バーチャル・ダイバーランド。
結城ケントの弟・カイトが海が見える景色を眺めていた。
マジカルステーション・格納庫内。
ウェブナイトがスタンバイ状態に入っている中、ワイバリオンは何かの気配に気づく。
ワイバリオン「これは…」
ジャガオン「どうした?ワイバリオン?」
ワイバリオン「今、子供の悲しみの波動を感じた…」
ジャガオン「悲しみの波動…?」
グリフィオン「俺たちには何も感じなかったが…ケント達の事なら心配すんな。いつまでもメソメソするようなやつじゃない」
シャークオン「ワイバリオンは子供の波動に敏感だからな」
ワイバリオン「ああ…俺は決めてるんだ…もう二度と子供達を悲しませないと…そのために戦おうと…」
カイトが無口で何かを考える中でケントが呼びかける。
ケント「カイト…」
カイト「お兄ちゃん…」
ケント「大丈夫みんなできっと力を合わせれば、きっと帰れるさ。ダイバーランドに」
カイト「うん、そうだね。よーし、僕も頑張るよ!」
ケント「その息だ!カイト!」
カイト「よーし!兄ちゃんみんなが待ってる!戻ろう!」
西暦2100年。正義のウェブナイト・グラディオンと共に戦う少年・結城ケントとその仲間たちは コンピューターの中にあるもう一つのダイバーランド『デリトロスゲート・バーチャルダイバーランド』へ飛ばされてしまった。 元の世界へ戻るためには悪のデリトロスと悪のウェブダイバー・リュウトを倒すしかない。 ケントたちの冒険の旅は続く! |
アオイ「さあ、今日も張り切ってサバイバルしましょう!」
一同「おー!」
アオイ「けんとくんは薪拾い。 ジャン君とナオキ君は食料を調達。 ショウさんは使いそうな機械のメンテナンス。私たちは教室のお掃除。じゃあ解散!」
アオイがそういう中でカイトが嫌な表情を見せる。
カイト「ねぇ」
アオイ「なぁに?カイト君?」
カイト「僕にも何か仕事やらせてよ」
アオイ「そうね…ならみんなのお手伝い、お願いしようかしら」
カイト「えー、またお手伝い?。 僕だって兄ちゃん達みたいに何だって一人で出来るのに…」
アオイ「でも、今はカイト君にできそうな仕事ないし…じゃあ、何か見つかったらお願いするからね!」
カイトは自身の要求を受け入れたのか、ジャンの果物集めを手伝う。
ジャン「よいしょっと…美味しい果物がいっぱいあって助かるよ。これで当分デザートには困らないな…」
カイト「ねえ今度は僕にとらせて」
ジャン「危ないからやめたほうがいいよ」
カイト「大丈夫、任せてよ。僕、木登り得意なんだから!もっと上までとれるよ」
カイトがそう言うと木製のハシゴに登り枝にしがみつく。
ジャン「そうじゃなくてこの枝は…」
ジャンがそういうのもまもなく二人がしがみついていた枝が折れて二人は落ちる。
ジャン「大丈夫かい?カイトくん?」
次にカイトはナオキが釣りをしている様子を見る。
ナオキ「今だ!」
なおきが釣竿を引き上げ魚を釣ると。
ナオキ「えへへぃ!どんなもんだい!」
カイト「ねえねえ!僕にもやらせて!」
ナオキ「いいぜ、待ってな。ほら」
ナオキは釣竿から魚を放し、カイトは釣りをする。
ナオキ「おー!すげーすげー!あんなに遠くまで!見直したぜカイト!。で、おい!俺の竿が…苦労して作ったのに」
カイトは釣竿もろとも投げたことになおきは呆然する。
一方でケントは薪となる木材を紐にくくりつけて運ぼうとしていた中、カイトも手伝う。
ケント「こんなもんかな…」
カイト「兄ちゃん、僕にも運ばせてよ」
ケント「カイトに?無理無理!お前じゃ重くて持ち上がらないって」
カイト「そんなのやってみなきゃわからないじゃないか」
ケント「じゃあ、やってみるか?」
カイト「うん、よーし!」
ケント「じゃあ、放すぞ!」
カイト「うん」
カイトは薪のバックパックを背負い、運ぶ中で後ろによろけて、ケントはそれを抑える。
ケント「ほら!言った通りだろ!」
カイト「大丈夫!平気!」
ケント「気をつけろカイト!。カイト!」
カイトは坂道を下る途中、スピードを出し過ぎて、木に衝突して木製のバックパックにくくりつけられていた薪が飛び散る。
ケント「せっかく集めたのに…」
一同が仕事を終えた後、ケントは迷惑をかけたカイトを叱る。
