魔法少女リリカルなのはvivid(アニメ版)の最終回

~次回予告~
ジーク『ええ試合やったね~、二人とも頑張った』
エルス『はい、本当に。あ、次回もリリカルマジカルがんばります』
「Memory12:決着の意味」

コロナ「これが本当の最後の一撃!!」
アインハルト「覇王!断空拳!!」

コロナとアインハルトの一撃が激突し―――
コロナ「きゃ――――っ!」
コロナがはじき飛ばされ、壁に叩きつけられた。

目覚めたコロナが見たのは、のぞき込むアインハルトの顔だった。
コロナ「・・・・・あっ」

Memory12:決着の意味


審判「予選1組3回戦、同門対決は先輩、アインハルト選手の勝利で決着!ですが、勝者と敗者、両方に惜しみない拍手が送られます!」

コロナ「ありがとう、ございました」
アインハルト「こちらこそ・・・ありがとうございました」


コロナは医務室に運ばれた。
コロナ「頑張ったんですが、届きませんでした。アインハルトさん、やっぱり強いです」
ノーヴェ「でも、後一歩の所まで追い詰めてたぜ」
オットー「いい試合でしたよ。コロナお嬢ざまはやっぱり強いです」
ノーヴェ「お前の凄い所、ちゃんと証明できてたよ。
オフィシャルレコードと満員の観客が証人だ。
お前のマイストアーツは幾らでも応用が効くいい技だ。
鍛えたら鍛えただけ強くなる。今のチームで一緒にやっていけるよな?」
コロナ「はい!私はチームナカジマの一員ですから、みんなと一緒に練習していきたいです!」
オットーがコロナの手を取った。
コロナ「あ・・・」
オットー「よろしければ、僕はこれからもお嬢様のトレーナーを」
コロナ「うん、ありがとう、オットー」
ノーヴェ「フフ・・・・」

アインハルトのデバイスのアスティオンことティオが、ウェンディの掌でダウンしていた。
ウェンディ「うわわ~・・・・猫にゃんがピンチっス!完全にダウンっス!」
アインハルト「あ、ウェンディさん、こちらに・・・」
アインハルトがティオを受け取り、魔力供給を始めた。
ディエチ「魔力、供給?アインハルトも消耗しているのに」
アインハルト「平気です。この子も全力で頑張ってくれました」
ディエチ「そうだね」
アインハルト「私・・・コロナさんと話したいことがあるんです。コロナさんは大丈夫でしょうか?」
ディエチ「ああ、大丈夫だと思うけど・・・」

リオとヴィヴィオが廊下を歩いていた。
リオ「コロナ、大丈夫かな?」
ヴィヴィオ「怪我の方は心配いらないって。すぐに元気になるよ」
リオ「そっか、良かった。残念だけど、いい試合だったね」
ヴィヴィオ「アインハルトさん、本当に強かった・・・次は私達の番!」
リオ「うん、頑張らなきゃ!あ、そういえばルーちゃんの試合、そろそろじゃない」
ヴィヴィオ「あー、そうだ!会場で応援したいけど・・・でも、その前に」
リオ「その前に?」
ヴィヴィオ「コロナもきっと、ルール―の試合、みたいと思うんだ」
リオ「そっか、そうだね!」
ヴィヴィオ「行こっ、コロナのとこに」
リオ「うん」


エリオ「ルーテシア、時間だよ」
キャロ「緊張してない?」
ルーテシア「大丈夫、余裕余裕。キャロの方が緊張してるんじゃない?」
キャロ「そ、そんなこと無いよ!」

実況「選手の入場です!」

エリオ「ルーテシア!」
ルーテシア「うん」
キャロ「ルーちゃん」
ルーテシア「お任せ。さてと・・行きますか」

実況「青コーナー、ルーテシア・アルピーノ選手!今回の出場選手の中では珍しい、準魔道師!またしてもルーキー選手ですが、どんな試合を見せてくれるのか!


