ナレーター「祐司のパワーブレスが、自称悪の天才・ジニアス黒田に奪われた!」
ブルドント「パワーブレスを奪うんだ!」
ブルドントが差し向けたマシン獣バラバキュームの攻撃に、黒田の息子の茂が巻き込まれた。しかし、茂の傷口から機械が覗いていた。
茂「ロボット?・・・ボクがロボット?・・・パパ・・・」
ナレーター「オーレンジャーはパワーブレスを取り戻し、マシン獣バラバキュームを倒した。しかし、黒田親子は姿を消していた・・・」
黒田は隠れ家で茂を修理していた。
茂「パパ・・・僕、ロボットだったんだね・・・・どうして?どうしてなの?」
黒田「茂・・・実はな本物の茂は2年前、交通事故で死んだんだ」
横断歩道を歩いていた茂に急に曲がってきたトラックが迫り・・・・
茂「うわ――――っ!」
黒田「私は茂が死んだなんて信じたくなかった。だからお前の頭脳をコンピューターにインプットして、代わりのロボットを作った。それがお前なんだ」
「でも今じゃお前のほうがずっと大切だよ。人間の茂はちょっと車にぶつかっただけで死んしまったが、マシンのお前は簡単には死なない。やりようによっては人間の何百倍のパワーも持てるし、武器だって内蔵できる」
茂「やだよ!そんなのやだ!」
黒田「ほら動いちゃダメだろう。私はバラノイアが地球に攻めてきた時、これだ!と思った。連中はマシンだ、マシンこそが地球を支配するのに相応しい」
茂「パパ・・・」
黒田「よし直った。これでいい。さてと、もう一度バラノイアに私の素晴らしさを教えてやるか。茂、今度こそ上手くやるからな」
吾郎達はロープウェイで黒田の隠れ家に向かっていた。
吾郎「この山の向こうに黒田のアジトがあるのは間違いないんだな」
桃「ええ、徹底的に調査しましたから」
樹理「茂君のことが心配だわ・・・」
吾郎達が向かっていた山の向こうに、バラノイアの戦艦、バラクティカが飛来した。
昌平「バラノイア・・・!」
吾郎達が黒田の隠れ家に踏み込んだが、茂だけが残されていた。
吾郎「茂君、黒田は?」
茂「バラノイアの所に行っちゃたよ!パパ、また何か悪いこと考えてるんだ」
月のバラノイア宮殿。
黒田はバッカスフンドに会っていた。
バッカスフンド「ヌハハハ・・・我々の仲間になりたいだと?ハハハ、馬鹿も休み休み言え!ヌハハハ」
黒田「何がおかしい?私は君達マシンが大好きなんだ。だから仲間になってオーレンジャーを倒すのに一役買ってあげようと言ってるんじゃないか」
バッカスフンド「ふざけるな、人間のおまえに何が出来るというのだ。話にならん、スクラップ置き場へ連れてって処分してしまえ!」
バーロ兵が黒田を引き立てようとする。
黒田「そんな事して良いのか?私にはオーレンジャー打倒の必殺の作戦があるんだぞ」
バッカスフンド「ん?」
黒田「それにお前達には無い、素晴らしいパワーもある」
バッカッスフンド「何、パワーだと?」
バーロ兵が黒田から離れた。
黒田「憎しみのパワーさ。息子も簡単に死んでしまった。そして私の妻も・・・
人間は弱すぎるのだ。そんな弱い人間を作り出した神が憎い。
そんな神を敬い、何も気づかない愚かな人間も憎い。
地球上の人間全てを滅ぼし、マシンが神に代わってこの地上を収めればいいんだ・・・
分かるかな、この憎しみのパワー・・・・ぬはははは!」
バッカスフンド「・・・・・」
りんどう湖ファミリー牧場に三浦参謀長が来た。
吾郎「参謀長、黒田のアジトからこんなものが出てきました。何か手がかりになるかもしれません」
吾郎が三浦にフロッピーを渡した。
三浦「うむ、分析してみよう。ところで茂君は?
