戦え! 超ロボット生命体トランスフォーマーの第1話


地球への道




遠い遠い昔のこと──

宇宙の彼方にある惑星セイバートロンは、
不思議な生き物だけの住む世界であった。
その住人とは、知性と感情とを兼ね備えた
巨大なロボット、トランスフォーマーたちだ。

彼らは、善と悪を代表する
2つの派に分かれていた。
だが、残忍で暴力的な悪の軍団・
デストロンは、惑星の独裁支配を企み
平和を愛するサイバトロン戦士たちに、
一方的な攻撃を仕掛けた。

そのため セイバートロン星は
一面火の海と化し、
豊かなエネルギー資源と高度な文明は、
崩壊寸前にまで追い込まれたのだ。

かくしてサイバトロン戦士たちは、
正義と平和のために
敢然と立ち上がったのである。



セイバートロン星の、とある道路の片隅。
サイバトロン戦士のホイルジャック、バンブルが地下から顔を出す。

ホイルジャック「バンブルくん、これっぽっちのエネルギーじゃ、せいぜいもって3ヶ月がいいとこだよ」
バンブル「でも、ないよりマシだろ? ホイルジャック」
ホイルジャック「使い切ったらどうするんだね?」
バンブル「なぁに、そのときはそのとき。さぁ、アイアコーンに戻ろう」
ホイルジャック「トランスフォーム!」

ホイルジャックが、ワゴン車を思わせるエアカーに変形する。

ホイルジャック「乗っていいよ」
バンブル「OK! コンボイ司令官の喜ぶ顔が早く見たいな」

ホイルジャックが、集めたエネルギーとバンブルを乗せて、発車する。

ホイルジャック「さぁてと、アイアコーン・ブリッジまであと1.6メガだ」
バンブル「懐かしの我が家か……」

デストロン軍団の兵士たちが待ち受けている。

ホイルジャック「おい、まずい! あれはデストロンの奴らだ」
デストロンたち「サイバトロンだ、やっちまえ」

ホイルジャックが銃撃を喰らい、停車する。
バンブルが銃で反撃する。

バンブル「もう…… なんてしつこい奴らなんだろう」
ホイルジャック「敵さんも必死なのさ」
バンブル「必死なのはこっちだよ!」
デストロン「ファイヤーアタック!」

火炎放射を浴び、バンブルたちの周囲が一面、火の海となる。

バンブル「くそぉ!」
ホイルジャック「この凝縮エネルギーを持ち帰らないと! 脱出するぞ!」
バンブル「あ、ついてく! トランスフォーム!」
ホイルジャック「よし、敵前突破! さぁ、突っ込むぞ!」

ホイルジャックが、火の海を振り切って発車する。
バンブルもエアカーに変形して、後に続く。

デストロンたち「逃がすな、追え!」

2人のデストロン兵士がジェット機に変形して飛び立ち、バンブルたちを追う。
バンブルが空からの砲撃を喰らい、転倒する。

バンブル「うわぁ! あいたた」
ホイルジャック「おいバンブル、早く乗れ!」
バンブル「よぉし!」

バンブルは再び、ホイルジャックの車内に乗り込む。

ホイルジャック「ケガはないかね?」
バンブル「あぁ、大丈夫…… でも、リアアクセルをちょっとやられた」
ホイルジャック「じゃ、フラクションまでふんばれ。これからオーバードライブでぶっとばすからね!」