相手トレーナー「しっかり相手を見て行くのよ」
エルザ「はい」

エリオ「ファイト―――!」
キャロ「頑張って―――!」
ルーテシア「任せて」

エルザ「・・・ッ」

実況「さあ、試合開始です!」


会場にジークが来た。
ジーク「試合、もう始まってる・・・」
ヴィクター「また走ってきたのね」
ジーク「あっ、ヴィクター」
ヴィクター「もう半分以上の試合が終わっているわよ。自分の試合の時に遅刻はしないでちょうだいね」
ジーク「いや、うん・・・」
ヴィクター「たまには連絡しなさい。うちに来たらあなたの好きなおにぎりでもおでんでもたくさん食べさせてあげるから」

エドガー「私が作ります」

ジーク「うん、近くに寄ったらきっと連絡する」
ヴィクター「分ったわ。さ、残りの試合を一緒に見ましょう」
ジーク「うん。ありがとう・・・ヴィクターはやっぱり優しいね」
ヴィクター「あなた程じゃないわ。あなたの方がずっと優しい」
ジーク「・・・・」
ヴィクター「さっ、早く行きましょ」
ジーク「うん」



ルーテシアが多数の魔法陣を浮かべながら、宙に浮かんでいた。
エルザ「うおお―――っ!」
エルザがルーテシアに向かう。

ルーテシア「リフレクト・・・ミラージュ!!」
ルーテシアが放った無数の魔力弾が魔方陣に反射されていき、
やがてエルザの方に飛んできた。
エルザもかわしていくが、かわしきれずに魔力弾を受けて転んだ所へ、
魔力弾が一斉に降り注いだ。
エルザ「うわ――――っっ!」

実況「おっと無数の魔力弾がエルザ選手に炸裂!」

エルザは完全に気絶していた。

実況「勝者!ルーテシア・アルピーノ選手!」

ルーテシア「どう?召喚混じりの魔道師も意外とやるもんでしょ」
エリオ「ルー凄い凄い!」
キャロ「う~、ちょっぴりライバル心!?」
ルーテシア「ふふ・・・ん?」

ルーテシアは、自分を見つめる少女、ファビアに気づいた。


実況「予選11組青コーナー、ユナ・プラッツ選手対赤コーナー、ファビア・クロゼルグ選手!」

アナウンス「READY,FIGHT!」

ユナはじりじりとファビアに向かうも、ファビアは全く動かない。

ユナ「はあ―――っ!」
ある程度距離をつめたユナが一気にファビアに向かう。
ファビア「ブラックカーテン」

次の瞬間、ユナが黒い空間に覆われた。
ユナ「!?」
フォビアが連れてる悪魔が巨大化し、ユナを飲み込んだかと思うと、
ユナは沼地に飛ばされ、そこへ無数の白い手が絡んでいき・・・

ユナ「い・・・」
「いやああああ!!」
リングの上で、ユナが絶叫をあげる。

ユナのコーチがリングにタオルを投げ込んでからリングに入り、ユナに駆け寄った。
コーチ「おいどうした!?しっかりしろ―――!」
ユナ「コ、コーチィィ!」

実況「これはどういうことでしょうか!?しょ、少々お待ち下さい。大会委員に確認します、両選手はそのままで!」

フォビア「確認不要。ルール上は問題なし」

ルーテシア「へー、中々珍しい。あれは魔導師じゃなくて魔女。しかも旧時代の本物だ」

実況「ただ今、委員会裁定が出ました!ルール抵触箇所は無し、ファビア・クロセルグ選手の勝利です!」

フォビア「よしよし、プチデビルズ偉い」


ルーテシア「あの子も予選を抜けてくるかな?」

ファビア・クロゼルグ(13)
Style 正統派魔女(トゥルーウィッチ)
Mabic 悪魔使役(デビルテイマー)&呪術付与(エンチャントカース)
Device ヘルゲイザー
IM参加履歴 初出場


ファビアがルーテシアの方を見ていた。
ルーテシア「いいね、あんな子と遊べたら面白そう」


医務室の前にアインハルトがいた。
ノーヴェ「じゃあ、今日はこのまま帰れるようにしとくからな」
コロナ「はい」
ノーヴェ「ヴィヴィオ達にもコロナは元気だって、伝える」
コロナ「はい、ありがとうございます」
オットー「僕が責任を持って、ご自宅までお送りしますね」
コロナ「ありがとう、オットー」

ノーヴェ「あ」
ノーヴェがアインハルトを見付け、医務室の扉を指さす。
アインハルト「え、あ・・・・」

ノーヴェ「コロナに会いに来たんだよな」
アインハルト「はい・・・」
ノーヴェ「気持ちは分るが今は止めといた方がいい。明るく笑ってたはいえ、やっぱり負けたショックはあるだろうしな」
アインハルト「・・・・」

