機動戦士ガンダムSEED DESTINYの第28話

~次回予告~
『再びぶつかるオーブとミネルバ』
『言葉も思いも砲火の前ではただの幻か』
『譲れぬ思いは色を分け、時は結末へと針を進める』
『全てを懸けてもと、託す願いにカガリは』
『次回 ガンダムSEED DESTINY 残る命、散る命』
『混迷の空を裂け!ムラサメ!』






残る命、散る命

タリア「トリスタン!イゾルデ!てーっ!」

メイリン「9時方向よりオーブ艦群さらに接近!」
タリア「アーサー、対艦ミサイル! レイとルナにも牽制させて!」
アーサー「はい!」
タリア「クレタを起点に挟むつもりね。・・・まずいわ・・・転身してももう一方に追い込まれる」(下がれない・・・突破するしか!)

シンのブラストインパルスガンダムがムラサメを撃ち落とした。
アウル「ハン!今日は緑かぁ!」
シン「!!」
アウルのアビスガンダムがインパルスに仕掛けてきた。
インパルスの反撃をかわし、アビスは水中に潜る。
アウル「そんなモンに!」
シン「アイツ・・・アイツらもやっぱり・・・」

シンはステラと初めて会った時に来たアウルとスティングが、
アビスとカオスのパイロットだと勘づいていた。

アウル「いい加減見飽きてんだよ!その顔!」
アビスがビーム兵器を一斉に撃ってきた。
シン「うっ!」
インパルスはバランスを崩すことで、ビームをよける。
アウル「今日こそ堕とぉーすっ!!」
アビスがビームランスで切りかかる。インパルスもビームジャベリンを抜き、つば競り合いをする。

アスランのセイバーガンダムは、ムラサメの戦闘力を奪っていた。

キラ(それでも僕たちはオーブを討たせたくないんだ)
アスラン「ちいいっ!」
そこにスティングのカオスガンダムが飛来し、セイバーと空中戦を展開する。
スティング「おいおいおい、寝ぼけてんのかぁ?逃げてんじゃねぇよ!」
しかし、アスランは以前キラから言われた言葉を抱え、防戦一方となっていた。
また、戦死したハイネの遺した言葉も思い返していた。
ハイネ(じゃあお前・・・何処となら戦いたい?割り切れよ。でないと・・・死ぬぞ)
キラ(撃ちたくない・・・撃たせないで)
アスラン「くそっ!」
セイバーがビームライフルを撃ち返す。

オーブ艦隊旗艦・空母タケミカズチ
オペレーターたち「ソコワタツミ、ミサイル発射口被弾!」
「クラミツハ前へ出ます!」
「目標進路を240に転進!」
ユウナ「ほら第2戦闘群をもっと前へ出して!どんどん追い込むんだよ!」
トダカ「ミネルバの火器はまだ健在です。迂闊には出せません!」
ユウナ「ムラサメ隊は何をしてるの!?なんでさっさと落とせないんだ・・・」
トダカ「実戦はお得意のゲームとはわけが違います!そう簡単にはいきませんよ」
ユウナ「・・・!」

馬場「ヤツらのモビルスーツはいい!地球軍の連中にまかせて我らはミネルバを!」
パイロット「馬場一尉!?」
馬場「あれさえ堕とせば全て終わる!」
パイロット「ハッ!」

メイリン「右舷後方上空よりムラサメ12!」
タリア「取り付かせるな!撃ち落とせ!」
メイリン「はい!」
ミネルバのCIWSをかいくぐり、馬場達ムラサメ隊は接近してくる。

ルナマリア・レイ「「「えええぃ!!」」
ルナマリアのガナーザクォーリアとレイのブレイズザクファントムの射撃も回避され、ムラサメは対空ミサイル・「ハヤテ」を発射した。
ミネルバは「ハヤテ」の直撃を受ける。
アーサー「うわああ-!」
メイリン「きゃあああ!!」

アスラン「ミネルバ!?」

ザクファントムは「ハヤテ」の爆発に巻き込まれ、左肩を失っていた。
レイ「くっ・・・」
ルナマリア「これ以上やらせないわよ!」

セイバーがムラサメの翼をライフルで撃ち抜くも、追ってきたカオスと再び交戦する。
スティング「だから逃げんなつってんだろ!」


タリア「セイバー、インパルスは?」
メイリン「カオス、アビスと交戦中です!」

スティング「お前は・・・俺がぁ-!」
アウル「ハッ、そんなもんにぃ!」

馬場「行くぞ!今度こそ!!」
パイロット「は!」
馬場達のムラサメ隊が再度ミネルバに接近する。
アスラン「!?」
シン「ああ!」

アーサー「艦長!」
タリア「取り舵一杯!機関最大!!」
馬場「はぁあああーっ!!」
馬場のムラサメはミネルバのブリッジまで接近し、ビームライフルを向ける。
しかし、上空からのビームにライフルが貫かれ、爆発した。
馬場「!?」