ホイルジャックが砲撃をかいくぐって走り去り、地下通路へと入って行く。

デストロンたち「畜生、地下に潜りやがった! 追跡はもう無理だ!」「メガトロン様に報告しに戻ろう」


サイバトロン基地アイアコーン・ブリッジへ、ホイルジャックたちが到着する。

ホイルジャック「ホイルジャックです、只今到着しました!」

デストロンの情報参謀サウンドウェーブが、その様子を密かに察知している。

サウンドウェーブ「コンドル、偵察尾行せよ。目的地、アイアコーン。行動、敵の情報収集」

小型トランスフォーマー・コンドルが、情報収集に向かう。

サウンドウェーブ「コンドル、敵接近、注意」

サイバトロンの副官マイスターが、、アイアコーンブリッジへと向かう。

サウンドウェーブ「注意警報、解除。偵察活動、続行」


マイスターが、アイアコーンブリッジ基地内に到着する。
彼を迎えるのは、サイバトロンのリーダーである総司令官コンボイ、仲間のプロール、トレイルブレーカーたち。

コンボイ「明るいニュースかね」
マイスター「いえ、それが北部の都市一帯は真っ暗闇、ほとんど壊滅状態になっています」
コンボイ「新しいエネルギー資源を見つけ出さない限り、戦いに勝利を得ることはできん……」
プロール「宇宙探索に出かけては?」
コンボイ「そうしよう。早い方がいい」


サウンドウェーブが、デストロン本部に帰還する。
リーダーの破壊大帝メガトロン、軍団ナンバー2の航空参謀スタースクリームが待ち構えている。

メガトロン「新しいエネルギー資源は、何としてもわしらデストロンが発見せねばならん!」
サウンドウェーブ「メガトロン様、敵は宇宙探索に出る」
メガトロン「やっぱり、思っておった通りか。レーザーウェーブ!」

メガトロンの忠実な部下・防衛参謀レーザーウェーブ。

レーザーウェーブ「はい、メガトロン様。何でしょうか?」
メガトロン「わしの留守を頼んだぞ。サイバトロンどもの宇宙進出を粉砕してくる」
レーザーウェーブ「お任せを、メガトロン様。この惑星はもはや、我らだけのものです」
メガトロン「その意気だ。コンボイめ、今度という今度は敗北を認めさせ、わしへの絶対服従を誓わせてやる!」
スタースクリーム「私を軍団の司令官にして下されば、奴らなど捻じ伏せてみせます!」
メガトロン「スタースクリーム、軍団の司令官になれるのはエリートだけだ」
スタースクリーム「でも私には、それだけの力があります」
メガトロン「黙れ、黙れ若造! ただちに発進用意!」


サイバトロンでは、宇宙船の発進準備が進められている。

マイスター「スタンバイ完了です」
コンボイ「点火する」

サイバトロン宇宙船が宇宙へと飛び立つ。

サウンドウェーブ「敵、発進」
メガトロン「よぉし、こちらも発進!」

デストロン宇宙船も飛び立ち、サイバトロンのあとを追う。

サイバトロンたち「おい!」「どうした?」「小惑星だ!」「もう一つ来たぞ」「衝突する!」

小惑星同士が衝突し、砕け散った破片が無数の流星となって、両宇宙船に降り注ぐ。
サイバトロン船内が、衝撃で大きく揺れる。
警備員のアイアンハイドが転倒し、壁に叩きつけられる。

アイアンハイド「右腕をやられました!」
コンボイ「掴まってろ!」

サウンドウェーブ「流星群接近、流星群接近」
メガトロン「敵を見失ってはならんぞ!」

依然、流星が降り注ぎ続ける。

コンボイ「どけ!」

マイスターの席に、コンボイが就く。

コンボイ「アイアンハイド、レーザー砲用意!」
アイアンハイド「どうぞ!」
コンボイ「撃てぇ!」

サイバトロン宇宙船がレーザー砲を発射し、流星群をかき分けて突き進む。

メガトロン「奴らを追え! 奴らを追え!」

プロール「司令官、私たちを追って来る宇宙船がいます!」
コンボイ「デストロンに違いない…… よぉし!」

サウンドウェーブ「敵、感づいた」
メガトロン「構わん! 追え!」
スタースクリーム「感づかれた以上、攻撃あるのみです」
メガトロン「ならん! 奴らを生け捕りにするのだ。牽引ビーム用意!」

