詞音「え・・・」
ハカセ「ディアブル!」
魔鏡の力で、グリサが強大な力を得た。
ガッシュ・詞音「「ニャルラト!」」
ニャルラトがグリサの火炎から詞音を助けたが、
鞄に入れていたニャルラトの魔本に火が付いてしまった。
詞音「あ!」
詞音「一人ぼっちはイヤ・・・ヤだよそんなの!」
ニャルラト「ニャ・・・・」
ニャルラトが詞音のあげたリボンを残して、送還された。
詞音「ニャルラトーーーー!」
ガッシュ「お前達・・・・!」
ハカセ「マグマ・ガラン!」
清麿「何だと!」
グリサの呪文により、周囲の地面が割れだし、マグマに囲まれた決戦場が作られた。
清麿「これは・・・」
そんな中、清磨とガッシュがグリサとハカセに向かっていく。
月夜の中、清麿とガッシュが全力のダッシュでグリサとハカセに突っ込んでいく。
清麿「ガッシュ!気をつけろ!ヤツの破壊力はケタ違いだ!」
ガッシュ「ウヌ!わかっている!」
清麿「狙いは1つ!ハカセの持っている魔鏡だ!」
ガッシュ「ウヌ!ニャルラトを消したアイツらを!」
清麿「詞音の思いを踏みにじったアイツらを!絶対に許すな!」
ガッシュ「ウヌ!ウオオオオオ!」
ハカセ「フン、ムダな事を」
清磨「行くぞガッシュ!」
ガッシュ「ウヌ!」
清麿とガッシュが二手に分かれた。
ハカセ「二手に分かれた所で同じ」
グリサ「そうだ」
ハカセ「どの道本を燃やせば終わりだ!」
清麿「ザケル!」
ハカセ「ファイガル!」
ガッシュのザケルとグリサのファイガルが衝突する。
グリサ「ぶわぁ!」
ファイガルがザケルを押し切った。
ガッシュ「グ!」
ファイガルが炸裂し、ガッシュが煙の中に消えた。
ハカセ「燃え尽きたか」
清麿「もらった!」
ハカセ「なに?」
清麿「ザケル!」
ガッシュはグリサの真上に飛んでいた。
ザケルがグリサに炸裂したが、グリサは無傷で、落ちてきたガッシュを掴んだ。
清麿「なに!?」
清麿「ガッシュ!」
ガッシュが地面に叩き付けられた。
清麿「ガッシュ!」
ハカセ「マグマ・カスケード!」
グリサ「があーーーー!」
グリサの体から炎の球が浮かんだ。
清麿「あれは」
火の玉は周りのマグマを吸い上げ、大きくなっていく。
清麿「マズイ、ガッシュ!」
炎の球からマグマが降り注ぐ。
清麿はガッシュを連れて逃げるも、その間近にマグマが炸裂し、吹き飛ばされた。
清麿・ガッシュ「「うわーー!」」
清麿「大丈夫か、ガッシュ?」
ガッシュ「ウヌ・・・」
グリサ「フハハハハ」
清麿「なにがおかしい!」
グリサ「手加減するのも難しいと思ってな」
清麿「なんだと!」
ハカセ「魔鏡の力はそれだけ強大だということだ!」
グリサ「もはや我々にかなう者などいないのだ!」
清麿「なぜだ!」
ハカセ「?」
清麿「何故お前達は魔鏡を使う!何故お前達は他人を・・・詞音やニャルラトを利用した!」
ハカセ「フヒヒヒ!よかろう、冥土の土産に聞かせてやろう」
「それはグリサが弱かったからだ。元々この魔鏡は魔界では禁断のアイテム」
「運も実力も無いグリサが100人の魔物の戦いに勝ち残れるはずが無い」
「そこで魔鏡を盗み出し、人間界に持ち込もうとしたのだ」
清麿「なに?魔鏡を盗み出したのはグリサだったのか!」
ハカセ「フヒャヒャ!今ごろ気づいたのか!しかし人間界への時空の狭間で魔鏡が割れ、
3つのカケラに割かれ、地上に散ってしまった。
それからはお前達も知っている通りだ。私の科学力とグリサの巧みな話術で馬鹿な魔物共をだまし、ようやく魔鏡を完成させたのだ!」
清麿「答えに・・・答えになってねーぞ!!なぜ詞音達を巻き込んだ・・・詞音はニャルラトと一緒に居たかっただけなんだぞ!お前達は詞音の心をもてあそび・・・そして、ニャルラトを・・ニャルラトを!!」
詞音「う・・・・」
グリサ「自分の弱点を補い、相手の弱点を突く。戦いとはそういうものだ!」
清麿「なんだと!」
ハカセ「どの道100人の魔物の戦いからは逃れられない運命なのだ。
だから奴らを上手く利用させてもらった。詞音もニャルラトも思いの外ようく働いてくれた。我らの優秀な、捨て駒としてな!」
詞音「!!」
清麿「な!」
グリサ「だがもうそんな必要はない。見よこの姿を!みなぎる力を!
