魔進戦隊キラメイジャーの最終回

博多南とマブシーナはCARATのモニターでベチャットにされた人々を眺めていた。

マブシーナ「わたくしにも、何かできないでしょうか?」
博多南「姫…… 今は彼らを信じて見守るんだ」


自身の技で倒れたヨドン皇帝が再生する。

レッド「奴の唯一の弱点は、邪面の下の顔か……」
クランチュラ「そこを叩けば、皇帝は再生不能になるらしい! だが……」
ブルー「あの邪面は何よりも硬くて、破壊する方法がない」
グリーン「デストリアでも無理かな?」
イエロー「デストリアは戦いの中で1度しか使えない。トドメを刺すのに取っておきたい……」
クランチュラ「じゃあ無理だな! 1ミリの可能性もない!」
シルバー「なんだと? おい‼︎」
クランチュラ「だが、皇帝が自ら邪面を外す時が1つだけある!」
一同「⁉︎」
クランチュラ「お前ら全員が死んで、その屍をくらう時だ!」
シルバー「てんめぇ、ふざけんな!」
クランチュラ「ふざけてなーい! それが皇帝の流儀らしいんだ‼︎」
レッド「皇帝の流儀…… あっ。ひらめキーング! よーし、やるよ。みんな」



エピソードFINAL
君たちがいて輝いた



ヨドン皇帝の元にヨドンナが近づく。

ヨドンナ「ヨドン皇帝…… あなたに取って僕は…… なんだったのですか?」
ヨドン「弱さだ……」
ヨドンナ「弱さ?」
ヨドン「我はそもそも淀みに生まれた蛇の化身…… 大した戦士ではなかった。ある時、我は天啓を受け、最初の邪面を作った…… それをかぶると無敵になった気がした。そして倒した相手の屍をくらうことを重ね、我はより強くより巨大になった…… そんな我の脳内に貴様とシャドンは生まれた。我は気づかぬうちに最も忌み嫌う仲間を求めたのだ…… それはすなわち我の心が産んだ弱さの象徴…… それがある間は真の強きものではない」
ヨドンナ「そうか…… 僕がいなくなれば、皇帝は、絶対的な強者になるのですね? よかった……」

ヨドンナの体が粒子となって消滅。
同時にその邪面も砕けてしまった。

ヨドン「我は今こそ孤高の存在となった……」

ジョーキーがヨドンに挑むが、振り払われてしまった。

ヨドン「ガルザの下僕の分際で舐めた真似をしおって……」

そこへキラメイジンとギガントドリラーもやってくる。

イエロー「みんな、作戦はわかったな? 邪面だけを狙うんだ。ありったけのキラメンタルをぶつけるぞ!」
グリーン「マッハ!」
マッハ「マッハビーム、フルパワー!」
イエロー「行けるよな? ショベじい!」
ショベロー「いけいでか。パンチじゃ!」

キラメイジンが邪面を攻撃。

ヨドン「我の皇帝を見抜いたようだな…… だが無駄だ!」
ピンク「ヘリコ!」
ヘリコ「私史上最高の回転でハリケーン! パタ×6!」
ブルー「ジェッタ!」
ジェッタ「必殺、キラメイダイナミック!」

