名探偵コナン から紅の恋歌のエンディング

事件から1日が経ち、平次と和葉が見送りにやってくる。

蘭「見送りに来てくれてありがとう……」
和葉「お礼を言わなあかんのはこっちの方や」
コナン「そういえば、かるた部はどうなったの?」
和葉「それがな、決勝まで進んだことを学校側が認めてくれて、廃部にならんで済んだそうや。あたしは最後の最後で負けてしもうたけど……」
蘭「和葉ちゃん……」
和葉「ちょっと来て!」

和葉が蘭を引っ張り出す。

歩美「あれ?」
光彦「どうしたんでしょう?」
元太「なんだよ、内緒話かよ?」
蘭「本当に!?」
和葉「ええねん、だって、『しのぶれど』が取れたから」
蘭「やっぱその歌を得意札にしたんだね……」
和葉「ちゃうちゃう。歌だけやない、その歌を読んだ人の名前や! 平兼盛。百人一首の中で平次の『平』の字で名前が始まったんはその人だけや。もう平次の札にしか見えへんかったわ……」
蘭「ふーん……」
和葉「あとで『しのぶれど』の写真、平次に送ったんねん…… これがあたしの気持ちってな」
声「『しのぶれど』を送って自分の気持ちを伝えるん? そらルール違反とちゃいます?」

和葉に声をかけたには紅葉だった。

蘭「紅葉さん……」
和葉「今の声、聞こえてたん?」
紅葉「耳がええんはあんただけとちゃいますわ」
平次「おう、紅葉やないか。何してんねん、お前こんなとこで……」
紅葉「約束通り告白しに来たんです。もっとも、うちはもう平次くんに告白されてますけど……」
平次「はぁ? なんのこっちゃ?」
紅葉「これがその証拠写真です」

紅葉は平次と指切りした写真を見せる。

歩美「指切りしてる……」
光彦「約束してしまったんですね……」
元太「破ったら針千本飲まなきゃいけないんだぞ」
平次「ちょー待て! なんの約束したっちゅうねん?」
紅葉「『今度会うたら嫁にとるさかい待っとけや』」
蘭、和葉「ええーっ?」
コナン(こいつ、何気に恥ずかしいところ記録されるよな……)
紅葉「それとも、こんな昔話なかったことにしはりますか?」
平次「ん? ああっ、思い出したわ! あん時、こう言うたんや。『泣くなや、また今度勝負したらええやんけ。けど、今度会うたらもっと強目にとるさかい、腕磨いて待っとけや』っての」
コナン「つ……」
蘭「よめに……」
和葉「取るさかい?」
平次「うん! 相手が女の子やったし、怪我させたらあかん思て力抜いて優しゅう取ってたからのう……」
紅葉「伊織、撤収です!」
伊織「はい、お嬢様……」

伊織の車が到着。

紅葉「ほな、今日はこの辺で勘弁しといてあげますけど、うちは狙った札は誰にも取らへんちゅうこと、よう覚えてもらいましょか。和葉ちゃん……」
平次「なんや? また和葉とかるたやる気なんか?」

紅葉を乗せた車は空き缶をつなげた状態で走り去っていく。


帰りの新幹線では蘭が園子に電話をかけていた。

蘭「ごめん。寝てた? 園子って、百人一首に詳しかったよね?」
園子「うん。お正月に家族でやるから……」
蘭「新一に『めぐりあいて』の札の写真送ったら、『瀬をはやみ』って歌が返ってきたんだけど、どんな意味だっけ? 私、忘れちゃって……」
園子「(『愛しいあの人と今は別れていても、いつかはきっと再会しよう』という崇徳院が読んだラブラブな歌) ごちそうさま!」
蘭「あっ! ちょっと園子!」
コナン、新一「忘れてんじゃねぇよ……」



(終)

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最終更新:2018年08月11日 12:49