魔進戦隊キラメイジャーの第1話

街に邪面獣ジャグチヒルドンが飛来。
体内からベチャットを地上に送り、人々に襲い掛からせた。


ココナッツタワー。
博多南無鈴とマブシーナがそれを見ていた。

マブシーナ「きてしまった…… 5人目の戦士がまだなのに」
博多南「悩んでる暇はないぞ、マブシーナ姫。F13地区にヨドン軍の進行を確認! キラメイジャー、出動!」
一同「了解!」
レッドキラメイストーン「きたーっ!」
一同「なんだ、なんだ?」
レッドキラメイストーン「心を研ぎ澄ませて、ついに俺と響き合う奴を見つけたぜ! 輝きの戦士、最後の1人、5人目のキラメイジャー‼︎」

高校から生徒たちがジャグチヒルドンを見ていた。

生徒「マジかよ。すげぇ!」
一同「わああっ!」
健太「近くまで見に行こうぜ。あいたっ! んだよ、熱田!」

熱田充瑠がスケッチブックに絵を描いていた。

健太「聞いてんのかよ。おい、落書きやろう!」
充瑠「えっ? うわあっ! なんなの? この状況……」
はるひ「はぁ? 今気づいた? なんなのあんた?」

ジャグチヒルドンが街を破壊し始める。

一同「わあっ!」
健太「近くで実況とってネットにあげようぜ!」
充瑠「……ひらめキング!」

充瑠は再び絵を描き始める。
マブシーナが充瑠に声をかける。

マブシーナ「あのぉ…… あのぉ。あのぉ!」
充瑠「えっ? うわあっ! 石人間⁉︎」
マブシーナ「怪しいものじゃありません。あなたが必要なのです!」
充瑠「なんなの急に?」
マブシーナ「地球が狙われています…… 闇を崇めるヨドン軍に。繰り返したくないのです! 故郷クリスタリアの悲劇を!」




エピソード1
魔進誕生!





ヨドンヘイム。
タランチュラが地球を見ていた。

クランチュラ「地球…… なんという美しさ。だからこそ…… うっ、ううっ。ヘドが出る…… ゴホッ、ゴホッ、ゴホッ」

そこへガルザがやってくる。

ガルザ「お手並み拝見といこうか。クランチュラ……」
クランチュラ「よかろう…… 見ていろガルザ。すでに先兵として特別な巨獣を送り込んだ! 貴様、蛇口って知ってるか? 巨獣ヒルドンに蛇口の仮面をかぶせてみた。地球文明の顔をした侵略者に地球を襲わせる! どうだ? いい趣味だろう? はっはっは……」


高校。

マブシーナ「そんなヨドン軍と戦うためには、強いキラメンタルの持ち主が必要なのです!」
充瑠「キラメンタル?」
マブシーナ「魅力ですとか、すごい才能の源となる輝く精神です!」
充瑠「つまり、キラキラ輝いてるってこと?」
マブシーナ「はい!」
充瑠「じゃあ絶対人違い!」
マブシーナ「えっ?」
充瑠「俺、そんなキラキラに見えます?」
マブシーナ「……」
声「人違いじゃねぇ!」

そこへレッドキラメイストーンがやってくる。

充瑠「わあっ!」
レッドキラメイストーン「なんだかわかんねぇが、お前は多分キラキラしてんだ!」
充瑠「えっ?」
レッドキラメイストーン「キラメイジャーになれるんだ!」
充瑠「わあっ!」

レッドキラメイストーンは充瑠とマブシーナを吸収。
飛び去っていく。

レッドキラメイストーン「うおおーっ‼︎」
充瑠「なんなの一体? ここ、さっきの赤い石の中?」
マブシーナ「はい。わたくしたちの故郷、クリスタリアは石を切り出し、磨き、積み上げることで発展しました…… そして、石の中には数万年の時を経て特別な力を蓄え、意思を持つようになった石もあります。彼のように……」
レッドキラメイストーン「俺はお前のキラメンタルを戦う力に変えられる! 手を貸してくれ、相棒!」

マブシーナは充瑠の腕にキラメイチェンジャーを装着。

『キラメイチェンジャー』

充瑠「ええっ? なにこれ?」
マブシーナ「キラメイチェンジャー。石とつながるための道具です」
充瑠「なんだよそれ?」

レッドキラメイストーンは充瑠とマブシーナを放出。
元の大きさに戻る。

レッドキラメイストーン「よっしゃ!」

そこで充瑠が目にしたのはベチャットと戦うキラメイジャーの4人だった。

充瑠「あれがキラメイジャー ? なんか俺……」
レッドキラメイストーン「そうだ! お前も変身して……」
充瑠「書きたい!」
2人「ええっ?」
マブシーナ「そっちですか?」

