夜。とあるレストランの一室で、天井の一部が切り裂かれ、
切られた破片は地面に落ちる前に糸で吊された。
そこから、クイーンとロコが降りてきた。
クイーン「侵入成功」
ロコ「もっと他に侵入の仕方があるんじゃあ・・・」
クイーン「手っ取り早いのが一番。ロコ、この部屋の何処かにお宝があるはずよ」
クイーンの携帯に電話がかかってきた。
シルバーハート「クイーン」
クイーン「おじいちゃん?」
シルバーハート「クイーン、お前一人で大丈夫かのう?」
クイーン「どういう意味よ、それ?」
シルバーハート「だって心配なんだもん。ワシも一緒に行った方が・・・」
クイーン「もーう、私だってジョーカーやスペードみたいにうまくやるわ。予告状だってちゃんと出したし・・・」
?「ほう、これがお嬢ちゃんが出したのかい?」
いつの間にかに、クイーンの後ろに一人の女性が立っていた。
クイーン「え?」
?「ボナペティ!」
クイーン「きゃ――――!!」
シルバーハート「クイーン、どうしたんじゃーーー!うおっ!?」
シルバーハートは叫んだ拍子にぎっくり腰になった。
翌朝。シルバーハートの元にジョーカーとハチが来た。
ジョーカー「クイーンが行方不明?」
シルバーハート「宝を盗みに行ったまま、連絡が取れないんじゃ・・・クイーンにもしものことがあったら・・・」
ジョーカー「師匠」
シルバーハート「ぎっくり腰なんかになってる場合じゃない!待ってろよクイーン!今すぐわしが助けに・・・」
シルバーハートが椅子に乗ったまま行こうとするが、その横をうさぎや亀が追い抜いていった。
ハチ「えっと、無理しない方が・・・」
シルバーハート「待ってろよクイーン!今すぐわしが助けに、うぉっ!?」
ハチ「大人しくしてて下さい。オイラ達が代わりに探してきますから。ねえ、ジョーカーさん」
ジョーカー「えー、オレ今忙しいし」
そう言うジョーカーはポテチをつまみながら、漫画を読んでいた。
シルバーハートはメガホンを持って、窓から叫びだした。
シルバーハート「全部バラしてやる!お前のあんな事やこんな事、全部バラしてやる!」
ジョーカー「分かった!行くから!」
ジョーカーとハチがロードジョーカーで出発した。
ジョーカー「たく、あの一刀両断女のクイーンが簡単にやられるわけないっつーの」
ハチ「でも、ロコさんとも全く連絡が取れないのは変っスよ」
ジョーカー「せっかく行くなら、クイーンが狙ってたお宝いただくとするか」
ハチ「お宝?」
ジョーカー「100年に一つしか生まれないと言われている、虹孔雀の卵だ」
ハチ「卵?」
ジョーカー「言葉に出来ない程のうまさで、世界中のグルメな金持ちが欲しがってる幻の卵なのさ」
ジョーカーとハチは例のレストランに到着した。
ジョーカー「で、ここがクイーンが忍び込んだレストランだ」
ハチ「何か見覚えのある顔が・・・」
ジョーカー「さ!早く卵・・・クイーンを助けようぜ!」
ハチ「ジョーカーさん、食べる事しか考えてないでしょ!」
そのレストランのホールで、ミスター金有が客達にスピーチをしていた。
金有「セレブの皆様、高級レストランカネアリーノ第100号店オープン記念パーティーにようこそザマス!本日のメインディッシュは、我がゴールドグループが金と権力をこれでもかと使って手に入れた「虹孔雀の卵」ザマス!」
「これを食べることが出来るのは、キング・オブ・セレブだけザマス!」
客たち「怪盗から予告状が届いたという噂を耳にしたのですが」
「怪盗?」
「怪盗ですって?」
金有「カネコ」
カネコ「はい。皆様、ご安心くださいませ。我が高級レストランカネアリーノは、セキュリティにおいても最高級でございます」
窓がスクリーンとなり、外の様子が映された。
金有「この金太郎ちゃんの鼻はスイッチになってるザマス。鼻をまわすと」
外にある2つの金有の像の目からレーザーが打たれ、ハエを撃ち落とした。
金有「ハエ一匹たりとも侵入者は許しません。更にこの鼻を押すと・・・ドカーン!侵入者は黒コゲザマス!例えジョーカーであっても虹孔雀の卵を盗むことは絶対に出来ないザマス!」
