特捜ロボ ジャンパーソンの最終回


最強最大の敵、魔王ビルゴルディの最終作戦……
果たして、ジャンパーソンはそれを阻止できるのか!?
遂に今、ビルゴルディとの決戦の火蓋が切って落とされた




JP(ジャンパーソン)よ永遠に



ビルゴルディの最終作戦。それはハイパーサブリミナルを利用した世界同時クーデターだった。
ジャンパーソンはそれを止めるべく懐に乗り込んだが……。


ビルゴルディ「ここに乗り込んできた以上、我が最終作戦を知ってるようだなジャンパーソン…… やはりかおるはダブルスパイだったということか。敵ながら天晴れと褒めてやりたいが、遅すぎたよ」
ジャンパーソン「どういうことだ!?」


研究室ではかおるが解除プログラムを完成させる。

かおる(できた…… 遂に完成した! 解除プログラムが!! あとはこれを通信衛星を通じて送るだけ……)

マヤが現れ、かおるをはたく。

マヤ「これでやっと決着がつけられる。来るんだ!」

マヤがかおるを連れ出す。
かおるはエンターキーを押し、解除プログラムを衛星に送る。

ビルゴルディ「あの女、橘順子に、裏切りの兆候を発見した直後、念のためタイムリミットの設定を変更させてもらった!」
ジャンパーソン「すると本当のタイムリミットは……」
ビルゴルディ「今日の正午ジャスト」

時刻は午前11時59分だった。

ジャンパーソン「あと1分!!」

かおるがマヤに連れ込まれる。

ジャンパーソン「かおる!!」

ゴールドデジックがジャンパーソンを襲う。

ジャンパーソン「うわっ!!」
かおる「ジャンパーソン!!」

マヤがかおるを抑える。

ジャンパーソン「かおる!」
ビルゴルディ「顔触れが揃ったか……」

時刻は正午を過ぎる。

ビルゴルディ「タイムオーバーだ。シンディ!!」

シンディはコンピューターを操作。

キャスター「暴動です。大乱です! 世界中で武器を手にした人々が…… 突然政府や警察、マスコミなどの拠点に乱入、占拠し始めました」

かおる(そんな……)
ビルゴルディ「見たかジャンパーソン! 我が勝利を…… 魔王ビルゴルディの勝利を!!」
ジャンパーソン「何!?」
ビルゴルディ「ジャンパーソン…… 俺を見ろ。人間とロボットの共存…… お前の目指す理想こそ、この俺だ!!」
ジャンパーソン「違う! 違う!! 俺の…… 俺の理想はそんなものじゃない!」

ジャンパーソンは力を振り絞ってチェーンを引っ張りあげる。

ビルゴルディたちがそれを見て驚く。

ジャンパーソン「人間にも…… 様々な人間がいる。生まれも育ちも、性格もみんな違う! ロボットもそうだ。だからこそ、互いを認め合い…… 尊重しあう! 合体しなくても、手を繋ぎ合えるんだ。共存できるんだ!! それこそが俺の理想だ…… 実現できるなら…… 実現できるなら…… 俺は死んでも構わん!」

ビルゴルディ「じゃあ…… 死ね!!」

ゴールドデジックの銃撃がジャンパーソンを襲う。

ジャンパーソン「うわああっ!」
かおる「やめて‼︎」

シンディのリモコンが光線をジャンパーソンに浴びせる。

ジャンパーソン「ううっ!」
かおる「あっ!」

ビルゴルディの手甲の光線が炸裂。

ジャンパーソン「うわああっ!!」
かおる「やめて!!」

マヤが銃を連射。

ジャンパーソン「うわあっ!」

最後に胸部の光線が炸裂。

ジャンパーソン「うわああっ‼︎」

3人の砲撃に倒れるジャンパーソン。
ビルゴルディの足がジャンパーソンをひっくり返す。
ジャンパーソンの機能が停止する。

かおる「嘘よ、嘘よ。嘘よ…… ジャンパーソン、ジャンパーソン。ジャンパーソン!!」

ビルゴルディはヘルメットを外し、帯刀の素顔を露にする。

帯刀「かおる…… お前の始末は後でつけてやる。それまで見るがいい、確かめるがいい! 新しい歴史の始まりを……」

帯刀がかおるをはたく。

帯刀「これからテレビ局で、我がコンツェルン所有の通信衛星を通じ…… 世界に、勝利を宣言する。それでハイパーサブリミナルが完了…… 世界が、全世界が…… この俺の、ビルゴルディの前に跪くのだ…… フッフッフ…… ハッハッハ!! 勝利宣言だ!」

帯刀たちが部屋を後にする。
その後正装に着替え、車に乗り込む。


かおるがジャンパーソンを見て涙を流す。

かおる「ジャンパーソン…… どうして? どうして私を置いて…… ジャンパーソン……」

かおるは顔を近づけ、キスをする。
涙が零れ落ちる。

かおる「ジャンパーソン…… アメリカから帰ったあの時から…… 私はあなたと生き、あなたと戦い、あなたと死ぬと決めていたの。だから…… だから、私もあなたの傍へ逝きます……」

