キカイダー(ジロー)とハカイダーの最終決戦。
強大な実力者のハカイダーを前に、キカイダーは最後の手段として、良心回路を解除することで真の力を解放し、戦いに臨む。
両者の力は互いに一歩も引かず、キカイダーもハカイダーも満身創痍となる。
しかしキカイダー必殺の電磁エンドが炸裂、2人は大爆発を遂げる。
ミツ子の視界の中、もうもうと立ち昇る煙の中から、ボロボロとなったキカイダーが姿を現す。
ミツ子「ジロー……!」
ミツ子が、キカイダーに駆け寄る。
キカイダー「ごめん…… 僕は、光明寺博士の心までは、守れなかった」
良心回路を自ら解除することは、光明寺博士がキカイダーに与えた「心」を否定することに他ならない。
だが、ミツ子は、首を横に振る。
ミツ子「そんなことない…… あなたは私たちを、たくさん救ってくれたよ」
キカイダーがミツ子へ手を伸ばす。しかしその手はミツ子に触れることなく、キカイダーが倒れる。
ミツ子「ジロー!?」
ミツ子が、キカイダーを助け起こす。
ミツ子「大丈夫!?」
キカイダーのボロボロに朽ちた手が、力なく宙を泳ぐ。
キカイダー「体まで、不完全になってしまった……」
ミツ子「人間もみんな、不完全だから……」
キカイダー「──」
ミツ子「ジロー……」
ネットジャーナリストの服部半平が、その模様を撮影している。
服部「いい小説が書けそうだ」
ミツ子に抱かれたまま、キカイダーの頭部の回路の光が、静かに消える。
ミツ子「ジロー……? ジロー!」
キカイダーは完全に機能を停止し、もうミツ子の声には答えない。
ミツ子のこぼした涙が、キカイダーの顔に滴り、キカイダ―の涙のように機械の頬を伝う。
ミツ子「ジロー。私、やりたいこと見つけたよ。いつかお父さんみたいに、ジローを直してみせる。必ず……」
どこかの部屋、人間の脳髄が薬液に浸けられて、保管されている。
プロジェクトの黒幕といえる椿谷国防大臣が、マリと共に車に乗っている。
椿谷「博士の脳は、保管してあるんだろうな?」
マリ「はい」
椿谷「やはり『光明寺作品』が生き残ったというわけか。これからが、真のアンドロイド・プロジェクトの幕開けだ」
椿谷たちの乗る車は、国会議事堂へと向かっていた。
最終更新:2018年07月14日 08:47