IS<インフィニット・ストラトス> ブラックバニー/ホワイト・ビターの第1話

第1話 『いつも一緒』

一夏が自室に駆け込んできた。
一夏「やばいやばいっ。補修の課題終わらせないと。また千冬姉に怒られる・・・」
ラウラ「おお、お帰り一夏。今日は遅かったな」
一夏「へ?」
部屋にはエプロンを着けたラウラがいた。
一夏「なんでラウラがいるんだ!?」
ラウラ「なんでとはなんだ。私は嫁を待っていたんだぞ。夫は嫁を待っているものだと聞いた」
一夏「いやそれ逆だろ」
ラウラ「まぁいい。ご飯の準備はできている」
ラウラはポトフを用意していた。
一夏「おおー!気がきくなー!助かるぞラウラ」
ラウラ「・・・ま、まずはお風呂にするか?」
一夏「お、なんかよく聞くセリフだな」
ラウラ「ご飯にするか?」
一夏「ああ!腹も減ってるしそれもいいな!」
ラウラ「それとも・・・私か!?:」
一夏「ってこれ、新婚夫婦が使う誘い文句じゃないか!どうしたんだラウラ!?」
ラウラ「どうしたもこうしたもない!ここは私だ!私だろ!!」
一夏「ちょっ!?ラウラーっ!」
ラウラが一夏に飛びかかった。

シャルロット「一夏―、聞きたいことがあるんだけどいいかなー?」
シャルロットが一夏の部屋に入ったが、そこではラウラが一夏を立ち関節技で固めていて、一夏は左手でタップしていた。
一夏「イタタッ、痛いッ、ギブギブギブ」
シャルロット「!!二人とも何してるの!!?」

シャルロットはラウラを自分達の部屋に連れ戻した。
シャルロット「ねぇーラウラ。どうしてあんなことしたのかな?僕に教えて欲しいなー」
ラウラ「知らないな、私の邪魔をしたやつに話すことはない」
シャルロット「だよねー、簡単に人の話聞かないのがラウラだもんねー」
「でもこれ以上好き勝手してると、織斑先生に怒られるよー、どうなっても知らないよー」
ラウラ「    それは危険だ、ちゃんと話をしよう」
シャルロット(織斑先生を出すと素直に聞くんだなー)

ラウラ「どれ、肩が凝ってないか?ん?」
シャルロット「と思ったら素直さを通り越して、今度は下手に出だしたよ!」
「じゃあなんで、あんなことしたのか教えてくれるかな?」
ラウラ「わかったぞ。その・・・だな・・・新婚の真似ごとをすれば・・・嫁が喜んでくれると思ったのだ」
シャルッロト「まあ実際の一夏はすごく混乱してたけどね。あはは・・・」
ラウラ「そうなのだ・・・嫁に嫌われたかも・・・」
シャルロット「大丈夫だよ。ラウラにしてはなかなかよかったし、僕じゃあんなに積極的なことできないよ」
ラウラ「そうかあ」
シャルロット(立ち直りがマッハ!!)
ラウラ「うん私もいいと思ったんだ。クラリッサがアドバイスしてくれてな」
シャルロット「黒ウサギ隊の入れ知恵だったんだ!どうりでおかしいと思ったよ!」
ラウラ「好きな男子にアプローチをかけるなら、日本伝統のアレしかないと」
シャルロット「相変わらず黒ウサギ隊は偏った知識を持ってるね」
ラウラ「特に鈍感の男子にはと言っていた」
シャルロット(―――そう、そうなんだよね。一夏はすごくかっこよくて素敵な男の子なんだけど)
(あの鉄壁の鈍感さに弾かれ、どれだけの純情が散ったことか・・・!)