ヨドンはジェッタソードを受け止める。

ジェッタ「片手で止められた?」
イエロー「行け!」
シルバー「ドリラーナックル‼︎ うおおーっ‼︎」

ギガントドリラーの技がヨドンを吹き飛ばす。

シルバー「どうだ?」

ヨドンが立ち上がる。

ヨドン「この程度か? 片腹痛いわ!」
ピンク「そんな‼︎ 邪面も全然なんともなってない」
ヨドン「さらばだ、キラメイジャー…… ヨドンデストロイヤー‼︎」

ヨドンデストロイヤーが炸裂。

一同「うわああーっ‼︎」

2体はボロボロで倒れてしまった。

ヨドン「これで我を争うものはいなくなった。キラメイジャーよ、栄誉に思え……」

ヨドンが邪面を外す。

ヨドン「貴様らの屍を喰らってやる……」
声「今だーっ‼︎」

ヨドンの邪面が弾き飛ばされる。

ヨドン「何?」

ヨドンがダメージを受ける。

なんと、攻撃を繰り出したのは倒れたはずのキラメイジンとギガントドリラーだった。

シルバー「おらっ!」

邪面が捨てられる。

ヨドン「何だこれは? 何が起きたというのだ⁉︎」
レッド「へっへーん! お前が来てたのは、途中から幻だ‼︎」

回想
レッド「イリュージョア、ヨドン皇帝に幻覚を!」
イエロー「今だーっ‼︎」

キラメイジンがジェッタソードで邪面を叩き落とす。

ヨドン「我が、魔性の意思に変革を見せられていただと?」
シルバー「それがお前の素顔か! ギガントクラッシュ‼︎」

ギガントドリラーの必殺技でヨドンが等身大に戻ってしまう。

ヨドン「おのれ…… 我の養分になるだけの虫けらの分際で!」

そこへマブシーナがやってくる

マブシーナ「それは違います! ヨドン皇帝」
ヨドン「クリスタリアの姫か……」
マブシーナ「あの方々は、悪逆非道なあなたに引導を渡す輝きの戦士たち! きらめきに満ちたそのお顔をしかと拝みなさい!」

充留たちが素顔でやってくる。

充瑠「ひらめきスパークリング、キラメイレッド!」
為朝「導きシューティング、キラメイイエロー!」
瀬奈「突撃ライトニング、キラメイグリーン!」
時雨「切っ先アンストッパブル、キラメイブルー!」
小夜「手さばきインクレディブル、キラメイピンク!」
宝路「貫きシャイニング、キラメイシルバー!」
一同「キラッと参上、カラッと解決!」
充瑠「魔進戦隊!」
一同「キラメイジャー‼︎」
充瑠「これで終わりだ、ヨドン皇帝!」

『キラメこうぜ』『oh、シャイニング』

6人はヘルメットを装着してヨドンに挑む。

ヨドン「我こそ唯一絶対なり!」

ベチャットが現れ、強い力でキラメイジャーに立ち向かう。

ブルー「こいつら、ベチャットとは思えない強さだ!」
イエロー「エンペラーガードベチャットってことか?」
シルバー「負けるか!」
マブシーナ「負けないで、皆さん! お願い……」
ファイヤ「勝ちますよ、マブシーナ姫」

魔進たちが現れる。

マブシーナ「ファイヤ、みんな!」

ショベロー「負けるわけがなかろう! 姫様が引き合わせた戦士たちじゃ!」
マッハ「そしてわたくしたちの最高相棒です!」
ファイヤ「そうだ」
オラディン「マブシーナ、お前は見てきたはずだ。彼らのきらめきがどんな困難も乗り越え、未来を輝かせてきたのを……」
ザビューン「夢の中に閉じ込められた時だって、乗り切っただろう?」
マブシーナ「そう。そうでした……」
イエロー「時雨、小夜姉、宝路さん! きついと思うが、このエンペラーガードベチャット退治に専念してくれ」

3人「了解!」
イエロー「その間、充瑠はアローにパワーをチャージだ!」
レッド「わかった!」
グリーン「私は?」
イエロー「これを持って俺と待機」
グリーン「了解!」

レッドはキラフルゴーアローを装備。

『キラフルチャージ』

マブシーナ「為朝さん…… 誰よりも状況を的確に把握できていて、作戦を立ててくださる」
ショベロー「それでいて出しゃばらずに、充瑠をリーダーとして立てる奥ゆかしさ!」
マブシーナ「素敵です‼︎ お兄様…… いつでも全力で体を張って、わたくしたちを守ってくれました」
オラディン「笑顔も全開で、みんなにたくさんの勇気をくれたな」
マブシーナ「ワンダーラブです!」
シルバー「シャイニング!」
マブシーナ「小夜さん…… 大人で可愛いしなやかなあなたは、決して弱音を吐きません」
ヘリコ「小夜さんは、決して諦めない強い人!」
マブシーナ「眩しいです」
ブルー「キラメイソード! 邪魔だ!」
マブシーナ「時雨さん…… 剣の技を追求して戦いに生かすあなたは、誰よりもストイックでした」
ジェッタ「兄貴の自分を律する心……」
マブシーナ「カッコいいです!」
ジェッタ「カッコ良すぎです!」