究極の力を得て、オレは最強の魔物になった。そしてオレは魔界の王になるのだ!」
ガッシュ「ちがーーーーう!!そんなもの強さでも何でもない!魔鏡なんかに頼って得た力など断じて本当の強さなどではない!」
詞音「違う・・・・?」
清麿「ああそうだ!お前の言う通りだ、ガッシュ!グリサ、お前は弱い!姿形は変わっても弱いままだ!だからオレ達はお前には決して負けない!ザケル!」
ハカセを狙ってザケルが撃たれるも、グリサが防いだ。
ガッシュ「私も落ちこぼれと呼ばれていた!」
清麿「オレもガッシュと会う前はただのひねくれたガキだった!ザケル!」
ハカセ「ファイガル!」
詞音「きゃあ!」
ザケルとファイガルが激突し、その余波に詞音が煽られ、被っていた帽子が脱げた。
ガッシュ「しかし清麿と出会って私は変わった!」
清麿「そうだ。お前のように自分の無力さを嘆き、魔鏡に頼ったりせず互いを信頼して戦い抜いてきたんだっ!」
詞音「互いを・・・信頼・・・」
清麿「ザケル!」
ハカセ「ファイガル!」
ザケルとファイガルが再度激突し、今度はファイガルが押し切り清磨達の間近に炸裂した。
詞音「ガッシュくん!」
ハカセ「フヒヒ!手こずらせ・・・」
煙が晴れた時、清磨とガッシュは立っていた。
清麿「そんなものはまやかしの姿だ!」
ガッシュ「そうだ!私には清麿がいる!」
清麿「オレにはガッシュがいる!オレ達は弱い。自分の弱さを認めて変わろうとすることから最初の一歩を踏み出したんだ!」
詞音「変わる・・・!私はニャルラトに・・・ニャルラト!」
ガッシュ「だから、だからこそ!」
清麿「お前だけには!」
ガッシュ・清麿「「決して負ける訳にはいかないんだ!」」
グリサ「笑わせるな」
ガッシュ「清麿!」
清麿「おう行くぞガッシュ!ザケル!」
グリサ「フン、ムダだ!」
ハカセ「ディノ・ファイガル!!」
グリサの両手に火の玉が浮かんだ。
清麿「あ!」
2つの火の玉が1つになって、ガッシュと清麿に放たれた。
清麿「ラシルド!」
ラシルドでディノ・ファイガルを防ごうとするも、
ディノ・ファイガルはラシルドを砕こうとしていた。
清麿「マズイ!」
ガッシュ「清麿!」
ガッシュが清麿を突き飛ばすも、その近くにディノ・ファイガルが炸裂し吹き飛ばされた。
詞音「あ!ガッシュくん・・・清麿くん・・・」
ハカセ「ファイドルク!」
グリサの右手から火炎が放たれ、今度は清麿がガッシュを抱えて、何とか飛び退いた。
詞音「ああ!」
グリサ「フハハハハ、ここまでのようだな」
清麿「ガ・・ガ・・ガッシュ・・・」
ガッシュは気絶していた。
清麿「く・・・くそう・・・」
グリサ「フハハハハ、これが現実だ!」
清麿「ガッシュ!」
ハカセ「ファイガル!」
清麿「うわ!」
ガッシュの間近にファイガルが炸裂し、地面が砕け、ガッシュがマグマに落ちかけたが、清磨が手を掴み、止めた。
清麿「しっかりしろガッシュ!」
ガッシュが目覚めた。
ガッシュ「ウ・・・清麿・・・」
グリサ「遊びは終わりだ!」
ハカセ「死ね!」
詞音が帽子をかぶり直し、駆け出した。
ハカセ「ファイ・・・」
詞音「やーーーー!」
詞音がハカセに体当たりし、魔鏡が地面に落ちた。
清麿「詞音!」
ハカセ「どけ小娘!」
ハカセが詞音を押しのけ、魔鏡を拾おうとする。
詞音「させないわ!」
詞音がハカセに体当たりした。
詞音(私は逃げていた。私の寂しさだけを哀れんで)
