戦国無双(テレビアニメ版)の最終回

槍を掲げる兵士


豊臣の一族側の決戦は最終決戦を迎えていた。
戦場に立つ幸村とくのいち
幸村(狙うは家康公の首、ただ一つ。)

第十二話

日本一の兵

秀頼(真田の花は一輪に咲く彼岸花だ。その上どちらの軍配が上がるか?)
一方、徳川陣営
忠勝「まるで、怒りが達する炎ですな。」
家康「怒りの炎が燃え盛ろうと、実を枯らす訳にはいかぬ。全軍、出陣!」
槍を振るう徳川軍兵士
突撃する徳川軍兵士
歩む高虎
秀忠「幸村を相手にせずに、まっすぐに大阪城を目指せ。」
一瞥する高虎
秀忠「城を落とせば、この戦は終わりだ。お前の手で、蹴り落とせよ。」
高虎「分かりました。」
歩む高虎
一瞥する秀忠
高虎(言う程、簡単ではないな…)
出馬する信之
稲姫「ご武運を。」
信之(幸村…)
待ち構える正則と慶次と甲斐姫
正則「こっちもいくぜ!」
棘棍を下ろす正則
正則「突撃!」
豊臣軍兵士「おーーー!」
突撃する豊臣軍兵士
正則「うおおおおお!」
慶次「おら!おら!おら!」
突撃すると徳川軍兵士と豊臣軍兵士
正則「うおおおおおお!おらあああ!」
棘棍を下ろす正則
甲斐姫「はっ!」
浪切を振るう甲斐姫

兵士をなぎ倒す兼続

陣太刀を振るう政宗

剣を振るう小十郎

細剣を振るう高虎

慶次「うおおらああ!」
皆朱槍を振るう慶次
慶次「纏めて面倒見てやるぜ。」


軍配は一進一退を繰り返した。数劣る豊臣軍は、中央に兵を集中し、一片突破を試みる。対する徳川軍も、中央の兵を厚くして、それを迎え撃った。

一方、幸村とくのいち
出陣する幸村とくのいち

徳川軍兵士「て、敵だ!」
単騎駆けをする幸村
徳川軍兵士「さ、真田幸村!」
兵士をなぎ倒す幸村
兵士を倒すくのいち


豊臣軍の狙いは、敵を中央に集中させ、手薄になった場所を幸村が突破する事にあった。

止まる信之
信之「!」
単騎駆けをする幸村
信之「幸村、家康様の所へは行かせぬ!」
追撃する信之
地割れが起きる
待ち構える慶次
慶次「信之、あんたの相手はこの俺だ。」
信之「慶次殿…」
一方、政宗
正則「政宗!借りは倍にして返してやるぜ!」
政宗「馬鹿め。」

一方、徳川陣営
忠勝「これが最後の戦いとなりましょう。」
稲姫「!」
家康「悔いを残すな。」
忠勝「はっ!」
出陣する忠勝

一方、大阪城
秀頼(このような戦をせずとも、大筒を使えば、この城を落とす事はもはや容易い。家康公、そなたもまだ、戦国乱世から抜け出せずにいるのだな。)
家康(この戦で、乱世の一切合切を葬らねばならぬ。それは秀頼、そなたも同じであろう。)
秀頼(私は豊臣の業を大逆する者。この戦で、その戒めを断ち切る。)
家康(これが戦国乱世の断末魔だ。)
幸村「!」
前には忠勝が
幸村「せえやああ!」
忠勝「うおおおお!」
弾き合う
馬から降りる忠勝
馬から降りる幸村
くのいち「幸村様!」
幸村「そなたは、下がっていろ!」
忠勝「真田幸村!再びそなたの刃を受けられる事、嬉しく思うぞ!」
構える忠勝
忠勝「しかし、殿の元へは行かせぬ!」
構える幸村
幸村「私もここで止まる訳には、参りません!」