ノーヴェが2人分のドリンクを買った。
ノーヴェ「大丈夫だよ、お前もコロナもいい試合をした」
アインハルト「すみません・・・」
ノーヴェ「何だよ、何で謝るんだよ」
アインハルト「コロナさんと試合をして勝ってしまって、私は初めて気づきました
守りたいものを守れる強さが欲しくて、私は覇王流の道を進んでいます。
私は強くなりたいのは誰かの夢を壊すためじゃない。
コロナさんだけじゃない、私が勝ってきた参加選手の皆さんの夢も、
私は壊して、進んでるのかもしれないと・・・」
ノーヴェ「そりゃそうさ」
アインハルト「!」
ノーヴェ「勝って喜ぶヤツがいれば、負けて悲しむヤツもいる。競技ってのはそういうもんだ」
ノーヴェがアインハルトにドリンクを渡し、座った。

ノーヴェ「自分の強さを証明したい。そんな奴らが集まって、ぶつかり合って、確かめ合うのが競技試合だ。
勝つために全力で練習して、ちょっとばかり無理もして、自分の全部をぶつけて闘って・・・それで負けたらそりゃ悔しいさ」
アインハルト「・・・・」
ノーヴェ「だけどな、お前のご先祖様が生きてた時代の戦いとは違う所が一つだけある」
アインハルト「・・・ッ」
ノーヴェ「試合で負けたからって、何もかもを失う訳じゃないってこった。
負けてもまた立ち上がって戦うことを選べる。敗北の悔しさを自分の強さに変えていける。
ここにいる連中がやってるのは、お前の踏み込んだのは、そういう世界だよ」
アインハルトがノーヴェの隣に座った。
ノーヴェ「お前もコロナもいい試合をした。それで、今日はお前が勝った。
お前はただ、前を向いたら勝ち続ければいい。そしたらコロナもお前を応援してくれるよ。自分を倒した相手は、こーんなに強い人だったんだってな」
アインハルト「・・・はい」
ノーヴェ「背筋を伸ばせ!」
アインハルト「ッ!」
ノーヴェ「胸を張れ!」
アインハルト「ンッ!」
ノーヴェ「それが勝者の務めだ。返事は?」
アインハルト「はい!」
ノーヴェ「よし!大丈夫だよ。明日からコロナとも今まで話せるさ」
アインハルト「はい」
ノーヴェ「さあ、着替えて帰らないとな。ディエチが心配してるだろうし」
アインハルト「そうでした」

そこへコロナとオットーが来た。
コロナ「アインハルトさーん!改めてありがとうございました!」
アインハルト「あ・・・」
コロナ「今日は負けちゃいましたけど、次はきっと勝てるように頑張ります。
次に戦うまでの間は私がアインハルトさんの応援団長です!今度の試合も全力で応援しますね――――!」
アインハルト「・・・ありがとうございました!」
コロナ「おす!ありがとうございました!」

アインハルト「コロナさんは、優しい子です」
ノーヴェ「ああ。で、そんな選手に勝ったお前は、そうやってうつむいてるだけか?」
アインハルト「いえ!胸を張ります!勝ち続けます!これからも、きっと!」


コロナ「オットーもありがとう。ごめんね、いっぱい特訓を手伝ってくれたのに」
オットー「そんな、とんでもない。お嬢さんは本当に、善戦されました
コロナ「負けたのは悔しいし、悲しいけどまだ泣かないよ。私達のチームはまだ勝ち残ってるもんね」
ノーヴェ「はい」

2人がエレベーターを下りた所に、ヴィヴィオとリオが来た。
リオ「あ、いたいた」
ヴィヴィオ「コロナ―――」
コロナ「ヴィヴィオ、リオ」
リオ「医務室にいなかったから、探し回ってたんだよ」
コロナ「ごめんごめん」
ヴィヴィオ「もう平気なの?」
コロナ「大丈夫、元気元気。応援してくれてありがとね。頑張ったけど、やっぱり負けちゃった」
ヴィヴィオ「ううん、凄い試合だったよ」
リオ「コロナ、アインハルトさんを凄く追い詰めてたもん」
ヴィヴィオ「そうそう」
コロナ「ありがとう、二人の試合も全力で応援するからね」
ヴィヴィオ「うん」
リオ「頑張る」
コロナ「じゃ、行くよ」
ヴィヴィオ「うん」
リオ「うん!」

