宇宙空間を、顔の付いた円盤、スペイザーとそれを追う二つの円盤が進んでいた。
追う方の円盤が、人間型ロボットと鳥形ロボットに変形し、
人間型の方がスペイザーを殴り飛ばし、鳥形が飛んできたスペイザーをつかみ取った。
しかし、スペイザーから人間型ロボット・グレンダイザーが鳥形ロボットの手を引きちぎりながら飛び出した。
グレンダイザーは両肩から取り出した鎌を合体させた武器、ダブルハーケンで鳥形ロボットの首を切り裂き、鳥形ロボットは大爆発した。
しかし、背後から人間型ロボットが両肩から飛ばしたトゲにグレンダイザーは手足を貫かれた。
人間型ロボットは両肩のトゲ付き円盤を回しながらグレンダイザーに迫るも、
グレンダイザーは右のパンチを人間型ロボットの顔面にたたき込んだ。
そのまま、グレンダイザーは右腕のデコレーションを展開、回転させて
人間型ロボットの頭を削り取った。
人間型ロボットは落下してから、爆発した。
グレンダイザーはスペイザーと合体するも、ふらつき、
とある星―――地球へと落ちていった。
夜道を一台の車が走っていた。
その車を運転していたのは、あのマジンガーZのパイロットであった兜甲児だった。
甲児「むっ、あれは・・・!?UFO、空とぶ円盤!!」
落ちてくるUFOを見た甲児は車を止め、外へ出た。
地上へ落ちてきたのは、スペイザーだった。
甲児「あの円盤!顔がある!」
「うわ~っ」
スペイザーが甲児の真上をかすめ、森の方へ落ちていった。
甲児「森におちたようだ、いってみよう」
森へ入った甲児が見たのは、落ちたスペイザーとその前に立つ鎧姿の男だった。
甲児「あ!」
デユーク「わが名は、デューク=フリード!」
甲児「デューク=フリード・・・・」
甲児(デューク=フリード、ぐうぜんあったこの男が・・・・おれを地獄の戦争へとかりだすのだ)
後日、甲児は宇宙観測研究所に来ていた。
甲児「さすが宇宙かんそくで世界一をほこる研究所だ。すごいもんですね」
所長・宇門源蔵「兜くん、円盤研究もたいへんなものときいてるが」
甲児「いやあ、有名な博士にほめられるとてれくさいな」
宇門「はっはっは」
甲児「ところで博士、かれはおちつきましたか?ぼくがつれてきた宇宙人、デューク・フリード」
宇門「うむ、おどろくべきかいふく力だ。あれほどのけがが、はやくもなおってきた。わたしのけいえいする牧場ではたらきながら健康をとりもどしてるいるよ。デューク=フリード、いまは宇門大介と名のならせ、わたしのむすこということにしてある。むろんかれが宇宙人であることはひみつにしてある」
「甲児くん、今夜わたしの家にきてくれたまえ。大介が重大な話をわれわれ二人にうちあけたいといっている・・・・」
甲児「重大な話?」
宇門「地球の危機にかんする話だそうだよ」
甲児「えっ」
デューク=フリードこと大介が、少女、牧場ひかると共に馬で走っていた。
ひかる「大介くん、すごいわね」
大介「なにがひかるさん」
ひかる「なにがってもち乗馬よ。ついこのまえまでのれなかったくせに、もうあたしより上だもん」
ひかるの父の団兵衛は高台に乗って、双眼鏡で辺りを見ていた。
団兵衛「UFO,UFO。おややつら。ひかるに大介め、かえってきたな。大介くんだいぶ牧場生活になれてきたようだわい、わい、わい」
ゴロウ「おねえちゃ~ん、こら~がきのころからうまにのってるおねえちゃんがしろうとにまけていいのか」
ひかるの弟のゴロウがはやし立てる。
ひかる「じょうがないじゃない、大介はとくべつよう」
「あれっ、大介くんいくの。きょうはとまっていかないの?」
大介「ああ、きょうはおやじと話があるんだ。またあしたね」
夜。大介、甲児、宇門博士の三人が宇門博士の家に集まった。
大介と甲児が握手を交わす。
大介「兜くん、きみのおかげで宇門博士としりあえた。ありがとう」
甲児「なあに、それはぐうぜん。けがしたきみにあったのが、ちょうど宇門博士のところへいくとちゅうだったんだから」
宇門「それより大介、重大な話とは」
大介「ええ、おそろしいい敵が、地球にせまっているのです。わたしのふるさとの星、フリード星をほろぼしたおそろしい悪魔王!恐星大王ベガの円盤軍団です!恐星大王ベガのほこる円盤軍団は、わたしのうつくしい星フリード星をおそい、ほろぼしたのです」
「フリード星の王子であるわたしは、フリード星の科学力の結晶ともいうべき万能円盤、UFOロボグレンダイザーとともにフリード星をだっしゅつした」
甲児「UFOロボグレンダイザー」
大介「わたしの行き先はひとつ。恐星大王がフリード星のつぎにねらう星!地球!恐星大王はいま地球をほろぼそうとしているのです!」
大介の言った通り、地球にベガの円盤軍団が迫っていた。
円盤軍団の中央のマザーシップに、地球こうげき隊長ブラッキーが乗っていた。
ブラッキー「ふふふふふ、円盤獣よ地球をおそえ!フリード星にくらべたら地球などひとひねりだ」