槍を振るう両者
槍を打ち合う両者
突きを繰り出す幸村
切り返す忠勝
乱れ突きを繰り出す幸村
大槍を回し、防ぐ忠勝
ジャンプ斬りを繰り出す幸村
切り返す忠勝
防ぐ幸村
突きが当たる幸村
吹っ飛ばされる幸村
くのいち「幸村様!」
幸村「くっ…」
忠勝「どうした?そこまでか?」
幸村「くっ…まだまだ!」
一閃する
再び一閃する
忠勝(血が滾る、この効力は。)
振るう両者
忠勝(言うべき拙者は、戦場でしか生きられねばならぬ。)
横切りを繰り出す両者
忠勝(そして、この目。)
見届けるくのいち
忠勝(我こそ、この戦で引導を渡さねばならぬ…幸村にもそして我が身にもだ!)
幸村「うわあああっ!」
圧倒される幸村
くのいち「幸村様!」
伏兵が鉄砲を構える
幸村に狙いが定まる
くのいち「危ない!」
手裏剣を投げるくのいち
伏兵は倒される
鉄砲の弾がくのいちに被弾する
幸村「!」

倒れるくのいち
幸村「!」
くのいちの元に駆け寄る幸村
忠勝「くっ…」
倒れた兵士を見る忠勝
月丸「ミャア、ミャア。」
くのいちを抱き起こす幸村
幸村「!」
左胸に被弾した痕が
幸村「しっかりしろ…私の声が聞こえぬか?返事をしてくれ!」
擦る幸村
幸村「ならぬ!死んではならぬ!生きるのだ!」
再度、擦るる幸村
幸村「!」
状況は変わらず
幸村「すまぬ…私が不甲斐ない戦いをしたばかりに、そなたをこんな目に!」
忠勝「……」
幸村「すまぬ!」
口がかすかに動く
幸村「!」
光成の兜の一部が落ちる
幸村「!」
兜を見る幸村
幸村「これは…」
回想
幸村「光成殿…」
光成(勘違いするな、ただの偶然だ。)
くのいち「うっ…うう…」
くのいちを静かに寝かせる幸村
十文字槍を手に歩む幸村
幸村「私はここで倒れる訳にはいきません。」
鋭い眼差しをする幸村
忠勝「!」
幸村「この一撃に己の持てる全ての力を込める!」
忠勝「その意気はよし!」
互いの槍がぶつかる
数珠が落ちる
跪く忠勝
一矢報いる幸村
忠勝「見事だ。」
一瞥する幸村
忠勝「行くがいい…己の持てる力で、決着をつけろ。」
幸村「はい。……忠勝殿、あの者の事、頼めますか?」
忠勝「!」
くのいちを見る忠勝
忠勝「任せよ。」
幸村「かたじけない。」
馬を走らす幸村
忠勝(殿、無事あれ。最後の戦で、不覚を取り申した。)

一方、信之と慶次
鍔迫り合いの末、押す慶次
慶次「うおおおお!」
信之を助ける兼続
兼続「信之、行け!」
信之「兼続殿!」
兼続「己が使命を果たせ。」
信之「……」
走る信之
慶次「やっぱり来たな。兄弟一家を唆す程の愛なのかい?
兼続「信之には固い決意がある。行かせてやる事こそ、愛!」
一方、甲斐姫
甲斐姫「まさか!門が破られたの!?あそこには私の家族がいる!」
斬撃を繰り出す政宗
防ぐ正則
棘棍を振るう正則
突きを繰り出す政宗
政宗「貴様の動きは遅過ぎるわ!」
正則「うっせえ!」
棘棍を投げる正則
正則「うおおおお!」
政宗「!」
陣太刀が弾かれる
正則「うおおおお!」
拳銃を取り出し発泡する政宗
肩当が砕かれる
さらに発泡する政宗
それをかわす正則
正則「しゃああああ!」
右ストレートを繰り出す正則
正則「ぐあっ…」
倒れる政宗
一矢報いる正則
正則「清正…」
周りには兵士が
正則「ああん?」


戦いの火蓋が切られて数時間、数で圧倒する徳川軍は豊臣の軍勢を分断し、各個に撃破していた。

城内に戻る秀頼

秀頼「豊臣の業は乱世の子。全て私が背負っていく。」


豊臣の敗色が濃くなる中、幸村は家康の本陣を目指し、ひた走っていた。

「家康様に近付けさせるな!」
幸村「ふっ!」
斬撃を繰り出す幸村
幸村「たああああ!」
十文字槍を地面に叩く
地響きで兵士を倒す
稲姫「幸村!」
徳川軍の陣に着く幸村
幸村「家康公、覚悟!」
家康「来たか。」
弓を構える稲姫
稲姫「おやめなさい!」
信之「幸村!」
馬から降りる信之
幸村「兄上…」
信之「家康様、ここは私が。」
稲姫「殿!」
家康「うむ。」
退く家康
稲姫「信之様…」
構える幸村
信之(この日が来る事は知っていた。)
幸村(覚悟はできている。)