カネアリーノの外に、二人の配達員が来た。
配達員「食材をお届けにまいりました」
警備員「中を改めさせてもらうぞ」
配達員「へい」
警備員が持ち込まれた食材を確認する。
警備員「よし。お前達二人、帽子を取れ」
配達員「え?」
警備員「早く!」
配達員「「あ、はい!」」
配達員は、帽子を取った。
配達員の髪型はジョーカーとハチに似ていたが、その素顔は、二人とは違っていた。
配達員「「まいどありー」」
配達員が帰っていった。
中に入れられた食材の魚の中にジョーカーが、スイカの中にハチが隠れていた。
ジョーカー「侵入成功だぜ!」
ハチ「間違って料理されたらどうするんスか!」
ジョーカー「いーだろ、たまにはこういうのも。さあ卵・・・いや、クイーンを探すぞ」
ジョーカーとハチがある部屋の中に入った。
クイーン「あら、ジョーカー?」
ジョーカー「クイーン?全く迷惑かけやがって。師匠が心配して・・・クイーン、どこだ?」
クイーン「ジョーカーも一つどう?」
ジョーカー「こりゃどーも・・・え?」
ジョーカー・ハチ「「ええええ!?」」
部屋の中にはクイーンがいたが、彼女の体はボールのように大きく太っていて、
声も太くなっていた。
クイーン「ここの料理すっごく美味しいわよ~」
ジョーカー「ク、ク、クイーンなの!?」
後ずさったハチがボールに当たったかと思うも、
クイーンと同じ様に大きく太ってしまったロコだった。
ハチ「ロコさん!?」
ロコ「ハチくん、この焼きとうもろこし、粒が大粒でプリプリなんです。一度食べたら止められません~」
ジョーカー「お前ら太り過ぎだろ!」
ロコ「そんなことどうでもいいじゃないですか~」
クイーン「これ、とーっても美味しいんだから」
ロコ・クイーン「「ねー」」
?「あーら、あなた達、怪盗のお仲間?」
昨夜、クイーンとロコを襲った(?)女性が入ってきた。
ジョーカー「誰だ」
ミルフィーユ「ここの料理長のミルフィーユよ。おいしい物を好きなだけ食べるのは最高に幸せなこと。貴方達、前よりず―――っと可愛くなったわ」
クイーン「え~、そうですか~」
ジョーカー「お前か!クイーンとロコをこんな風にしたのは!」
ミルフィーユ「ええ、それがどうかした?マカロニショット!」
ミルフィーユが打ち出したマカロニがジョーカーとハチを壁にくくり付けた。
ミルフィーユ「どんな料理にしてあげようかしら?」
ミルフィーユがハチの顔を掴む。
ミルフィーユ「あら、ボウヤ、いいお肉してあるわね、プニプニで肉厚だわ。あんたは0点、ダシも取れなさそう」
ジョーカー「いや、訳分かんねえよ!」
コック「料理長、そろそろお時間です」
ミルフィーユ「ちっ、後でじっくり料理してあげるわ」
コックに呼び出されて、ミルフィーユが部屋から出た。
ジョーカー「あっこら待て!くそう、虹孔雀の卵が食べられちまう!追うぞ、ハチ!」
ハチ「はい!」
ジョーカーとハチがマカロニを外して、部屋から駆け出していった。
クイーン「え、何食べるの?待って、私も行く~~~」
クイーンがその体を弾ませながら、後を追おうとしたが、
大きくなりすぎた体が扉につかえてしまった。
クイーン「あれ?あれ、あれれれ?」
ジョーカーとハチは、キッチンに忍び込んだ。
虹孔雀の卵はそこにあった。
ハチ「あれが虹孔雀の卵っスか」
ジョーカー「ああ」
ミルフィーユ「素晴らしいわ、100年に一度生まれるかどうかの虹孔雀の卵。
もちろんそれを料理できるのも100年に一人。今日、私がその一人になるのよ」
コック「料理長、どんな料理にしますか?」
ミルフィーユ「そうね、その前にキッチンにお邪魔虫が・・・いるようね」
ジョーカー「ギク!」
キッチンに金有が入ってきた。
金有「いつまで待たせるザマスか!前菜だの何だの、じらしすぎザマス!さっさと「虹孔雀の卵」を出すザマス!」
ハチ「あちゃー、キッチンは料理人の聖域っスよ。勝手に入ってきたりしたら・・・」
