レーダーが島をキャッチ。
「この島だな。無人島だと報告されているが……確かか?」「そのはずだが……。念のため確かめてみよう」
画像を拡大して島を調査すると、煙を発見。
「ん? 何だ、あの煙は!?」
老人が焚火をしている。島には人が住んでいたのだ。
「まずいな。どうする?」「警告して立ち退かせなくちゃなるまい」
島を調査していた者が、老人にテレパシーを送る。
「もし!」
老人「ん?」
空が光る。
老人「だ、誰じゃ? 何の用じゃ!?」
「それより早く、船に乗ってこの島を出なさい」
老人、恐怖のあまり地面にひれ伏し、合掌しながらメッセージを聞く。
「大雨が降り始める。そして、この島は溶けて、流れてなくなるだろう。今すぐ、この島を出なさい!」
突風が吹く。老人は大慌てで逃げていった。
老人「わああっ! おーい!」
老人が逃げた先には、漁から戻ってきたばかりの一組の父子が。
タガロ「ええっ?」
父親「何? 神様が!?」
夕方。獲ってきた魚を食べながら、老人=タガロの祖父が聞いたテレパシーの話を聞く父子。
父親「大雨、船で逃げる? それじゃ、聖書のノアの箱舟じゃないか!」
父親はこれを一笑に付す。
祖父「だろ? だからあれは神の声に違いない!」
父親「神様にしちゃ無理な注文だよ。俺たち親子3人は漁に出て、嵐で船を壊され、この島に流されてきたんだ……」
夕暮れの砂浜では、通りかかる船に助けを求める白旗が風に吹かれている。
父親「心配するな、爺さん。そのうち船が通りかかって、煙を見つけてくれるさ」
祖父「しかし確かに神様が……」
タガロ「大丈夫だよ、おじいちゃん。雨なんか降るもんか!」
その夜。
突然空に暗雲が広がり、雨が降り始める。
さらに家に水が入り、父親が慌てて目覚める。
父親「みんな起きろ! 早くここから逃げるんだ!! 早く!」
祖父「逃げるってどこへ!!」
ものすごい勢いで雨水が押し寄せ、家が流される。
タガロ一家は木の上に避難していた。
祖父「やはり神のお告げじゃ!」
父親「そんなバカな……」
祖父「島が溶けて流れる!!」
その直後、木も倒れ、一家は流されてしまう。
タガロ「パパ、おじいちゃーん!!」
雨が降っていたのは島の上だけだった。
そこにインサートする、のび太の声……。
最終更新:2023年06月19日 16:58