ジバン「ダイタロスファイヤー!!」
宇宙生物を組み込んで強化されたバイオノイド・サイノイドには、ジバンの必殺武器、ダイタロスファイヤーも通用しなかった。
クイーン・コスモ「ムーンパワー!」
その強化に加え、クイーン・コスモの助力まで得たマッドガルボとサイノイドは一方的にジバンを攻撃し続け――――
左腕を切り飛ばされ、ジバンが倒れた。
ジバン「・・・っ!」
洋子「ジバン・・・ジバン・・・死なないでジバン!!」
セントラルシティ警察署。
清志郎「ジバンが死んだ・・・!」
美智代「嘘・・・あんなに強かったのに・・・」
洋子「美智代ちゃん・・・」
清志郎「けど・・・けどどうしたら良いんだ!?今度怪物が攻めてきたら一体誰が戦うんだ!」
洋子「情けないこと言わないで!ジバンは地球の平和を守るために戦ってくれたのよ!それを無駄にするつもりなの!・・・みんなで戦うの!・・・そうでないと、ジバンが・・・」
清志郎「それにしても直人の奴、この大事な時にどこ行ったんだ!」
洋子(ジバン。あなたは人類の希望なの、帰ってきてジバン・・・)
ジバン基地。
破壊されたジバンの亡骸が回収されていた。
ハリーボーイ「心臓部まで破壊されてます、やっぱり修復は不可能です!」
柳田「諦めるな、ハリー。ジバンが倒れた今、いつバイオロンが全面攻撃に出るか分からない。何としても蘇らせるんだ。ジバンが機能停止した時のマニュアルが最重要極秘事項にあったはずだ。暗号は3324だ」
ハリーボーイ「はい・・・」
ハリーボーイがコンピューターに「3324」のコードを入力すると、
モニターにそのマニュアルが表示されたが・・・
ハリーボーイ「「ジバンの機能が完全に停止した場合、バイオロンの総攻撃によってこのコンピューターも破壊される危険性がある。故に、ジバンの復活の方法はコンピューターに残さず、まゆみに全てを託す。五十嵐」・・・・」
柳田「馬鹿な!?まゆみちゃんは行方不明だぞ!」
ハリーボーイ「どうしたらいいんですか!?」
柳田「とにかく警察の力を総動員して、まゆみちゃんを必ず捜し出さなくては・・・」
ハリーボーイ「どこにいるのまゆみちゃん?ジバンが大変な事になってるんだ、出てきて!」
河原に止まった車の中で、まゆみがうなされていた。
早川「まゆみちゃん!どうしたの!まゆみちゃん、まゆみちゃん!」
早川に揺さぶられて、まゆみが起きた。
まゆみ「お兄ちゃん!」
早川「大丈夫、まゆみちゃん?だいぶうなされてたみたいだけど・・・」
まゆみ「夢を見たの!怖い夢!あのロボットが壊されて・・・頭が痛い!何か大変な事が起きてる!」
まゆみのペンダントが光り出した。
まゆみ「行かなきゃ!・・・行かなきゃ!」
早川「しっかりするんだ!どうしたんだ、一体!?まゆみちゃん!」
まゆみ「誰かが頭の中で呼んでるの!下ろして!下ろして!」
早川「まゆみちゃん!」
バイオロン基地。
ギバ「ムハーハハハハ!」
マッドガルボ「ジバンが死んだ今、もはや地球は我がバイオロンの物も同然です」
カーシャ「感激!私、嬉しくて涙こぼれちゃう」
マーシャ「これもみんな、ギバ様のお陰」
「バイオロンばんざーい!バイロンばんざーい!」
「バイオロンばんざーい、ばんざーい」
ギバ「各支部に告ぐ!組織を総動員して予てより準備してあった大作戦に取りかかるのだ!日本を大混乱に陥れろ!!」
モニターに覆面姿の支部長達が映った。
支部長たち「北海道支部、了解!」
「中部支部、了解!」
「関西支部、了解!」
ギバ「見ておれ人間ども!あと10日もしないでこの日本は我がバイオロンの物になるのだ!!」
街に巨大な蝶の幻影が浮かんだ。
その蝶が鱗粉を散らすと、ダムが決壊し、新幹線や船が爆発していった。
発電所の中にムカデが出てきて、ガスを噴くと発電所が爆発した。
キャスター「非常事態が発生しました!日本中のダム、発電所、コンビナートが突然爆発し、日本中停電となり混乱が続発しています!」
町に巨大な蜘蛛の幻影が浮かび、ビルが次々に爆発していき、人々が逃げ惑う。
その後を追うかの様に、無数の蜂が飛んできて、人々を刺していった。
キャスター「未知の蜂の大群が日本各地を襲撃しています!毒蜂に刺された人間は暴徒と化し、町を破壊しています!」
夜の街を走る車の前に、地下からサイノイドが飛び出してきて、車が横転した。
