ドラゴンスレイヤー英雄伝説IIのエンディング

※本作はオリジナルとなるPC-8801MkIISR以降の他に、PC-9801VM/UV以降、FM TOWNS、PCエンジン スーパーCD-ROM2、スーパーファミコン、メガドライブ、プレイステーション、セガサターンに移植されていますが、
本項ではそのうちPC-9801版を扱います。


─終章「祈り、そして希望」あらすじ─

5人のマスターを救出したアトラス一行。作戦会議の中、マスター達からイセルハーサの真実の歴史が語られる。
20億年もの昔、イセルハーサには非常に高度な文明が栄えていた。しかし、それは環境を著しく汚染していた事により、アグニージャ*1の怒りに触れ、根こそぎ破壊されてしまった。
生き延びた人類は、万能の機械フレイアの導きで地底に逃れ、コールドスリープに就いた。
長い年月を経て目覚めた彼等は、人工衛星ヨシュアの観測により、新たに繁栄していた事が発覚した地上の人類とは干渉せず地底に留まる事を選び、ファーゲスタ王国を築いた。
それから民達は長らく平和に暮らしていたが、今から20年前、ゴドウィン2世が皇帝を名乗って国を乗っ取り独裁体制が敷かれて以来、一転して苦しい生活を余儀なくされていた。
更にはフレイアをモンスター製造機として悪用し、皇帝もバイオラのマスターに命じて、自身や配下をもモンスターに改造。その力で地底だけでなく地上をも手中に収めんとしていた。

だが、アトラスと仲間達、そしてレジスタンスの活躍によってその野望も崩れ去ろうとしている。

アトラス一行は、皇帝の恐怖政治を打破すべく一丸となったレジスタンス達に続いて、グロストス城へと乗り込んでいく。
その道中で出会ったフラッドは、皇帝に疑念を抱いた為に深手を負わされていた。それまでの非礼を詫びながら、師匠であるフレイアのマスターに看取られて息を引き取る。
更に先へ進む一行の前に、モンスターに改造されたレイシアの父・ガービィが立ちはだかる。アトラスは戦いの合間に現れたレイシアから"太陽の聖剣"を受け取り、これに勝利する。
5人で玉座の間を目指す途中、シンディは橋の崩壊に巻き込まれ、奈落の底へと落ちてしまう。
玉座の間で皇帝と対峙するアトラス。そこに突然割って入った白いドラゴン。それは何と、かつて若き日のセリオス達を背に乗せて大空を飛び回ったドラゴンであり、シンディの真の姿だった。
力を合わせて皇帝を追い詰め、アトラス達は遂に彼を討ち取る。地底と地上、双方に平和が戻った。





アトラスの戴冠式が行われている、ルディア城・城門前。
ディーナ王妃から、王冠を手渡されるアトラス。

セリオス「争いは、いつも、小さなすれ違いから起こる。アトラス、心しておくのだぞ。」

上空から見たルディア。

フレイアの中枢に明かりが点る。
下から伸びる光の中に、その正義の意思エネルギーである女神フレイアが現れる。

フレイア「ありがとう、アトラス。これで、正義が守られました。あなたがたにとって、この機械は、災いの箱。万能の力など、もはや必要ではありません。もう決して、開かれることはないでしょう。
さようなら、アトラス。私は、すべての機能を停止して、眠りにつきます。でも、お別れではないのです。私は、フレイア。希望の女神。いつでも、あなたのそばにいます。
祈りをこめて、大地に種をまくとき、未知を恐れず、大海に船をこぎ出すとき、愛するひとと、大空に夢を描くとき、いつでも、あなたと共にあります。あなたが、私を求めるかぎり。」

一方、ファーレーン王国では…。

草原に群がる街の人々。
アトラス、ランドー、フローラもそこにいる。

フローラ「ねえ、アトラスさま。ドレイクさんもフラッドさんも、本当はいい方たちなのに、どうして、あんなに悲しいことが起きたのでしょう。」
アトラス「たぶん、だれも悪くはないんだよ。もしかしたら、ぼくだって同じことをしたかもしれない。ただ、みんなが、少しずつ誤解しあっていただけなんだ。それだけのことだったんだよ。」

アトラスの頭を撫でるランドー。

ランドー「なに二人で、まとめちゃってんだよ! すぎたことより、これからがたいへんなんだぜ。世界のことを、よろしく頼むぜ、アトラス!」
フローラ「あら、ランドーさん。アトラス皇太子殿下ですわ。」
アトラス「いいんだよ、フローラ。今までどおり、ぼくはただのアトラスさ。これからも、力になってくれるね。」
ランドー「おう。まかせとけ!」
フローラ「お手伝い、いたしますわ。」

再びルディア城へ。
フレイアに祈りを捧げるアトラス。

アトラス「女神フレイアよ。どうか、力を与えてください。みんなが平和に暮らせるように。今よりもっと幸福になれるように。どうか、見ていてください。」

ランドー、フローラ、街の人々。

宇宙から見たイセルハーサ。

背にレイシアを乗せたシンディが地面に降り立つ。

空を仰ぐレイシア。

その後彼女はドレスに着替え、アトラスと握手する。
それを見守るランドー、セリオス王、マスター達。

レイシア「期待しているわ。あなたなら、きっといい指導者になれる。」
アトラス「ありがとう、レイシア。これからは、地上の人間と地底の人間が交流する、新しい世界が始まるんだ。」



遥か宇宙からイセルハーサを見つめる人工衛星ヨシュア。



小さな太陽はやがて父を越え
大きな太陽として輝く。

丘の上から遠くを見渡すアトラス、ランドー、フローラ、レイシア。



─スタッフロール─

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最終更新:2020年05月20日 18:44

*1 前作の最終ボス。巨大なドラゴンの姿をした神で、人間からは「悪神」「破壊神」と呼ばれ恐れられていたが、彼の本当の使命は自然を汚す欲深い人類を滅ぼしてイセルハーサを守る事だった。故に20億年前の大破壊は、自然の恩恵を忘れた人類のエゴが生んだ神罰と言える。