『キラメイチャージ』

イエロー「ちょっと失礼」

キラメイイエローがキラメイショットで銃撃を繰り出す。

イエロー「みんな、大丈夫? あ、肩に汚れが……」
イエローキラメイストーン「ずるいぞ為朝! 1人でいいかっこして。お前が戦えるのはワシのパワーの……」
イエロー「はいはい…… ん?」
充瑠「カッコいい!」
イエロー「近い、近い。なんだお前? 邪魔だ、引っ込んでろ」
充瑠「わあっ! グリーンだ」
イエロー「はぁっ?」

キラメイグリーンがキラメイソードでベチャットに切りかかる。

グリーンキラメイストーン「瀬奈お嬢様、後ろ!」

後ろに充瑠が立っていた。

グリーン「えっ? ちょっと、なに?」
充瑠「すっごいキラキラだ!」
グリーンキラメイストーン「なんなんですか? この人は……」
充瑠「かっこいいな、これ!」
グリーンキラメイストーン「邪魔ですね……」
グリーン「避けるのうまい。って、感心してる場合じゃない!」

『キラメイシールド』

キラメイソードがベチャットの攻撃を防ぐ。

グリーンキラメイストーン「ナイスガード」
グリーン「大丈夫? ってあれ? どこ行ったの?」

そこに充瑠の姿はなかった。
キラメイピンクがベチャットと交戦中。

ピンク「お仕置きエルボー!」

充瑠「こっちはピンクの戦士。カッコいい!」
ピンクキラメイストーン「気をつけて、小夜さん。変な子、変な子!」
ピンク「大丈夫。大人しくしててくれれば影響ないから!」

ピンクの肘が充瑠を吹き飛ばす。

ピンク「なんか当たった?」
ピンクキラメイストーン「当たってないよ」

キラメイブルーもベチャットに挑んでいた。

ブルーキラメイストーン「今のいい! うわーっ! 兄貴すごすぎ!」
ブルー「ちょっとうるさいぞ。トドメだ!」

『キラメイチャージ』

充瑠「ひらめキーング!」

ブルーは充瑠を吹き飛ばす。

ブルーキラメイストーン「ええーっ? 兄貴、一般市民、斬っちゃった!」
ブルー「安心しろ、平打ちにしてやった」
ブルーキラメイストーン「じゃあいっか……」
充瑠「ああ、カッコいい…… あれがキラメイジャー ?」

充瑠はすでにボロボロになっていた。

充瑠「すっごい、カッコいい! よっしゃああ、すごいの描けた‼︎」
イエロー「なんなんだお前?」
グリーン「もう、邪魔してくれちゃって……」

4人はキラメイチェンジを解除。
射水為朝、速水瀬奈、押切時雨、大治小夜に戻る。

充瑠「ええっ? ああっ。マジで? 嘘でしょ? イケメンアクション俳優の押切時雨さん! 美人すぎる外科医の大治小夜さん! 女子陸上界の彗星、速水瀬奈選手! そして…… 誰?」
為朝「おーい!」
充瑠「ごめんなさい!」
為朝「今をときめくeスポーツ界の大スター、射水為朝だ」
小夜「とりあえず手当しようか? えっ? 君、まさか5人目?」
充瑠「いえいえいえ、どう考えても違います! 皆さんはキラキラで、キラメンタルが強い人たち。だけど俺は、別に…… ただの、その……」
為朝「だな。絶対にありえねぇよ。マジ邪魔なだけだった……」
瀬奈「すごいレッドがくると思って楽しみにしてたのになぁ……」
レッドキラメイストーン「いや、何かあるんだ。まだわかんねぇけど絶対何か……」


ヨドンヘイム。
ガルザとクランチュラはキラメイジャーの戦いを見ていた。

ガルザ「クリスタリアの力を持つ戦士……」
クランチュラ「面白い! 地球、面白すぎる! だがもうよ今日は終わりだ。ヘドロで魔法陣を描き上げ、侵略のゲートを開く!」

ジャグチヒルドンの汚水が街を襲う。

博多南「L27地区に着陸した巨大不明物体はヘドロを吐きながら北北東に移動開始。直ちに進撃を阻止せよ!」
為朝「行こう……」
瀬奈「うん」
充瑠「ご迷惑をおかけしました! 頑張ってください!」