ケント「カイト!。ったく…どういうつもりだ!。みんなの仕事の邪魔ばかりして…」
ナオキ「落ち着けよケント…」
ジャン「カイト君は手伝おうとしてやっただけで悪気があってやったわけじゃないよ…」
カイト「僕だって…×2」
ショウ「カイト君」
カイト「ショウさん?」
ショウ「よかったら僕の仕事手伝ってくれないかな?」
カイト「え?うん!」
ケント「カイト!ショウさんに迷惑をかけるんじゃないぞ!」
カイト「大丈夫!行こう!ショウさん!」
ダイバーランド学校・教室内。
ショウがパソコンを起動しようとする中でカイトはケーブルを持っていた中、ショウが呼びかける。
ショウ「そのコードこっちにくれないか?」
カイト「ねえ、ショウさん何作っているの?」
ショウ「これはプラグターミナルを改造したテレビ電話さ。なんとかダイバーランドに連絡できないかなってね…」
カイト「えっ!ダイバーランドに電話できるの!」
ショウ「いくらここがデリトロスゲートだって言っても、コンピューターの中には違いないんだ。だから必ず連絡できるはずなんだけど…。よし、出来たぞ」
ショウがプラグターミナルことパソコンを操作し、連絡を試みようとする中でモニターにエラーのメッセージが出る。
カイト「あ…エラー」
ショウ「そう簡単にはいかないみたいだ…」
カイト「ショウさん…」
ショウ「何だい?」
カイト「僕…何もできないかな…兄ちゃんやショウさん…みんな頑張ってるのに…僕には何もできないかな…兄ちゃん言っていた『みんなで力を合わせないとダイバーランドに帰れないって…』」
ショウ「みんなできることを事を一生懸命やっているだけさ。だからカイト君ができることを一生懸命やればいいんだよ」
カイト「でも…」
ショウ「いつか必ず来るよ。カイト君の力が必要になる時が必ず…」
カイト「ショウさん…」
デリトロス城。
リュウトはラーダと次の作戦を会議していた。
リュウト「待て、ラーダ。それはルール違反だ。私はダイバーランドへの通信を許したわけではない」
ラーダ「はい、リュウト様。ですが結城ケントの仲間が先ほどからダイバーランドへの通信を試みています」
リュウト「つまらないことを…。私とケントのゲームに水を差すつもりか?」
ラーダ「その様でございます」
リュウト「邪魔な奴らだ…」
ラーダ「そうそう手を打つべきなのでは?」
リュウト「それで?」
ラーダ「既にデリトロスモンスター・ボートンの出撃準備が整っています」
デリトロス城からボートンが出撃する。
一方でショウはダイバーランドへの連絡を試みており、一同も集まっていた。
ケント「どう?ショウさん?」
ショウ「もう少し…もう少しでダイバーランドにアクセスできるはずなんだけど…」
カイト「頑張れ!ショウさん!」
ショウ「じゃあ、行くよ!」
カイト「やったー!」
カイトがそう言った後、ボートンと共にリュウトは指を上げて光輪を生成する。
リュウト「さあ、行け」
リュウトがそう言うと、放った光輪はバーチャル・ダイバーランドに放たれる。
一方でショウはパソコンの操作をしていた。
ショウ「もう少しだ…」
ショウが連絡を試みる中で再びエラー音が鳴る中、一同はリュウトが作った光輪に気づく。
ナオキ「なんだありゃ?」
ナオキがそう言うと、光輪は5つに増えナオキを拘束する。
ジャン「ナオキ!」
ケント「ナオキ!ジャン!」
カイト「兄ちゃん!」
ケント「カイト、危ない!」
ケントがカイトを引き離した後、光輪はケント、ジャン、ナオキ、ショウ、アオイを拘束しパソコンの中に閉じ込める。
カイト「兄ちゃん…みんなどこ?」
カイトはパソコンのモニターを見ると、拘束された5人はアイコンにされていた。
カイト「兄ちゃん…兄ちゃん!」
カイトはケントを助けようとアイコンにされた5人をクリックするも反応しない。
カイト「兄ちゃん…?」
カイトはパソコンの本体を叩くも何も起こらない。
カイト「どうしよう…兄ちゃん…」
何もできず苦悩してるカイトに反応したのか、ワイバリオンの目が光る。
ワイバリオン「まただ…また子供の悲しみの鼓動だ…」
ワイバリオンがそういった後、カイトは呼んできたカロンにパソコンを調べさせる。
