ヒスパニア号が海を渡っていた。
スネ夫「1時の方向、島影発見!」
ジャイアン「ついに見つけたのか?」
しずか「間違いないわ……」
ドラえもん「あっ、あれって伝説の、宝島……」
すると船の周りで水が跳ねる。
スネ夫「冷てぇ……」
敵の海賊がドラえもんたちに迫ってくる。
ドラえもん「か、か、海賊!」
シルバー「左様…… 私の名はジョン・シルバー…… 残念だが、お宝は我々がいただく……」
鳥「いただく、いただく!」
ドラえもん「た、助けて‼︎」
海賊たちが撃たれて落ちる。
シルバー「誰だ?」
一同「キャプテン!」
シルバー「キャプテン?」
帆にはのび太が立っていた。
のび太「美しい海を汚す、汚らしい海賊ども、教えてやる…… そう。僕がこのヒスパニア号の船長……」
のび太は船に着地して海賊を切り裂く。
のび太「キャプテン・ノビー……タ!」
その穴が空き、のび太を落とす。
ドラえもん「のび太くん……」
のび太「いてて…… ん?」
シルバー「ふざけた奴だ‼︎」
ジョンが剣を振るう。
シルバー「ノビータだかセニョリータだか知らんが、お前など八つ裂きにして負荷の餌にしてやる!」
のび太「ノビータだって!」
のび太は樽に乗って後ろに転がる。
シルバー「はぁ…… 終わりだ‼︎」
すると今度は前に転がってくる。
そのまま剣を振るう。
シルバー「つ、強い……」
シルバーは船首まで追い詰められ、海ではサメが泳いでいた。
シルバー「しまった!」
のび太「観念しろ、シルバー……」
シルバー「なーんてな!」
のび太はとっさに銃をシルバーに撃つ。
シルバー「グ、グレート……」
海に落ちるシルバー。
のび太たちはボートで洞窟を進んでいた。
そして、ようやく扉にたどり着く。
のび太「ここだ……」
扉が開くとそこにあるのは宝の山だった。
ドラえもん「これは……」
ジャイアン「すげぇ、億万長者だ!」
のび太「ついに見つけた!」
のび太がしずかの指に指輪をはめる。
のび太「黙って受け取ってほしい……」
しずか「のび太さん、素敵!」
すると地震が起こる。
のび太「地震?」
なんと、怪物が現れる。
のび太「わああっ‼︎ ゲテモノ!」
しかし、これらは皆、のび太の妄想だった。
ジャイアン「のび太……」
のび太「ん?」
ジャイアン「誰がゲテモノだって?」
スネ夫「ちょっと揺れただけなのに、取り乱しちゃって」
しずか「でも、いまの地震は少し大きかったわね……」
出木杉「とまぁ、こうして主人公の少年は海賊ジョン・シルバーを倒して宝を手に入れたっていうのがこの小説『宝島』のあらすじなんだけど…… 僕は今、この本を題材にしていて、現代に海賊が現れるっていう小説を書いてるんだ!」
スネ夫「へぇーっ……」
しずか「素敵! できたら読ませて」
出木杉「ちょっと恥ずかしいけど……」
スネ夫「僕も登場させてよ!」
のび太「小説なんかじゃなくて、僕らも本物の宝島に行こうよ! どこまでも青い海、水平線の彼方にやがて小さな無人島が! 海賊たちをやっつけて宝を求めて大冒険‼︎ ねぇ、ねぇ。しずかちゃんも行くでしょう?」
しずか「のび太さん……」
出木杉「残念だけど、海賊が財宝を島の入江や洞窟に隠したっていうのは、ほとんどが構成に書かれた作り話なんだ……」
のび太「ええっ?」
スネ夫「のびちゃん…… まさか本当にあると思ってたの?」
ジャイアン「『僕らも宝島に行こうよ』……」
2人「あははは!」
しずか「のび太さんだって、冗談で言ったのよ」
のび太「僕は必ず宝島を見つけるんだ‼︎」
ジャイアン「もし見つからなかったら?」
のび太「鼻からカルボナーラを食べてやるよ!」
ジャイアン、スネ夫「うわあ……」
野比家ではパパとママがカルボナーラを食べていた。
のび太「ドラえもん、ドラえもん! ドラえもん、ドラえもん! ドラえも——ん‼︎」
最終更新:2021年03月25日 22:30