翌朝、警察が捜査していたその現場に清志郎と洋子が来た。
警官「御苦労さまです」
清志郎「これか」
洋子「バイオロンの仕業に間違いないわ」
清志郎「だとしたら怪物は地下水道に潜んでるに違いない、調べてみよう」
清志郎と洋子は地下水道を調査しだしたが、
その前にサイノイドが現れ、後ろにもマスク達が回り込んでいた。
その様は、ジバン基地のモニターにも映っていた。
ハリーボーイ「大変だ、洋子さんと村松刑事が誘拐された。レゾン、バイカン、スパイラス。出動してくれ」
しかし、3大メカは反応しなかった。
ハリーボーイ「どうしたんだ、レゾン、バイカン、スパイラス?」
柳田「どうした」
ハリーボーイ「レゾン、バイカン、スパイラスが動かないんです」
柳田「なに?そうか、3台ともジバンと連動している。ジバンが破壊されたんで、3台の機能も徐々に低下して動けなくなっているんだ」
ハリーボーイ「そんな・・・まゆみちゃんは?まだ見つからないんですか!?」
柳田「・・・必死に探しているが、こんな状況では発見するのは困難だ。おのれバイオロンめ、このままでは奴らの思うツボだ」
バイオロンのアジト。
マッドガルボは、破壊される町の様子をモニターで見ていた。
マッドガルボ「もっと慌てろ!騒げ!愚かな人間ども、東京もこれで最後だ!ははは!」
マッドガルボの前に、サイノイド達が洋子と清志郎を引き立ててきた。
サイノイド「ガルボ様、セントラルシティ署のヘボ刑事を捕まえました」
マッドガルボ「2人とも始末しろ!」
清志郎「助けて―――!」
清志郎は逃げようとしたが、マスクに押えられた。
マーシャ「諦めるのねヘボ刑事、ジバンは死んだ」
カーシャ「もう誰も助けに来てくれやしないわ」
柳田「どうしても蘇らないのかジバン!どこに居るんだ、まゆみちゃんは・・・」
空に暗雲が立ちこめ、雷雨が降り出した。
そんな中、教会に建てられた五十嵐博士の墓に、まゆみが来た。
まゆみがペンダントをかざすと、墓に小さな穴が開いた。
その穴にまゆみがペンダントを入れると、
墓から強い光が溢れ出した。
まゆみ「きゃ――――!!」
まゆみが倒れ、墓から出た光はジバン基地に届き、基地が揺れ出した。
柳田「なにが起きたんだ!?分析しろハリー!」
ハリーボーイ「分析不能です!凄いエネルギーが基地全体を覆っています!」
やがて揺れが収まり、壁の一角に十字の光が点った。
そこから壁が十字に開き、開いた向こう側では、オルガンが鳴り響き、巨大なコンピューターがあった。
柳田「ジバン基地の隣にこんな秘密が・・・五十嵐博士が人知れず作ったのか・・・」
ハリーボーイがその向こうへ行こうとする。
柳田「やめろハリー!危険だぞ」
入ろうとしたハリーボーイがバリアに阻まれた。
ハリーボーイ「うわっ!・・・成長するコンピューターです」
コンピューターがジバンの亡骸に光を当て、引き寄せてきた。
コンピューターの光を浴びたジバンは左腕が再生され、心臓部への傷も修復されていった。
柳田「信じられん・・・」
ハリーボーイ「柳田さん、ジバンが、蘇ります・・・・」
「ジバン!」
復活したジバンが大地に立ち、レゾン、バイカン、スパイラスも再起動した。
柳田「ジバン・・・・」
教会に早川が来た。
早川「まゆみちゃん!まゆみちゃん、しっかりして!まゆみちゃん、まゆみちゃん!」
早川がまゆみを起こした。
まゆみ「お兄ちゃん!」
早川「一体どうしたって言うんだ?」
まゆみ「分からない!私何も分からない・・・・」
早川「とにかく無事でよかった。さ、行こう」
バイオロンのアジト。
マーシャが砲台の後ろに立っていた。
マッドガルボ「見ろ」
マーシャがスイッチを押すと、砲台から光線が放たれ、吊された鉄球を破壊した。
清志郎「うわっ!」
マッドガルボ「いよいよ最後の時が来たな、ヘボ刑事ども。大好きなジバンが待つあの世に送ってやる。喜ぶんだな」
マーシャ「2人とも体中に穴を開けて蜂の巣にしてあげるわ」
カーシャ「ヘボ刑事がいなくなれば、どんなに静かになることか」
マーシャ・カーシャ「「あはははは!」」
清志郎「なんとかしてよ洋子ちゃ―――ん!」
清志郎が砲台の前に釣り上げられた。
清志郎「やめて!うそ!ちょっと!!」
洋子「清志郎!」
マッドガルボ「やれ!」
その時、アラームが鳴った。
モニターにアジトに向かうレゾンが映っていた。