祐司「昌平と桃が見ています」
吾郎「しかし、何故黒田は茂君を残していったんでしょう?そこのところが分かりません」
茂は昌平と桃と一緒に湖に来ていた。
茂「僕、このりんどう湖ファミリー牧場でパパとよく遊んだ。ボートに乗ったり、馬に乗ったり」
黒田「ほらこげ、どんどんこげ」
黒田「大きな湖だね」
茂「すごいねー」
黒田「これは、フランスは写実主義の高名な画家が書いた・・・」
茂「パパ―――」
玄他「茂―――」
茂「でもみんな嘘だったんだ。その思い出はみんな、死んだ本物の茂くんが経験したことで、僕には何もないんだ・・・」
桃「茂君・・・・はっ」
地面が揺れ出した。
地面から、巨大な金属の蔦が出てきて、昌平と桃に巻き付いた。
昌平「何だこれは!」
吾郎に昌平からの通信が入った。
昌平「隊長!巨大な金属のツタが・・・・」
吾郎「何?」
昌平「うわ――――!」
昌平からの通信が切れた。
吾郎「どうした!?昌平?晶平!」
吾郎達は、倒れた茂を見付けた。
祐司「茂君!」
吾郎「しっかりするんだ茂君!」
茂「お兄ちゃん・・・バラノイアが昌平さんと桃さんを・・・」
祐司「馬鹿な・・・二人とも何も出来ずに連れ去られたというのか?」
吾郎「辺りを探すんだ」
祐司「はい」
吾郎達が分散して辺りを探し出した。
吾郎に三浦からの通信が入った。
三浦「吾郎、とんでもないことが分かったぞ。フロッピーディスクの中に茂君の設計図があったんだが、茂君の体内には幾つか武器が内蔵されてる」
吾郎「何ですって!」
その時、また地面から金属の蔦が飛び出し、茂と一緒に居た樹理に巻き付いた。
吾郎・祐司「「樹理!」」
駆けつけた吾郎と祐司の前で、茂の顔がロボットのものに変化した。
吾郎・祐司「「あっ!」」
茂が目から光線を撃ち、吾郎と祐司を攻撃する。
祐司「うわっ!」
吾郎「止めるんだ!茂君!」
茂の額のランプは赤く点滅していて、金属の蔦に付いた機器にも同じランプが付いていた。
吾郎「黒田にコントロールされている・・・茂君を残していったのはこれが狙いだったのか」
茂が再度、ビームを撃った。
吾郎・祐司「「超力変身!」」
吾郎と祐司がオーレンジャーに変身した。
しかし、茂は口から火炎を吐いて、更に2人を攻撃する。
レッド・ブルー「「うわあっ!」」
樹理に巻き付いていた金属の蔦が茂と一緒に地面に沈んでいった。
樹理「うわ―――っ!」
レッド・ブルー「「樹理!」」
金属の蔦を追いかけたオーレッドとオーブルーは山中の洞窟を見付けた。
レッド「あれだ」
オーレッドとオーブルーが洞窟の中を進み、
開けた場所に入ると、扉が閉まった。
そこには金属の蔦に巻き付かれた昌平達がいた。
レッド「昌平、樹理、桃!」
そして、その中央に金属の蔦と合体し、マシンの姿になった黒田がいた。
その腹部には、茂の頭が組み込まれていた。
黒田「ふっふふふ、来たなオーレンジャー。待っていたぞ」
レッド「黒田!」
ブルー「茂君!」
黒田「ははははは!見たか私の体を。お前達を倒すためにバラノイアに改造を頼み、マシンになったのだ」
バラノイア宮殿。
バッカスフンド「その通りだ、オーレンジャー。人間がマシンになりどこまでやれるか、ここからゆっくり見物させてもらうぞ」
黒田「嬉しいだろ茂・・・私もようやくマシンになれた。これからはいつも二人は一緒だからな・・・」
レッド「馬鹿な!どうかしてるぞ、黒田!」
黒田「黙れ!私はお前達を倒しバラノイアの仲間になるのだ。覚悟しろ!」
黒田は茂の目からの光線でオーレッドとオーブルーを撃ち、
更に肩から金属の触手を伸ばし、オーレッドとオーブルーに巻き付けた。
レッド「離せ!」
黒田「はははは!どうやら勝負はついたようだ。5人とも締め殺してやる!」
茂の口から火炎が放たれ、オーレッドとオーブルーを焼く。
レッド「黒田!それでも父親か!こんな真似をして茂君が可哀想だと思わないのか!?」
樹理「目を覚まして茂君!」
桃「あなたは体はロボットでも心は人間のはずよ!茂君・・・」
昌平「茂君・・・・・」
レッド「止めろ――――!茂君、目を覚ますんだ!」
黒田「黙れ!フハハハハハ」
レッド「黒田!」
不意に、茂の口からの火炎が止まった。
茂(パパ・・・パパ・・・やめて・・・やめて・・・)
茂の目から、涙が零れた。
黒田「茂・・・」
レッド「茂君・・・・」
茂は目からの光線で、オーレッド達に巻き付いた金属の蔦を撃ち、
オーレッド達は解放された。
黒田「何をするんだ茂!」
バッカスフンド「馬鹿め!失敗しおって、所詮人間など当てにしてなかったのだ」
茂が黒田から分離し、投げ出された。
レッド「茂君!しっかりするんだ!」
バッカスフンド「バラアイビー!」
黒田から金属の蔦の部分が分離し、黒田は人型のマシンになった。
黒田「うわああ!」
そして、分離した部分が集結し、マシン獣バラアイビーとなった。
バラアイビーは顔面からの光線で黒田を撃った。
黒田「うわ―――っ!」
