全宇宙の覇王たらんとしたユニクロンの野望を孤高の戦士、ビッグコンボイが打ち砕いた、あの第二次グレートウォーよりさかのぼること百万年・・・長きにわたる封印を解き今こそ、語ろう――――
宇宙史上、もっとも波乱に富んだ激動の時代を銀河せましと駆け抜けた英雄達の武勲を―――
サイバトロンとデストロンの長きにわたる星間戦争の勝敗の鍵をにぎると思われた新エネルギーの調査中、惑星エネルゴアにおいて、サイバトロン軍司令官コンボイは、デストロンの罠に落ち無残な最期をとげた・・
彼の死と同時に起きた大爆発により発生したエネルギー波`クォンタムザージ`は両軍双方に超戦士`トランスメタルス`を生み出したが・・・メタルス化した首領メガトロンひきいるデストロンの攻勢にリーダーを失ったサイバトロンはことごとく敗北し、そして・・・
今やサイバトロンの拠点はこの科学研究施設施設を残すのみとなっていた・・・
雨が降る中、フューザー戦士の砂漠戦指揮官クイックストライクが率いる量産型トランスフォーマーの大軍勢がその科学研究施設を包囲していた。
クイックストライク「わがサソリの血を受けしスコーピオン軍団よ!わが毒蛇の血を受けしコブラ軍団よ!おのが力存分に発揮し・・・サイバトロンどもを根絶やしにするのだギッチョン!」
量産型トランスフォーマー達が、科学研究施設への攻撃を始めた。
アナウンス「敵、上空より攻撃中。サイバーガード強度10%減」
「生命維持度ゼロ・・・」
「地下からの敵、あと15サイクルで到達・・・」
諜報員メタルスラットル「あーもーダメだおいらたちーっ!」
「チータスもダイノボットもシルバーボルトもタイガトロンもエアラザーも生死不明・・んでもってコンボイは死んじゃったし・・・・・・絶望だーっ!!」
陸上防衛戦士メタルスライノックス「少しは落ち着くんだナ、ラットル」
「ぼくらもトランスメタルボディになったおかげで、少しは丈夫になったんだからサ」
ラットル「それがどーしたってんだよ!」
ライノス「1%にも満たない可能性かもしれないけど、これが完成すれば逆転の可能性もある・・・ん」
攻撃が飛び交う空を、1羽のメカハヤブサが飛んでいた。
ライノックス「エアラザー!生きてたんだ。サイバーガードオフ・・・・」
ラットル「待てよ!今ガードをオフにしたらおいら達が危険だ!」
ライノックス「サイバトロンは仲間を見殺しにしない!コンボイの教えだ!」
ラットル「で・・・でも・・・」
そうしてる内にエアラザーが脚を撃ち抜かれた。
ラットル「!」
「サイバーガードオフだ!上部ハッチ開けろ!」
エアラザーは研究施設の中へ落ちていった。
ラットル「ラットル変身!!」
ロボットモードに変身したラットルは、美少女型ロボットに変身したエアラザーを背中で受け止めた。
特殊戦闘員メタルスエアラザー「ラットル、ゴメンなさい」
ラットル「い・・いやおいらこそ・・・」
ライノックス「ケガしてるんだナ」
エアラザー「私は大丈夫。それより、コンボイが、コンボイが・・・・」
「デストロンにされてしまったの!!!」
惑星エネルゴア高度2万メートル上空、デストロン軍浮遊要塞ヒンデンブルグ
継ぎ接ぎのメカゴリラが量産型デストロン兵士達に鎖で縛られていたが、
メカゴリラは兵士達を振り回していく。
メカゴリラ「ぐおおおお・・・・」
デストロン兵士「ひぃい・・・」
?「死骸をつなぎあわせたところでしょせん魂のないデク人形か。かってのライバルの姿はどこにもない・・・ならば!!!」
高台から降り立ち、鎖をまとめて掴んでメカゴリラを取り押さえたのは、
破壊大帝メタルスメガトロンだった。
「メガトロン様!!!」
忍者兵タランス「あの暴れゴリラを取り押さえたっス、さすがメガトロン様!!」
デストロン兵士「メガトロン!!メガトロン!!」
メガトロン「兵士諸君!!今から`魔術`を見せてやろう・・・この破壊大帝が仕掛ける一世一代の大魔術だ。手品のタネはこのツギハギ猿だ。こやつを血の儀式でわれらのしもべとする。するとあら不思議!」
「一瞬にしてそして一兵も犠牲にすることなくサイバトロンどもはこの宇宙から消え失せるのだ!!!宇宙は我らデストロン・・・いやメガトロンのものとなるのだ!!」
その頃ラットル達は、メタルスになる前の記録映像を見ていた。
コンボイ「ゴリラをスキャンしてからバナナがおいしいよ」
タイガトロン「バナナはおやつでないでござる」