デストロン宇宙船が牽引ビームを発射し、サイバトロン宇宙船を捕らえる。

マイスター「牽引ビームを発射してきました、吸い付いてきます!」
コンボイ「隔離レーザー発射!」
アイアンハイド「駄目です。エネルギーを使い果たしました」

メガトロン「敵船上陸用ルートだ!」

デストロン宇宙船からサイバトロン宇宙船へと、チューブが伸びる。

マイスター「乗り込んで来ます!」
コンボイ「よぉし、戦闘用意! 怯むな、撃退しろ!」

デストロン兵士たちが、船内に乗り込んで来る。
サイバトロン戦士たちが、果敢に応戦する。

コンボイ「船が落下しているぞ!?」
マイスター「引力が働き出し、どんどん引き込まれていきます!」
コンボイ「コ、コントロールが効かない…… 駄目だぁっ!」

サイバトロン・デストロン両者を乗せたまま、サイバトロン宇宙船が近くの惑星に墜落する。
山肌に突き刺さり、大きな火柱が上がる。


引力に引き寄せられ、火山に激突した宇宙船は
どうなったのであろうか?

400万年後の地球──
そして、船内で死闘を繰り広げていた
敵味方のトランスフォーマーたちは?


一同が墜落したのは、太古の地球であった。
そして現代の地球──
宇宙船内では、サイバトロン、デストロンともに皆、動かなくなっている。
突如、宇宙船の突き刺さっている火山が爆発。

『生命再生機 発進』

火山爆発のショックで、生命再生装置が作動を始めたのだ!

宇宙船から、無人の生命再生機が飛び立つ。
とある飛行場に停まっている戦闘機を、生命再生機が光で包みこむ。

『リペア リペア』

彼らの復活は、エネルギーを蓄えたマシンと
合体することによって可能となる。

デストロン兵士・スカイワープが、地球の戦闘機の構造をコピーし、修理されてゆく。
やがて、スカイワープが再生する。
倒れているメガトロンを、生命再生機にかける。

スカイワープ「メガトロン様、とうとう復活の日がやって参りました」
メガトロン「仲間たちを1人残らず再生させろ」

デストロン兵士たちが次々に、再生してゆく。
全員揃った兵士たちが宇宙船を飛び立ち、地球の景色を見渡す。

メガトロン「長い年月が過ぎ去った…… 故国セイバートロンは遥か彼方だが、この惑星でもわしらの目的は変わらん」
スカイワープ「セイバートロンはまだ存在しているでしょうか?」
メガトロン「存在しておるとも。だがこの地球のどこかにも豊かなエネルギー資源があるのなら、無敵の兵器を作ることも可能。そうすればわしは、世は宇宙の覇者だ!」

スタースクリームが、銃撃を放つ。

メガトロン「スタースクリーム!?」
スタースクリーム「あの山をぶっ潰せば、奴らは!」
メガトロン「エネルギーを無駄にするな。まだ戦いが残っておる。宇宙征服のためのな」

メガトロンたちが侵略の足場を求め、立ち去る。

スタースクリーム「命拾いしたな、コンボイ! だがこのミサイル攻撃でお陀仏かもな!」

銃撃で岩場が崩れ、無数の岩の破片が宇宙船目がけて降り注ぐ。
振動で、再び生命再生機が作動する。

『生命再生機 発進 リペア リペア』

動かなくなっていたコンボイに、道路上のトレーラーの構造がコピーされ、修理されてゆく。

コンボイ「助かった……」


メガトロンたちは、とある岩地にやって来る。

メガトロン「ここに基地を構えよう。あの岩地に我らの指令本部を設置するのだ。サウンドウェーブ、お前は至急スペースクルーザーの設計にかかれ。スタースクリーム、お前は建設用地の整備だ」
スタースクリーム「資材はどうするんですか?」
メガトロン「そんなことぐらい自分で考えろ!」
スタースクリーム「おい、何かいい考えはないか?」

サウンドウェーブが、遠くに発電施設を見つける。

サウンドウェーブ「あれだ」
スタースクリーム「発電所か! 1人じゃ無理だな」
サウンドウェーブ「フレンジー、ハンマーアーム機能作動。目的、破壊工作」
スタースクリーム「よぉし、やってやる!」


