ここ、宇宙開発センターでは、 科学の粋を集め完成した 宇宙輸送ロケット「コスモ・ノア」の 打ち上げが迫っていた。
旅立つのは、鏑矢諸島に保護される怪獣たち。 彼らはSRCの計画のもと、 広大な宇宙に新天地を築く。 人間は、その生態系には極力干渉せず、 怪獣たちと共生する方法を模索してゆくのだ。
その壮大なプランの実現は、 どんな苦難にも夢を諦めなかった 1人の青年が起こした奇跡だった──
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主人公・春野ムサシは、TEAM EYESからこのSRC宇宙開発センターへ移籍していた。
ムサシ「コスモス…… 君のおかげで、ここまで来れた!」
声「朝っぱらから、何たそがれてんだよ」
声の主はTEAM EYESでのかつての盟友、フブキ・ケイスケ。
フブキ「よぅ!」
ムサシ「フブキ隊員!」
フブキ「チッチッ。今はキャップだ。新生チームEYESのな」
ムサシ「えぇっ!? やりましたね、フブキキャップ!」
フブキ「ネオユートピア計画か…… ついに、お前の夢が実現するな」
ムサシ「遊星ジュランも、怪獣たちが生活できる環境まで復興しました。来週には、何頭かが地球を出発します」
フブキ「『信じれば夢は叶う』か。このフレーズな、やっと俺も最近、胸張って言えるようになったよ」
ムサシ「フブキさん……!」
フブキ「で、今日はどうする? 久々の休みだろう」
ムサシ「鏑矢諸島に。リドリアスも、最初にロケットに乗る予定ですから、しばらく逢えなくなる前に」
フブキ「リドリアスだけか?」
ムサシ「えっ?」
フブキ「とぼけんなよ、お前。他にいるだろう? 一番逢いたい奴が」
鏑矢諸島の怪獣保護区では、元TEAM EYSのモリモト・アヤノが、大きなくしゃみを放っていた。
ムサシ「ちょ、ちょっと、フブキさん!? それ、誤解ですよ!」
フブキ「照れんなって。たまにしか逢えないんだろう? 優しくしてやれよ」
ムサシ「……はい!」
謎の声「ハルノ── ムサシ──」
美少女とも美青年ともつかない謎の人物が、ムサシを見ている。口は動かさないが、ムサシに声が響く。
謎の声「なぜコスモスは、お前と同化した──?」
ムサシ「えっ!?」
ムサシが驚いていると、その者は人ごみの中に姿を消してしまう。
通信音。
フブキ「カシマか、どうした?」
カシマ『キャップ、妙な電波をキャッチしました』
フブキ「電波?」
新生チームEYSの指令室。新メンバーのカシマ・エイイチ、クラモト・ナツキら。
カシマ「はい」
ナツキ「リーダー!」
カシマ「今、随時、翻訳にかけていますが、『リセット』や『消滅』といった文字が」
フブキ「消滅!?」
宇宙開発センターの警報が鳴り響く。
『上空に未確認物体接近! 緊急警戒態勢発令、緊急警戒態勢発令! 上空に未確認物体接近!』
未知の宇宙船が、上空から舞い降りてくる。
フブキ「あれは!?」
さらに宇宙船から、1機のロボットが地上へ降り立つ。
フブキ「ロボット!?」
ロボット兵器が、宇宙輸送ロケットのコスモ・ノアのほうへと向かう。
人々「うわぁっ!」「何だ、あれ!?」
ムサシ「まさか、狙いは宇宙ロケットか!?」
ムサシが無我夢中で駆け出す。
フブキ「まて、ムサシ!」
ロボットがコスモ・ノア目がけて弾丸を放つが、その攻撃を何者かの攻撃が打ち消す。
空の彼方から飛来したウルトラマンコスモスが、土煙を舞い上げながら大地に降り立つ。
ムサシ「ウルトラマン……コスモス!」
最終更新:2018年01月10日 07:44