「・・・ウズミ。」
薄水色のワンピースが、中心部分からじわりと紅に染まっていく。
彼女の血は、止まない雨へと薄れ融けていった。
「何故・・・」
俺が切りつけようとしたとき、ウズミは既にハイドロカノンを撃つ事は出来ていた。
けれど彼女は、撃つのを躊躇った。
「何で・・・だろうね・・・。僕・・・・・・君の事・・・大嫌いな・・・のにっ・・・」
力なく笑う彼女。
言葉は途切れ途切れ。咳と共に出る血に遮られていた。
それでも、彼女は言葉を紡ぐ。
「レイ・・・・」
無が、不安定な足場をゆっくりと降りてきた。
「ねぇ、レイ・・・」
「・・・ごめんなさい、僕はあなたの知ってるレイじゃない。」
「・・・はは、そっか・・・・・・・じゃあ、キミの名前・・・は・・・?」
「僕の名前は・・・無/ゼロ。」
「ぜろ・・・か・・・」
「僕の名前・・・岬、って言うんだ・・・。」
「みさ、き・・・。」
「何で・・・嬉しいんだろう・・・ね・・。レイが・・・僕の名前・・・呼んでくれただけなのに・・・」
「ウズミ・・・いや、岬。もう、喋るな。」
「エイネル・・・だったっけ・・・?ねぇ・・・レイの事・・・お願い。」
「・・・。」
いたい、よ。
彼女は小さく呟いた。
その言葉が、「身体が痛い」のか、「無の傍に居たい」なのかは、俺には分からない。
彼女の瞳は、随分と眠そうだ。
彼女は、俺と同じく死ぬのだろうか。
死んだら、生き返ってまたこの悪夢の中を彷徨うのだろうか。
俺の予感がまだ当たるのならば、きっと。
このままでは、彼女は悪夢から離脱してしまう。
・・・それを、止めるべきか、否かは、俺には分からない。
仮に止めるべきだとしても、きっと俺にはもう彼女を止められないだろう。
「・・・おやすみ、レイ。」
僕は小さく呟いて、ゆっくり瞳を閉じた。
僕の身体にあたるのは、澄みきった、優しい雨。
Flowering club apple = ハナカイドウ(温和、美人の眠り)
薄水色のワンピースが、中心部分からじわりと紅に染まっていく。
彼女の血は、止まない雨へと薄れ融けていった。
「何故・・・」
俺が切りつけようとしたとき、ウズミは既にハイドロカノンを撃つ事は出来ていた。
けれど彼女は、撃つのを躊躇った。
「何で・・・だろうね・・・。僕・・・・・・君の事・・・大嫌いな・・・のにっ・・・」
力なく笑う彼女。
言葉は途切れ途切れ。咳と共に出る血に遮られていた。
それでも、彼女は言葉を紡ぐ。
「レイ・・・・」
無が、不安定な足場をゆっくりと降りてきた。
「ねぇ、レイ・・・」
「・・・ごめんなさい、僕はあなたの知ってるレイじゃない。」
「・・・はは、そっか・・・・・・・じゃあ、キミの名前・・・は・・・?」
「僕の名前は・・・無/ゼロ。」
「ぜろ・・・か・・・」
「僕の名前・・・岬、って言うんだ・・・。」
「みさ、き・・・。」
「何で・・・嬉しいんだろう・・・ね・・。レイが・・・僕の名前・・・呼んでくれただけなのに・・・」
「ウズミ・・・いや、岬。もう、喋るな。」
「エイネル・・・だったっけ・・・?ねぇ・・・レイの事・・・お願い。」
「・・・。」
いたい、よ。
彼女は小さく呟いた。
その言葉が、「身体が痛い」のか、「無の傍に居たい」なのかは、俺には分からない。
彼女の瞳は、随分と眠そうだ。
彼女は、俺と同じく死ぬのだろうか。
死んだら、生き返ってまたこの悪夢の中を彷徨うのだろうか。
俺の予感がまだ当たるのならば、きっと。
このままでは、彼女は悪夢から離脱してしまう。
・・・それを、止めるべきか、否かは、俺には分からない。
仮に止めるべきだとしても、きっと俺にはもう彼女を止められないだろう。
「・・・おやすみ、レイ。」
僕は小さく呟いて、ゆっくり瞳を閉じた。
僕の身体にあたるのは、澄みきった、優しい雨。
Flowering club apple = ハナカイドウ(温和、美人の眠り)