キラのフリーダムガンダムが駆けつけたのだ。
レイ「!?」
ルナマリア「ええっ!」
アウル「!?」
スティング「あん?」
アスラン「フリーダム!?キラ!?」

カガリのストライクルージュも来た。
カガリ「オーブ軍!ただちに戦闘を停止して軍を引け!」


トダカ「!?」

カガリ「オーブは・・・こんな戦いをしてはいけない!」

シン「アイツら、またぁ!」

カガリ「これでは何も守れはしない!地球軍のいいなりになるな!!オーブの理念を思い出せ!それなくして何のための軍かっ!!」

シンは、家族を失った2年前のオーブ戦と、
ハイネが戦死した前回のオーブ戦を思い返す。
シン「・・・・なんで・・・あんたはそんなキレイごとを・・・いつまでもーっ!!」
インパルスがストライクルージュ目掛けてミサイルを発射した。

トダカ・マリュー・タリア「「「!?」」」
アスラン「シン!!」

フリーダムがストライクルージュの前に出て、頭部機関砲でミサイルを撃ち落とした。そこからビームサーベルを抜いて、インパルスに向かう。

アスラン「キラ!」

フリーダムはインパルスのビームをかいくぐり、接近してくる。
シン「お前も・・・ふざけるなぁぁっ!!」
シンがSEEDを発動させた。
フリーダムのビームサーベルをインパルスは上体をそらして、紙一重でかわした。
キラ「!?」
シン「はぁあああ!」
インパルスがビームジャベリンで切り返し、フリーダムも紙一重でかわし、上昇する。
アスラン「やめろ!キラ!!」
キラ「アスラン!?」
セイバーとフリーダムが切り結ぶ。
アスラン「こんなことはやめろと!オーブへ戻れといったはずだ!」

スティング「ちいぃ!」
アウル「何か知らないけど、毎度毎度ごちゃごちゃと!」


ネオ「何をぼんやりしている?ユウナ・ロマ!先の言葉を忘れたのか?2艦とも叩き落とすんだ!」
アマギ「!トダカ一佐・・・」
トダカ「・・・我らに指揮権はない・・・」
ユウナ「わ、わかっている!ミネルバを!・・・だから早くミネルバをっ!!あれさえ堕とせばいいんだから俺たちはぁ!」
トダカ「・・・」

アスラン「下がれキラ!お前の力はただ戦場を混乱させるだけだ!」
キラ「アスラン!」
スティング「アッハハハ!もらったぜ!てめえら!!」
カオスがセイバーとフリーダムの戦いに割り込もうとしたが、
フリーダムにビームサーベルで両腕と機動ポットを切り落とされ、墜落していった。
スティング「!?うわぁぁ――」
アスラン「キラ・・・」

アーサー「か・・・・艦長・・・?」
タリア「・・・こちらに敵対する確たる意思はなくとも本艦は前回あの艦の介入によって甚大なる被害を被った。・・・敵艦と認識して対応!」
アーサー「はい!」

アスラン「やめろ!キラ!」

アウル「どこ見てんだよ、こらァ!!」
アビスの三連ビーム砲がインパルスのブラストシルエットを貫いた。
シン「!」
ブラストシルエットは、インパルスが切り離した直後に爆発した。
シン「はあああ-っ!!」
インパルスがビームジャベリンをアビス目掛けて投げつけた。
アウル「なにィ!?」
ビームジャベリンはアビスの腹部のコクピットに突き刺さった。
アビスは海中へ沈んでいく。
コクピットに海水が入っていき、アウルのヘルメットの中も海水で満ちて、
やがてアウルの血で赤く染まった。
そして、大爆発。

ZGMF X31S RGX-02 ABYSS SIGNAL LOST

ネオ「アウルっ・・・!」

カオスとスティングはJ・Pジョーンズに回収された。
オペレーター「カオス帰還。医療班は第8デッキ前に待機!」
「救助ヘリ発進準備!アビスの遭難ポイントは座標1018ベータ」
スティング「!」

