王様戦隊キングオージャーの第1話


その昔、5人の英雄と守護神キングオージャーがバグナラクを打ち倒し、人類を救った。
英雄は王となり、5体のシュゴッドとともに国が生まれ、長くに渡る平和が訪れた……
だが、誰が言ったかもわからないこんな予言がある。
『2000年の眠りを得てバグナラクは地の底から蘇る』。
失礼…… そして今、地球は予言の年を迎えるとさ




第1話 我は王なり



シュゴッダム
そこは人や虫で賑わっていた。

ブーン「めっちゃ人いる。今日お祭り?」
コガネ「調印式だよ」
ブーン「なにそれ?」
コガネ「よくわかんないけど、5王国の王様が集まるんだって……」
ブーン「スッゲェ!」

ラクレス「5王国同盟…… ついにこの日が来たか」
ドゥーガ「うまくまとまるでしょうか?」
ラクレス「悪の強い王ばかりだからな!」


イシャバーナ フラピュタル城

セバスチャン「出発のお時間でございます、ヒメノ様……」
ヒメノ「いや、おめかしが終わってない」
セバスチャン「とおっしゃられましても、今日ばかりは……」
ヒメノ「この私のお願い以上に、大事なことなんてある?」
セバスチャン「……」


トウフ タキタテ城

カグラギ「んーっ、うまい! 今年の米は素晴らしい!」
民「カグラギ殿のご指導があってこそです!」
カグラギ「幸先がいい! 予言が外れ、平和が続くことを願うだろう!」


ゴッカン ザイバーン城

モルフォーニャ「リタは信じてるんですか? バグナラクが蘇ってまた大きな戦いになるって……」
リタ「我々のやるべきことは1つ。ただ不動を貫くだけだ……」



ンコソパ ペタ城

アッカ「待って! 待ってぇ‼︎」
ヤンマ「お守りはいらねぇって言ってんだろ。シュゴッドの合体なんて俺1人でやれる」
アッカ「そうじゃなくて、ヤンマ総長。おいらがいないとすぐ揉めるでしょう?」
ヤンマ「チッ」

『シュゴッド』

ゴッドヤンマが飛び立つ。
ゴッドハチ、カマキリ、パピヨンもシュゴッダムにやってくる。
4人の王はそこから降りる。
背中にはオージャカリバーが背負っていた。

子供「あっ、伝説の剣!」
母親「すごいね。本物の王様の証よ……」

ドゥーガとボシマールが出迎える。

ドゥーガ「ようこそ、シュゴッダムへ!」
ヒメノ「まさかこの私を歩かせるとはね……」
ボシマール「王たちの姿が民にとっても希望になるのです……」

扉が開く。

ヤンマ「さすがシュゴッダムの国王様。考えることもご立派だ……」


ブーン「邪悪の王め、コガネを離せ!」

ギラがアカネを連れてくる。

ギラ「ふっふっふ…… はっはっは! そう。俺様は邪悪の王ギラ! 卑怯、卑劣、最低…… 俺様が世界を支配する‼︎」
アカネ「いやぁ…… 助けて……」
ブーン「オージャカリバーの力を見せてやる‼︎ みんな行くぞ!」
子供たち「王凱武装‼︎」
ギラ「それは、王にしか使えぬ伝説の剣!」
兵士「今期分の税を徴収する!」
民「この前払ったばっかだろ」
兵士「王様の命令に刃向かうのか!」
民「ラクレス様がそんなこと言うわけないでしょ?」
兵士「口答えするな‼︎ いいからさっさと……」

そこへギラが割って入る。

ギラ「グダグダ抜かすな、愚民ども!」
騎士「なんだ貴様?」
ギラ「文句があるなら、俺様たちが相手になろう!」
子供たち「合体! 行くぞ。キングオージャー‼︎」
ブーン「食らえ!」