イエローたちは現場に到着。

グリーン「こんな大きいやつ、どうする?」
イエロー「時雨と瀬奈は足を斬りつけて動きを止めてくれ。俺と小夜さんはあの蛇口を銃撃する」
グリーン、ブルー「乗った!」

『キラメイチャージ』

4人は総攻撃を開始。
しかし、ジャグチヒルドンには効いていなかった。


そんな中、マブシーナは充瑠の元にやってくる。

マブシーナ「あのぉ…… 申し上げにくいんですが、戦士じゃないのであれば、そのチェンジャーを返していただけますか?」
レッドキラメイストーン「おい……」

するとスケッチブックが落ちる。

マブシーナ「あっ、すいません!」

マブシーナはスケッチブックを広げる。

マブシーナ「お上手ですね……」
充瑠「絵、描くのだけは好きなんだ……」
マブシーナ「これは?」

描いてあったのはキラメイショットとソードが合体したものだった。

マブシーナ「こんなことやりましたっけ?」
充瑠「剣と銃を合体させたらより強くなるかなって想像して……」
マブシーナ「想像? ……これは」

次をめくるとロボットの絵が描いてあった。

マブシーナ「あなたは神絵師ですか?」
充瑠「えっ? 神? なんで⁉︎」
マブシーナ「だって、こんな巨人はいなかったのに、こうして絵に!」
充瑠「いや、これも想像…… ただ、こんなのがいてあいつをやっつけてくれたらいいなって……」
レッドキラメイストーン「これだよ。お前のキラメンタルはこれだ‼︎」
充瑠「ええっ?」
マブシーナ「クリスタリアでは、現実にないものを絵にできるのは私の父、オラディン王ただ1人でした。あなたは、王様と同じ力があるのです!」
レッドキラメイストーン「お前はまだ本気を出せてないだけで、すげぇやつなんだよ。自信持て‼︎」
充瑠「こんな褒められたの初めて…… 俺の中に、キラキラ?」

すると充瑠のキラメイチェンジャーに通信が入る。

博多南「マブシーナ、4人が苦戦してる。5人目はまだか?」
レッドキラメイストーン「まずいな、急がねぇと……」
充瑠「ひらめキーング‼︎」
レッドキラメイストーン「なんだ、なんだ?」

充瑠が絵を描き始める。

充瑠「うおおーっ! よっしゃ、できた!」

充瑠が描いたのはスポーツカーの絵だった。

レッドキラメイストーン「それだ! 俺はお前のイメージを形にできる‼︎」

レッドキラメイストーンがスポーツカーの姿となる。

充瑠「君と俺の力が合わさってこれが?」
レッドキラメイストーン「乗れ、相棒。急ぐぞ‼︎」
充瑠「うん!」


イエローたちはジャグチヒルドンの猛攻に苦戦していた。
ジャグチヒルドンは円を描いていた。

イエロー「これだけ大きいと流石に厳しいな……」
声「待たせたな、お前ら‼︎」

レッドキラメイストーンが到着。

グリーン「なにこれ? うちの装備? こんなのあったっけ⁉︎」
レッドキラメイストーン「さぁ行くぜ!」

レッドキラメイストーンから充瑠が降りてくる。

充瑠「俺が作った!」
グリーン「嘘でしょ?」
声「あんたのせいでしょ。どうすんのよ?」
充瑠「ビルの上に人が!」

そこにいたのは健太とはるひだった。

はるひ「あんたが写真撮ろうっていうからこんなことに!」
健太「大丈夫だと思ったんだよ!」
ブルー「まずいぞ!」
充瑠「俺が助ける。俺なら…… ひらめキーング! これだ、これだ、これだ!」
イエロー「どうした?」
充瑠「できた! スペシャルスーパー消防車!」
レッドキラメイストーン「テンションマックス! めっちゃメラメラだ‼︎」

レッドキラメイストーンは魔進ファイヤとなる。

充瑠「名付けて魔進ファイヤ!」
ファイヤ「充瑠、今こそお前も変われ! お前の中のキラキラ、もう信じられるだろ!」
充瑠「変わる。変われる…… 変わりたい!」

『キラメイGO』『キ・ラ・メ・イ』

充瑠「キラメイチェンジ!」

充瑠はキラメイチェンジを遂げ、キラメイレッドとなる。

『キラめこうぜ』

レッド「きらめきスパークリング! キラメイレッド!」「行くぞ、ファイヤ!」

レッドはファイヤに乗り、ビルにたどり着く。

ファイヤ「うおーっ!」

ファイヤは梯子を伸ばす。

ファイヤ「行け、充瑠!」
レッド「おう!」

レッドはキラメイソードとキラメイショットを持って梯子を伝って屋上に向かう。

『キラメイソード』『キラメイショット』

レッド「うおーっ!」
ファイヤ「キラメンタル全開で行け!」
レッド「わかった。これだ!」

キラメイソードとキラメイショットが合体。キラメイバスターとなる。

『キラメイバスター』『キラキラメンタル』

キラメイバスターの砲撃が炸裂。

レッド「こっち!」
ピンク「あんなこともできるの?」
マブシーナ「あの方の、充瑠さんのキラメンタルはイメージする力でした。それが奇跡を起こしたんです!」

レッドは健太とはるひを地上に避難させる。

はるひ「あんた!」
健太「ありがとう!」
レッド「もう大丈夫……」
ブルー「まさか、あいつがここまでやるとはな……」
グリーン「やるじゃん、もう! 見直したぞ!」
イエロー「なんなんだ、あいつ……」