ミルフィーユ「そのおしゃべりな口には・・・」
ミルフィーユが肉料理を作りだした。
ハチ「す、すごい・・・」
ミルフィーユ「フランベ!」
金有「おおっ」」
ミルフィーユ「完成、子牛のサイコロステーキ。ボナペティ!」
ミルフィーユが作った料理を金有の口に押し込んだ。
ミルフィーユ「お味は?」
金有「デリーシャスザマス――――!」
料理の美味しさの余り、金有が口を大開きしたがその拍子に顎が外れ、落ちていたバナナの皮を踏んで、壁に頭をぶつけて気絶した。
ミルフィーユ「食は生命の源。料理こそ最高の力よ!」
ハチ「ど、どんだけ旨いんスか・・・」
ジョーカー「ハチ、今のうちに」
ハチ「あ、ハイ」
ジョーカーが飛び出し、虹孔雀の卵を取った。
ミルフィーユ「ようやく出てきたようね」
ジョーカー「げっ、バレてた!ハチ!」
ジョーカーが虹孔雀の卵をハチにパスした。
ジョーカー「先に行け!」
ハチ「はい!」
コックたち「「「待て――――!」」」
ジョーカー「ストレートフラッシュ!」
ジョーカーの出したカードが閃光を放ち、コックたちの目を眩ませた。
ミルフィーユ「逃がさないわ、虹孔雀の卵を料理するのはこの私よ、フラワーホイップ!」
ミルフィーユがホイップクリームを作り、床にぶちまけた。
ホイップに足を取られ、ハチが転んだ。
ジョーカー「大丈夫か、卵――――!」
ハチ「卵の心配っスか!」
ミルフィーユ「ジョーカー、ビタミンは足りてる?」
ジョーカー「は?」
ミルフィーユ「レモンスライス!」
ミルフィーユが輪切りにしたレモンを打ち出し、ジョーカーの目に貼り付けた。
ジョーカー「目が~目が~」
ミルフィーユ「危ないから動かない方がいいわよ」
ジョーカーは熱い鍋に両手を付けてしまい、そこからホイップに突っ込み、全身がホイップまみれになった。
ハチ「大丈夫っスか!」
ミルフィーユ「だから言ったのに」
ハチ「早く手を冷やさないと!」
ハチが冷凍庫を見つけ、ジョーカーを引っぱっていった。
ハチ「ジョーカーさん、こっちこっち!」
ジョーカー「どっち、え、どっちどっち?」
ハチとジョーカーが冷蔵庫に入った。
ミルフィーユ「あら」
ハチ「ジョーカーさん!」
ハチが冷蔵庫の鍵を閉め、
ジョーカーが氷で両手を冷やした。
その頃、あの部屋ではロコがクイーンを押していたが、その体はびくともしなかった。
ロコ「クイーン、何やってんですか~、早く出て下さいよ~」
クイーン「助けて~」
コックたち「開けろ―――!」
「虹孔雀の卵を返せ―――!」
ジョーカー「くそ、あいつら、食べ物を粗末にしやがって・・・」
ハチ「このままじゃ、卵が凍っちゃうっスよ」
ジョーカー「はっ、そうだ!」
ジョーカーとハチが冷凍庫から出てきた。
ミルフィーユ「あら、私の料理の匂いに誘われて出てきたの?」
ジョーカー「いや、あんたが作った料理なんて死んでも美味いなんて言うもんか」
ミルフィーユ「何ですって!だったら食べてみなさい、ボナペティ!」
ミルフィーユが子牛のサイコロステーキをジョーカーの口に押し込んだ。
ハチ「ジョーカーさん!」
ジョーカー「へっ、全然大したことないね」
ミルフィーユ「な、何ですって!?」
ジョーカー「残念だけど、俺の口には合わないみたいだなぁ」
ハチ(そっか!ジョーカーさん、口の中にずっと氷を入れておいたんだ!舌は温度で味の感じ方が変わるから、わざと舌を冷やしたんスね!)
ミルフィーユは別の料理を作りだした。
ミルフィーユ「うふふ、どんなトリックを使ったが想像がつくわ。じゃあ、あっつあっつの特製クリームシチューよ」
ジョーカー「え、いやウソ」
ジョーカーが二人のコックに腕を掴まされた。
ハチ(あんなのを食べたら折角冷やした舌の感覚が元に戻っちゃうっス!)
コックたち「「くーえ、くーえ、くーえ!」」
ミルフィーユ「ボナペティ!」
ミルフィーユがジョーカーの口にクリームシチューを押し込んだ。
ジョーカー「・・・まろやかやけどパワフルな味!まるで、肉と野菜の大運動会や!