ヴィヴィオ・リオ・コロナ「「「絶対に・・・勝―――っ!」」」
コロナ「お―――っ!」

ウェンディ「はいアインハルト。猫ニャンも元気になったっスよ-」
ティオ「ニャー」
アインハルト「ありがとうございます」
アインハルトがティオを受け取った。
アインハルト「お疲れ様でした、ありがとう、ティオ」

ウェンディ「さっ、それじゃ帰るっスよ。あたしのドライブテクニックをお見せするっス!」
ディエチ「安全運転でね・・・」


アインハルト達がロビーに下りた。
その片隅で、エルスがジークに頭を下げて、頼み込んでいた。
エルス「お願いします!」
ジーク「うーん、やっぱ悪いよ」
エルス「いやそこを何とか!必ずお役に立ちますから」
ジーク「う~ん・・・」
エルス「お願いします!おねがいじますぅ!」
ジーク「ん」

アインハルトを見付けたジークが手を振った。
エルス「次の対戦相手ですね。確か古流武術の」
ジーク「うん、予選のころからずっと気になっとる子なんよ」

ディエチ「アインハルト、チャンピオンと面識あったっけ?」
アインハルト「いえ、会場で一度目が合ったことがあるくらいで・・・」
ウェンディ「ジークリンデ・エミリア。相手にとって不足は無いっスね!」
アインハルト「はい!」


ノーヴェとヴィヴィオ、リオがタクシーに乗っていた。
ノーヴェ「そっか、コロナに会えたのか」
ヴィヴィヴォ「うん、思ったより元気そうでよかった」
リオ「お陰でパワー貰っちゃいました」
ノーヴェ「ああ。こっちは試合に向けて最後の調整だ」
ヴィヴィオ・リオ「「はい!」」」

ノーヴェ「ディードが一足先に練習場に行ってる。しっかり仕上げるぞ!」
ヴィヴィオ・リオ「「おいっす!」」

ヴィヴィオ「ハリー選手やミウラ選手もきっと今頃練習してるよね」
リオ「頑張らなきゃ」



ハリーは、白い壁に囲まれたトレーニングルームにいた。

リンダ「行くっスよ」

ハリー「ああ、いいぜ」

ルカ「シュミレートスタート!」

ハリーの上に、複数のターゲットが現れ、
やがて赤く変わったターゲットを、ハリーが魔法弾で次々に撃ち落としていく。

ハリー「はあ―――!」


ミア「よし、モード2!」
ターゲットの動きがより速くなったが、
ハリーは魔力弾と鎖型デバイス、レッドシャークで全て撃ち落としていった。

ハリー「うおおおお―――!」

ルカ「さっすがー!」
リンダ「リーダー絶好調!」
ミア「うん!」

ハリー「誰が相手だろうと手は抜かねえ!全国まで一直線だ!」


ミウラも八神家の庭で練習していた。

ザフィーラ「次の試合も中々の難敵だな」
ヴィータ「まさかヴィヴィオとミウラがぶつかるとはな~」


ミウラ「ヴィヴィオさんは強いですよね・・ボクより年下なのにすごく早くて、技巧派で、油断してたら一撃で切り落とされちゃいそうです」

ヴィヴィオもノーヴェと練習を始めていた。

ザフィーラ「不安か」
ミウラ「不安ですし、怖いですが・・・試合がこんなに楽しみなのは初めてです。
豪天爆砕、一斉必墜・・・ボクの全部をヴィヴィオさんにぶつけさせてもらいます!」
ミウラの魔力を込めた蹴りの一撃が簀巻きを砕いた。

ヴィータ「おお」
ザフィーラ「うむ」

ミウラ「うわあっ!?」

ミウラが簀巻きを砕いたことに気づいた。

ヴィータ「しかしもっと頑丈なのを立てないとな」
ザフィーラ「この調子じゃ何本あっても足りん」

ミウラ「すみません、すみません、すみません!」

ヴィヴィオ(相手がだれであろうと、私は全力でぶつかっていくだけ・・・)
「行きます、ミウラさん!」



コロナ「ひとまずここでインターバル」
リオ「それではみなさん」
ヴィヴィオ「ご一緒に!」
ヴィヴィオ・コロナ・リオ・アインハルト「「「「リリカルマジカルがんばります!!」」」」
アインハルト「です」



(おわり)

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最終更新:2019年01月28日 11:04