シャルロット「今夜一緒にご飯でも・・・」
一夏「おう!じゃあみんなも呼ぼう!」
シャルロット「みんな!?」

シャルロット「どうしたの、ラウラ?」
ラウラ「嫁の話をしていたら、急に嫁の顔が見たくなってきた」
シャルロット「そういうとこラウラは乙女より乙女だよね!」
「さっきまで一緒にいたんだから、少しぐらいは我慢しようよ」
ラウラ「そんなの無理に決まっているだろ」
ラウラが立ち上がり、胸を張って言った。
ラウラ「いついかなる時も一緒にいたいのが夫婦だ」
シャルロット「カッコイイ・・・」
ラウラ「これもクラリッサに聞いた」
シャルロットがズッコケた。
シャルロット「そんな気がしてたよ!前の情報を含めやってくれるね黒ウサギ隊!」
ラウラ「―――そうだっ!ここでこんなことしてる場合ではない!」
「嫁が私を呼んでいる!私と一緒にいたいと叫んでいる!」
シャルロット「ちょっとラウラー!」
ラウラが部屋から飛び出した。
シャルロット「むーっ、もうっ、こんなことってひどいなー、全然僕の話聞いてないんだからー」
(けどあんなにも、一夏のことをストレートに想えるって、ちょっぴり羨ましいな・・・)
シャルロットがその場を回り出した。
シャルロット「ううー、ラウラのことだからそのストレートさが悪い方法に出るんじゃー、心配だなー、ああ心配だなー」

一夏は自室で課題をしていたが・・・
一夏「あー!全然わからねー!IS学園の授業レベル高すぎだろ!」
ラウラ「嫁には少々難しいかも知れんな」
いつの間にかに、ラウラが部屋のベットで寝転がっていた。
一夏「ちょっ!ラウラ!いつの間に部屋に入ってきたんだ!」
ラウラ「この問はCが正解だぞ」
一夏「おっ、サンキュー」
「ってそうじゃない!何しに来たんだよ、さっきみたいにまた変なことするんじゃないだろうなー、目的はなんだ?」
シャルロットが部屋の扉から様子を見に来ていた。
シャルロット(今のところ平気みたいだけど、大丈夫かなーラウラ)
ラウラ「いや今回は何もしないぞ」
一夏「は?」
シャルロット(どういうこと?)
ラウラ「強いて言うなら、傍でじーっとしているだけだ」
シャルロット(それはそれは逆に不気味だよね!)
ラウラ「ただ私は」
「嫁と一緒にいたいだけだ、ダメか?」
シャルロット(ああ、そういうことかー、こんな素直に好意を伝える言葉も他にないね、ラウラってばやるー。これを受けて一夏はどういう返事するのかなー)
一夏「別にいていいけど、俺の邪魔すんなよー」
シャルロット(女の子サイン見逃さないでよー、一夏のバカぁ~)
ラウラは涙ぐみ、鼻をかんだ。
ラウラ「嫁と一緒にいられるだけでいいんだ、いいんだ・・・」
シャルロット(ラウラわかるよ!僕もよく同じ気持ちになるから痛いほどわかるよ!)
一夏「じゃあ再開するから静かにな」
ラウラ「いいんだ、いいんだ・・・一緒にいられるだけで・・・」
シャルロット(ラウラしっかりー!)

