破裏拳ポリマーこと鎧 武士の活躍により、ポリマーシステム悪用の企みは潰えた。
武士がポリマーシステムの生みの親である父の墓参りに来ている。
武士「えらい目に遭ったぜ、あんたのおかげで。親父。でも、気づかされたよ。思ってた以上にあんたの教えは、俺の体の中に染み込んでいたってな」
父に反目していた武士は、穏やかな目で墓石を見つめる。
武士「久しぶりに見てくれよな。気に入らなかったら、また怒鳴ってくれてもいいんだぜ」
武士は上着を脱ぎ、父の墓石の前で、破裏拳流の演武を始める。
武士の幼い姪・瑞樹の入院している病院。
見舞いに訪れた来間に、瑞樹が頬にキス──するかと思いきや、不意に大声で脅かす。
瑞樹「わあぁ!!」
来間「うわっ!?」
テル「ひっかかった、シャーロック~!」
その様子を、武士が見ている。
武士「なんだよ、また引っかかってんのかよ。バッカじゃねぇの?」
テル「わぁ、叔父さぁん!」
来間「あれ? 僕にチューは?」
テル「ドンマイ。フフフ」
駆け寄る瑞樹を、武士が優しく抱き上げる。
来間「いやぁ~、可愛いなぁ」
砂浜で武士と来間が、海を見つめる。
来間「公にはされてませんが、本物の八城総監──」
武士「遺体で発見されたそうだな」
来間「どうしてそれを!?」
武士「探偵さんだぜ、俺は。ま、しばらくは閉店すっけどな」
来間「……行っちゃうんですか、海外に」
武士「あぁ。けどよ、テルにテナント契約は解除しないって宣言されてな。家賃とられっぱなしなんだよ」
来間「フフ……」
武士「そんな話があるかってんだよな!」
来間「寂しいんですよ。テルさんも」
武士が照れくさそうに微笑む。
来間「また、テルさんと一緒に行ってもいいですか? 瑞樹ちゃんのお見舞いに」
武士「……おぅ。頼むわ」
来間「いつ帰って来るんです? 今度は」
武士「さぁなぁ…… またポリマーが必要になったときかな」
来間「『この世に悪のある限り』? でも、今だって」
武士「バァカ! そう思うなら、お前ががんばれ」
来間「……はい!」
姿勢を正して大声で答える来間に、武士が苦笑する。
来間「武士さん……」
武士「プッ! なんだよ」
来間「アハハハ!」
武士「それまでは、ポリメットは預けとくよ。大切に保管しとけよ。頼んだぞ!」
武士がわざと、来間の怪我している方の腕を叩く。
来間「痛っ!」
武士「ははっ、じゃあな」
武士が去って行く。
来間は姿勢を正して敬礼し、その後姿をいつまでも見送り続ける。
最終更新:2019年07月20日 03:40