シン「ミネルバ!フォースシルエットをっ!」
メイリン「はい!フォースシルエット射出!」
インパルスがフォースシルエットを装着し、上空へ向かった。

メイリン「デュートリオンビーム照射!」
インパルスはミネルバからのデュートリオンビームでエネルギーを回復させ、
ウィンダムを撃ち落としていく。


トダカ「オーブ全軍はミネルバを攻撃せよ!繰り返す、オーブ全軍はミネルバを攻撃しろ!」
馬場「・・・小隊各機俺に続け!」
パイロット「はっ!」
馬場達が三度ミネルバに接近しようとするが、
その前にストライクルージュが割り込んできた。
ムラサメはMSに変形し、停止した。
カガリ「やめろぉぉっ!」
馬場「カガリ様!!」
カガリ「あの艦を撃つ理由がオーブのどこにある!?撃ってはならない!
自身の敵ではないものをオーブは撃ってはならない!!」
パイロット「カガリ様!やはり・・・」
「いや、しかしあれは・・・」
馬場「くっ・・・そこをどけ・・・!」
カガリ「!?」
馬場「これは命令なのだ!今の我が国の指導者ユウナ・ロマ・セイランの!ならばそれが国の意思!ならば我らオーブの軍人はそれに従うのが務め!」
カガリ「お前っ!?」
馬場「その道いかに違おうとも難くとも我らそれだけは守らねばならぬ!」
「おわかりかぁ!!」
カガリ「・・・だがっ・・・!」
馬場「お下がり下さいっ!!国を出た折より我らここが死に場所ととうに覚悟はできております!」
カガリ「それはっ・・・・!」
馬場「下がらぬというなら力をもって排除させていただく!」
カガリ「!?」
馬場のムラサメがストライクルージュの腕を掴み、投げ飛ばした。
カガリ「あぁああ-!」
マリュー「カガリさん!」
キラ「カガリ!」
アスラン「!?」

馬場「我らの涙と意地!とくとご覧あれ!!」
パイロット「おお-!!」
馬場達のムラサメはMAに変形し、ミネルバへの接近を再開した。

ルナマリア「このォォ――ッ!」
ザクウォーリアはムラサメを撃ち落とそうとしたが、
ハヤテの直撃を受けてしまう。
ルナマリア「きゃあああ!」
レイ「ルナマリア!?」
メイリン「お姉ちゃん!」
レイ「えええ-い!!」
ザクファントムとインパルスにミネルバのCIWSで馬場以外のムラサメは撃ち落とされ、
馬場機もダメージを受けたが、接近を止めない。
アーサー「!!」
タリア「機関最大!取り舵!!」
馬場「うおおお-!!」
馬場のムラサメがミネルバの主砲「トリスタン」に激突し、共に爆発。

タリア「うわあ-!!」
カガリ「ああ・・・」

ミネルバクルー「主砲および右舷カタパルト被弾!火災発生!」
「消火作業急げぇ!」
「CIWS稼働率40%」
メイリン「ルナマリア機大破!収容します!」
ザクウォーリアは大破し、ルナマリアも負傷していた。
ルナマリア「うう・・・」

ネオ「後一息だ!落とすぞ!」
ユウナ「そ・・・そうだよ!それでいいんだよ!僕らは!あれさえ落とせば・・・」

シン「ミネルバ!ソードシルエットを!全艦叩き切ってやる!」
メイリン「はい!」

キラ「アスランっ!!」
アスラン「仕掛けてきているのは地球軍だ!!じゃあお前たちはミネルバに沈めというのか!?」

インパルスがソードシルエットを装着する。

キラ「どうして君は・・・!」
アスラン「だから戻れと言った!撃ちたくないと言いながら何だお前は!」


トダカ「よし!本艦も前に出る!」
アマギ「!?」
ユウナ「え?」
トダカ「機関最大!」
アマギ「・・・はい機関最大!」
クルー「機関最大っ!」
ユウナ「いや、だけど・・・」
トダカ「ミネルバを堕とすのでしょう?ならば行かねば!」
ユウナ「あ・・・」

