太一「俺の名前は西村太一。どこにでもいる普通の高校生だったのに」
「普通だと思っていたら、異世界ではチートでした」
太一(この世界の生活にもだいぶ慣れてきたな)
太一(めっちゃカラオケ行きたい)
カラオケ編
太一(貴史や凜たちとよく行ってたな。たまには大声で歌いたい)
凜「どうしたの太一、ぼーっとしちゃって」
太一「凜」
太一「いや日本のカラオケが懐かしいなーって思ってさ。ほらよく下校中に三人で行っただろ」
凜「太一・・・」
太一「悪い悪い、ここは日本じゃなかったな・・・」
凜「私は遊園地行きたい」
太一「凜、それは俺も行きたい」
レミーア「「からおけ」?なんだそれは」
太一「やっぱりこの世界にはないか・・・」
レミーア「うむ、ということはまたタイチ達の世界にあったものの話か?」
レミーア「どんなものか話してみろ。この世界にも似たようなものがあるかもしれん」
太一「そうかなぁ」
太一「「歌」って知ってる?」
レミーア「バカにしているのか?」
太一「何人かで集まって歌を歌い合う小さな箱というべきか」
レミーア「ふむ」
レミーア「要するにその歌は魔術でいうところの呪文で、小さな箱は召喚された魔物を入れておくための檻なのでは?」
太一「全然違うけど」
レミーア「そうか、全然?」
太一「全然」
レミーア「集団で歌を歌い合うというのは何か儀式めいてると思うんだが。小さな箱も儀式っぽいし」
太一「箱の説明は俺が悪かった。カラオケをする場所を「カラオケボックス」って言うんだ」
レミーア「つまりその箱の中に人間をつめ込むわけか・・・」
太一「つめ込む・・・?」
レミーア「人が一人入りきるかもわからない小さな箱に、何人も何人も」
太一「グロいグロい、箱の想定が小さすぎる」
凜「これくらいの大きさの箱に、1~5人くらいが集まって歌うんだよ」
レミーア「それの一体何が楽しいんだ?」
太一「もう説明するのがしんどい」
レミーア「まぁでも大体わかった。とにかく箱を作ればいいんだな」
太一(絶対分かってなさそう)
レミーア「できたぞ!」
太一「できんのはやっ」
そして完成したのは、「カラオケ YOI SOUND」の看板を掲げた建物だった。
レミーア「どうだ?」
太一「建物だけそれっぽい!!」
凜「さすがにマイクはないよね」
太一「どうだろぅなぁ・・・」
レミーア「何か不服か?」
(続く)
最終更新:2019年10月27日 09:12