヴァンは身分に裏付けされた信用で街の外を出歩き問題を解決し、未知の遺跡や廃墟を探索、古代の技術を発掘してくるのである。
出所がハッキリしており、身分証を偽造などすればそれに加担した者たちも含めて死刑になるためおいそれとは偽造できず、彼らしか持たない押印などもある。
家柄の評判も悪くないとあれば、疑う余地は殆ど無く歓迎までは行かないでも、招き入れる領主は多いはずだ。
出所がハッキリしており、身分証を偽造などすればそれに加担した者たちも含めて死刑になるためおいそれとは偽造できず、彼らしか持たない押印などもある。
家柄の評判も悪くないとあれば、疑う余地は殆ど無く歓迎までは行かないでも、招き入れる領主は多いはずだ。
なお、有名な冒険家コロンブスは市民であったが、著名な貴族や豪商などの後ろ盾があった。