コンボイ率いるサイバトロン戦士たちも、復活を果たす。

コンボイ「この惑星では、豊かなエネルギー資源がある。しかし当然、デストロンも気づいてるだろう。奴らの略奪行為を食い止めねば…… ハウンド!」

サイバトロンの偵察員、ハウンドが応える。

ハウンド「はい、コンボイ司令!」
コンボイ「偵察に出てくれ。デストロンの行方を突き止めて来るんだ」
ハウンド「この自慢の鼻で嗅ぎつけてみせますとも」

戦闘員のクリフも名乗り出る。

クリフ「私も一緒に行きます。私も行って、デストロンの奴らを2・3人、血祭りに挙げて来ます!」
コンボイ「まぁ慌てるな、クリフ。見つけ次第、戻れよ。対決するのはその後だ。しっかりな!」
ハウンド「お任せ下さい!」


一方でスタースクリームは、小兵の特殊破壊兵フレンジーを連れ、発電施設に到着する。

スタースクリーム「俺はいつか必ず、司令官になってみせるぞ。軍団の総指揮官にな」
フレンジー「スタースクリーム、我々のボス・メガトロン様は絶大な権力の持ち主、あのお方にとって替ることは不可能だよ」
スタースクリーム「いや、何が不可能なものか。誰にだって必ず弱みはあるはず」
フレンジー「だがメガトロン様は違うぜ」
スタースクリーム「まぁ今に見てろ。フレンジー、さっさと作業にかかれ!」

フレンジーが両腕をハンマーに変形させ、地面を打ち鳴らす。
地割れが発生し、発電施設が倒壊していく。

スタースクリーム「実に気分いい眺めだぜ!」

ハウンド「クリフ、ここはセイバートロンとは大違いの惑星だな!」
クリフ「ハウンド。お前、気に入ったようだが、別にこの星に長居するわけじゃないぜ」
ハウンド「おい、何か匂ってこないか?」
クリフ「いや、別に?」
ハウンド「いやぁ、匂う。この猟犬のような鼻が、奴らが近いことを嗅ぎつけたぞ! こっちだ!」

メガトロンたちが、スタースクリームたちに合流し、建設作業が開始されている。

ハウンド「やっぱりいたぞ」
クリフ「なぁ、奇襲攻撃を仕掛けてぶっ壊してやろうじゃないか!」
ハウンド「俺たちの任務は偵察だけだ。コンボイ司令に『見つけ次第、戻れ』と言われただろ?」
クリフ「奴ら、何してるんだ?」
ハウンド「探ってみよう」

メガトロン「この地球を乗っ取り、豊かなエネルギー資源を残らず奪い取るのだ」
サウンドウェーブ「奪い取ったエネルギーを凝縮、エネルゴンキューブにすれば、新しいスペースクルーザーに蓄えておける」
メガトロン「フハハハハハ、皮肉なことよな。コンボイめ、わしらをこの星に導いときながら、自ら滅びるとは!」

クリフが銃を構える。

ハウンド「おいクリフ、何をする気だ!?」
クリフ「ファインダーがメガトロンのデッドポイントをキャッチしたんだ。一発で仕留めてみせる!」
ハウンド「やめろ!」

砲撃がメガトロンをかすめる。

デストロンたち「誰が撃ってきたんだ!? 俺たちの居場所を知っている者は……」「サイバトロンどもだ!」
メガトロン「まさか…… そんな!?」
スタースクリーム「でも、他にいますか!?」
メガトロン「サウンドウェーブ、ただちにコンドルを追っ手に出せ!」
サウンドウェーブ「コンドル、追跡開始。追跡進路、北北東」

ハウンド「おい、逃げるんだ! トランスフォーム!」

ハウンドたちが、ビークルモード(自動車形態)に変形して走り去る。
コンドルが追って来る。

クリフ「おい、追いかけてくるのは一体何だ!?」
ハウンド「わからない! このスピードじゃ、振り切れそうにないぞ!」
クリフ「二手に分かれよう。両方を追跡することはできんからな」
ハウンド「了解! とにかく追跡を逃れた方が報告に戻ろう」

