情報交換も兼ねて、幾つかの話をした。
そして、俺の予感は確信となった。
「マズイ・・・な。あいつに見つからないうちに逃げた方が良い。」
「あいつ・・・?」
溜息と共に呟いた声に首を傾げる無。
俺はその姿に、苦笑する事しか出来なかった。
「いいか、無。」
「はい?」
すく、と立ち上がり、小さなその姿を目を細めて見つめる。
「俺から、逃げろ。」
「・・・え?」
「俺と一緒に居ると・・・危ないんだよ。俺もお前も。」
「な、何でですか?僕だって戦えます・・・アインさんの足手まといにはならないですよ?」
「そうじゃないんだ・・・それに、あいつとお前とは相性が最悪に近い。」
「あいつ、あいつって・・・一体さっき誰の事言ってるんです?」
「・・・いいから、逃げろ。」
段々機嫌を損ね始める無。
ったく、姉弟そろって直ぐ顔にでるんだか・・・ら・・・?
「・・・そう・・・だった・・・俺の、探してる人!」
「え、えぇっ!?」
急に声を上げたのに驚いたのだろう、ビクリと振るえる無の肩。
「お前、自分の姉のこと覚えてるか!?」
「姉さんの・・・事・・・ですか・・・?」
無の顔が、疑惑の色に変わっていく。
「アインさん、姉さんの事忘れたんですか?あんなに一緒だったのに。」
その言葉が、深く俺を貫いた。
そうか、俺は、最愛の人の事を忘れていたのか。
「俺・・・何してたんだろうな・・・。」
力なく笑った俺の頬に、冷たい雫が当たる。
「雨・・・?」
ぽつ、ぽつと雨が当たった所から大地が黒色を濃くする。
嫌な、予感がした。
「見つけた・・・・!見つけたよレイ・・・っ!!!!」
「ウズミっ・・・!?」
何でこんなときだけ、予感が当たるのだろう。
思わず前方の蒼の娘の名を口走る。
その声に気付いた彼女の顔から、笑顔が消えた。
「なんだよ・・・まだ生きてたのかよ。」
温かみ等一切無い、氷のように冷たい瞳。
「待っててねレイ。今すぐそいつを殺して僕がレイのお嫁さんになるから!」
にっこりと、美しい笑みを浮かべる彼女。
笑顔の向けられた先に居る彼の口が開く。
「待て・・・っ!」
俺の声が届く前に、無が呟く。
「ごめんなさい・・・・誰、ですか・・・?」
彼女の顔から、笑みが消えた。
あぁ、何故。
悪い予感ばかり当たるんだ。
Forget me not = ワスレナグサ(私を忘れないで、真実の愛)