清麿「詞音、無茶するな!」
ハカセ「くそーーー」
詞音(ニャルラトは私の心の傷を癒やしてくれた)
ハカセが左手の義手からコードを延ばし、詞音の足に絡ませ、転ばせた。
詞音「そんなニャルラトに私は何もしてあげられなかった。ニャルラトの本を守ることさえ出来なかった!あんな魔鏡のために!私もう寂しさなんかに負けない!!」
ガッシュ「詞音・・・」
詞音「ごめんねニャルラト!私強くなるから!そしてニャルラトのこと絶対忘れない!」
ハカセ「子供の遊びが過ぎたようだな」
ハカセが詞音を蹴り飛ばした。
ガッシュ「詞音!」
詞音が立ち上がるも、グリサに殴り飛ばされた。
ガッシュ「詞音!」
詞音は岩壁に叩き付けられた。
ハカセ「フン、おどかせおって。眠ってもらおう、永遠にな!」
ハカセが魔鏡を拾った。
清麿「ザケル!」
ザケルがグリサに炸裂した。
清麿「どこ見てやがる」
ガッシュ「お主たちの相手は私たちだ!」
ハカセ(そんな・・・何故立ち上がってくる?私の計算ではとっくに心のエネルギーは尽きてるはず・・・)
ガッシュ「許さぬぞ、これ以上私の友達を傷つけることは!!」
清麿「ザケル!」
グリサとハカセはザケルを避ける。
ハカセ「まだこれだけの電撃を・・・・」
清麿「詞音、大丈夫か」
詞音「もう少しだったのに」
ガッシュ「後は私達に任せるのだ」
清麿「ありがとう詞音、助かったよ」
詞音「うん、あたし気づいたの・・・自分勝手で弱虫だった自分に・・・」
ガッシュ「私も弱虫だ。でも清麿と一緒なら勇気がわいてくる。詞音もニャルラトと出会えて良かったろう。ニャルラトもきっと同じ思いに違いないぞ」
詞音「ガッシュくん・・・」
ガッシュ「詞音の勇気と気持ちしかと受け取ったぞ!」
清麿「ニャルラトの敵は討つ!」
ガッシュ・清麿「「絶対勝つ!!」」
ハカセ「何故だ!?ヤツらの心のエネルギーは一体・・・」
グリサ「うろたえるな。よく見ろ。ヤツはもう虫の息だ。今の電撃も燃え尽きる前の炎の一揺らぎにすぎん」
ハカセ「そ、そうだな」
グリサ「最強の呪文で三人まとめて始末してやる!」
清磨「ガッシュ!すべての力を奴にぶつけろ!」
ガッシュ「ウヌ!これで最後だ!」
グリサ「消し飛べ!ハカセ!」
ハカセ「全てを灰に返してくれる!」
清麿「オレ達の思いを全てこの術に!!」
ガッシュ「ウヌ!!」
ハカセ「ギガノ・ファイドルグ!!!」
グリサ「うおあーっ!うっ、うおあああーっ!うおーっ!」
グリサの体が炎に包まれ、更に巨大化していく。
清麿「第四の術・・・バオウ・ザケルガ!!!」
ガッシュの口から雷の龍、バオウ・ザケルガが放たれた。
グリサとバオウ・ザケルガが激突し、互角に押し合う。
ハカセ「おお素晴らしい!計算以上だ!」
詞音「ああ・・・」
ハカセ「魔鏡によって数百倍もの威力となるのだ!ハハハハ!」
しかしここで、魔境にヒビが入った。
ハカセ「なに?魔鏡にヒビが・・・まさか、あの時、キズ付いていたのか・・・」
詞音の体当たりで落とした時にヒビが入っていたのだ。
清麿「うおおおおお!!」
グリサ「なに!?魔鏡の力よりヤツらの心のエネルギーの方が上なのか!?」
ハカセ「うわああ!!」
魔鏡が粉々に砕け散った。
バオウ・ザケルガがグリサを飲み込んだ。
グリサ「うわあああ〜!」
その中で、グリサは元の姿に戻っていった。
グリサ「俺だってがんばったのに〜!」