ジャンデジックを抜き、銃口を心臓に突き付けるかおる。

かおる(ジャンパーソン…… 思い出をありがとう……)

引き金を引こうとするとジャンパーソンの手が押さえる。

ジャンパーソン「かおる……」
かおる「ジャンパーソン……」

ジャンパーソンの機能が回復。
ジャンパーソンはジャンデジックをしまう。

ジャンパーソン「かおる…… 君にはまだ早すぎる。お前も、俺も、奴を…… まだビルゴルディを倒していないんだぞ!?」

かおるが頷く。

ジャンパーソン「あのビルゴルディを倒すには、今の俺自身を捨てなくてはならない。MX-A1に戻るしかないんだ! MX-A1として作動するには…… 君にこの回路を切ってもらうしかない!」
かおる「バカなこと言わないで! それは理性を、良心を、正義を司ってる、あなたの命とも言える回路なのよ!? ジャンパーソン! それを切ったら善悪の判断を捨てることになるのよ。そんなこと、私に出来るわけないじゃない…… 敵しか見えないただの殺人マシンになってしまうのよ! ダメ…… あのMX-A1から、あなたが生まれ変われたのはまさに奇跡よ。その回路を最初から切ってしまったら…… 2度と今のあなたに戻れなくなるわ」
ジャンパーソン「わかっている! だがこれしかない…… 敵に対する徹底的な攻撃と破壊本能…… それこそが今の俺には必要なんだ! ビルゴルディを倒すために……」

かおるは首を横に振る。

ジャンパーソン「かおる、回路を切ってくれ!」
かおる「嫌…… 嫌よ…… 私は絶対に嫌よ!!」
ジャンパーソン「かおる!!」
かおる「嫌よ…… 私には出来ない……」

かおるが跪く。

ジャンパーソン「かおる…… 今の俺にはこれしかない! 頼む……」

ジャンパーソンがうつ伏せになる。
かおるはジャンパーソンの胸を開け、針で回路を突き刺す。
ジャンパーソンのコンピューターにビルゴルディのデータが表示され、ターゲットと認識される。
ジャンパーソンの機能は今、MX-A1として再起動した。


帯刀たちの乗る車はテレビ局に向かって走行中。
すると突然、車に何かが突き刺さる。
帯刀たちは車を降りて外に出るとJPカードが刺さっていた。
そして向こうから走ってくる影。
それはジャンパーを着用したジャンパーソンだった。
ジャンパーを脱ぎ捨て、マスクを装着する。

シンディ「何!?」
マヤ「バカな……」
帯刀「ジャンパーソン…… 生きていたのか?」

ジャンパーソンは帯刀をスキャン。

ジャンパーソン「ターゲット・ビルゴルディ…… 抹殺する、破壊する」

ジャンパーソンがジャンデジックを乱射。
車が炎上。

帯刀「どういうことだ……!? いつものジャンパーソンとまるで違う……」

そこへ人々が銃を持って現れる。
ハイパーサブリミナルに操られた人たちだ。
帯刀がビルゴルディに変身。

人々「魔王様!」「ビルゴルディ様!!」
ビルゴルディ「あいつは新しい世界の秩序を乱す反逆者だ。ジャンパーソンを処刑しろ!!」
人々「破壊しろ!!」「魔王様のために!」「ビルゴルディ様のために……」
ビルゴルディ「処刑しろ!!」

人々がジャンパーソンに近づいて銃口を向ける。

人々「破壊しろ!!」「魔王様のために!」「ビルゴルディ様のために……」
ジャンパーソン「邪魔をするな…… 今の俺に善悪の識別回路はない。ターゲットの抹殺あるのみ…… 体はそのようにしか反応しない。動かない、邪魔をするな」

人々の銃撃に怯むジャンパーソン。

人々「破壊しろ!!」「破壊だ!」「魔王様のために」
ジャンパーソン「邪魔するな!」

ジャンパーソンが人々を叩き落とす。

ビルゴルディ「こいつは見物だ…… 戦え! 殺し合え!! 人間を、世界を敵に回せジャンパーソン!」

銃の乱射が続く。
すると人々の瞳に「解除」の文字が写る。

人々「うわああっ!!」

銃を落として逃げる人々。

ビルゴルディ「ん? どういうことだ!?」

ビルゴルディの前にかおるが姿を現す。

かおる「ビルゴルディ! 時間が掛かったけど、ようやくハイパーサブリミナルが解除されたわ。ここだけじゃなく、世界中でね……」

死んだと思われたガンギブソンもアールジーコと傷だらけで現れる。

ガンギブソン「もう1つ! バイオボーグ手術の志願者たちも、全員抑えさせてもらったぜ!! ビルゴルディ! お前の作戦もこれで終わりだ!!」
ビルゴルディ「ガンギブソン…… 貴様生きていたのか!?」
ガンギブソン「この俺がそう簡単にくたばってたまるかよ!」
アールジーコ「よく言ったガンモドキ!」
かおる「あなたの負けよ。帯刀さん…… いや、ビルゴルディ!」
ジャンパーソン「ターゲット・ビルゴルディ、抹殺する……」
ビルゴルディ「貴様らまとめて地獄へ送ってやる!!」