ジャグチヒルドンがもうすぐ魔方陣を完成させようとしている。

博多南「みんな、その巨獣は魔方陣のようなものを描いている。それを完成させてはいけない」
ピンク「了解。5人目くん、私たちの宝石も姿を変えられない?」
レッド「うーん…… はっ! ひらめキーング! イメージでた!」

残りのキラメイストーンが光りだす。

イエローキラメイストーン「なんじゃ?」
グリーンキラメイストーン「これは……」
ブルーキラメイストーン「おおっ!」
ピンクキラメイストーン「おおーっ!」

キラメイストーンが飛び出す。

レッド「小夜歯医者だから、ピンクの石は…… ドクターヘリ!」
ピンクキラメイストーン「マッシーン!」

『魔進ヘリコ』

ヘリコ「許すまじ、悪の極み! ビシッとお仕置きです!」
レッド「時雨は切れ者っぽいから、青の石は…… ジェット機!」
ブルーキラメイストーン「マッシーン!」

『魔進ジェッタ』

ジェッタ「見て、翼のきらめき。ギュイーンと行くよ!」
レッド「瀬奈は、 足が速いから、緑の石こそ…… スーパーカー!」
グリーン「スーパーカー! こっち回ってきた」
グリーンキラメイストーン「マッシーン!」

『魔進マッハ』

マッハ「お嬢様の名にかけて、速攻で終わらせていただきます!」
レッド「そして、黄色い乗り物って言えば、やっぱり…… ショベルカー!」
イエローキラメイストーン「マッシーン!」

『魔進ショベロー』

ショベロー「熟練の技、とくと見よ! ショベルでほいっと」
イエロー「色だけか。俺関係なしかーっ!」
魔進たち「うおーっ‼︎」

クランチュラ「なに? あいつらなんなの?」
ガルザ「魔進…… なぜ地球人にあれが生み出せた?」

ファイヤ「よっしゃ、乗れ!」
キラメイジャーは魔進に乗り込む。

レッド「よーし、一気に行こうぜ、みんな!」
ブルー「まずは奴の進撃を止めるぞ!」
ジェッタ「了解! ギュイーンと旋回」

ジェッタは旋回してクレーンを倒す。

ピンク「不衛生なのは許しません!」
ヘリコ「ほいっとな!」

ヘリコが泥水を跳ね返す。

ショベロー「さらに!」

ジャグチヒルドンの蛇口が塞がれる。

ヘリコ「お仕置きです!」

ヘリコの包帯がジャグチヒルドンに巻きつく。
マッハは高速で走り回る。

マッハ「今です、ファイヤ!」
ファイヤ「よっしゃ、マックス放水!」

ファイヤの放水がジャグチヒルドンを押し出す。

ヘリコ「そっと慎重に……」
ピンク「ポチッと」
ヘリコ「よーし!」

ヘリコがショベローを落とす。

ショベロー「全く、ショベル使いが荒いわ!」

ショベローは蛇口を捻るが、反対だった。

ショベロー「あっ、逆じゃった」
グリーン「全くもう…… 私が蛇口を捻る!」
マッハ「行きますよ……」
ファイヤ「よっしゃ! テンションマックスで来い!」

マッハが猛スピードでファイヤを飛び越える。

マッハ「からの……」
2人「ヒップアタック!」

マッハは蛇口を捻ることに成功。

ジェッタ「僕の番だよ。ギュイーンと行くよ!」

ジェッタが触手を全て切断。

レッド「みんな、とどめだ! キラメイストーンボンバー!」
4人「了解!」

ファイヤ以外の魔進がストーンになり、重なる。
ファイヤが4台の魔進を発射。

ファイヤ「テンションマックス! めっちゃメラメラだぜ!」

ジャグチヒルドンが大爆発。
同時に魔方陣も消えていく。

マブシーナ「5人揃いました。お父様…… キラメイジャーを見守っていてください。この地球は必ず守ります!」
グリーン「やった!」
イエロー「よっしゃ!」
レッド「勝った!」



(続く)

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最終更新:2020年03月25日 23:38