ブーンたちが兵士とギラに石を投げる。

兵士「やめろ、投げるな。このままで済むと思うなよ‼︎」

兵士はその場を去っていく。

子供たち「正義は勝つ‼︎」
ギラ「大成功! イエーイ!」
民「ありがとうギラ。でも気をつけろ…… 王様に刃向かって捕まりでもしたら園の子たちは路頭に迷っちまうぞ」
ギラ「そんなことにはならないよ。王様は悪者じゃない、王様は国民全員を守ってる…… だから僕たちは手の届く大切な人たちを守る。それはきっと、王様も望んでくれてるはずだろ? な?」
民「そうかな……」


シュゴッダム。
ドゥーガが扉を開く。

リタ「この5王国同盟は、世界を脅かす敵が到来したときに備え、国境を超え、利害を排除し、国同士が一丸となって敵を打ち倒すために制定するものである……」
ラクレス「長きにわたる彼岸。守護神キングオージャーの復活が予言の年に達せられたことを、奇跡か運命か。この先どんな脅威が待ち受けようと、シュゴッダム国王ラクレス・ハスティー…… 民のため地球のため、この命を捧げることを誓おう! 皆、剣を取ってくれ」

3人はオージャカリバーを手に取る。
でもヤンマだけは取らなかった。

リタ「あとはお前だけだ、ヤンマ・ガスト……」
ヤンマ「ラクレスがキングオージャーの操縦権を握るってのが納得いかねぇ……」
カグラギ「なんと……」
ヒメノ「今更何? 本当に嫌」
ヤンマ「テメェがリーダー面する道理はなんだよ?」
ラクレス「始まりの国だからだ…… キングオージャーはゴッドクワガタ無くして蘇らぬ。であれば、私がその任を担うのが当然の責務だ」
ヤンマ「昔話は聞いてねぇ…… 2000年ビクともしなかったゴッドクワガタを伝制御して動かしたのは、俺だ……」
カグラギ「ラクレス殿に任せて何の不満があるんですか?」
ヤンマ「こいつは予言とやらを口実に力を独占してぇだけだ。そうなんだろう?」
ラクレス「私は常に地球の平和を願っている。むしろ力を欲しているのは君の方ではないか?」
ヤンマ「なめんじゃねぇぞ。俺は降りる……」
カグラギ「バグナラクがいつ来てもおかしくないんですよ?」
ヤンマ「うるせぇ、スカポンダヌキ。俺がてっぺんだ……」


児童養護園。
子供たちは食事をしていた。

ブーン「ああ、足りねぇ……」
コガネ「さっきお代わりしたじゃん」
ブーン「ああ、レインボージュルリラ、食べたいよ……」
ギラ「レインボージュルリラは、いつか絶対。な?」