カイト「ねえ!カロン!兄ちゃん達どうなったの!?」
カロン「5人がアイコンになっちゃったピョコ…」
カイト「アイコン…?」
カロン「コンピューターのプログラムを動かすスイッチピョコ。パソコンの画面にいっぱい並んでいる、このマークのことピョコ」
カイト「まさか…兄ちゃん達死んじゃったの?」
カロン「大丈夫ピョコ。小さくされて動けなくなっただけピョコ」
カイト「よかった…で…どうやったら戻せるの?」
カロン「間違いなくデリトロスモンスターの仕業ぴょこ。そのデリトロスモンスターをやっつければ…みんな元に戻れるはずだけど…」
カイト「そうか…兄ちゃん達がデリトロスモンスターをやっつければ…ああ…」
カロン「それは無理ぴょこ…」
カイト「ど…どうしよう…みんな…」
ショウ(いつか必ず来るよ。カイト君の力が必要になる時が必ず…) |
カイト「僕の力が必要になる時…?」
ケント達のサバイバルする中で聞いたショウの一言にカイトはケントのリュックとGコンがテーブルに置かれていることに気づく。
カロン「とりあえずグラディオンに相談してみるぴょこ」
カイト「カロン…僕もマジカルステーションへ連れていってよ!」
カロン「だめぴょこ…カイトはここで待つぴょこ」
カイト「僕しかいないんだ!今度は僕がみんなを助ける番なんだ!」
カロン「だけど…」
カイト「早く!時間がない!」
カロン「グラディオンにまた怒られるぴょこ…」
カイトはカロンに触れてマジカルステーションの格納庫内へと行く。
カイト「へぇーここがマジカルステーションか…僕、初めてだよ…グ…グラディオン…。みんな聞いて!兄ちゃん達がアイコンにされちゃったんだ!」
シャークオン「本当か!?カロン」
カロン「ぴょこ…」
カイト「デリトロスモンスターをやっつけないと。みんなが元に戻れない!お願い!力を貸して!僕を…ウェブダイバーにして!そして僕と一緒に戦ってよ!」
カロン「カイト…」
カイト「兄ちゃん達は必死で僕をデリトロスから救ってくれた。今度は僕の番なんだ!だから僕に力を貸してよ!僕だけ何もできないなんて嫌だよ!そんなのやだよ!」
カイトの願いにワイバリオンは反応する。
ワイバリオン「お前だったのか…悲しみを俺の心に語りかけていたのは…」
カイト「ワイバリオン…」
ワイバリオン「助けたいのか?ケントを?みんなを?」
カイト「うん…」
ワイバリオン「デリトロスの戦いは辛く、そして恐ろしいものだ。それでもウェブダイバーになりたいか?」
カイト「辛いのはやだよ!怖いのもやだ!でも…みんなが苦しんでるのに…僕だけ何もできないなんて、もっと嫌だ!」
ワイバリオン「そうだ…俺にはわかる…何もできないほど辛いことはない。力を貸そう!結城カイト!今日からお前が俺のウェブダイバーだ!」
ワイバリオンが認めると、カイトは笑顔になる。
ワイバリオン「さあ、行こう!ケントたちを救うために!」
カイト「ウェブダイブ!ワイバリオン!」
カイトはワイバリオンに搭乗する。
ワイバリオン「カイト!ウェブチェンジだ!」
カイト「ウェブチェンジ!ワイバリオン!ビークルモード!」
ワイバリオンはビークルモードに変形後、マジカルステーションから発進してリュウトエリアへ突入する。
リュウト「来たな…結城ケントではないな…誰?」
ワイバリオン「来たぞ!デリトロスモンスターだ!」
カイト「兄ちゃん達を元に戻せ!」
カイトがそう言うと、ワイバリオンは連射攻撃をボートンに向けて攻撃後、ボートンの攻撃を回避する。
リュウト「ふん、少しは出来るようだな…ならばこれでどうだ?」
ワイバリオン「そんなものあたるか!」
ワイバリオンはボートンの攻撃を避けて連射攻撃を再び放つ。
カイト「すごい…すごいよ!ワイバリオン!」
ワイバリオン「やはりそうかカイト…お前こそ俺にふさわしいウェブダイバーだ。行くぞ!」
ワイバリオンはファイターモードへ変形する。
ワイバリオン「ハウリングケイザー!」
ワイバリオンはハウリングケイザーを放つ。
リュウト「調子に乗るな」
ボートンは強力な攻撃を放ち、ワイバリオンは押し出される。
カイト「助けるんだ!兄ちゃん達を!そしてみんなで帰るんだ!ダイバーランドに!」