ラウラ「嫁―、暇だー」
シャルロット(そりゃそうでしょ!やることないんだから!)
ラウラ「なんか遊ぼう、この際なんでもいい」
シャルロット(あれ!?一緒にいたいだけじゃなかったの!?)
ラウラ「口が寂しい、お菓子持ってこーい」
シャルロット(もうこれただのワガママだな・・・)
一夏「しょうがないなー、トランプでもするか」
ラウラ「うんうんっ!」
シャルロット(一夏も一夏で相手してあげるとこがまたねー。大丈夫そうだし、それじゃあ僕はそろそろ―――)
そこへ千冬が部屋に来て、シャルロットは柱の裏に隠れた。
千冬「織斑―課題のほうは進んでいるかー?」
一夏「千、千冬姉!」
ラウラ「きょ、教官!」
シャルロット(これは全然大丈夫じゃない気がしてきた・・・!)
千冬「学校では織斑先生と呼べと言っているだろう」
千冬が出席簿で一夏の頭を叩いた。
一夏「ごめんっ」
シャルロット(うわぁー痛そう-)
千冬「ボーデヴィッヒ、おまえもだ。学校で教官はやめろ」
千冬が出席簿でラウラの顔面を2度叩いた。
ラウラ「すびませんっ!」
シャルロット(なんでラウラだけ往復出席簿!?)
千冬「織斑―、補修の課題をやれと言っただろう。なのに遊んでいるとは何事だ?」
一夏「これには浅い事情があって」
千冬「深いならわかるが浅いってなんだ!フザけているのか!!」
千冬は一夏の襟首をつかんで、ひきずって行く。
千冬「ちょっと来い説教だ!」
一夏「ごめん千冬姉!ちゃんと課題するからさー」
千冬「もう遅い!説教と言ったら説教だ!」
シャルロット「あちゃー、一夏が連れてかれちゃったよー。大丈夫かな一夏・・・」

一夏は千冬に和室に連れてこられた。
千冬「こうして呼び出された理由はわかっているな?」
一夏「はい、わかっています。俺が最近たるんでいるからです」
千冬「ならいい」
「だがなぜ、ボーデヴィッヒまでいるのだ?」
ラウラ「へ?」
ラウラも和室に来ていた。
一夏「そうだぞラウラ、俺だけでいいのに」
ラウラ「え、そうなのか?じゃあ帰ろうかな・・・教官の説教ほど怖いものはこの世にないし・・・」
一夏「そこまでビビッてるのによくきたな!」
千冬「織斑の言うとおりだ、ボーデヴィッヒ。血を見る前に出ていったほうがいいぞ。今から私はキツイお灸をすえなければならんのだ。おまえの相手をしてる暇はなお」
ラウラ「いいえ教官・・・出ていきません。いついかなる時も、一緒なのが夫婦ですので」
「嫁が怒られるなら、一緒に怒られます」
千冬「そこまで言うのならわかった。一緒に説教してやろう」
ラウラ「わーい!」
一夏「嬉しがるとこか、普通―!」
千冬「ただし」
「いつもよりスーパーなやつだ。いいな?」
一夏「ひえええっ」
ラウラ「スーパーじゃ甘いです教官。ハイパーなくらいでないと」
千冬「おおーそうか、ならばハイパーにしよう」
一夏「おい勝手に難易度上げるなラウラ!」
ラウラ「いえ教官、やっぱりウルトラがいいですっ」
千冬「じゃあウルトラな」
一夏「おいラウラ!やけくそになってないか!?」


千冬「これくらいにしてやるか、もう怒られるような真似はするんじゃないぞ?」
ラウラ「ひゃ」
一夏「ひゃい」
ウルトラ説教を終えた千冬が和室から出て、一夏とラウラは寝転がった。
ラウラ「はぁ~~!怖かったー!」
一夏「すっげぇ怖かったー!」
「ラウラ・・・大丈夫か?生きてるか?」
ラウラ「ああ・・・一度死んだが、もう帰ってきたから大丈夫だ・・・」
一夏「一度死んだってなんだ!?」
「なあラウラ。一人じゃなかったからすっげえ助かった。一緒に怒られてくれてありがとう」
一夏はラウラの頭を撫でた。
ラウラ「わ・・・私は嫁といたかっただけだから、気にする、なっ!?」
ラウラが起き上がろうとしたが、倒れた。
一夏「ど、どうしたんだラウラ!?」
「ああ、そうか。正座に慣れてないのか」
ラウラ「わ・・・笑うな。嫁のくせに」
「こんなもの教官の説教に比べれば大したことではない」
一夏「それな!」


{続く

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最終更新:2020年05月11日 20:38