コンドルのレーザー砲が分離、コンドル本体はハウンドを追う。
レーザー砲が単独で飛行してクリフを追い、砲撃でクリフを襲う。

ハウンド「それにしてもしつこい奴だぜ。地獄まで追って来る気だ!」
クリフ「あぁ。と言っても、このまま黙ってやられるのを待つ手はないぞ! これでも喰らえ、ガス弾だ!」

クリフの砲撃で、レーザー砲が撃ち落される。

ハウンド「畜生、こっちは振り切れそうにない!」

コンドルの砲撃を受け、ハウンドが崖道から転落してゆく。

ハウンド「うわぁぁ──っ!?」
クリフ「大丈夫かぁ、ハウンド!?」


サイバトロンの看護員ラチェット、建築家グラップルが救援に到着し、ハウンドを引き上げにかかる。

ラチェット「ハウンド、どこをやられたね?」
ハウンド「たぶん…… あぁ、駆動装置をやられたんだと思う」
ラチェット「トランスフォームできるか?」
ハウンド「いや…… 無理なようだ」
クリフ「悪かったな、ハウンド。俺の責任だよ。俺がメガトロンを撃ったりしなきゃ」
ハウンド「ふふ、命中していれば、こうはならなかったさ」
クリフ「命中!? あ…… はは、痛いところを突くなぁ。よぉし、いいぞ! 引き上げてくれ!」


デストロンでは、航空兵サンダークラッカーが、3体1組の小型兵士リフレクターを連れて偵察に出ている。

リフレクター「サイバトロンどもも甦ったそうだな」
サンダークラッカー「あぁ。メガトロン様もそれを聞いて、驚きのあまりヒューズがぶっ飛びそうだったってよ。おい、ありゃ何だ?」
リフレクター「よし、調べてみよう」

1台の車が、荒野を走る。
リフレクター3体が合体し、カメラとなる。

サンダークラッカー「リフレクター、頼んだぞ、できるだけ拡大して写してくれ」
リフレクター「わかった」

サンダークラッカーがリフレクターのカメラで、その車の姿を捉える。

サンダークラッカー「サンダークラッカーよりサウンドウェーブへ。応答して下さい」
サウンドウェーブ「何だ?」
サンダークラッカー「見慣れない車が接近中。サイバトロンかもしれません」
メガトロン「ただちに破壊してしまえ!」

車が発電所に到着する。
サイバトロンではなく、発電所の工員2人を乗せた車である。

「おい、原子力発電所がやられてる! まるで竜巻が通った後みたいだ」
「あぁ。でも変だぞ? 竜巻にしちゃ、やられ方がひど過ぎる」

そこへ、デストロンの小兵ジャガーが襲い掛かる。

「あぁ!?」「危ない!」「おい、相棒!?」

とっさに工員たちが車に乗り込む。

「早く!」「おい、来たぞ! 早く出せ!」


ハウンドはサイバトロン宇宙船に帰還し、修理を受けている。

ハウンド「私たちが聞いたのは以上です、コンボイ司令。奴らはこの地球のエネルギーを奪って凝縮し、セイバートロンに持ち帰る気です」
コンボイ「マイスター、戦闘部隊を編成しろ。奴らの基地に攻め込むんだ!」

マイスター「プロール、クリフ、トレイルブレーカー、ホイルジャック、アイアンハイド、リジェ、サンストリーカー、ランボル! サイバトロン戦士、ではエンジン・スタート! 準備完了です」
コンボイ「よし、出発!」