ラットル「ちょっと食いすぎじゃないの~」
ラットル「この後コンボイ腹こわしたんだよな・・」
エアラザー(タイガトロン様・・)
ライノックス「思い出にふけっている時ではないんダナ。なつかしきあの時代をとりもどすためには未来にかける大バクチを打たねば!!ラットル!エアラザー!これからいう`計画`をよく聞いてほしいんダナ」
ライノックスが銃を組み立てた所で、デストロンの女戦士、妨害工作員ブラックウィドーが
サイバーガードを蹴り破って、研究施設に乗り込んできた。
ラットル「サイバーガードがやぶられたぁ!?」
「一人でなぐりこみとは無謀な・・・」
ブラックウィドー「シャアッ!!」
ラットルが銃を構えたが、ブラックウィドーの蹴りが銃を持つ右腕を切り飛ばした。
エアラザー「はいやっ!」
エアラザーは突きを放ったが、ブラックウィドーにかわされ、首を締め上げられて床に叩きつけられた。
ブラックウィドー「女は強くないと、生きていけないっシャ」
ブラックウィドーはライノックスの前に立った。
ブラックウィドー「なぜこんな所に立てこもってるっシャ?」逃げようと思えば逃げられたはず・・・」
ライノックスは先程組み立てた銃をブラックウィドーに向けた。
ブラックウィドー「!」
ブラックウィドーは背中から銃を取り出しライノックスに向けたが、
ライノックスは銃で自分の頭を撃った。
ブラックウィドー「!?なぜ・・・・」
ブラックウィドーは施設の外に出た。
クイックストライク「!ブラックウィドーの姉御!い・・・いつの間に?」
ブラックウィドー「あんたがタラタラしてるからっシャ」
「しゃっ!」
ブラックウィドーはクイックストライクの頭を蹴りで切り飛ばした。
クイックストライク「え!?」
ブラックウィドー「あー何か後味悪いっシャ」
クイックストライク「そ・・・そんな・・・」
ブラックウィドー「あそうそう、爆弾仕掛けてきたから早く逃げた方がいいっシャ」
そう言った矢先に爆発が起き、クイックストライクが巻き込まれた。
クイックストライク「早くいって~~~っ!」
研究施設が崩れていったが、その中でラットル達はバリアに守られていた。
ラットル「ミニサイバーガードでさいわいシステムは無事だ。たのむぜライノックス!」
脳神経に電子回線を撃ちこみ自らの魂とトランスワープスペースを接続する・・ライノックスが作っていた銃型の機械はそのためのものだったのだ!!!
ライノックスがむかったトランスワープスペースとは・・死んだ戦士の魂が行きつく場所である・・・
ライノックスの魂が向かった場所では、コンボイの魂が骸骨から生えた触手に囚われていた。
ここからコンボイの魂を持ち帰ることがライノックスの計画であった・・・
だがこれは自らも生きて帰れぬかもしれない危険な賭けであった・・
ライノックスに触手が絡みついてきたが、ライノックスは角を変形させた短刀で切り裂いた。
ライノックス「コンボイ!起きてよコンボイ!目覚めるんだナコンボイ!たのむよ」
コンボイ「う・・・う・・」
ライノックス「コンボイ」
コンボイ「眠い・・眠らせてくれ。私は死んだんだ」
そんなコンボイを、ライノックスは殴り続けた。
ライノックス「コンボイ!あんたはまだ死んじゃいない・・・・いや死んじゃいけない人なんだナ~~~~~~ッ!!」
ライノックスの左の拳が砕け、2人とも骸骨の中へ沈みだした――――
ライノックス「コンボ~イッ!!」
その瞬間、コンボイが目を見開き、ライノックスを掴んで浮き上がっていった。
コンボイ「きいたよ君のパンチ」
ライノックス「ごめんコンボイ」
ラットル「よっしゃあ!作戦成功!スパークビーム発車準備・・」
ラットルの前のテーブルが開き、ビーム砲台が出てきた。
エアラザーは、パラポラを持って雨の中を飛んでいた。
メガトロン「生けるしかばねに今こそさずげよう。我らがデストロンの高貴な血を!!!」
メガトロンが左の親指を切って血を落とし、宙吊りにされたコンボイの体がその血を含んだ炎に包まれる。
メガトロン「凶戦士よ、目ざめよ!!!」
コンボイが禍々しい形相となっていき――――
ラットル「スパークビーム発射!!」
ラットルがビーム砲台からビームを撃った。
エアラザー「ビーム転送!!」
そのビームはエアラザーの持つパラポラに反射し、コンボイに当たった。
ふりそそげ、魂の光!!!邪霊をうちはらえっ!!!