銀河の果てまで飛ばされるようやで―――――!サイコ――――――!!」
ハチ「ジョーカーさんしっかりして下さいよ!」
ミルフィーユ「お代わりあるわよー」
ジョーカー「いっただきまーす!」
ジョーカーが一心不乱にクリームシチューを食べ出した。
ハチ「そんなに食べたらクイーンさんみたいになっちゃうっスよ!そうだ!目には目を!味には味っス!」
ハチがエプロンを着けて、ありったけの調味料をクリームシチューに入れた。
ジョーカー「マズイ~~~~!」
そのマスさでジョーカーが正気に戻った。
ジョーカー「俺を殺す気か!」
ハチ「元に戻って良かったっスね・・・」
ミルフィーユ「よくも私の料理を台無しに・・・アルデンテロープ!」
ミルフィーユがアルデンテの鞭でハチを絡め取り、持ち上げた。
ハチ「うわ!」
ジョーカー「ハチ!」
ミルフィーユ「こんがりフライにしてあげるわ!」
ハチが投げ出されたのは、煮えたぎる油の入った鍋の上だった。
ハチ「あ、油!?うわあああ!」
ジョーカー「やめろ―――!」
ハチ「ジョーカーさん!」
ジョーカーが飛び込み、ハチを押しのけた。
ジョーカー「ハチ、飯はいつもお前に作らせてばっかだったな・・・たまには俺の手料理も食わせてやりたかったぜ・・・」
ジョーカーが卵と一緒に油の中に落ちて行った。
ミルフィーユ「ふっ、ふふふ」
ハチ「ジョ、ジョーカーさーん!!」
その頃、あの部屋ではまだロコがクイーンを押していた。
クイーン「もう10分以上何も食べてなーい、お腹空いた~~~」
ロコ「びくともしない、クイーンがこの剣が引っかかって・・・ん、剣?」
ホール。金有は包帯を巻きながらも来ていた。
金有「ぬぅ・・・虹孔雀の卵、何が何でも食べてみせるザマス!」
カネコ「金有様、大丈夫ですか?」
金有「まだなのー!虹孔雀の卵は―――!」
金有が包帯を引きちぎった。
金有「こんなに時間がかかるなんてどんな料理にしてるザマスか!」
ミルフィーユ「皆様、お待たせしました。本日のメインディッシュでございます。
本日のメインデイッシュは・・・「虹孔雀の卵、怪盗ジョーカーのフライ添え」です」
虹孔雀の卵を持ったジョーカーのフライが出された。
金有「か、怪盗ジョーカー!?」
ハチは2人のコックに押さえられていた。
ハチ「ジョーカーさん、オイラのせいで・・・うわぁぁん!」
ミルフィーユ「ご覧下さい、あの有名な怪盗ジョーカーの最期です」
金有「ジョ、ジョーカー、ま、まさか・・・・・く、くく、ククゥ・・・最高ザマス!ジョーカー!私のお宝を狙ったのが悪いザマスよ!ざまあ見ろザマス!」
ミルフィーユ「もちろんこれで完成ではありません。ジョーカーが死ぬ程食べたがっていた「虹孔雀の卵」、皆様の目の前でこの私が料理いたします」
「うふふ、ついに料理できる。いざ!」
?「卵~」
ミルフィーユ「え?」
?「卵~~~~~」
ジョーカーのフライがミルフィーユに抱きついた。
ミルフィーユ「キャ――――!?」
その拍子に虹孔雀の卵が投げ出された。
金有「た、卵が!!」
カネコ「金有さま!」
金有が飛び出したが、その目の前に卵は落ちた。
卵が割れたが、その中には何も無かった。
金有「中身が・・・」
カネコ「無い!?」
コックたち「料理長!」
「こっちの中身もありません!」
ジョーカーのフライも中身は空だった。
ミルフィーユ「まさか!」
ジョーカー「卵ならもう料理させてもらったぜ」
ジョーカーが席に着き、フライドエッグを盛り付けた皿を出していた。
金有・ミルフィーユ・カネコ「「「怪盗ジョーカー!?」」」」
ジョーカー「へっへー、怪盗風フライドエッグだ!」
椅子に乗ったままのシルバーハートが解説を始めた。
シルバーハート「諸君ご機嫌よう!君達はアイスクリームの天ぷらを食べた事があるかな?」
「熱々の油で揚げてあるのに、中の冷たーいアイスは溶けていない。あれと同じ原理なのじゃ」
「この時、ジョーカーの体は小麦粉まみれになった。そして冷凍庫に入って体の芯まで冷えていた」
「冷たい体を小麦粉で覆ったことで熱を伝わるのは衣だけ。熱い油の中でも生きていられたのじゃ」
ジョーカーのフライはミルフィーユに抱きついた後、
ジョーカーはフライから出ていたのだった。
シルバーハート「よい子の皆は死ぬから、絶対に真似しちゃダメだぞ」
ハチ「するわけないでしょ!」
シルバーハート「てゆうか!お前ら、呑気に卵なんか食ってないで、ワシのクイーンを早く助けろ!」
ジョーカー「という訳さ」
ハチ「ジョーカーさん!生きてて良かったっス!」
ジョーカー「俺がそんな簡単にやられる訳ないだろ?」
金有「そんなバカな、生きてるなんてあり得ないザマス・・・」
ミルフィーユ「それに、どうやって卵の中身だけ盗んでフライドエッグに?」
ジョーカー「ふっふー、材料はこれさ」
ジョーカーはミルフィーユが打ち出したマカロニを持っていた。
ミルフィーユ「穴空きパスタ!?まさかあの時の!?」
ジョーカー「教えてやるよ!怪盗ジョーカーのミラクルメーカークッキング!」
ジョーカー「まず、油に落とされる瞬間に、穴空きパスタを虹孔雀の卵に、ぶっ刺す!