デストロンでは、偵察活動を行なっていたコンドルが帰還している。

サウンドウェーブ「メガトロン様、コンドルが戻って来た。この惑星のエネルギー源、発見」
メガトロン「そいつはでかした、でかしたぞ!」

悪の軍団デストロンが狙いをつけた場所──
それは、海底油田基地だった。

海底油田基地で、工員たちが作業にあたる。
その中に親子の工員、スパークプラグとスパイクがいる。

スパークプラグ「手を貸してくれ、スパイク! こいつを持ち上げたいんだ。頼む!」
スパイク「わかった、父さん。ベーラーを持って今行く」

デストロン兵士たちが飛来する。

メガトロン「降下しろ! 降下ぁ!」

スパークプラグ「ん? おい、何だありゃあ!? 何なんだ!?」
スパイク「巨大なロボットだ!」
作業員たち「みんなで追い払っちまおうぜ!」「帰れ! 帰れ!」

メガトロンたちが降り立つ。
皆が物を投げつけるが、通用するわけもない。

作業員たち「危ないぞ!」「うわぁ!」

メガトロンの攻撃で、作業員たちがあっけなく海へ落ちていく。
フレンジーが、スパークプラグの首を締め上げる。

スパークプラグ「うわぁっ、何をする!?」
スパイク「やめろ! 父さんに何をするんだ!? こいつ、離せ! やめろ!」

スパイクがフレンジーに殴りかかるが、逆に吹き飛ばされ、海に放り込まれる。
スパークプラグが必死にフレンジーを引き剥がし、スパイクを追って海へ。

スパークプラグ「スパイクぅ!」
メガトロン「スタースクリーム、ナルビームを発射しろ。早く!」
スタースクリーム「わかりました、メガトロン様」
メガトロン「サウンドウェーブ、エネルゴンキューブの製作にかかれ」

悪の軍団デストロンは、
地球の貴重な資源を持ち去ろうとしている。
果たして、コンボイ司令官の率いる
サイバトロン戦士たちは間に合うのか?

メガトロン「凝縮しろ」

サウンドウェーブの用意した容器に、基地から強奪した資源を貯めこみ、凝縮。
トランスフォーマーたちのエネルギー源であるエネルゴンキューブが完成する。

スタースクリーム「やった! やりましたね、メガトロン様。エネルギーさえ手に入れりゃ、セイバートロンへ帰還できるわけです!」
メガトロン「お前って奴は、どこまで愚か者なんだ? これっぽっちのエネルギーなど物の数にも入らぬわ。地球の全エネルギーを吸い上げるのだ!」

コンボイたちが飛来する。

スタースクリーム「あぁっ、サイバトロンの奴らです!」
メガトロン「デストロン、トランスフォーム! トランスフォーム!」
スタースクリーム「くそっ!」

メガトロン自ら、銃に変形する。
スタースクリームがそれを手にして、空を狙撃する。
コンボイたちは危うく銃撃をかわし、基地上に降り立つ。

メガトロン「コンボイ、わしの邪魔はさせんぞ!」
コンボイ「メガトロン、侵略は許さない!」
メガトロン「いや、宇宙はわしのものだ!」

サイバトロンたちと、デストロンたちが入り乱れた戦いが開始される。
混乱に乗じてデストロン兵士たちが、エネルゴンキューブを持ち去ろうとする。

マイスター「待て! そうはさせないぞ!」

マイスターたちの銃撃で、エネルゴンキューブが爆発する。
かろうじて残ったキューブを、デストロンたちがを奪って飛び去る。

メガトロン「今日のところは引き揚げるが、水泳でも楽しめ!」

メガトロンたちが基地を飛び立ち、去り際に基地に砲撃を加える。
基地が崩れ、サイバトロンたちは海に投げ出される。

サイバトロンたち「うわぁぁっ!」
メガトロン「体が冷えすぎんよう、温めてやるからな! フハハハハ!」

メガトロンがさらに砲撃する。
海に撒かれた石油が引火し、周囲が炎に包まれる。
崩れ落ちた鉄骨の隙間に、スパークプラグとスパイクが閉じ込められている。

スパークプラグ「助けて、助けてくれぇ! 出られないんだ!」
スパイク「誰か、助けてぇ!」
スパークプラグ「あぁ、火が! 火がどんどん迫って来る!」
コンボイ「い…… 今、助けてやるぞ。掴まってろ、しっかり掴まってろ! 何としても助けてやる!」


(続く)

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最終更新:2014年07月05日 09:13