そして、魔本が燃え尽き、バオウ・ザケルガが炸裂した。
朝日が昇った。
倒れたハカセを尻目に、詞音が清磨とガッシュに駆け寄る。
詞音「ガッシュくん!清麿くん!大丈夫!?」
ガッシュ「ウヌ・・・」
清麿「ああ・・・何とかな・・・」
詞音「ありがとう、私のために・・・」
ガッシュ「何を言う!友だちなら当然ではないか!」
詞音はニャルラトのリボンを風に当てて、飛ばした。
ガッシュ「ニャルラトのリボンが!」
詞音「いいの・・・私、ニャルラトに誓ったの。強くなるって、寂しさに負けないって。ありがとう、ニャルラト・・・」
モチノキ第二中学校。
清磨のクラスには、男子が詞音の気を引くために連れてきた子供とペッドがたくさんいた。
金山はガッシュのお面を作り、自分の額に付けた。
金山「これでヨシと。へへへ、今日こそ詞音ちゃんと一緒に帰るぜ」
岩島「遅いな、詞音ちゃん風邪でもひいたんじゃ?」
山中「きっと身支度に手間取ってんだよ。今日辺り詞音ちゃん制服で来ると思うな」
山中達が詞音の制服姿を想像する。
金山・岩島「「おお、そうだな!」」
山中「なっ、そうだろ!」
岩島「アブダクショーン!」
金山「詞音ちゃんブラボー!」
スズメ「響さんの制服姿って・・・」
スズメの想像の中では、詞音は制服がぶかぶかで、
清磨はスズメの手を取っていった。
スズメ「勝ったわ」
スズメが笑いながら、リンゴの皮をむいていく。
清麿「オハヨー、ゲッ!やれやれ」
教室に担任の中田とその妻のワイフが入り、ワイフはすぐに出て行った。
中田「みんな、突然だが残念なお知らせがある」
金山「まさか詞音ちゃんが風邪引いて、熱出したんじゃ・・・」
山中「ってことは今すぐ見舞いに・・・」
岩島「アブダクショーン!」
スズメ「風邪には卵がゆが一番でーす!」
中田「違う。響は今日をもって転校することになった」
山中・金山・岩島「「「ええ!?」」」
スズメ「響さんが転校!」
金山「何故だ!?なぜオレを置いて行ってしまうんだ・・・」
岩島「詞音ちゃん・・・」
清麿は教室から飛び出した。
金山「高嶺!くそ、最後も高嶺かよ・・・」
清磨が駆け付けた時、詞音はガッシュといた。
ガッシュ「清麿!」
清麿「ガッシュ!詞音!」
詞音「清磨くん・・・」
清麿「本当に行くのか」
詞音「うん。ここにいると、清麿君たちに頼ってしまいそうだから・・・新しい一歩は自分の力で歩き出さなきゃ・・・」
清麿「詞音・・・」
詞音「そんな顔しないで。転校生は初日にオドオドしたり、暗い顔なんで出来ないんだから」
清麿「そうだな・・・」
詞音「ガッシュくん・・・ニャルラトのためにも、必ずやさしい王様になってね。さよなら・・・」
詞音が去っていく。
ガッシュ「詞音!」
清麿「・・・元気でな!」
ガッシュ「忘れないのだ!詞音もニャルラトも絶対に忘れないのだ!私はやさしい王様になるのだ!!」
詞音がニャルラトとガッシュ達との思い出を振り返り、涙ぐんだ。
詞音「ダメだなあ・・私・・・絶対に泣かないって決めたのに・・・・」
詞音は涙をぬぐって、振り返り笑顔で手を振った。
詞音「サヨナラーーー!またねーーー!」
ガッシュ「また遊びに来るのだぞーーー!」
詞音「ウン・・・」
詞音は駆け出して行った。
詞音(ニャルラト、私はもう大丈夫だよ)
ニャルラト(ニャーー)
(魔鏡編 完)
最終更新:2024年05月03日 18:50