ヨドンへの攻撃ルートが出来上がる。

イエロー「今だ、瀬奈! デストリアを皇帝に食らわせろ‼︎」
グリーン「OK!」

グリーンが走り出す。

マブシーナ「瀬奈さん。勢いで皆さんを引っ張って、悲しい時も笑顔に変えてくれて……」
マッハ「お嬢様の周りは、いつでも明るうございました」
マブシーナ「好きです!」
マッハ「大好きです‼︎」
グリーン「ハァーッ!」

グリーンはデストリアを当てようとするが、受け止められてしまう。
ヨドン「なめるな」

デストリアが吹き飛ぶ。

イエロー「想定内だ」

イエローのキラメイショットがデストリアを当てる。

マブシーナ「充瑠さん…… あなたは不思議な方でした。おどおどしているけれど弱虫ではなくて……」
ファイヤ「イメージする力は時にオラディン様以上……」
マブシーナ「憧れます!」

レッド「スパークリングフェニックス・デストリアスペシャル‼︎」

デストリアと合わせたレッドの必殺技が炸裂。

『チェックメイジ、パーフェクト‼︎』

ヨドン「バカな…… 我が、負けるはずが…… うわあーっ‼︎」

ヨドン皇帝が大爆発。

一同「よっしゃあ‼︎ やったぁ‼︎」
マブシーナ「お兄様、皆さん! この6人が魔進戦隊キラメイジャーです!」
博多南「終わった…… 終わったぁ‼︎」

ベチャットにされた人々も元に戻って行く。

瑞稀「やったんだね、熱田!」

マブシーナ「キラメイジャーは、ヨドンヘイムとの戦いに見事勝利しました…… そして、わたくしがやるべきことは、この先にあります…… みなさんが戦うお姿を見て、わたくしはあることを決めました!」


3ヶ月後——

充瑠「ハカタン、CARATのバーチャル会議に入らせて」
ハカタン「かしこまり……」

ハカタンによって風景がCARATの司令室になる。

時雨「まぁ、確かに……」
為朝「あっ、充瑠。きたか!」
充瑠「遅れてごめん。クランチュラが電話くれてさ…… それで、約束してくれたんだ。よその文明を襲って侵略することは絶対にしないって……」
瀬奈「そっか……」
時雨「さぁ、これで地球組は揃ったな……」
博多南「姫とにいに、遅いな……」
充瑠「ねぇねぇ、さっき俺が入ってくるまで、何で盛り上がってたの?」
為朝「お前のことだ…… なんでお前はオラディン王様とシンクロしたんだろうなって……」
充瑠「言われてみれば…… ガルザとも繋がったんだよね」
博多南「その理由がわかったんだよ……」
充瑠「何、何? 何ですか⁉︎」
小夜「充瑠くん、絵を描くのが好きで、ひらめキングするよね?」
充瑠「うん……」
小夜「オラディン王様もそうでしょ?」
時雨「遠く離れた世界の、そんな2人が同じ時に同じ夢を見たりした」
充瑠「もう! だからさ、それはなんで?」
時雨「一言で言えば…… 素敵な偶然……」
充瑠「ええーっ?  そういうふわーってしたやつ?」
瀬奈「でも、それが1番しっくりこない?」
為朝「充瑠が違う世界と繋がったから全てが始まった…… それは確かだろう?」
小夜「おかげで、私たちも出会えた……」
時雨「お前にそういう力があったんだ……」
瀬奈「充瑠が呼び込んだんだよ。素敵な偶然を……」
充瑠「そっか…… そうなんだ」