一方、高虎
高虎「!」
大阪城に火が
秀頼が現す
高虎「秀頼様…」
拳を握り締める高虎
高虎「その潔さを何故新たな世に活かそうとしない?」
燃え盛る大阪城を見ている高虎

一方、正則
正則「?」
手を放す正則
正則「! 秀頼様…」

一方、慶次と兼続
兼続「天守が…」
慶次「祭りはもうお開きだ。」
皆朱槍を担ぐ慶次
慶次「幸村、あんたは自分でけじめをつけな。」
燃え盛る大阪城を見る甲斐姫
「秀頼様…」
甲斐姫「皆、逃げて!」
「姫様…」「私達も最後まで。」
甲斐姫「駄目!あなた達は生き延びるの!」
「ですが…」
甲斐姫「急いで!」
「はい!」
逃げる女将
甲斐姫「秀頼様…」
逃げる甲斐姫

一方、秀頼
秀頼(乱世を全てこの炎が焼き尽くす。)
炎に吞まれる秀頼

一方、幸村
信之「来い、幸村。」
幸村「参る!」
一閃する
打ち合いをする幸村
一進一退の攻防を繰り広げる両者
幸村「兄上!」
防ぐ信之
信之「幸村!」

稲姫「信之様、幸村!」
両者、何とか立ち上がる
信之「強くなったな、幸村…正しく、日本一の兵だ。」
幸村「兄上…」
信之「なればこそ私はお前を討たねばならぬ。これから訪れる泰平の世に武士は不要と知らしめる為に。」
幸村「…。」
信之「豊臣を滅ぼし、天下の大黒柱は徳川一本と示す事。その屋根の下で、戦は二度と起こらぬと示す事。」
刃を向ける信之
信之「戦国乱世にとどめを刺す為。幸村、私はお前を斬る。」
幸村「ならば、私は全身全霊の力を持ってお答えしましょう、武士の誇りを賭けて!」
走る両者
幸村「でやあああ!」
信之「はあああああ!」
横切りを繰り出す幸村
一閃する
退く両者
跪く信之
傷を押さえる幸村
幸村「兄上の心、確かに受け取れました。」
信之「!」
幸村「戦国乱世にとどめを刺すは、武士たる私の役目!」
信之「幸村…」
大軍が迫る
秀忠「急げ!何としても、父上をお助けするのだ!」
幸村「真田の家を頼みます、義姉上ともお幸せに。真田の魂、武士の魂は私が引き受けた!」
大軍に駆ける幸村
信之「幸村…」
跪く信之
信之「幸村!」
稲姫「幸村…」
忠勝「…。」
目を覚ますくのいち
くのいち「幸村、様…」
幸村「うおおおおおおお!真田の魂、ここに示さん!」
銃声が響く
幸村の鉢巻が飛ぶ
信之「!! ……。」

十文字槍が残される
信之「申し訳ありません。私が幸村を討ち果たす事ができませんでした…」
家康「よい。これで泰平の世を築いていける。」
信之「…。」
そっと肩をかける家康
信之を背に歩む家康
稲姫「…。」
双刃刀を刺す信之
嘆く信之


戦は徳川の勝利に終わった。この大阪夏の陣で、戦国時代は幕を閉じた。

家臣に何かを命じる秀忠
桜を見る高虎
光景を見る家康と忠勝

城を背に歩むくのいち
木の上で城を見るねね

川で何かをする兼続と景勝

駆ける政宗と小十郎

笛を吹く小十郎

寝転がる政宗

桜の枝を担ぐ慶次

石を積む正則

それを合掌する正則

女将の所に向かう甲斐姫

桜道を歩むくのいち

上田城に着くくのいち

幸村の鉢巻と光成の兜を置くくのいち


くのいち「(幸村様、)約束果たしましたよ。」

そっと肩を置く稲姫
歩む信之
信之(幸村、お前の花は私がこれからも守っていく。)
桜の木を見る三人
少年時代の幸村と信之


(終)

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最終更新:2016年10月12日 08:16