マッドガルボ「あの車はジバンの!」
アジトに突入したレゾンがビームを撃ち、マッドガルボ達を攻撃し、砲台を破壊した。
そしてレゾンからジバンが降り、ゆっくりと歩いてくる。
洋子「ジバン・・・・」
清志郎「ぁ・・・・」
マーシャ・カーシャ「「!」」
マッドガルボ「ジバン!蘇ったのか!」
ギバ「っ!ジバン!」
ジバンはマクシミリアンガンで洋子を捕らえていたマスクと清志郎を吊していたロープを撃ち、落ちてきた清志郎を受け止めた。
ジバン「大丈夫ですか!」
洋子「ジバン・・・」
清志郎「ジバン!」
ジバン「早く逃げるんだ!」
洋子と清志郎がその場を離れると、
ジバンは電子手帳を取り出した。
ジバン「警視庁秘密捜査官警視正、機動刑事ジバン!!」
「対バイオロン法第1条!機動刑事ジバンはいかなる場合においても令状無しで犯人を逮捕することが出来る!」
マスクが銃でジバンを撃つも、ジバンはものともしない。
ジバン「第2条!機動刑事ジバンは相手がバイオロンだと認めた場合、自らの判断で相手を処罰する事が出来る!ディスクローズショック!」
ジバンのディスクローズショックがマスクをなぎ倒した。
カーシャとマーシャが、バトルカーシャとバトルマーシャに変身し、手からの光線でジバンを撃った。
ジバン「第2条補足!場合によっては抹殺する事も許される!」
ジバンはマーシャとカーシャにマクシミリアンガンを撃ち返した。
マッドガルボ「ジバン!いくら蘇ってもまた地獄に送り返してやるだけだ!覚悟しろ!」
サイノイドの突撃がジバンをはね飛ばした。
ジバン「ぬわっ!」
洋子「ジバン!」
洋子は、前回のジバンの倒される様を思い返していた。
洋子「ジバン・・・・」
さらにサイノイドは火炎弾を放ち、ジバンが爆炎に包まれた。
洋子「っ!」
清志郎「洋子ちゃん!洋子ちゃん!」
しかし、ジバンは無傷で立っていた。
その両腕に新たな武器が装着された。
マッドガルボ「何だあの武器は!」
サイノイド「おのれ粉々にしてやる!」
サイノイドがジバンに突っ込んで行く。
ジバン「パワーブレイカー!」
ジバンは左腕のパワーハンドでサイノイドの突進を受け止めた。
ジバン「ニードリッカー!」
ジバンの右腕のドリルの一撃がサイノイドの角を粉砕した。
サイノイド「ああっ、角が!角が!」
ジバン「オートデリンガー!」
ジバンの手に、大型銃オートデリンガーが転送された。
ジバン「エネルギーチャージ!」
サイノイド「サイバリア!」
サイノイドがうずくまり、障壁へと変身した。
ジバン「ファイナルキャノン!!」
オートデリンガーが放った砲撃がサイバリアに炸裂し、サイバリアを解除させた。
サイノイド「ぬわああああっ!!」
サイノイドが大爆発した。
洋子・清志郎「「やった―――!」」
ナレーター「これこそジバン最強の武器、オートデリンガー!キャノンモードの威力はダイタロスの30倍以上だ」
ジバン「オートデリンガー!サブマシンガンモード!」
ジバンは砲身を縮めたオートデリンガーを連射し、マッドガルボ達を攻撃し、
アジトを破壊していった。
清志郎「洋子ちゃん!」
清志郎と洋子は逃げ始めた。
マッドガルボ「おのれ!憶えておけジバン!」
マッドガルボ達が逃げると、アジトが爆発し始めた。
清志郎「洋子ちゃん早く!」
洋子と清志郎はギリギリでアジトから脱出できた。
その前に、ジバンがいた。
洋子「ジバン・・・生き返ったのね・・・ありがとう」
清志郎もジバンに敬礼を贈った。
ギバ「おのれジバン!あと一歩という所だったのに蘇るとは!」
早川とまゆみは、河原で飯盒を炊いていた。
早川「いったいまゆみちゃんに何が起こったんだ」
まゆみ「分からない、でも何か大事な事をしたような感じがするの、いい事を」
早川「そう、だったらいいけど」
直人「まゆみちゃん・・・・」
ナレーター「こうしてジバンは、まゆみとの運命の糸に操られ、新しい武器をひっさげ蘇った。パワーブレーカー、ニードリッガー、そしてオートデリンガー。この3つの武器にはまだまだ色々な秘密が隠されている。だが安心するのはまだ早い。バイオロンも宇宙の悪魔クイーンコスモと手を結び、次にどんな恐ろしい作戦に出てくるか分からない。
頼むぞ、田村直人。地球を救えるのは君しかいない。戦え!機動刑事ジバン!!」
(つづく)
最終更新:2020年05月30日 06:47