レッド「マシン獣!」
バラアイビーは黒田を攻撃し続ける。
黒田「バラノイア・・裏切ったな!」
黒田は胸からの光線でバラアイビーを撃つも、
バラアイビーに口からの光線を撃ち返された。
黒田「うわああっ!」
黒田が炎に包まれた。
黒田「逃げろ、オーレンジャー・・・茂を、頼む・・・!」
レッド「黒田!」
ブルー「黒田!」
バラアイビーが止めの光線を黒田に撃った。
黒田「うわっ!茂―――――!!」
黒田が爆発に包まれ、洞窟も崩壊を始めた。
オーレンジャーは茂を連れて、洞窟を脱出した。
しかし、山中の岩場に出た所で、あの金属の蔦が出てきて、オーレッドとオーブルーを殴り飛ばした。
レッド・ブルー「「うわっ!」」
バラアイビーが地上に飛び上がり、バーロ兵達も来た。
昌平・樹理・桃「「「超力変身!」」」
昌平達もオーレンジャーに変身した。
レッド「超力戦隊!」
オーレンジャー「「「「「「オーレンジャー!!」」」」」
オーレンジャーはバーロ兵達と戦い、一掃した。
ブルー「来い!」
オーレンジャーはレンジャーアイテムを構え、バラアイビーと相対する。
バラアイビーは腕に付いた金属の蔦で、オーレッド、オーブルー、オーピンクを殴り飛ばした。
レッド・ブルー・ピンク「「「うわっ!」」」
返す刀で、バラアイビーはオーグリーンとオーイエローも殴り飛ばした。
グリーン・イエロー「「ぐわっ!」」
立ち上がったオーレッドが飛び上がった。
レッド「とあ―――っ!」
オーレッドはスターライザーでバラアイビーの金属の蔦を切り落とした。
レッド「秘剣超力ライザー!あ―たあっ――!」
オーレッドの必殺剣がバラアイビーに炸裂した。
レッド「ビッグバンバスターだ!」
合体武器ビッグバンバスターを構えたオーレッドを他のメンバーが後ろから支える。
オーレンジャー「「「「「「ビッグバンバスター!!」」」」」」
ビッグバンバスターからの砲撃がバラアイビーに炸裂した。
侍従アチャとコチャのコンビが出てきた。
アチャ「おのれ~~~コチャ!出番ですよ!」
コチャ「はいな、任せんしゃい!」
頭を収納したコチャを、アチャがハンマー投げの様に振り回しだした。
アチャ「アチャ~~~」
コチャ「コチャ~~~」
アチャ「アチャ~~~~」
コチャ「コチャ~~~~」
アチャ「アチャ!」
アチャが放り投げたコチャが、倒れたバラアイビーに飛びついた。
コチャ「巨大化エネルギー注入!おっきくなってね!」
コチャに巨大化エネルギーを注入され、バラアイビーが巨大化した。
オーレンジャー「「「「「「出動!超力モビル!」」」」」」
超力モビルがやって来た。
オーレンジャー「「「「「と――――っ!」」」」」
オーレンジャーが超力モビルに飛び乗った。
レッド「超力合体!」
超力モビルが合体し、オーレンジャーロボとなった。
レッド「オーレンジャーロボ!」
オーレンジャー「「「「「オーレ!」」」」
オーレンジャーロボとバラアイビーが組み合う。
バラアイビーをオーレンジャーロボを蹴りつけるも、
オーレンジャーロボはものともせず、バラアイビーを放り投げた。
しかしバラアイビーは放り投げた勢いで地面に潜った。
オーレンジャーロボは辺りを見回すが、地下から手を出したバラアイビーがオーレンジャーロボの左足をすくい、転倒させた。
そこへバラアイビーが飛びかかろうとしたが、オーレンジャーロボはスーパークラウンソードを振い、バラアイビーを切り裂いた。
オーレンジャー「「「「「クラウンファイナルクラッシュ!!」」」」」
必殺技・クラウンファイナルクラッシュがバラアイビーに炸裂し、バラアイビーは大爆発した。
吾郎達「「「茂く――――ん!」」」」」
戦い終わって、吾郎達は倒れた茂の元に駆け寄った。
吾郎「茂君、しっかりするんだ茂君!」
茂「お兄ちゃん・・・パパ、死んだんだね・・・」
樹理「茂君・・・・」
茂「いいんだ、僕も死ぬから・・・」
吾郎「何言ってるんだ・・・人間はね、どんなに苦しくても死ぬなんて思っちゃいけないんだ・・・」
茂「ごめんねお兄ちゃん・・・パパは悪い人だったけど、それでも僕好きだったんだ・・・・吾郎さん・・昌平さん。。・祐司さん・・・樹理さん・・・桃さん・・・ありがとう」
茂が目を閉じた。
吾郎・祐司・昌平「「「茂君――――!」」」
樹理「茂君!」
桃「茂君・・・・」
そこへ三浦が来た。
三浦「泣くなみんな!茂君は死んではいない。機能が一旦停止しただけだ」
吾郎「機能が・・・?」
三浦「茂君は私の手で必ず生き返らせてみる!体内の武器を全て取り除き、必ず!」
後日、祐司達と一緒にりんどう湖ファミリー牧場で遊ぶ茂の姿があった。
そこへ吾郎と三浦も来た。
吾郎「茂くーん」
茂が吾郎の方に駆けだした。
吾郎(茂君、君は人間の心を持っている。
人間はどんな辛いことがあっても、それを乗り越えていく勇気と強さを持っている
だから君も、頑張ってくれ。茂君)
最終更新:2024年02月18日 06:22