「卵の中身がフライドエッグになるのを油の中で一緒に待つ」
「あっという間に「虹孔雀の卵、怪盗風フライドエッグ」の出来上がり!」
「今夜のおかずに迷ったら真似してもいいぜ?」
ハチ「マネしたら死ぬっスよ!」
ジョーカー「それじゃあ、いっただき・・・」
金有「いっただきまーす!」
金有がフライドエッグの皿を取った。
金有「虹孔雀の卵を食べるのはこの私ザマス!いっただきまー・・・」
金有の後ろの壁が切り裂かれ、クイーンが出てきた。
クイーン「良い匂い、私も食べたい~」
クイーンがその体を弾ませて、金有を弾き飛ばした。
ジョーカー「ナイスキャッチ!」
ジョーカーがフライドエッグの皿を受け止めた。
クイーン「あ~ずる~い」
クイーンがジョーカーの前に弾んで飛んで来た。
クイーン「私も食べる~」
ジョーカー「こっち来んな!剣をしまえ、剣を!」
クイーン「だって止まらないんだも~ん」
金有「わ、私のレストランが!」
ロコがクイーンの頭の上に来た。
ロコ「僕も食べたいです~」
ジョーカー「おお、その手があったか」
ジョーカーがクイーンの体の上に飛び乗った。
クイーン「はむ」
ジョーカー「これで帰るぞハチ!」
ハチ「はい!」
ハチもクイーンの背中に飛び乗った。
ジョーカー・ハチ・ロコ「「「せーの」」」
クイーン「ぼよよ~ん!」
ジョーカー達が勢いをつけると、クイーンの体はより大きく弾み、
壁に開けた穴から外に飛んでいった。
ジョーカー「虹孔雀の卵は美味しく頂くぜ!」
金有「おのれジョーカー!こんのぉ!」
金有が金太郎の顔を殴った。
ミルフィーユ「あっ・・・」
ジョーカー達を乗せたクイーンが転がり出た後、カネアリーノが大爆発し、ミルフィーユや金有達はボロボロになった。
ミルフィーユ「私の卵・・・」
金有「ジョーカー!覚えてるザマスよ~~~~~!」
夜。クイーン達はシルバーハートの元に戻った。
クイーン「おじぃちゃーん」
シルバーハート「クイーン!」
クイーン「ただいま~」
シルバーハート「誰じゃ―――!?」
ジョーカー・ハチ・シルバーハート「「「いっただきまーす」」」
ジョーカー達三人は虹孔雀のフライドエッグを食べ始めた。
シルバーハート「たまらんの―――」
ハチ「ジョーカーさんの初めての手料理っスね」
ジョーカー「美味いだろ?」
ハチ「最高っス!素材がいいとハチャメチャに料理しても美味くなるんスね」
ジョーカー「それ、褒めてねーだろ?」
クイーンとロコはルームランナーで走らされていた。
クイーン「ちょっと私にも虹孔雀の卵食べさせて~」
ロコ「僕にも~」
シルバーハート「ダメじゃ。クイーン諸共ダイエットをしないと」
クイーン・ロコ「「ええ~、ずるいずるい~」
ジョーカー「しょうがねえね、じゃあちょっとだけだぞ」
ジョーカーがフライドエッグの黄身をフォークで少し取り、クイーンの方に持って行く。
クイーン「あ~~~~ん」
そう見せかけて、フォークを自分の口に持って行った。
ジョーカー「うっそ!うんめ~」
クイーン「ジョーカーの鬼~食べたい食べたい食べたい~」
(つづく)
最終更新:2018年04月02日 19:49