突然地面が揺れる。

ギラ「大丈夫。近寄って!」

カグラギ「まさか…… 予言が?」

人々が広場に集まる。

ギラ「なんだ?」

ダンジームが近づいてくる。

民「まるで、神の怒りだ!」

デズナラク8世とカメジムが見守っていた。

デズナラク「人間どもは、皆殺しだ……」

ダンジームが街を破壊し始める。

ギラ「危ない! 逃げるんだ‼︎」

ラクレス「悲劇にも予言は的中した。だが我らはこの日のために備えてきた! 戦士たちにシュゴッドの加護があらんことを‼︎」

3人はオージャカリバーを手に取る。

3人「王鎧武装!」

『You are the KING, You are the You are the KING!』

ヒメノたちは王鎧武装を遂げ、カマキリ、パピヨン、ハチオージャーとなる。

ハチ「さぁ、行きますよ!」

バグナラクが街を攻撃し始める。
ハチオージャーたちがサナギムに挑む。
ギラはサナギムの猛攻に吹き飛ぶ。

ブーン「コガネ! コガネ‼︎」
ギラ「コガネ?」

コガネは怪我をしていた。

ギラ「コガネ、しっかりしろ!」
コガネ「大丈夫。王様が守ってくれる……」

コガネが気を失う。

ギラ「コガネ!」

そこへカマキリオージャーがやってくる。

カマキリ「まだ息がある。この子は任せてあなたは逃げなさい。ラクレスは何をしているの?」
ギラ「王様が?」

ギラが城にやってくる。

ドゥーガ「何者だ? どうやって城に入った?」
ギラ「そこで何やってるんですか? 街で人が……」
ラクレス「それは悲しいな。尊い犠牲だ……」
ギラ「何を言ってるんですか?」
ラクレス「勘違いしないでほしい…… これはゴッドクワガタの目覚めを拒否したヤンマ・ガストのせいで起こったことだ。バグナラクを退けたのち、我々は正義の名の下にンコソパに攻め入る……」
ギラ「まさか…… わざとバグナラクを放置したのか? 他の国を侵略するために!」
ラクレス「人聞きの悪い。全ては地球を統一するためだ…… 真の平和は絶対的な力によってもたらされる。だからこそ、私の力で5王国を1つにする…… ンコソパを皮切りにイシャバーナ、トウフ、ゴッカン…… すべての国がシュゴッダムにひれ伏すまで私は戦い続ける! たとえどれだけの犠牲を払おうとも」
ギラ「……民を守るのが、王じゃないんですか?」
ラクレス「民は道具。私が国だ……」
ギラ「ふざけるな‼︎」

ギラが払いのけられる。

ドゥーガ「貴様!」
ラクレス「やめろ」

ラクレスの腰にあったオージャカリバーが消えていた。
それを取ったのはギラだった。


隕石が街を壊していく。

ヤンマ「起きろ。また人類を救ってみせろ……」

ヤンマはオージャカリバーのスイッチを入れるが、何も起きなかった。

ヤンマ「何で? ロックは完全に解除しただろう!」

ギラ「これがあればみんなを救えるんだろう?」
ラクレス「無駄だ…… 王以外にそれは使えない……」
ギラ「だからお前が使うんだ!」
ラクレス「この私に、王に剣を向ける意味がわかってるのか? お前は今、世界の敵になったのだ!」
ギラ「……望むところだ。貴様の語る正義などくだらん、つまらん、気に食わん! 子供たちを犠牲にすることが正義なら、俺は正義をぶっ潰す悪になってやる‼︎ 恐怖しろ、そして戦け‼︎ 一切の情け容赦なく、一目一層ことごとく貴様を討ち滅ぼす者の名は、ギラ‼︎ 邪悪の王となる男! 俺様が世界を支配する‼︎」

ゴッドクワガタが蘇る。
ギラはその下にやってくる。

ギラ「ああ…… 俺様も気に入った!」
ラクレス「バカな! なぜ?」

『クワガタ』

ギラ「王鎧武装!」

ギラが王鎧武装を遂げ、クワガタオージャーとなる。

『You are the KING, You are the You are the KING!』『クワガタオージャー』

クワガタ「はっはっは! いくぞ、クワゴン!」

クワガタオージャーがゴッドクワガタの中に乗り込む。

クワガタ「降臨せよ、キングオージャー!」

ゴッドクワガタが飛び立つと他のシュゴッドも去っていく。

カマキリ「どこにいくの?」

『シュゴッド』

10体のシュゴッドが合体。
キングオージャーとなる。

『キングオージャー』

クワガタ「いくぞ」

キングオージャーがダンジームに挑む。

クワガタ「効かんわ!」

ダンジームの砲撃が炸裂。
キングオージャーはゴッドソードで斬りかかる。

クワガタ「クワゴン!」

ゴッドクワガタが分離してダンジームを投げ飛ばす。

クワガタ「蜘蛛撃ち!」

蜘蛛の巣がダンジームを拘束。

クワガタ「貴様のような雑魚ごとき、捻り潰してくれるわ‼︎」

ゴッドソードが炸裂。
ダンジームが大爆発。


クワガタは王鎧武装を解除。
ゴッドクワガタは飛び去っていく。

これは、王たちの物語。そして……

ギラ「俺様が、世界を支配する! みんなのために」

いつか、王になる男の物語である……

兵士「動くな!」
ラクレス「反逆者の名はギラ。捕まえ次第、死罪とする!」



(続く)

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最終更新:2023年09月18日 06:33