マザーシップから発進した円盤が上下に展開、変形し、円盤獣ギルギルとなった。
デューク=フリードがいったことばは不幸にも的中した。
恐星大王ベガの地球こうげきがはじまったのだ!きょうふの円盤獣が活動を開始した・・・・
夜の東京に円盤が来た。
人々「あっ!あれをみろ!」
「UFOだ」
「空とぶ円盤だぞ」
円盤が変形し、ギルギルになり、口や上部から光線を放ち、街を破壊し始めた。
人々「うわあ!円盤が海獣になったぞ」
「きゃあっ」
「わあっ」
「あくまだ、あくまの円盤だ」
ギルギルは口からの光線でビルを破壊し続け、人々が逃げ惑う。
人々「た、たすけて・・・」
「うわあっ」
キャスター「りんじニュースです。とつじょ東京が円盤獣のしゅうげきをうけました!」
大介「なんだって円盤獣だと!しまった!はやくも恐星ベガのしんりゃくがはじまったか。地球のぼうえいたいせいがなにもできていないというのに!はやい、はやすぎる」
「地球を円盤獣からまもるしゅだんは一つしかない。グレンダイザーただ一つ!」
甲児「グレンダイザー?グレンダイザーとはそれほどの力をもつものなのか!」
大介「いまこそおみせしよう、グレンダイザーの力を!」
大介が窓を開き、デューク=フリードの姿になった。
デューク「ふくしゅうのときはきた!グレンダイザーよ、いまこそおまえの力をデューク=フリードにあたえるのだ!グレ~ンダイザ~」
甲児「あっ、あれは」
スペイザーがやってきて、デュークがスペイザーに飛び乗った。
デューク「恐星大王、この地球をきさまにはわたさない!フリード星の二のまいにはしないぞ!とうさん、かあさん、そして恐星大王のためにころされたフリード星のなかまたち!きみたちのかたきをグレンダイザーがうつ!」
デュークは目に涙を浮かべていた。
デューク「宇宙にちったたましいよ!みていてくれ!デューク=フリードとグレンダイザーのかつやくを!」
東京ではギルギルが暴れ続けていた。
女性「きゃああっ」
ギルギルが逃げ惑う人達を叩き潰した。
自衛隊の戦闘機が来たが、ギルギルの口からの光線の一撃で全て撃ち落とされた。
ギルギルの内部には、三人の兵士たちが乗っていた。
兵士たち「地球の戦闘機なぞおもちゃのようなものだ」
「われらの円盤獣は地球でもむてきだ!はっはっは」
「うっ!なんだ!ものすごいスピードの飛行物体がちかづいてくるぞ!」
「なに!」
「しんじられっん、地球にこんなスピードのある乗り物があるなんて・・・」
「そ、そうか・・・・もしや。気をつけろ、もしかするとフリード星でとりにがした、ばんのう円盤かもしれないぞ」
「グ・・・グレンダイザー」
グレンダイザーがギルギルの前にやって来た。
兵士たち「うわ~っ」
「まちがいない、あのグレンダイザーだ!」
「グレンダイザーが地球にいたぞ!」
「ブラッキー隊長にれんらくしろ!」
デューク「ダイザーゴーッ!」
グレンダイザーがスペイザーから飛び出した。
兵士「せんとう開始、グレンダイザーをたおせ!」
デューク「円盤獣!デューク=フリードのいかりをみよ!スクリュークラッシャーパーンチ!」
グレンダイザーが右腕のデコレーションを展開し、回転させてから右腕を射出した。
兵士たち「よけきれません!」
「な、なに・・・・」
スクリュークラッシャーパンチがギルギルの左半身をえぐった。
デューク「ダブルハーケン!」
グレンダイザーがダブルハーケンを取り出し、ギルギルの頭を切り裂いた。
デューク「みたか!ダブルハーケンのいりょく!」
グレンダイザーはダブルハーケンでギルギルを真っ二つに切り裂き、ギルギルが爆発した。
デューク「やったぞ。うっ!?」
爆煙の中から、多数の破片が飛び出し、幾つかがグレンダイザーに当たった。
デューク「うわっ」
さらに爆煙の中から、倒したはずのギルギルが出てきた。
ギルギル「ギエエッ」
デューク「ああっ!!」
兵士「ぐわははっ、そうかんたんにやられる円盤獣ギルギルではない!!ふっとんだのは外側だけだ!!」
「こんどはこっちのばんだ!」
ギルギルが円盤形態になり、円盤の縁からトゲを出して大回転し、
体当たりをグレンダイザーに当てた。
ギルギルは再度、体当たりをグレンダイザーの腹に当てたが、グレンダイザーはそのままギルギルを受け止めた。
デューク「こんどこそいきのねをとめてやる」
グレンダイザーがギルギルの上部にパンチを打ち込み、
パンチは兵士たちの前まで迫った。
兵士「うわっ」
グレンダイザーは更にひざ蹴りをギルギルに当ててから放り投げ、
ダブルハーケンでギルギルを真っ二つに切り裂き、
今度こそギルギルが爆発した。
デューク「これでほんとうに最後だ!!」
円盤獣ギルギルをたおしたその日からグレンダイザーは地球人類の守り神となったのだ。
いけ、グレンダイザー。たたかえ、デューク=フリード。
(つづく)
最終更新:2019年05月20日 09:50