ソードインパルスはオーブ艦を対艦刀で斬り刻んでいる。
カガリ「やめろぉぉぉー!」
ストライクルージュがインパルスの方に向かう。
マリュー「カガリさん!」
キラ「カガリ!」
アスラン「キラ!」
キラ「わかるけど・・・君の言うこともわかるけど・・・」
インパルスがまた2機のムラサメを撃墜した。
キラ「でもカガリは今泣いているんだ!!」
アスラン「!?」
キラ「こんなことになるのが嫌で!今泣いているんだぞ!!」
「何故君はそれがわからない!」
「なのにこの戦闘もこの犠牲も仕方がないことだって・・・」
「全てオーブとカガリのせいだって・・・そういって君は撃つのか!?
「今カガリが守ろうとしているものを!」
アスラン「・・・キラ・・・」
キラ「なら僕は君を撃つ!!」
キラがSEEDを発動させた。
アスラン「!?」
フリーダムとセイバーがシールドを激突させる。
そこから、フリーダムは左手でサーベルを抜き、
セイバーの右腕を切り飛ばした。
アスラン「くぅ・・・」
キラ「・・・!」
フリーダムは2本のサーベルで、セイバーの頭、両肩、両足を切り落とした。
バラバラにされたセイバーは落下していった。
アスラン「ああ・・・」
メイリン「アスランさん!」
タリア「ん!?」
メイリン「セイバーが・・・」
タリア「ええ?」
メイリン「オーブ軍空母接近してきます!12時の方向・・・距離2000!ミサイル、来ます」
タリア「回避!迎撃!ええい!空母が前に出て何を・・・」

カガリ「やめろ!やめるんだ、タケミカズチ!」
ミネルバの副砲がタケミカズチに被弾する。

ユウナ「おま・・・お前ぇ!何をやっているんだ!トダカ!これでは・・・」
トダカ「ユウナ様はどうぞ脱出を!総員退艦!」
ユウナ「!?」
アマギ「・・・ハッ!」
タケミカズチクルー「総員退艦!繰り返す、総員退艦」

カガリ「タケミカズチ!やめろぉ!」
シン「でぇい!」
インパルスが上空のストライクルージュを狙ってビームライフルを撃つ。
一機のムラサメがストライクルージュを庇った。
パイロット「カガリ様、どうかおさがり・・・!」
カガリ「!?」
ムラサメはビームで貫かれ、爆散した。
カガリ「・・・!!」

トダカ「ミネルバを堕とせとのご命令は最後まで私が守ります」
ユウナ「!?」
トダカ「艦および将兵を失った責任も全て私が!」
ユウナ「え?ええ!?」
トダカ「これでオーブの勇猛も・・・世界中に轟くことでありましょう!」
トダカはユウナの襟首を掴み、持ち上げる。
ユウナ「ひぃっ」
トダカ「ぬぅううん!」
ユウナ「うあぁぁ!」
トダカはそのままユウナを投げ飛ばし、扉に叩きつける。
ユウナ「がっ・・・あっ・・・」
トダカ「総司令官殿をお送りしろ!貴様らも総員退艦!これは命令だ!ユウナ・ロマではない!国を守る為に!」
タケミカズチクルー「は、はい!」
アマギ「私は残らせていただきます!」
トダカ「駄目だ」
アマギ「聞きません!」
トダカ「駄目だ!」
タケミカズチが更に被弾し、その衝撃でアマギが転倒する。
ミネルバも「イゾルデ」が被弾し、ザクファントムの右腕がフリーダムに撃ち抜かれ、爆発した。
トダカ「これまでの責めは私が負う!貴様はこのあとだ!!」
アマギ「・・・いえ!」
トダカ「既にない命と思うのなら思いを同じくする者を集めてアークエンジェルに行け!」
トダカがアマギの襟首をつかみ、体勢を戻す。
トダカ「・・・ええい!」
アマギ「!?」
トダカ「それがいつかきっと道を拓く!」
アマギ「・・・トダカ一佐・・・」
トダカ「頼む!私と・・・今日無念に散った者たちのためにも!」
アマギ「!」
トダカ「・・・行け!!」

カガリ「あ、ああ・・・」

インパルスがタケミカズチのブリッジに近づく。
そこには、トダカだけが残っていた。
シン「うぁああああああっ!」
インパルスがブリッジに対艦刀「エクスカリバー」を振り下ろした。

かって、シンは家族を失った際にトダカに助けられていたが・・・

ブリッジを潰されたタケミカズチは大爆発。

カガリ「あぁあ・・・ああ!」

アマギ「・・・」
アマギ達脱出したオーブ軍、
そしてネオ達地球軍はトダカに向けて敬礼していた。

シン「くぅう・・・はぁ・・・」


(続く)

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最終更新:2019年01月02日 17:27