そこへ宝路とマブシーナがやってくる。

宝路「よっ」
マブシーナ「遅くなってすみません!」
博多南「きた!」
小夜「ターさん、シーナちゃん」
ファイヤ「充瑠、元気だったか?」
充瑠「ファイヤ? 今どこ?」
ファイヤ「俺たち、入ってねぇのか?」
ジェッタ「ちょっと!」
博多南「画面、切り替えてくるわ」

風景がクリスタリアに変わる。

充瑠「クリスタリア?」
ジェッタ「見えた?」
マブシーナ「皆さん!」
ヘリコ「会いたかったよ、小夜さん」
小夜「ヘリコ……」
ジェッタ「兄貴はまたそれ着てるんだね?」
時雨「だって…… 寂しいだろ、そんないきなり卒業って言われても……」
ジェッタ「泣かないで!」
マッハ「お嬢様、相変わらずお美しい……」
瀬奈「久々に聞けて嬉しいよ、マッハ……」
ショベロー「為朝、彼女はできたか? まだぼっちか?」
為朝「久々でいきなりそれかよ?」
充瑠「ファイヤ、元気してた?」
ファイヤ「もちろん! 俺はいつだってめっちゃメラメラだ!」
宝路「ほら、マブシーナ。大事な発表だろう?」
マブシーナ「はい! 皆さま…… わたくし、クリスタリアの女王となりました!」
時雨「クリスタリアは、4つのカナエマストーンが元に戻った後、お願いして復活させたんだよな?」
マブシーナ「はい!」
宝路「国土は元に戻ったが、生き残った国民たちの傷が癒えたわけじゃない…… ここからは、みんなを引っ張るリーダーが必要だ。父上は取り出し、母上は髪飾りのままだからな……」
ザビューン「鳥はねぇだろ。じゃあ鮫にも文句あんのか?」
オラディン「イッツオールライト。鳥は鳥でも不死鳥だ……」
マバユイネ「慣れればこれも気楽なものよ」
ハコブー「さすがオラディン様、マバユイネ様……」

オラディンとマバユイネがそれぞれの手の中に入る。

マブシーナ「お母様!」
宝路「誰よりも想いを持ったマブシーナが適任だ」
小夜「よく決断したね……」
マブシーナ「みなさんのおかげです。わたくし、皆さんのように輝いて生きていたいと思って…… こんなにいいお手本がいてくれたから、決断できたんです」
ファイヤ「みんな、こっち見てみろよ!」

そこには、初期メンバーの胸像が立っていた。

為朝「俺たちが、キラキラした石になってる‼︎」
マブシーナ「新たなクリスタリアが目指す、理想の像を掘りました!」
マッハ「見てくださいよ、瀬奈お嬢様!」
充瑠「カッコいい!」
時雨「いや、俺はもうちょっと彫りが深いと思うがな……」
ジェッタ「そうかも! 違うかも……」

そこに瑞稀がやってくる。

瑞稀「こら、充瑠!」
充瑠「柿原さん!」
一同「ああっ!」
宝路「ワンダーラブ?」
瑞稀「話が違うじゃん!」
充瑠「えっ?」
瑞稀「今度の今度こそ可愛く描いてって言ったのに、何これ⁉︎」

スケッチブックに描いてあったのは謎の5人組だった。
瑞稀は端っこに描いてあった。

瀬奈「何それ?」
充瑠「よくわかんないけど、ひらめキングで……」
為朝「お前、どっかの世界と繋がっちまったんじゃねぇのか?」
充瑠「さぁ…… でもこれも、きっと素敵なものだよ!」
瑞稀「描き直しなさいよ!」
充瑠「ちょっと」

充瑠と瑞稀が消える。

一同「ああーっ‼︎」

充瑠「ちょっと待って!」
瑞稀「これ、描き直しなさいよ!」
充瑠「あっ、ひらめキーング!」
瑞稀「そんなの今いいから!」
充瑠「だって仕方ないよ。閃いちゃったんだから!」
瑞稀「待ちなさい‼︎」



人が輝くとき、そこに奇跡が生まれる。
輝き、それは未来を変える戦士の証!
キラメイGO




(終)

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最終更新:2025年01月01日 07:30