カイトの諦めない言葉に、墜落寸前だったワイバリオンは体勢を立て直す。
カイト「セルランチャー!」
ワイバリオンのセルランチャーがボートンの尻尾に命中すると、パソコンの中に閉じ込められアイコンにされた5人は解放される。
カイト「負けないぞ…今度は僕が助けるんだ!兄ちゃん達を!」
リュウト「ここまで私と戦ったことは褒めてやろう…だが、これで終わりだ !」
リュウトがそう言うと、ボートンは強力な攻撃を放とうとする。
バーチャルダイバーランドの学校内。
ケント「元に戻った…カイト!カイトは!」
ケントがそういう中でグラディオンから通信が入る。
グラディオン(通信)『大丈夫か?ケント?』
ケント「一体何がなんだか…」
グラディオン(通信)『話は後だ。カイトがデリトロスモンスターと交戦中だ』
ケント「カイトが!?」
ナオキ「じゃあ、カイトが俺達を!?」
グラディオン(通信)『急げ!ケント!カイトが危ない!』
ケント「わかった!マジカルステーションへプラグイット!。ウェブダイブ!グラディオン!」
ケントはマジカルステーションに行きグラディオンにに搭乗する。
アナウンス『緊急発進スタンバイ!グラディオン!シュート』
ケントとグラディオンはリュウトエリアへ向かう。
一方でボートンの連射攻撃にワイバリオンは怯む。
カイト「兄ちゃん!」
リュウトが嘲笑う中、グラディオンはビークルモードでボートンを後ろから突撃攻撃する。
ケント「ウェブチェンジ!グラディオン!ファイターモード!」
グラディオンがファイターモードへ変形後、ケントはカイトを呼びかける。
ケント「カイト、大丈夫か?」
カイト「兄ちゃん!元に戻ったんだね!」
ケント「お前のおかげでみんな助かったぜ!」
リュウト「感動の対面はそこまでだ!」
ケント「行くぞ!カイト!合体だ!」
カイト「うん!」
ケント「グラディオン!ビクトリーモード!」
カイト「ウェブチェンジ!ワイバリオン!ウイングモード!」
二人の掛け声と共にグラディオンとワイバリオンは合体しビクトリーグラディオンに。
グラディオン「ビクトリーグラディオン!」
リュウト「合体した程度でこのボートンを倒せると思っているのか?」
ケント「何?」
ケントがそう言うとコックピット内が光り出し、ステータスモニターに「VICTORY MAXIMUM POWER」が表示される。
グラディオン「ビクトリーマキシマ発動!」
ボートン(リュウト)はビクトリーマキシマの影響で光りだしたビクトリーグラディオンに攻撃しようとするも通用しない。
グラディオン「私とワイバリオン、そして二人のウェブダイバーが揃った時、真の力・ビクトリーマキシマを発動させることができるんだ!」
ケント「グランブレード!」
ケントがクランブレードを手にすると、カイトの前にもグランブレードが現れる。
カイト「こ…これは…」
ケント「カイト!つかめ!」
ケントの指示でカイトはグランブレードを持つ。
ビクトリーグラディオン「「「「ビクトリー・ザーン・マキシマ!」」」」
ビクトリーグラディオンの必殺技となるビクトリー・ザーン・マキシマを受けたボートンは爆発四散する。
ケント「やったなカイト!これからは力を合わせて戦おう!ダイバーランドに帰るために!」
ケントがそう言うとカイトは笑顔を見せる。
デリトロス城。
リュウトが帰ってきて心配していたラーダが話す。
ラーダ「リュウト様、お怪我は?」
ラーダがそう言い、リュウトは戦いのダメージで受けた傷口を治した後、椅子に座る。
リュウト「ビクトリーマキシマか…これだからゲームはやめられない…いいぞ、結城ケント…もっと強くなれ…この私のために…フフフ…」
リュウトはそう言い、上にある立方体のモニターで今回のケントの戦闘の場面を見る。
次回予告。 何回送ってもアオイちゃんのメールがダイバーランドに届かない! やはりデリトロスゲートからの通信はできないのか? グラディオン、ジャガオン、シャークオン!ウェブナイトのみんな!力を貸してくれ! アオイちゃんの願いを叶えたいんだ! 次回、電脳冒険記ウェブダイバー『思いを繋げ!出撃ウェブナイツ』にプラグイット! |
最終更新:2022年04月18日 21:31