シンディとマヤが戦闘態勢に入る。
ビルゴルディとマヤが射撃を繰り出す。
ジャンパーソンは怯まず前に進む。

ジャンパーソン「ターゲット・ビルゴルディ…… 抹殺する」

マヤが銃を連射。

ガンギブソン「かおる!」

ガンギブソンがかおるの盾となる。
互いの銃口が火を噴く。
雷光が轟く。

ジャンパーソンとビルゴルディ、ガンギブソンとマヤが激戦を繰り広げる。
マヤの剣とキックがガンギブソンを翻弄する。
ガンギブソンはパイプを構えるが、切られてしまい、傍にあったドアを盾にする。
しかし、それも左のゴーグルもろとも切られてしまう。
シンディのビームがガンギブソンを怯ませる。

ジャンパーソンがジャンバルカンが乱射。
ビルゴルディが光線で反撃。
天井が崩れ、雨が降る。

外に出る一同。
ビルゴルディがジャンパーソンを蹴り上げる。

かおる「ジャンパーソン……」
ジャンパーソン「邪魔するな。どけ」

ジャンパーソンはかおるを突き飛ばす。
今のジャンパーソンにかおるの声は届かないのだ。

ジャンパーソン「ターゲット・ビルゴルディ、抹殺する」
ビルゴルディ「おのれ……」

ビルゴルディの光線がジャンパーソンを襲う。

アールジーコ「ジャンパーソン、合体だ」

ジャンパーソンがジックキャノンを発射。

ビルゴルディ「ぐあっ!」
ガンギブソン「スピンドルキャノン!!」

スピンドルキャノンの砲撃が炸裂。

ビルゴルディ「ぐあっ!!」

ビルゴルディの胸部の光線がジャンパーソンとガンギブソンを襲う。
ジャンパーソンはジャンブレーダーを構えるが、ビルゴルディの光線に怯んでしまう。

ガンギブソン「ジャンパーソン!!」

ジャンブレーダーがビルゴルディの胴を突き刺す。

ビルゴルディ「ぐお―――っ……」

雷が落ちるとジャンブレーダーが折れ、ビルゴルディのヘルメットが落ちる。
帯刀の右の拳がジャンパーソンの左のゴーグルを割る。
ジャンパーソンが帯刀を遠ざける。

ジャンパーソン「タ、ターゲット…… ターゲット……」

コンピューターが歪む。

ジャンパーソン「ターゲット……」
かおる「ジャンパーソン!!」
帯刀「うおおっ!!」

帯刀がかおるに近づく。
ガンギブソンはかおるを助けようとするが、マヤが剣をガンギブソンの右肩に突き刺す。

マヤ「ガンギブソン…… 地獄への道連れだ!」
かおる「ああっ……」

ガンギブソンのガンボルバーがマヤを遠ざける。
マヤの剣がガンギブソンの右腕を切り落とし、胴を突き刺す。
するとガンギブソンはナイフでマヤの首を切る。

マヤ「がああっ!」

マヤが倒れる。
シンディがガンギブソンにしがみつく。

シンディ「死ね!!」

スイッチを押すと周辺が爆発。

シンディ「うわあっ!!」

シンディも倒れる。

帯刀「マヤ…… シンディ!!」

ジャンパーソンが帯刀に触れると体から青い閃光が走り、爆発。

帯刀「うお―――っ!!」

爆炎から出てくるのはかおるを抱きかかえたジャンパーソンだった。
振り向くと帯刀は老化して炎に包まれていた。

帯刀「I'll be back……」

胸から光線が放射。

ジャンパーソン「危ない! かおる!!」

ジャンパーソンが盾となり、かおるを守る。

帯刀「うお―――っ!!」

帯刀が大爆発。
ジャンパーソンが跪く。
かおるとガンギブソンがジャンパーソンを起こす。

ジャンパーソン「大丈夫か!? かおる……」
かおる「ジャンパーソン…… 回路が切れてるのに…… どうして!? そうよ! 回路なんてそんな機械的なもの関係ないのよ!! 人間とロボットの境界を…… ジャンパーソン! あなたは越えたのよ。今こそ…… 今こそ!!」

かおるがジャンパーソンに抱きつく。

ガンギブソン「ベイベー……」
ジャンパーソン「かおる…… ガンギブソン……」



遂に、魔王は倒れ…… 世界は救われた



戦いは終わり、公園で周平や子供たちがサッカーで遊んでいた。
ジャンパーソンたちがバーベキューを焼いていた。

ガンギブソン「おーい、焼けたぞ!」
かおる「焼けたわよ」

周平たちが集まる。
遊園地では一同が乗り物に乗って楽しんでいた。

ガンギブソン「おーい、みんな乗ってるかい!? ベイベー!」
ジャンパーソン「ガンギブソン、おーい!」


ありがとうジャンパーソン! ありがとうガンギブソン!
君たちこそ、人間とロボットを繋ぎ、今日と明日を繋ぐ架け橋だ。またいつかともに戦おう……
さらば戦士たち! さらば僕らのヒーロー!!




おわり

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最終更新:2019年04月17日 17:08