スパークビームを受けたコンボイは、トランスメタルボディとなった。
タランス「これでお前も仲間っスね。ひとつ肩でももんでもらうっス」
コンボイはタランスの肩をもみ始めた。
タランス「先輩のいう事は絶対っス。おー気持ちいいっス」
「あ~そこそこ・・・あ、ちょっとイタイ。もっとやさしくするっス」
コンボイはタランスの首を腕で絞める。
タランス「いたいってコラ、いててて・・ひ~っ!」
コンボイはタランスの首を折った。
タランス「いたいっていってるのに~っ」
エアラザーが空から落ちていく。
メガトロン「貴様・・たしかにデストロンになったはず・・」
コンボイはロボットモードに変身し、エアラザーを受け止めた。
コンボイ「地獄の業火で鍛えられしわが正義の魂。貴様の血ごときで染められはせぬ!!!わが名は・・・・・コンボイ!!」
テラザウラー「テラザウラー百人隊特攻ザマス~~~~ッ!!」
空中戦闘員メタルステラザウラー率いる量産型TF部隊が、コンボイに向かって行ったが、二振りの棍棒、サイバー・メイスを振るうコンボイになぎ倒され、テラザウラーも真っ二つとなった。
テラザウラー「やられたザマス・・・」
しかしその間に、メガトロンは左手のビーム砲、メガバスターをチャージしていた。
メガトロン「くははバカめ!」
コンボイ「!!」
メガトロン「百人隊はオトリよ、ビームエネルギー充てんの時間かせぎだ!」
「もう一度地獄に行けコンボイ!!」
メガバスターがヒンデンブルクに撃たれた。
ヒンデンブルクが爆発し、巻き込まれたデストロン兵が落ちていく中、
コンボイとエアラザーにメガトロンは浮き岩に立っていた。
メガトロン「フン・・・かわしたか」
コンボイ「貴様の冷酷さは先刻承知だ」
メガトロン「魂のない量産兵士など・・・・いくら失ってもかまわぬわ!!」
メガトロンとコンボイが蹴りを応酬させる。
そんな中、メガトロンは背中に隠したメガバスターをチャージしていた。
エアラザー「ハッ」
メガトロン「この至近距離ならさけられんぞ!!!わしの新たなる力が魂ごと焼きつくしてくれるわっ!!!」
コンボイはエアラザーを上に放り投げた。
メガトロン「でえい!」
メガバスターが放たれた。
コンボイ「猩猩剛連脚!!!」
コンボイの連続キックがメガバスターを押しのけ、メガトロンに炸裂し―――
大爆発。
その爆発を背にし、ビークルモードに変身したコンボイがエアラザーを受け止めた。
ラットル「やったぜ!」
コンボイとエアラザーは月を背にして、帰還していく。
エアラザー「タイガトロン様・・・・・」
タイガトロン「エアラザーどの・・・」
タイガトロン、そしてダイノボット、チータス、シルバーボルト達もそれぞれの居場所で月を見上げていた。
離散、流浪する同志たちが見上げるのは、死の世界から生還したコンボイが満月に打ち上げた反撃のノロシ・・・・リベンジが今、はじまる!!!
(続く)
最終更新:2020年07月25日 23:15